『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』公式ニコ生でネタ記事の線引きを探る

公開日時:2016-11-09 18:15:00

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▲近未来的なスタジオに遊びに行った。

 2016年11月5日に、PC用オンラインFPS『攻殻機動隊 S.A.C. ONLINE』公式ニコ生番組の配信現場を見学してきた。

 『攻殻機動隊 S.A.C. ONLINE』は2016年11月2日にオープンβテストが始まったばかり。いろいろな記事を書きたいと思っているので、ひとまず運営会社のネクソンさんがどんなことをするか見ておきたかった。

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▲『攻殻機動隊 S.A.C. ONLINE』は、原作の“スタンドアローンコンプレックス”という現象をシステムで表現したFPS。詳しくは下記のインタビューをどうぞ。

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 要は、ふざけてオーケーな空気があるか確認したかったのである。『攻殻機動隊』は文化的な価値すらあるコンテンツだと思う。それを題材にしたゲームでネタ記事を書いていいものか。好き勝手にやって後で怒られるのはいやなので、線引きを探りたい。

 企画もの記事が好きな僕にとって下調べは大切だ。意気揚々と企画を持ち込んだら「イメージに合いません」と真顔で却下されたことが過去に何度かある。あれはつらい。それ以来、ネタに寛容なメーカーかどうかを確かめるようになった。消極的な成長。

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▲イメージは大切ですよね。

 今回のニコ生は“攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」笑い男事件セレクション一挙放送”攻殻機動隊S.A.C. ONLINEオープンβテスト記念放送 ゲームプレイ特番の2本立てだった。

 ファンに一挙放送を楽しんでもらい、その合間にゲームのほうも見てもらいたかったのだと思う。

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▲スタジオ内に見知った顔があって安心する。

 スタジオに到着すると、FPS好きライターのBRZRKさん(上の写真のマスクしてる人)やFPS大会などで実況を担当するOoodaくん(上の写真のメガネの人)が準備をしていた。

 このふたりを見て確信した。大丈夫だ。いける。きちんと敬意を払ったネタなら、少しくらいふざけても許してもらえるに違いない。僕が彼らにどういう印象を持っているかは説明を省く。察してほしい。

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▲BRZRKさん(中)はとあるFPSで日本代表になったこともある。FPSのコツは「やられる前にやること」だそうです(少しマイルドな言いかたに直しました)。

 ほかの出演者は、野呂陽菜さん、茸(たけ)さん、猫マグロさん、初音さん。前述のふたりと合わせて6人。

 MCの野呂陽菜さんはレースクイーンとしても活動するモデル・タレント。東京ゲームショウ2016の『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』ブースにも出演しており、取材した僕のことを覚えてくれていた。僕はもうファンだ。応援してます。

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▲女性オペレーター(通称オペ子)の衣装が似合う。

 本作の基盤は“オンライン対戦ゲーム”ということで、対戦の楽しさを伝えるために人気実況者の茸(たけ)さんと猫マグロさんも出演。おふたりとは初対面だったのだけど、きちんとあいさつするのを忘れていた。

 「派手なスタッフいるなー」くらいに思われていたかもしれない。

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▲左が茸(たけ)さんで、右が猫マグロさん。ふたりとも顔を隠しているけど、たぶん本物です。

 最後のひとり、初音さんはゲームやサバゲーが好きなモデルだ。彼女がFPSをプレイするきっかけとなった企画を取材したことがある。久しぶりに会えてうれしかった。

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▲一見するとふつうのおしゃれ女子。

 初音さんは当時と比べて格段にうまくなっていた。ふわふわした雰囲気の女子なのに、試合が始まると目つきが鋭くなって口数が減る。学園もののバトルマンガだったら、クラスのマドンナがじつは冷酷なエージェントみたいなパターンである。怖い。

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▲だが、かよわい女子枠ではない。

 番組では、最初の1時間でゲーム概要を説明し、その後は視聴者も交えてひたすら対戦。本作にはデモリッション(いわゆる爆破モード)、チームデスマッチ、コンクエストの3つのモードがある。なかでも試合展開が目まぐるしく、わいわい戦えるコンクエストが配信と相性がよかった。

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▲コンクエストモードにはタチコマも出る。正式サービス時にはタチコマに乗って戦えるらしい。

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▲やられた瞬間、くやしさのあまりマスクを脱ぐ茸(たけ)さん。

 ネクソンさんはいつも僕に自由にやっていいと言ってくれる。それでも難しい顔をした人がいたらどうしようという不安は拭いきれないのだけど、配信現場に堅苦しい雰囲気はなかった。安心。

 『攻殻機動隊』を茶化すのはファンに悪いので(僕だって自分の好きな作品を茶化されたらいやだ)、ネタ記事ではゲームの部分をフィーチャーしたい。少しだけ記事の方向性が見えた。

 これからもふざける強い意志をもって記事を作りたい。

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▲少しだけ新情報も発表。正式サービスは2016年11月末を予定しており、11月16日にはデモリッションに新マップ“ジオフロント”が実装される。

 なお、今回の放送でいちばん喜ばしかったのは、番組開始時は操作すらままならなかった野呂陽菜さんが、およそ2時間後には狙いどおりに撃てるようになったことだ。ひとりのFPSプレイヤーの成長に立ち会えた。光栄の極みである。

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▲おつかれさまでした。

 楽しい放送を見て気分がいいので、ついでに気になっていたことも書いておこう。

 こういう版権もののゲームは「それっぽいか否か」を気にする人が多い。パッと見の印象で「全然違う」なんて断言する人もいる。そういうのは悲しいので、せめて遊んでから言ってほしい。

 攻殻機動隊ファンのみなさんには、冒頭でリンクを貼ったインタビュー記事の「どうやって“スタンドアローンコンプレックス”という現象を表現したか」部分を読んでほしい。僕は「そういうことか!」と興奮した。

 『攻殻機動隊S.A.C.』のジャンルになぜFPSを選んだのか、ずっと不思議に思っていたのだけど、話を訊いたらすとんと腑に落ちた。キャラや作品の雰囲気だけでなく、哲学的な要素をもゲームシステムに落とし込んでいる。これは興味深い。

 『攻殻機動隊』ファンは奥のほうに仕込まれた哲学まで含めて愛しているだろうから、うまいこと伝わるんじゃないかなと思う。

※再度リンクを貼っておきます。
『攻殻機動隊S.A.C. ONLINE』スタンドプレイから生じるチームワークとは? “攻殻”の哲学をゲーム化した開発者に訊く


『攻殻機動隊 S.A.C. ONLINE』公式サイト

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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