衛生マスクで『TERA』キャラ並みの美形になる方法

公開日時:2014-11-06 00:00:00

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▲どっちが本物の『TERA』キャラか分かるかな?

 異常に難度の低いクイズから始めてしまった。

 MMORPG『TERA』のキャラクターはみんなかっこいい。もしくはかわいい。ああなりたいと思う人は多いだろう。僕はなりたい。

 イラストがプリントされた衛生用マスクやキャラクターグッズはたくさん販売されているし、マスクにキャラの口元をプリントしたら、手軽に美形になれるのではないか。

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▲『TERA』はきれいなグラフィックと高いアクション性がウリのMMORPG。ファンタジーの世界が好きな人は一度はふれてみてほしい。

★これが僕の有給休暇の成果だ

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▲キャスタニック女子が好きです。

 美形になりたい一心で作ったのが冒頭のマスクだ。我ながら出落ちみたいな写真だなと思う。

 ジャンルとしては仮装グッズの一種だろう。本格的なコスプレ衣装よりも手軽だし、日常生活でも活用できるというメリットがある(基本的に、コスプレが許可された会場以外でコスプレをするのはマナー違反。自宅とかならいいけど)。

 花粉症対策グッズとしても使える。サングラスとマスクのせいで変装した芸能人みたいになるのが悩みという人もいるはず。だけど、このマスクならそこらの芸能人よりもかっこよくなれる。

 以下はマスクの制作過程。なお、記事中でちょくちょく服が変わっているのは数日間ずっとこの作業をしていたからだ。

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▲まずは自分好みの顔を作る。中性的なかっこよさに憧れがあるのでキャスタニック女子を選択し、あごのラインが出る髪型を選ぶ。

 何はともあれ、まずはキャラクターの顔画像が必要だ。「キャラメイク画面でキャプチャーすれば楽勝だぜ!」と思ったが、キャラメイク画面ではあまり拡大できなかった。

 無理に拡大プリントすると画質が荒れてしまう。2アカウントで同時ログインして、ぎりぎりまで近づいてキャプチャーすることにした。

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▲会社の作業用PCにも『TERA』をインストールした。街だとキャラ同士の衝突判定がなくなるので、顔のアップを撮影しやすい。

 続いて、マスクに目から下の部分を転写する。マスクはつけると折れ曲がるので、自分の顔より気持ち大きめに印刷するのがポイントだ。この記事を読んでわざわざ作る人がいるとも思えないので、ほぼ自分用のメモ書きである。

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▲プリントサイズは“顔の幅 平均”で検索して出てきたサイトの情報を参考に、数パターン用意。インターネットって便利ですね。

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▲アイロンプリントに適したマスクが分からなかったので適当に購入。

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▲プリントした顔画像も輪郭に沿ってカット。

 なるべく顔にフィットするように立体縫製のマスクを選んだのでアイロンをかけにくい。曲面にうまく転写するなんて職人芸の域だ。

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▲超むずかしい。

 端切れ布と転写用紙の切れ端で練習したが、うまくいかない。意外とさくっとできて新たな才能に気づくなんてことはなかった。起きろよ、キ・セ・キ!

 だめもとで本番いってみるかーと思った矢先、トラブルが発生した。

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▲変なにおいがすると思ったら溶けてた。あらー。

 こういうマスクは化学繊維なので高熱に弱いのだ。驚くほど単純な失敗である。ちなみに、この作業は有給休暇をとって自宅でやっている。マスクのアイロンがけを仕事と言い張る勇気がなかったのだ。

 エンターブレインの社風は自由なほうだと思うが、さすがに自分の席でマスクを溶かしてたらまずいだろう。上司に心の闇を心配されそうだ。

 ひとりで作業をしているときに失敗が続くと精神ダメージがでかい。せっかくの休みに何をやっているんだと自分に言いたくなる(この後、ふてくされてビールを飲んだ)。

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▲鍋を使いこなす職人の手作業によって丹念に作られるキャラクターマスク。

 後日、ナイロンなどにも低温で転写できるプリント用紙を購入し、マスクどろどろ問題は解決した。ふつうの用紙に比べて割高だけど仕方ない。

 さて、曲面への転写はどうすればいいのだろう。インターネットに回答を求めた結果、やかんや鍋の曲面を活用するといいらしい。

 インターネットは顔の幅と曲面への転写方法を知りたい人に優しい。

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▲完成。

 ・・・どう贔屓目に見てもごみだ。大きく掲載するのをためらうほどにプリントが雑。有給休暇を使ってごみを作ってしまい、困惑している。こんなはずじゃなかったのに。

 立体縫製マスクは諦めて、ふつうのガーゼマスクを使ったらどうだろう。あれは平面だし、素材も綿だから簡単に転写できるはずだ。技術向上は諦めてゴールまでのハードルを下げることにする。そういう決断は早い。

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▲こういうやつ。

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▲すごく楽。

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▲色味の調整に手間取ったけど何とかここまでこぎつけた。

 悪くはないけど少し違う気がする。きっと肌の色が違うから違和感があるのだ。化粧で肌の色を近づけてみよう。

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▲濃い目のファンデーションを塗る。

 せっかくなので、つけまつげとアイラインで目元をバチバチにすることに。これで顔全体がキャスタニック女子に近づくはずだ。

 メイク道具は奥さんから借りた。「つけまつげは付けたことない」とのことなので、ファンデーションとともに近所で購入。奥さんより先につけまつげデビューするなんて思わなかった。 

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▲つけまつける。こんにちは、ゆーすけみゅけみゅです。

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▲最終的にこうなった。あごが細すぎるけど、わりと美人じゃないか?

 正解には近づいている(そういうことにしてほしい)。が、もう少し悪あがきをしたい。そこそこお金がかかっているので、ある程度は完成度を高めないと気持ちに折り合いをつけられないのだ。

 それに、ゲームオンさんには「『TERA』をテーマに記事を作りますね」と伝えてある。期待させているのにごみなんか見せたら、会社間のお付き合いに影響するだろう。これ以上、社内評価が下がるのはごめんだ。

★キャスタニック以外も作る

 僕は色白なほうなので、キャスタニックの褐色の肌と相性が悪いのかもしれない。肌の色が白めの種族でも作ることにした。

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▲『TERA』の色白代表・ハイエルフ男子マスク。いわゆる白人的な顔立ち。キャスタニックよりは違和感が少ないが、白いファンデーションを塗ったら病人っぽくなった。

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▲いちばん人気の美少女種族・エリーンだとこうなる。あごとほっぺの明暗の差がすごい。頭蓋骨のかたちが球体に近いからだろうか。

 意外にもエリーンマスクはあごのラインがちょうどよかった。美形キャラはたいていあごが鋭角なので輪郭がずれやすいのだ。期せずして、美少女と僕の共通項を発見した。あご。

 しかし、もっともいい感じに仕上がったマスクはこれだ。

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▲動物みたいな外見の種族・ポポリ。猫型や犬型もいるのだけど、今回はパンダみたいなやつを選択。

 オチとして用意していたのに、妙な安定感が出てしまった。ここまできたら顔全体を覆うお面にしろよという声は聞こえないものとする。

 ちなみに、いちばん制作に苦労したのもポポリマスクだ。顔のパーツの配置バランスが人間とは違うので、どこを切り取っていいか分からなかった。仕方なく鼻筋のあたりに鼻を描いている。

 ポポリマスクを作っている時点で気づいてはいたが、工夫をするつもりが迷路に迷い込んでいる。「いつか大成功する」なんて夢は見ずに、現時点の完成品を使いこなす方向にシフトしよう。

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▲僕の顔写真が続いて恐縮なので、うまそうな馬肉ステーキの画像をご覧ください。

★遠くから見る

 近いから粗が目立つのだ。離れた位置から写真を撮ればいいのではないか。

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▲某社の近所にて。

 制作工程で室内の写真が続いたので、思い切って外に出た。某社での打ち合わせの合間に同僚にお願いして撮ってもらう。めんどくさいこと頼んでごめんな。

 同僚はこの後にも打ち合わせが控えていたため、短時間でメイクが終わるハイエルフマスクを選択。ほかの3つはメイクの工程が多くてたいへんなのだ。

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▲メイクも外で。

 しかし、どうだろうか。いまは多少冷静になっているが、カメラの液晶で確認したときは「おはははぉ、すげえ!」と、ふだん出さない声を上げてしまった。失敗が続いているので興奮のハードルが下がるどころか地面にめり込んでいる。

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▲サムネイルみたいに小さいとそれっぽく見える。

 まだ油断は禁物だ。「興奮状態で撮った写真を後で見返したらがっかりした」ということは過去に何度もあった。完成度をもう少し高めるために、秘密兵器を投入する。

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▲サングラスをかけた。

 サングラスやマスクで顔の一部を隠すと、見えない部分を想像で補うため、好みの顔に見えると聞いたことがある。ハイエルフの口元と相まって、みんなの目には僕が超美形に映っているはず。心理効果を使って、見る側から歩み寄ってもらおうという作戦だ。

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▲iPhoneとスタバのカップを持ったら完全に海外セレブ。

 遠くから撮影(パパラッチ)されるサングラスをかけた美形と言えば海外セレブである。デイリーポータルZの記事を参考に撮影したら、セレブ感が違和感を包み込んでくれた。すごいぞセレブ。口がやや前に出ているが、セレブ特有の骨格なのだと思えば納得できる。

 サングラスには正体を隠す意味もあると思うので、別人の顔をプリントしたマスクと合わせるのは理にかなっている。そりゃパパラッチもセレブと間違えて僕を撮ってしまうだろう。

 写真のiPhone 6 Plusは同僚から借りた。流行に敏感なセレブは最新機種を持っているだろうという判断だ(僕のiPhoneは4s。早く機種変更したい)。

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▲ハイエルフ。

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▲ハイエルフ?

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▲ハイエルフ・・・? 違う。こいつユースケだ。

 『TERA』キャラ並みの美形になるには、3メートル以上離れるのが妥当ということがわかった。このマスクを着用する際は警備員を雇うなどして周囲の人を遠ざけてほしい。セレブだったら警備員に守られていてもおかしくないですし。

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▲『TERA』のアバター“上級魔女の仮面”を真似てヴェネチアンマスクをつけたら変態度が増した。

(参考:デイリーポータルZ セレブが来た!)
↑すごくおもしろい記事なので、こちらも読んでください。

★離れて見たらだいたいオーケー

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▲セレブ写真は何度も往復して撮影。

 マスクは10枚以上作ったが、なかなか完成度が一定のラインを超えなかった。作っても作っても終わらない。サグラダファミリアみたいだ。

 完成度を高めるのを諦めて、離れて見る。ここまで低レベルなエポックメイキングも珍しい。離れると『TERA』キャラ。近づくとミス・ユースケ。新種のだまし絵のようである。

 いまから1000年後くらいにこのマスクが遺跡から出土したら、歴史学者は古代のロマンを見出すだろう。何かしらの儀式の痕跡か!? 残念! 実際はおじさんが工作してはしゃいでいただけだ。

 僕は『TERA』がサービスを開始する前から携わってきたので、オリジナルグッズを作れて満足だ。これも僕なりのファン活動である。

 ただ、こんな『TERA』とほぼ無関係の記事をわざわざゲームオンさんにチェックしてもらうのは悪いなぁ、と反省している。

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▲ポポリマスクの下はこうなっています。

『TERA』公式サイト

Copyright (C) Bluehole Studio Inc. All rights reserved. Copyright (C) GameOn Co., Ltd. All rights reserved.

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 少し前にTwitterでミス・ユースケという名前を明かしました。この記事を最後まで読んだということは感性のベクトルが僕と同じはずなのでフォローお願いします。
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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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