DeToNatorの人気の秘密をインテル主催“PUBG 自作ゲーミングPCイベント”で探る

公開日時:2018-05-02 22:15:00

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 DeToNatorはすごく人気のあるプロゲーミングチームだ。

 メンバーによる配信の同時視聴数は数千人越え。ネットの配信番組に出演すると、そこらの人気タレントより大きな数字を残す。

 彼らの活動内容と人気の秘密を分析したら、会社で出世できるんじゃないかと考えている。わりと本気で。

 そういう思いもあり、よく出演イベントを見に行っている。2018年4月28日に開催された“PUBG 自作ゲーミングPCイベント”(主催:インテル)のゲストはDeToNator。もちろん見学した。
 

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立ち見のお客さんでぎっしり。

★★★DeToNatorが新CPUをアピール★★★

 
 本イベントの趣旨は、高性能な新CPU“Core i7-8700K”搭載PCでバトルロイヤルシューター『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)を遊ぼうというものだ。

 主役は新CPUと自作PCである。本日の主役タスキを彼ら(新CPUと自作PC)にかけてあげればよかった。

 イベント内でDeToNatorのSHAKAくん、SPYGEAくん、StylishNoobくんが来場者やオンラインでの参加者と『PUBG』を遊ぶコーナーがあった。この3人にYamatoNくんを加えた4人のストリーマーは、いまのDeToaNatorの人気を支えている。
 

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左から、SHAKAくん、SPYGEAくん、StylishNoobくん、YamatoNくん、siorinくん。

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主役はPCとCPU。『PUBG』は大人数で戦うゲームなので、PCの性能が低いと描画がカクつくことがある。

 
 YamatoNくんは自作PCに造詣の深いsiorinくんとともに実況・解説を担当。

 『PUBG』は要求スペックの高いゲームなので、スムーズに遊ぶためには高性能なグラフィックボードやCPUが必要だ。インテル主催イベントということもあって、ふたりともちょいちょいCPUのセールストークを挟む。

YamatoN「負荷がかかる状況でも振り向いてきっちり倒していきました。これは何のおかげなんですかね」
siorin「やっぱり最新のCPUのおかげですね」
YamatoN「どこのCPUですか!?」
siorin「インテルです!」
YamatoN「インテルの! 何て名前なんですか!?」
siorin「Core i7 8700Kです!」
 

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プレイ用のPCはCore i7-8700K搭載モデル。配信しながらプレイしても処理落ち知らずだったとのこと。

 
 インテルの最新CPUが高性能なのは周知の事実であり、それを宣伝するイベントであることは来場者も了承済みのこと。

 固い空気で何度も宣伝されると飽きてしまうこともあるが、冗談なら何度でもウェルカムだ。お笑いのかぶせ芸みたいなものである。
 

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YamatoNくんとsiorinくん。楽しそうだな。

 
 この後のセッションでは、YamatoNくんがPC自作に初挑戦。解説は自作PC大好きなsiorinくんが担当した。

 このふたりの組み合わせに、DeToNatorのやる気を見た。ファンには自分たちやゲームだけでなく、PCそのものにも興味を持ってもらいたいのだ。

 DeToNator代表の江尻さんは、以前より「PCに固執しているわけではないが、PCゲームから生まれたチームなので思い入れは強い。PCを盛り上げたい」という旨の発言をしている。

 自作PC好きに自分たちをアピールするだけなら、siorinくんがささっと組み上げればいい。そうではなくて、不慣れなYamatoNくんでも組めるところを見せてPC自作のハードルを下げたかったのだと思う。

 これを見ていきなりPC自作にチャレンジする人は少ないだろう。それでも「意外と簡単かも」と思ってもらえば上出来だ。
 

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ストリーマーたちの人気が高いDeToNatorではあるが、PCの啓蒙活動を続けるのなら、siorinくんのポジションは重要になってくるはずだ。

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やけに腹立つ表情のsiorinくんを載せておきます。

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自作PCに触れ、何かをつかんだYamatoNくん。

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会場内にはパーツメーカーのマザーボードが展示。

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じつは意外と凝ったデザインだったりする。

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何アピールだろうか。

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イベント後半の『PUBG』プレイタイム。SHAKAくんは別件があって退席したため、来場者2名とSPYGEAくん、StylishNoobくんでチームを組む。

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わりとあっさりやられたDeToNatorのふたり。

★★★大切なのは基礎工事と地鎮祭★★★

 冒頭でふれた“DeToNatorの活動内容と人気の秘密”を少し整理する。

 DeToNatorは地に足をつけて活動するチームだ。やれ世界大会だ、やれプロリーグだと、世間一般がesportsの華やかな部分に注目する中、自分たちなりのやりかたを模索して着実に階段を上っている。

 もちろん世界の強豪が集まる大会にも積極的に出場(日本の大会にあまり出ないので情報が広まりにくい)。とはいえ、闇雲に頂点を狙うだけでは手が届かないので、天高く飛ぶための準備を欠かさない。

 どんな業界でも、ファンやパートナー企業の応援が活動の下地となる。最新技術を駆使して高層ビルを建てるときと同じだ。何よりも大切なのは基礎工事、そして地鎮祭である。

 世界への挑戦とファンへのアピール。両方を高いレベルで実践できているチームは珍しい。厳しい世界でしのぎを削る“選手”とゲームの楽しさを伝える“ストリーマー”の切り分けが成功しているのが大きいと思う。
 

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サインを書いたり記念写真を撮ったり。ファンをもてなす。

 
 今回のようなイベントで、4人のストリーマーと自作PC担当のsiorinくんが担っているのはファンへのアピールだ。

 彼らを通してチームに親しみを持ってもらうのは当然のこと。出演イベントに大勢のファンが集まってくれるのはうれしいことだが、DeToNator代表の江尻さんはそれだけに満足せず、関係各社に還元する方法に苦心している。

 考えてみれば、どんなに人が集まっても、各社の利益につながらなければ意味が薄い。チームが活動できるのはパートナー企業のおかげ。だからこそ、きちんと利益を上げてもらいたいのだ。

 企業は何らかのメリットを期待してチームを支援する。その期待に応えるために、自分たちのファンはどうすればパートナー企業の製品に興味を持ってくれるのか、熟考する。YamatoNくんのPC自作チャレンジもその一端なのだろう。
 

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ファンの多くはもともとPCゲームに興味があるので、こういったイベントとの親和性も高い。一般的なタレントとは違う点だ。

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イベント協賛各社がマザーボードのよさをプレゼンするコーナーがあった。こちらのASUSはDeToNatorのパートナー企業のひとつ。

 
 DeToNatorの人気の高さには、こういった実直さも関係しているのだと思う。ゲームがうまくて、十分な実績があって、トークがおもしろくて、何人かで集まると微笑ましくて、端々から実直さがにじみ出る。

 そう言えば、彼らの人柄のよさを感じる一幕もあった。PUBG 自作ゲーミングPCイベントは、秋葉原のPCショップ5店舗も連動した大型キャンペーンだ。メイン会場だけでなく、お店側も賑わうのが理想的。

 StylishNoobくんとSPYGEAくんは、誰から指示されることもなく、休憩時間を利用して店舗を回っていた。
 

 
 関係各位が喜ぶことが自然にできる。こういうことなんだろうな、と思った。
 

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片付け中のひとコマ。SPYGEAくんが向けてきたWebカメラに向けて変な顔をするYamatoNくん。

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パネルにみんなでサインを書く。

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YamatoN「あ、ちょっと待って。ひとりいないから書いとくわ」。

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シャカ。

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パネルはじゃんけん大会の景品になりましたとさ。

 
 いちばんの人気の秘密は、こういうふざけ合いを見てるとおもしろいことなんだと思います。
 

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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