間Pと鯨岡Dに『DFF』の1年間の思い出や、今後の展開などを訊いた、インタビュー完全版!

公開日時:2017-02-13 20:00:00

DFF』の稼動開始から現在に至るまで、イベントなどでも精力的にユーザーと交流を深めている間プロデューサー(文中はハザマ)と、鯨岡ディレクター(文中は鯨岡)。稼動開始から1周年を記念して、週刊ファミ通2017年2月16日号(2017年2月2日発売)にて、間Pと鯨岡Dの過去のインタビューを振り返りつつ、『DFF』の今後の展開などをおふたりに訊いたインタビューを掲載した。ここでは、そのインタビューの完全版をお届けしよう。

01

1年を振り返ると……辛かった!?

――昨年の11月で『DFF』は1周年を迎えましたが、これまでを振り返っていかがですか?
鯨岡 端的に言いますと……辛かったです。
ハザマ ちょっと! 辛かった、なーんてね! って感じだよね? ね?(必死)
鯨岡 ポジティブなことを言うと……楽しかったです。
ハザマ 子どもの絵日記かよ!(笑)

――具体的には、どのような部分が楽しかったのでしょうか?(笑)
鯨岡 マジメに答えますと、クリエイターとしてアーケードタイトルを運営していくというのは初めての経験でしたし、プレイヤーとしても1年間遊び続けてきたので、“作り手と遊び手の両面”で作品に深く携われたことが楽しかったですね。開発スタッフもみんなプライベートで遊び続けていますよ。稼動時の勢いのまま、いいゲームにしようと1年突っ走ってきた結果、みんながついてきてくれたのかなと思うので、楽しくもあり、うれしくもあります。

――なるほど。ハザマさんはどうでしたか?
ハザマ バタバタしていた印象が強いですね。運営という面ではモバイルゲームはこれまで担当していましたが、アーケードは初めてで……。他社さんや弊社のほかのチームからも事前に、「こうなるよ、ああなるよ」と、いろいろな話は聞いていたんですよ。でも、聞いていた以上の大ボリュームだなと。
鯨岡 「もっとやったほうがいいのかな?」と思って、後から思えば足りていたことでも、それ以上にやっちゃうんですよね。
ハザマ やっちゃうね。本当に何をしたらいいのかわからないので、やってみてから考えようということが多かったんですよ。たとえば、マイスター制度を作ったり、交流会を開いて地方のゲームセンターへおジャマしたり、大会をやったりですとか。全部初めてのことです。これは事前に聞いていた“アーケードタイトルを運営していくうえで必要な要素”以上のことをやろうと決めた結果なんですが、どんどん自分の首を絞めることに(笑)
鯨岡 確かに(笑)。地方も回ったほうがいいと聞いては、交流会で全国に足を運び、ユーザーさんとはしっかりコミニュケーションを取るべきと聞いては、皆さんと積極的に交流して。そして、情報を出すときには、開発側から直接伝えたほうがいいと聞き、月1回のアップデートに合わせて生放送番組もやりました。ときどき「『DFF』の運営は、よくやってくれるな」と褒めていただけるんですが、僕らとしては必死だっただけで。とにかく泥臭い感じで動いてただけなんですよ。
ハザマ そうだね。話を聞く際も、いろいろな方に聞きました。高ランクのプレイヤーたちから話を聞くこともあれば、『FFXIV』の運営チームを参考にすることもありましたね。とにかくやれることは、全部やっていこうと。そして1年走り続けて、辛かった思い出は忘れたいので、最終的には「超楽しかったです」でまとめるって感じですね(笑)。

――運営の経験がなかったからこそ、アクセルを踏み続けられたのかもしれないですね。
ハザマ “経験がないから抑えていく”か、“経験がないから弾ける”か、どちらかだと思うんですよね。確実に僕らは弾けまくったほうで。
鯨岡 『DFF』シリーズという、PSP時代にたくさんのファンに支えられたタイトルとはいえ、本当に不安しかなかったですよ。「『FF』だからいけるだろう」みたいな気持ちは、微塵もありませんでしたから。考えられる全部のことをやってたら、いつの間にか1周年を迎えていました。1年経ったときに、「もう1年か」と、「まだ1年か」を両方言ってたくらいで。
ハザマ 「すごく長いあいだやってた気がするのに、まだ1年かよ!」って言ってたね(笑)。
鯨岡 パッチでどんどんバージョンが上がっていくわけですが、クジャの追加バージョンで現在、20番目のパッチなんですよ。

――約1年で20番目ということは、2ヵ月で3回以上のパッチを当てているわけですね。
鯨岡 19.5番目みたいなこともあったので、それを考えたら25~30回くらいはパッチを当てているかもしれません。

――そんな中、これまで運営をしていて想定外だったことはありますか?
鯨岡 予想以上に、アーケードユーザーの熱量がすごかったことですね。分母で言えば、家庭用版のゲームプレイヤーより、圧倒的にアーケードユーザーのほうが少ないんですよ。でも、アーケードユーザーはずっとついてきてくれて、僕たちに対しての暖かい言葉や、「ああしろ、こうしろ」というゲームへの要望もガンガン投げかけてくれます。ゲーム制作を続けてきて、人と人の付き合いをこんなに感じたのは、今回が初めてでしたね。いままではゲームを作って、「こういうゲームです」と一方的に提供することが多くて、インタビューなどがあれば、そこで補足をする程度でした。ユーザー間での議論は盛り上がるのですが、僕らはそこに参加できず、歯がゆく感じることもあるんですよね。でも今回は、「こうしました」と投げかけたものに対して「ありがとう」という意見もあれば、「そうじゃねーよ!」という意見ももらえて、さらに「ではこうしました」っていう対話ができたのが、本当にいままでなかった経験です。
ハザマ 本当に予想外だったのは、お客さんとの距離が、自分たちで考えていたものよりはるかに近かったことですね。生放送のコメントなどもそうですし、ゲームセンターで話しかけてくれることもいっぱいあります。それがすごくいい関係性だなと感じていますね。
鯨岡 想定内だったことは、ひとつもないんです。スクウェア・エニックスの運営メンバーもそうですし、コーエーテクモゲームスさんの開発スタッフさんたちも、こんなに自分たちで『DFF』を遊ぶとは想定外ですよ。逆にプライベートで遊んでいないスタッフを見つけるのが難しいくらいです。コーエーテクモゲームスさんのスタッフさんたちなんて、仕事が終わるとグループでゲームセンターに寄って帰るくらいですし(笑)。
ハザマ 自分たちも仕事終わりとかに、弊社から出撃したりするんですよ。するとそのコーエーテクモゲームスさんのスタッフさんとマッチングしたりして、「あれ、この人そうだよね!?」と(笑)。
鯨岡 「間違いない、ぶっ倒せー!」ってね(笑)。
ハザマ で、返り討ちに合うんだよね(苦笑)。
鯨岡 熱意がすごいんですよ。コーエーテクモゲームスさんで作業していたときに、新人さんが上司の方に怒られていたんですが、その話をちらっと聞くと「あそこでステップするのはないよね」と、『DFF』の立ち回りで怒られていて。
一同 (笑)。
鯨岡 それぐらいプレイしてくださってる熱意があるからこそ、すごく話が通じやすいですね。だから、「こういう変更をしたいです」ってお話をすると「待ってました! 準備しておきました」というリアクションで動いてくださるので、とてもやりやすいです。スタッフの中でキャラクターごとの使い手がいるので、その人たちに意見を聞いたりもしていますよ。
ハザマ 本気でプレイしているからこそ、それがそのままプレイヤーの声になるわけですからね。
鯨岡 テストプレイも皆さん本気で「召喚召喚!!」とか大声が飛び交う中でテストしてますから(笑)。

02

――それはすごい熱量ですね……! では、運営していく中で、実現できたことや、逆に実現できなかったことはありますか?
ハザマ できたこと、できなかったことで分けると、できたことのほうが多いと感じています。ただし、そのクオリティーや精度に関しては、まだまだいけると思うんです。自分たちの中でやり切ったような感覚はひとつもなくて、「つぎにやったらもっとうまくできるのでは?」という気持ちもありますね。
鯨岡 全力でやっているぶん、どうしてもこぼれてしまうものや、些細なミスをおかしてしまうこともありました。調整面で言えば、ヤ・シュトラの“スピリチュアル・レイ”や、ジタンの“タイダルフレイム”などが強すぎた時期ですね。土壇場で少し調整を加えた結果、それが露骨に影響を及ぼしてしまったりですとか。
ハザマ 長い開発期を経てマスターアップし、発売するっていう家庭用タイトルの動かしかたとは違うので、毎月アップデートで何かしら山があって、そのたびに学園祭の前日みたいな気分になるんですよ。しかもリアクションが2週間後ぐらいには見えてくるわけで。
鯨岡 基本的に木曜日がアップデートの日なので、結果だけならその週の土日だけでもある程度把握できるんですね。そこで「あの技がやばい」みたいな反応が見えてくると、開発もザワつきます。当然テストプレイは重ねていますが、プレイヤーの皆さんのプレイ回数には到底及ばないので、いかにテストで問題点を発見し、潰せるかにはすごく気を遣っています。
ハザマ 我々が想定した以上に反響が大きいケースもあれば、鯨岡のほうでしっかり調整したものの、プレイヤー側では賛否両論っていうケースもありますね。ほかにも、正確な情報を出したのに、間違った情報が流れてしまうこともありました。
鯨岡 ラムザの“ためる”の時間を0.5秒短くしたときは、ユーザーのあいだで「1秒くらい短くなってる!」とちょっとした騒ぎになったんですが、単なる勘違いだったこともありましたね(笑)。
ハザマ ただ、調べ直したときに、本当の不具合であることがわかる場合もあるので、鯨岡含め、開発陣はユーザーの反応をしっかりと見ていますよ。
鯨岡 アップデート頻度が高いと、それだけユーザーの皆さんの研究も進むわけですから、いろいろな意見が氾濫して、取捨選択がたいへんな部分もあります。対戦バランスに関して、クリスタルクラスの人の意見が基本的には正しいのかとは思いますが、それだけを見てしまうと、ゴールドやプラチナクラスの人たちが楽しめないゲームになる可能性も大いにあるわけですから。

――確かに、それは難しいところですね……。
鯨岡 クジャ解放のタイミングで召喚獣の調整も行いましたが、それまでの環境ではアレクサンダーが強いという意見が多い中、ステージによってはイフリートも強いという意見もありました。そういったユーザーさんからの反応をギリギリまで見ています。
ハザマ 最終的にそういった調整の判断は鯨岡がやりますが、判断の根っこにあるのは開発やプレイヤーの皆さんの意見なんです。
鯨岡 と言っても、それを全部鵜呑みにするのはよくないですからね。
ハザマ そこが鯨岡といっしょに仕事をしていて、おもしろいところなんですよ。ただ数値をいじるだけの調整をせず、あの手この手で調整を加えていって、絶妙なところに落とし込むんですよね。お客さんに味が薄いと言われたから塩を振る、という料理人は一流とは言えないと思うんです。ご要望以上の味付けにしないと。
鯨岡 最近、クラスポイントの増減に関して調整を行いましたが、上位のプレイヤーはクラスの価値がよりハッキリして「待ってました」という意見が多い一方、中堅くらいのプレイヤーからは「ランクが上がらなくて、つまらない」という意見も増えてきています。
ハザマ いやーホントキツいなー。僕もつまんないなー。
鯨岡 ……(ハザマさんに視線を合わせずに)。という意見もありますが、そういった点はよりよい形に精査していきたいですね。決してハザマさんを優先するようなことはせず。

――(笑)。そういった調整の最終判断は、鯨岡さんのプレイ感触が判断の基準になるのでしょうか?
鯨岡 それもありますが、たとえばバトルなら、自分の頭の中にトッププレイヤーの幻影があって、その人たちがぶつかったらどうなるのか、というところも含めて考えています。僕自身、プレイヤーではありますが、うまいわけではないですから。まずは理屈で考えて、その後自分でも触って落とし込んでいきます。たとえば「セシルの“暗黒”が、SHOOTの強判定に消されたらセシルの強みがなくなる」と考えたときに、「非干渉にすることで、相手の魔法もくるけどセシルの強みも活きるようにしよう」と考えたりしているわけです。最後にそれらが初級者、中級者の人たちにとって難しすぎないか、という見直しを行って完了です。

――そういうところが、ハザマさんから見ると絶妙な調整になっていると。
ハザマ そうなんです。プロデューサーっていろいろなタイプがいますが、自分は開発内容に口出しすることはないですから、ある意味最初のお客さんになれるのもおもしろくて。
鯨岡 調整内容はいっさい教えないですけどね(笑)。
ハザマ そう、教えてくれないんですよ! だからこそ、料理が目の前に運ばれてきて「おお、こういう味の料理なんだ! うめー!」って素直に食べられる。自分からしてもビックリできるものを作ってくれるのが、おもしろいですね。

03

家庭用版や、“やわらかエンジン”の行方は?

――ここからは、過去の本誌に掲載された稼動前のインタビューをチェックしつつ、当時の発言について改めてお聞きします!
ハザマ 怖いね!
鯨岡 何を言いましたかね!?

――まずは軽いジャブを……。コーエーテクモゲームス・Team NINJAの早矢仕洋介さんが「鯨岡さんはいつもウチのオフィスにいます」と発言していますが、現在は……?
鯨岡 はい、います(笑)。毎月のアップデートの1~2週間前は強化週間みたいな感じで、コーエーテクモゲームスさんで作業していますね。だから、スクウェア・エニックスには月の半分くらいはいません。
ハザマ そうなんだよね。かわいそうなのが、“神々の闘争”の期間と、その強化月間が被っているから、キャラクターの先行解放をディレクターができないっていうね(笑)。
鯨岡 エースのときは全国大会の準備もあって、神々の闘争は合計400ポイントくらいでしたからね(笑)。なので今回は、クジャの先行解放分はしっかりと稼ぎましたよ!

――いまだに変わらず、コーエーテクモゲームスのオフィスにいると。コーエーテクモゲームスつながりの話題と言えば、『デッド オア アライブ』シリーズに搭載されている、“やわらかエンジン”の実装についてもお話しされていましたが……。
ハザマ あー、ありましたね。でも、現在のキャラクターラインアップに、やわらかエンジンは必要なのかなと。
鯨岡 クジャのお尻とかですかね?
一同 (笑)。

04

ハザマ 早矢仕さんからは「いいですよ」と言ってもらっているので、いつかふさわしいキャラクターが出れば、という感じでしょうかね。
鯨岡 『ディシディア デュオデシム FF』にティファが参戦した際、これだけ胸が大きいなら逆に揺れないと変だよねってことで、揺れるようにはしたんですよ。ユウナとかは揺れないですし、必要を迫られないと入れる必要はないかなと考えています。
ハザマ できる、できないで言えば、ぜんぜんできると思います。ただ、必要性を感じないということと、いまの運営スケジュールの中で、その工程を入れるよりももっと先にやることがあるというのが正直なところですよね。

――ではまだ、希望は持っていいということですね。
ハザマ もちろんです。ただ、優先度はいまのところは低いということです。

――じゃあ待ってます……。つぎに鯨岡さんの発言ですが、「キャラクターだけでなく、召喚獣、ステージなども追加していけたらいいなと考えています」というコメントについて。
ハザマ おお、実現できてますね。

――さらに鯨岡さんは、「キャラクターは50体くらいをピックアップしています」とおっしゃっていました。
鯨岡 いろいろと波紋を呼んでしまった発言ですが、それはピックアップしていただけですから! でも、現状20キャラクターまでは出せました。1年で6キャラクターという結果に「物足りない」という声も多いんですけどね(苦笑)。

――これからもキャラクターは増え続けていく、というわけですね。
鯨岡 もちろんです。ただ、PSP版を経ているぶん、追加キャラクターたちに既視感があるのが少々辛いところですね。たとえば別タイトルで、誰も予想できないような完全オリジナル新キャラクターが追加……となったら「おおっ!」という反応になりますが、「セフィロスなら、八刀一閃や獄門を使うんでしょ?」とある程度予想できてしまいますから。
ハザマ 『FF』であることが強みでもあるんだけど、同時にそういう弱みもあるよね。

――キャラクターの追加ペースが遅いと感じているユーザーは、PSP時代に出ていたキャラクターなら、すぐに出せそうという印象があるのかもしれません。
鯨岡 それはあると思います。ただ、完全にイチから作り直していますし、キャラクターにはすべて違いを持たせたりしているので、暖かい目で見ていただければと。今後も追加のペースは落とさないよう努力します。
ハザマ HP攻撃の性能も考え直してるもんねぇ。
鯨岡 そうですね。いちばん開発で悩んでいるところが、HP攻撃のバリエーションなんです。稼動前はどういう環境になるか見えないこともあり、いろいろなHP攻撃のバリエーションを生み出せました。でもいまの環境に合わせると、ある程度タイプが絞られてくる。たとえばSPEEDタイプでしたら、オーソドックスな“竜牙竜爪”、至近距離の“雷光斬”、周囲に範囲攻撃を仕掛ける“ソリューション9”のようなHP攻撃が欲しいよね……と、だいたい決まってしまうんです。でもそうなると、代わり映えがしないのも事実で。新しいキャラクターを追加しても、ほかの技名を出して「〇〇みたいな技」でだいたい説明できちゃうんですよ。だから現在は、ひとつは変わったHP攻撃を入れています。もしそれが使われなかったとしても、それをもとに調整を重ね、キャラクターの特徴を活かした技に仕上げていきたいなと考えています。

――なるほど。バリエーションについては、サーチ系の攻撃があるかないかも、難しいポイントではありますよね。
鯨岡 たとえば、エースの“ファイアRF”は、サーチ技以外の主力となり得る攻撃を作りたいという意図がありました。今後も、そういった攻撃を考えていくことで、ゲーム内に新しい風を送り込めるといいなと。そういう意味では、HP攻撃がバランスよく選ばれているラムザの各HP攻撃の使用比率が理想的です(笑)。

05

――それではつぎの発言なのですが「コスモスとカオスに変わる、ふたりの神様のうち、どちらかの勢力に所属してユーザーどうしが戦いをくり広げることになります」と、鯨岡さんがおっしゃっていました。これは“神々の闘争”そのものですね。稼動直前のインタビューでは、最初から実装するとプレイヤーがたいへんなので、少しだけ後に実装とも言っていますね。
ハザマ 結果的には、少しだけじゃなかったですね(笑)。
鯨岡 当初は稼動の3ヵ月後くらいに入れたいと考えていましたが、気がつくと相当後に導入される形となりました。やはり優先度的に、バトルがおもしろくないとそもそも成り立たないシステムだったので、とにかくキャラクターやバランスに手を加えることに力を入れていたら……。
ハザマ 「闘争なんてやってる場合じゃねえ!」という感じだったよね。それで「それだったらいっそ、ブラッシュアップをしていって、大会に合わせてしまおう」という話になったんです。そしてその後、無事に実装されて、第4節まで迎えることができました。
鯨岡 当初予定していたものよりもシンプルにはなっていますが、テンポよく連続してバトルしていくというゲームの遊びかたが、ユーザーにしっかり根付いていたので、これくらいがほどよいと考えました。ただ、まだまだ課題はあると思うので、引き続き調整は加えていくつもりです。クジャ解放の際に行われた第4節での問題点も、第5節に向けて手を入れていくことになります。

――神々の闘争のアップデートも続いていくと。また、このころすでに大会のお話が出ていまして、「トッププレイヤーと呼ばれるユーザーが出てきたときに、仲間意識が持てたり、目標にしたいと思われる存在になってほしいです。先々、公式大会を開催できたら、このプレイヤーを応援しようというような流れができるといいですね」ということをお話しされています。大会もしっかりと開催されましたね。
ハザマ でも、俺らアホみたいだね。何も知らないのにこんなこと言ってたんだから(笑)。
鯨岡 そうですね。このころは、ただの希望みたいなもんでしたからね(笑)。ただ、本当に優勝チームに憧れている人が実際にいたりしますし、このキャラクターと言えばあの人、みたいな流れもできているのはとてもいいことだと思います。

――去年の大会を振り返ってみて、いかがでしたか?
ハザマ 自分らは楽しかった思い出ばかりですが、お客さんにとってはどうだったのかとか、プレイヤーの皆さんがスタープレイヤーのような存在になれたかというと、それはまだまだ足りないと思うんです。
鯨岡 イベントとしても楽しめるし、強いプレイヤーを見ても楽しめるようなイベントをもっとやれるといいですね。
ハザマ 大会はもちろんメインにしつつ、イベント的な部分も楽しんでもらおうと試行錯誤したわけですが、ちょっとまだ足りてなかったという感覚があります。2016年12月24日~25日に開催された“ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル2016”にお邪魔させていただいたのですが、もう本当にお祭りでした。勉強になりましたね。今後もプレイヤーの皆さんに楽しんでいただけるようなイベントは、どんどん開催したいです。

――大会は今後も開催されるのでしょうか?
ハザマ 大会の場は絶対に作らないといけないと思っています。時期はまだまだ決まっていないですが、2回目も必ずやります!

――期待しています! ではつぎに、ハザマさんは過去の発言で「店舗のご担当者様向けの研修制度を導入します」とおっしゃっていましたが、これはマイスターのことですね。マイスターの現状についてもお聞きできればと思います。
ハザマ 登録人数はとても多く、なかには我々が期待した以上に、精力的に活動してくださっている方もいらっしゃいます。マイスターに関しては本当にやってよかったと思っていて、とくに地方のゲームセンターにお邪魔したときにすごく感じたのが、マイスター店舗に行くとゲームセンターの空気ができあがってるんですよね。『DFF』ゾーンが遊びやすくなっていて、場所もそうですし、マイスターの人の立ち位置がしっかりしているので、新規の人も入りやすい環境になっていました。これは今後もしっかりと続けていきますよ。

――マイスター称号なども追加されて、ゲームのほうにも広がりが出ましたよね。
ハザマ 称号に対しても、考えかたが変わりましたね。ここまでモチベーションになるとは思いませんでした。当初は、めちゃくちゃ手間暇かかるし、本当に必要なのかピンと来なくて。でも鯨岡含めて周囲が「絶対に必要!」と言うので、「とりあえず、やってみるか……」と導入したら、「称号すげーいいじゃん!」と(笑)。

――(笑)。あとは、週刊ファミ通2017年1月26日号に掲載された、“ゲームクリエイター110人に訊いた2017年の抱負”で、家庭用ハード向けの『DFF』の話題が飛び出していました。こちらについても突っ込んでいきたいな、と。

≪ハザマPの抱負≫ 「『DFF』の家庭用版はオリジナルストーリーやりますよ!」って、哲さん(野村哲也氏)からコンセプトとデザインをいただくまではよかったのですが、そこから相当経ってるけど、いまだアレだったり、「アーケード版のリリースから1年は家庭用で出しません!」という公約は守ったけれど、余裕で何事もなく2年目に突入したりとかしてまして、誠に申し訳ございません。超がんばります。

≪鯨岡Dの抱負≫ おかげさまで1周年を迎えたアーケード版『DFF』ですが、このゲームの熱量をより多くのお客様に届けるために、日本だけでなく世界に向けた、さまざまな仕込みを進めていきます。世界中からプレイヤーが集まる大会が開催できたら……なんて、想像するだけでテンションが上がる! でも、苦手な飛行機に乗る機会が増えそうなことだけは、いまから憂鬱です……。

ハザマ 直近で発表できる機会があったとしたら、2017年1月31日の“ファイナルファンタジー生誕30周年 Opening Ceremony”に自分も登壇していたと思います。で、登壇しませんでした。早い話、現状皆さんのご期待に沿えるくらいのバリューのあるものは、私たちのほうではご用意できていないんです。家庭用版ではストーリーを期待されている方が多いと思いますが、もちろん準備はしています。しかし、本作のメインはバトルであることに変わりはありません。しっかりとした対戦ツールに仕上げつつ、それ以外の要素もさらに充実させるには、もう少し時間がかかります。

――なるほど。続報を期待しています。また、鯨岡さんの今年の抱負には“世界に向けた”という発言がありましたが……!?
鯨岡 アーケード版だけではすべてのお客さまにお届けできませんので、その準備を始めますということです。現在の海外って、eスポーツ界隈の盛り上がりがすごいじゃないですか。そこに対して、僕らも行けるという可能性を感じています。世界でチームバトルの『FF』を楽しんでもらいつつ、練度の高い対戦ツールとして輸出できたら、eスポーツの種目のひとつとして盛り上がるかもしれません。そうなったら、そのつぎは世界規模の大会になるわけですよね。あまり大きなことは言えないですが、そういった野望を掲げて『DFF』をよりいいゲームにしていきたいですね。

――それでは最後に、読者の皆さんと『DFF』のプレイヤーに向けて、メッセージをお願いいたします。
鯨岡 『DFF』の持つ熱量を、もっと広げたいと思っています。プレイヤーの皆さんの意見もいただきながら、どんどんゲームがおもしろくなっている実感もあるので、そこをより多くの人に届けたいですね。家庭用版の話も今後出てきますが、アーケードユーザーが失望するような結果にはしませんし、どちらもしっかりと楽しめるものにしていきます。家庭用版のせいでアップデートが遅れるなんてこともありません。全力疾走を続けて、いろいろなチャレンジをしていきますので、今年もよろしくお願いいたします。
ハザマ 年齢も性別も地域も関係なく、できるだけたくさんの方にプレイしてほしいです。年齢については、現に46歳のプレイヤーがここにいます(笑)。とはいえ負けるつもりはありませんので、「全プレイヤーを倒す!」という気構えでどんどんやっていこうと思います。稼動前のインタビューでも宣言していた通り、1周年を迎えたいまもこれからも「誰の挑戦でも受けます!」ので、NESiCAカードを磨いて待っていてください!
鯨岡 ところでハザマさんはいつアダマン……いやクリスタルクラスになるんですか? いまダイヤですよね。
ハザマ ……1年ください! 1年経ったらアダマンAになるよ!
――宣言しましたね? ハザマさんのクラスアップも楽しみにしています!!

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