ゲームでも早慶戦が勃発――早稲田と慶応の微妙な関係『ブラウザ キングダムライジング』

公開日時:2013-09-06 00:00:00

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 2013年夏、ブラウザタイプのシミュレーションRPG『ブラウザ キングダムライジング』で早稲田大学と慶応義塾大学の決戦、いわゆる“早慶戦”が行われた。結果としては早稲田軍の勝利。慶応軍が勝っていたら“慶早戦”と表記するつもりでした。

——<<早慶戦ルール>>——

<<早慶戦ルール>>
1.早稲田軍と慶応軍のどちらかに所属して合戦を行い、相手の大将軍城を陥落させるか合戦ポイントが多いほうの勝利

2.合戦に参加できれば誰でも参戦可能

3.イベント期間中は休戦期間なしの特殊ルールを採用

4.勝利勢力全員に“SR鄒氏”プレゼント

5.勝利した大学の軍の代表者(企画に協力したサークル)には現金100万円をプレゼント

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 僕は野球好きなので、早慶戦と聞くとどうしても大学野球をイメージしてしまうのだが、ほかのスポーツやスポーツ分野以外の交流戦(討論会なども含めて)でも、早慶戦の名を冠することが多いようだ。

 永遠のライバルの代名詞として語られることも多い早稲田と慶応。スポーツ系の関係者が相手をライバル視するのはわかるのだが、そうじゃない一般の学生はどう考えているんだろう。

 どんな気持ちでこの早慶戦に参加したのか、表彰式に出席した両陣営の学生に話を聞いた。

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▲マーベラスAQLが運営するブラウザタイプのシミュレーションRPG。三国志に登場する武将を集めつつ領土を開拓し、合戦で覇を競う。

★ヒールを演じた(?)早稲田軍

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▲早稲田軍の佐藤史隆くん(左)、福島一貴くん(中)、瀬上貴裕くん(右)。

 早稲田軍は3名が表彰式に出席。3人ともオンラインゲーム経験は浅く、今回の企画がプレイのきっかけ。まんまと運営サイドの策略にはまった形である。

 とはいえ、もともと凝り性だったようで、考えながら遊ぶ『ブラウザ キングダムライジング』は相性ぴったりの様子。

 この3人はサークル内でもとくにハマッたほうで、「長いときは1日16時間くらいPCに張り付いていました」。つねにSkypeでメッセージが飛び交い、誰かが6時間寝てるあいだは必ずほかの2人が起きているというシフト制を敷いていたとのこと。サバイバルみたいな状況だ。そういうの映画かマンガで見たことあるぞ。

 急にオンラインゲームにはまって疲れなかったのだろうか。「JINSにPC用メガネを買いに行きました。これで24時間戦えるぞ、と」。目の疲れ対策もばっちり。これでJINSさんに内定が決まっていたら面白かったのだが、さすがにそれはないみたいだ。

 プレイスタイルを聞いたところで、いちばん気になっていた質問をぶつけた。

ユースケ「早稲田と慶応ってスポーツの世界ではライバル関係じゃないですか。そういう感覚ってスポーツ以外でもあるんですか?」

早稲田軍「“慶応には負けるな”って先輩方に叩き込まれてますね。慶応関係で愛していいのは1万円だけ」

 愛していいのは1万円(福澤諭吉)だけ。名言である。法政大学や明治大学に負けてもそれほど関心はないが、慶応に負けると学内がざわつくのだそうだ。

 早稲田軍の3人はことあるごとに慶応を敵視する発言をしていたが、途中からそういうギャグみたいに思えてきた。アメトーークに出演したら、きっと「ぼくたちは、慶応敵視芸人です!」と言って登場する。

 なお、100万円は学校全体に還元するようなイベントの費用として使うそうだ。このときの取材では、名物のわせ弁(安くて高カロリーの学生御用達弁当)を無料、もしくは格安で振る舞いたいと言っていた。

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▲揚げもの満載のカロリー弁当、わせ弁。

 こういうノリ、いかにも大学生っぽくていいですね。

★慶応軍「自分たち以外に早稲田が負けるのは嫌」

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▲慶応軍の高宮悠太郎くん。こんな写真しか撮れてなかった。ごめん。

 慶応軍からは1名が表彰式に参加。ほかの人は予定が合わなかったみたい。

 慶応軍の高宮くんはゲーム機がない家庭で育ったため、今回の早慶戦で初めて本格的にゲームに取り組んだ。スマートフォンの簡単なアプリくらいは触ったことがあるが、“ゲームのために時間を使う”こと自体が初めての経験。

 同盟員から施設を建てるための資源を提供してもらったり、人と人とのつながりにも感謝しつつ、楽しんでプレイしていたようだ。

 先に早稲田軍に話を聞いたため、プレイ時間を聞いたら謙遜していたが、「1日4~5時間で、マックス8時間くらいですね」。いや、十分やってると思うぞ。

 慶応軍にも「早稲田をライバル視していますか?」と聞いたところ、

慶応軍「勝ちたいというより、負けたくないですね」

 やや控えめな回答。先輩を含む周りの風潮がそういう感じなのだろうか。

慶応軍「周りがそうだからというのもありますね。ゲームでも、早稲田と勝負すると聞いてテンションが上がりました。でも、決して嫌いなわけじゃなくて、いいライバルだと思っています。箱根駅伝とかで早稲田と明治が競っていたら、絶対に早稲田を応援しますし」

 さわやか好青年ここにあり。ここに来て慶応軍が株を上げた感がある。どうする、早稲田軍?

早稲田軍「でも、勝ったのは早稲田ですから」

 早稲田軍のみんなはライバル心むき出しなキャラ作りが徹底している。嫌いになれない。

★まとめ

 スポーツ以外でも早稲田と慶応はライバル関係だった。

 本作の運営プロデューサー・中村拓人さんは「正直、学生のみなさんが思ったより上位に食い込んだのが意外でした。同盟も活発に動いていただいて、なかなかいいイベントになったんじゃないかと思っています。早稲田のムービー(早慶戦特設サイトで見られます)は正直どうかなと思ったんですけど(笑)、まぁ話題になってよかったのかなと」とコメント。

 ゲームを使って因縁のライバルが対決するのはおもしろい。マーベラスAQLさん、できればまた違ったライバル対決も企画してください。よろしくお願いします。

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▲お互いの健闘をたたえて握手。

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▲おつかれさまでした!

『ブラウザ キングダムライジング』公式サイト

早慶戦特設サイト

『ブラウザ キングダムライジング×ファミ通.com』

(C)MarvelousAQL Inc.

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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