MMORPGで育む親子の絆にふれてきた。『新・天上碑』

公開日時:2013-04-23 00:00:00

hxhZWiOW465gCyAe999XM62hoV48tDF1

▲10周年を指で表現。

 2013年4月21日、ゲームオンが運営するMMORPG『新・天上碑』の10周年記念イベント“新・天上碑感謝祭~天壌無窮~”が開催された。

 開催場所はヒルトン大阪のホール。当初は“ユーザーといっしょにご飯を食べながらトークをする食事会”みたいなイベントを企画していたらしいのだが、偉い人が「10周年という節目なんだから、ちゃんとしたかたちでやろうよ」と言ったので、ユーザーを招いたカンファレンス形式になったらしい。

 『新・天上碑』のユーザー層は大人が多く、親子で遊んでいる人も少なくないという話も聞く。親子でオンラインゲームを遊ぶって、どんな気持ちだろう。興味があったので僕も遊びに行き、直接聞いてみることにした。

 妙に仰々しいタイトルになってしまったことについては少し反省しています。

★スーパーボールすくい in 一流ホテル

KGz2jNhET92ONQAVt8FEtE5x4KpI6VSd

▲おみくじはコンパニオンさんが担当。

 会場に入るとアトラクションコーナーが目に入った。おみくじ、ハイ&ロー(トランプ)、スーパーボールすくい、スロットのコーナーがあり、遊ぶと成績に応じてゲーム内アイテムのシリアルがプレゼントされる。スーパーボールすくいのコーナーを切り盛りしていたのは地元のおじさんとおばさんだったようで、その一角だけ地元のお祭り感がすごかった。

sEWmaravl822EOPI6fvCJKk7MvTOY8u8

▲すごいスピードでスーパーボールをさばく。

pWtH7M99tDuKU3i9DJTyir6tlW69n9IT

▲お父さんも楽しんでいた。

rIt97k37BxwAdFvYc9OZ4oo3u3d1372P

▲ハイ&ローは勝つたびにアイテムチケットが増えていく。

 来場したユーザーさんたちは見事に年齢層がばらばら。年配の方もけっこういて、ご友人同士と思しきおじさんふたり組がスーパーボールすくいでキャッキャしている姿も見受けられた。ゲームのイベントであることを忘れそうになる光景だ。

 親子連れも3組ほど。あるご家族に「みなさんで遊んでるんですか?」と、聞いたら、おもにお父さんがはまっているとのこと。課金はお小遣いの範囲内でやりくり。がんばれ。当ブログは全国のお父さんプレイヤーを応援しています。

★意見が飛び交うカンファレンス

 ゲームオン代表取締役社長のイ・サンヨプさんと開発元であるGameOn Studio CEOのキム・ジョンチャンさんのあいさつからイベントはスタート。ゲームオン創業時からサービスしているタイトルだけに、思い入れも強いようだ。足を運んでいただいたユーザーにしっかりと感謝の気持ちを伝える。

Adj8Ml6RzB34g6x7TM98s5171Fvw8nS6 cO4o84F997TvagQFZVgm4WaZXref9yj3

▲ゲームオン代表取締役社長のイ・サンヨプさん。

▲GameOn Studio CEOのキム・ジョンチャンさん。

YS42B58aDL2n2ppUysrGYUFOm6Q8Pg37

▲ゲームオン第一事業部グループ長の石井英貴さん(左)と『新・天上碑』運営プロデューサーの石元一輝さん(右)。石井さんはおもにスライドをめくる作業を担当。

 カンファレンスがスタートすると、ゲームオン第一事業部グループ長の石井英貴さんと『新・天上碑』運営プロデューサーの石元一輝さんが登壇。2013年のアップデート計画について語った。

 失礼かもしれないが、ふたりが並ぶと漫才師みたいだなと思った。コンビ名はイシイイシモトだろうか。メインでしゃべっていたのは石元さんで、石井さんはスクリーンの画面を操作しつつ合間にコメントを差し込む。この辺の役割分担もツッコミとボケっぽい。


 声優・小山力也さんのナレーションが実装されるという説明時に披露した、

石元「4月24日に実装されます」
石井「トゥエンティーフォーに」

 というボケはあまりウケなかった。小山力也さんが『24』のジャック・バウアーを演じていることを説明しなかったのが敗因だと思う。

 このように、石井さんはちょいちょい小ボケを挟んでくるのだが、石元さんはほとんどスルーしていた。石井さんのほうが上司のはずなのに。ふたりの関係はぎすぎすしていないだろうか。心配だ。

Oo3Y5BOd6S9bx74iXD758zd4W1Q4k7O6

▲2013の大きなアップデートは3つ。

yQx8PDYmSppYAtrafg78y1Pr17Gr3wVO

▲石井「トーナメント表みたいですね。甲子園的な」
 石元「ああ、はい。夏の甲子園のころに実装されると覚えてもらえれば」

OD9QASgysaGGd4ZZu8Cn27qtgHmzqnjc

▲石元「新日本マップのイメージは平安京です」
 石井「794年ですね」
 石元「右下は東の国に出てくるモンスターです。こちら以外に、新しいモンスターも入ります」
 石井「右下のモンスターはきっと東の国から平安京に移動中なんですね」

PWJvqx2qlXLM37nV7V1nEzctoL6CXNon

▲石井「3次仙人(中級)になると真っ黒になるんですか?」
 石元「まだページをめくってないだけです」

Bg9V3Ml99ag48Ph6lMs6D4i66uS1dztu

▲石元「天神掌は鬼人のイメージです。鬼神掌はガラッと変わって後ろに剣を飛ばしてますね」
 石井「ラスボスみたいな雰囲気ですね」

NQ52HguWkH87YkG8LaS68Qsa236AogQ6

▲『新・天上碑』Project Directorのシム・ヒョンソさん(右端)も参加。

 アップデート情報のあとは、ユーザーから寄せられた質問に答えるQ&Aや、『新・天上碑』の未来について来場者と語り合う“これからの新・天上碑を考える会”が始まった。

 今回の目玉は、この“これからの新・天上碑を考える会”だ。簡単に言うと「来場者も交えて会議をしよう」という企画である。


 遠慮していたのかシャイなのか、なかなか意見が出ない。だが、話を進めるうちに徐々にヒートアップしていく。『新・天上碑』が好きだからこそ、手厳しい意見を言う人も多かった。

RcxKQ3n5QS6V21GyI37Xu8591Km8INnn

▲3月に実施されたアップデートや攻城戦、3次仙人についてが会議のテーマ。

 積極的に意見を言うプレイヤーのなかに、すごいお父さんがいた。初期から『新・天上碑』をプレイしているベテランで、いろいろなタイトルを遊ぶんだけど、『新・天上碑』の遊びやすさが好きで、何だかんだで戻ってきてしまうみたいだ。

 このお父さん、厳しいことも言うのだが、内容は的確で口調に暖かみがあるのだ。すごく気になったのでイベント後に話を聞いてみたところ、

・ゲーム歴は25年ほど。
・お仕事は情報処理系の講師。
・勉強の一環として学生にゲームを勧めることもある。
・もともとは息子さん(サービス開始当初は中学生)といっしょに遊んでいた。
・息子さんが就職をして忙しくなったから、最近はひとりでプレイしている。

 オンラインゲーマーにとって理想的なお父さん&先生である。学生たちに「ゲームの運営は慈善事業じゃないだから、必要と思ったら課金をするのも大切。運営会社に利益が出ないとゲームを遊ばせてもらえないんだから」と説明をしたこともあると言っていた。さすが大人だ。運営会社側の気持ちもわかってくれている。

MB6RerTxJ4N5E4NN7hoSLm1yrh6BWmk4

▲あまりにもいろんな意見を出してくれるもんだから、イベント後にイ・サンヨプさんとキム・ジョンチャンさんが直接話を聞きに行っていた。お父さんは「要望があったら本当は直接電話したいんだけど、さすがに迷惑かな。学生たちの意見もまとめて封書か何かで送りましょうか?」と笑う。アグレッシブ。いっしょにお酒でも飲んで延々とゲームの話をしたい。

PO696gU1pq2A2lnT53626xs84neq18ws

↑グッズのほかにウェブマネーカードなんかもありました。

 イベントのラストは抽選会。グッズ類のほかに、『新・天上碑』のメインイラストレーターさんに似顔絵を描いてもらい、ゲーム内にNPCとして実装される権利(2名ぶん)なんかも用意されていた。

 NPC実装権が発表された瞬間、会場がざわついた(おもに僕が)。すごくうらやましい。僕も実装してほしい。取材扱いで入場したことを後悔した(取材する側は抽選番号の券をもらえない)。

 当選されたふたりはNPC化を快諾。ひとりは親子連れのお父さんで、自分の代わりにお子さんの絵を描いてもらうと言っていた。お子さんはまだ小さかったので、大きくなって画面を見たらびっくりするに違いない。

yNgSFhQ26PG2386no1TRKX21Vo8J738X

▲この人のタッチで似顔絵を描いてもらえる。もう一度言う。すごくうらやましい。

★まとめ

 “これからの新・天上碑を考える会”で集まった意見をうまく反映させればユーザーの満足度が上がり、サービスはまだまだ続いていくだろう。NPCとして実装された子がお父さんといっしょにプレイする日も遠くないはずだ。そんな日が来たらうれしくて泣いてしまうかもしれない。

 感傷的なまとめにしてしまい、少し恥ずかしい。

新・天上碑』公式サイトはこちら。

※取材・撮影にご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。

この記事の個別URL

ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

『PCオンラインゲームのブログ まいにちがβテスト』ブログ