ゲーマーだって社会貢献したい! RQやモデルも参加したゴミ拾い活動に密着

公開日時:2017-02-19 16:55:00

 2017年2月18日、知人のゲーマー・Slydiniくんがゲーマー仲間を集めて秋葉原でごみ拾いをするという。

 立派な心がけである。様子を見に行ってみた。

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 この企画の名称は“Social Contributions By Gamers”。直訳すると“ゲーマーによる社会貢献”だ。今回で2回目の実施となる。

 PC用オンラインFPS『サドンアタック』プレイヤーを中心に、いろいろなゲームのプレイヤーが集結。秋葉原の路上美化を目指す。

 中心メンバーはこの3人。
OooDa(@OooDa)
Slyd1ni(@slydini_)[Lazy Turtles Gaming]
Oblivious(@ObliviousJP)[Lazy Turtles Gaming]

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▲『サドンアタック』の企画で知り合ったモデルの初音さんも参加。

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▲途中から日本レースクイーン大賞2016グランプリの清瀬まちさんが合流。彼女はもともと『サドンアタック』プレイヤーなのだ。

 この企画、単なる思い付きというわけではない。

◆こういった活動をする際、届け出が必要かどうか万世橋警察署に確認

小規模なごみ拾い活動なら届け出は不要であると返答をもらう。

◆集めたごみの処理方法

車で回収した後、廃棄業者に依頼。

◆ごみ拾いルートや箇所の選定

土日の秋葉原は道が混むため、通行の妨げにならないように心がける。


 このように、なかなかしっかり準備している。わざわざ自腹を切って廃棄業者を手配するのも心憎い。

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▲秋葉原駅近くに集合し、5~6人ずつのチームを作る。

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▲参加者はごみ拾い用のはさみを“デバイス”と呼んでいた。ゲーミングデバイスをごみ収集デバイスに持ち替えて社会貢献ミッションに挑む。Ooodaくんは腰につけたリールにごみ収集デバイスを装着。両手をふさがないようにしていた。

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▲ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために。

 ごみ拾いは13:00からスタートした。前半の1時間は3手に分かれ、広範囲のごみを収集。

 人が溜まりやすい自動販売機前や植え込みの中、側溝周辺はごみが目立った。やはりというか何というか、たばこが多い。一部の悪人のせいでマナーを守る愛煙家が肩身の狭い思いをするのだなぁなどと思いながら、ごみ袋に放り込んでいく。

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▲まずは秋葉原駅の周辺から。

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▲1時間の前半戦を終えて、いったん集合。ごみを持って集まる。

 そもそも、なぜごみ拾いをしようと思ったのか。Slydiniくんは「暇だから」と言っていたが、心の奥底には「もっとゲーム好き仲間同士でコミュニケーションを図りたい」という気持ちがある。

 ゲームのオフラインイベントやオフ会の参加者は、99%が対象ゲームのプレイヤーだ。それだけではコミュニティーが横に広がらない。幅広く参加者を募るなら、ひとつのゲームに寄らないほうがいい。

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▲後半戦はみんなで行動。大通りだと邪魔になってしまうので、人通りが少ないところを中心に。

 そこで“社会貢献”というキーワードが活きてくる。eスポーツやゲームに熱心に取り組んでいるプレイヤーの中には、ゲームの地位を上げたいと考えている人もいるだろう。

 そういう人は「世界大会で優勝する」などの大きな目標を掲げがちだが、それで事態が好転するとは限らない。まだまだ世間のeスポーツへの関心は薄いので、「ふーん」で終わる可能性もある。

 eスポーツという言葉は広まってきているものの、多くの日本人にとってスポーツとは体を動かすことだからだ。いまだに意識の奥では「ゲームはスポーツとは違う」という刷り込みが強いんじゃないかと思う。

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 イメージを覆すにはどうすればいいのか。最近、僕はシニア層や親世代の理解を得ることが大切だと考えている。

 極端な話、スポーツが受け入れられているのは“スポーツ=いいこと”だからなのではないか。とくにシニア層は「体を動かすのは健康的だから、世界一を目指さないにしても、スポーツをやるのはいいこと」みたいな認識を持っていると思う。

 ゲームはあまり体を動かさないので、そのイメージを印象付けるのは難しい。シニア層には「ゲームはこれだけすごいんです!」よりも、「ゲームが好きな子はいい子なんです」のほうがウケがいいような気がする。何となくだが。

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 ごみ拾いをしながら自分たちがゲーマーであると外側に向けてアピールしているわけではないので、1~2回程度の活動では効果は出ないだろう。

 まぁ、所属するチームのユニフォームを着てやるのは露骨すぎる。今回くらいがちょうどいい。

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▲地元のおじちゃんから「ボランティア? ありがとね!」と声をかけてもらった。「お金を拾ったらうちに持ってきてね」なんて江戸っ子ジョークも最高。

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▲こういうふれあい、いいですね。清瀬さんもにっこにこである。

 行動を起こしたいけど、何をすればいいかわからない。ゲームはあまり上手くないけど、ゲームのために何かしたい。そんなもやもやを抱えている人に言いたい。

 ゲームのイメージアップに必要なのは華やかな実績だけじゃない。地道な活動が実を結ぶことだって、きっとある。この“Social Contributions By Gamers”が悩める人の道しるべになってくれたらいいなと願う。

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▲最終的には45L袋7つ、70L袋3つのごみが集まった。

 みんなでボランティア活動をしようと言いたいわけではない。ゲームがきっかけで知り合った友だちと、コミュニケーションを深めてほしいのだ。それに、若者たちが「ゲーマーのイメージを変えたいから何かいいことをしよう」と行動を起こしてくれるのがうれしい。

 僕としても、できる範囲で手助けはしたい。若者たちが一生懸命やってるんだから、支えてあげるのが大人ってものさ。

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▲Slydiniくんは矢沢永吉さんグッズのパーカーを着ていたため、道行く人に「YAZAWAファンは好感が持てる」と思われていた可能性がある。それもまたよし。

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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