取材した人が『ArcheAge』の世界に住み着いた

公開日時:2013-08-19 00:00:00

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▲かなり本気のオーディションだった。

 『ArcheAge』みたいなファンタジーの世界に住みたいなーと思っていたら、公式で“ArcheAge移住計画”なる企画が始まった。要は3ヵ月間ほぼ缶詰め状態でひたすら『ArcheAge』をやって、ブログや配信で楽しさを世に発信していくという、少し前のテレビ番組みたいな企画だ。

 以前、日本運営プロデューサーの野田さんに今後の展開について話を聞いたとき、「正統派のプロモーションだけじゃなくて、変なこともやりたいんですよね」と言っていたが、まさかこんなことになるなんて。これが野田さん発信の企画かどうかはわからないけど。

 生活系MMORPGと言われているだけあって、『ArcheAge』にとって“住む”というのは、ひとつのキーワードなのかもしれない。7月15日の発表会“ArcheAge 進水式(ローンチングセレモニー)~いざこの果てしなき大海原へ~”では、“バトル・オブ・ザ・ネイションズ(※)”のデモンストレーションを見せてもらったが、あの大会の参加者たちはきっと別の意味でファンタジーの世界に住んでいる。

(※中世の西洋甲冑戦を再現した国際的なバトルトーナメント。金属製の武具を身に着けて本気で戦うので、近くで見ると泣きそうになるほどの迫力)

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▲女性の騎士もいた。かっこいい!

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▲効果音で表すと「ダッダッダー!(ダッシュで接近) ッゴォンン!(側頭部を殴打)」という感じ。

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▲観客の安全を確保するため、戦闘フィールド外には兵士が待機。

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▲会場に知人がいたので、いっしょに記念撮影。後ろの存在感たるや。

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▲野田さんは鍛え過ぎてシャツがぴちぴち。そのうちバトル・オブ・ザ・ネイションズに参加する気なんじゃないかと勘ぐってる。

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▲一方の【GM】ルシウスさん。がりがり。

 「移住計画に参加しようとしたら間違ってバトル・オブ・ザ・ネイションズの世界に移住しちゃいましたー」というネタも考えたのだが、中途半端な気持ちでやると死ぬかもしれないので諦めた。

★ArcheAge移住計画に話を戻して

 そんな体育会の“住む”もいいのだけど、今回の本題はもう少し文化系寄りの“ArcheAge移住計画”だ。けっこう長く書いてきたが、いままでのはすべて前ふりである。

 “ArcheAge移住計画”には280通ほどの応募があったそうだ(女性は約2割)。野田さん的には「10人くらい応募があればいいと思ってました」とのことなので、想定の28倍である。みんなどれだけ『ArcheAge』に住みたいのか。オーディションのために上京したり、さらには仕事を辞めた人もいるらしい。やる気がインフレを起こしている。

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▲もるちゃんはトークが達者で配信も好き。適任だと思うが、個人的には女子の配信も見たかったです。

 オーディションの様子はニコニコ生放送で2回配信され、視聴者投票で“もるちゃん”が選ばれた。すでに移住を完了させてブログの更新とニコ生での配信を行っている。彼は既婚で自宅は京都なので、単身赴任状態だ。

 もるちゃんはゲームオンさんが運営するFPS『Alliance of Valiant Arms(以下、AVA)』の強豪クラン“SunSister”のメンバーでもある(以前の記事でも紹介してます)。いまは『ArcheAge』に集中するため、クラン活動はしばらくお休み中。SunSisterは大会常連の実力派で、クラン活動をとても大切にしている。クラン活動より『ArcheAge』を優先するとは思わなかったので、合格する以前に応募するとは思わなかった。

 もるちゃんもそうだけど、応募者はどういう気持ちでオーディションに臨んだのだろう。8月4日(日)のニコ生オーディション会場でみんなに話を聞こうと取材を申し込んだけど、会場の都合もあって取材できず。

 そこで、別の手段を取った。知人がTwitterに「オーディションに行ってきます!」と書き込んでいたので、オーディション会場に入る前に時間をもらって、そのなかのふたりに話を聞くことにしたのだ。コネを活かして強引に取材。

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▲もるちゃん(左)とぜろくん(右)。

 この時点では話を聞いたもるちゃんが合格するなんて露とも思っていなくて、どちらかがオーディションをかき回してくれたら楽しいだろうな、くらいの気持ちで話を聞いた。

 ふたりともニコ生番組『ファミ通コネクト!パーティー』で知り合った。もともとはぜろくんも違うゲームのプレイヤーで、いまは『ArcheAge』も楽しんでいる。聞いた話を要約すると、

【ぜろくんの場合】
・1年くらいニートだった時期がある。
・そのときにオンラインアクションRPG『C9(Continent of the Ninth)』に出会った。
・対人戦の大会が楽しかった。
・公式の大会のほか、自分でもオンラインPvP大会やオフラインイベントを開催した。
・いまはきちんと働いているが、なかなかゲームをする時間がない。
・移住計画の募集を見て、もう一度あの頃みたいに一心不乱にゲームをやりたくなった。
・退職を決断

 このために仕事を辞めたのって、きみか。会社にどう説明したのか聞くと、

ぜろくん「会社の人に移住計画のことを話したら、やりたいことがあるんだったら行ってこいと送り出されました」

 ちゃんと筋を通して辞める彼も大したものだが、それを理解して送り出す会社側もかっこいい。

【もるちゃんの場合】
・『AVA』をずっとプレイしている。
・『AVA』公式イベントのお手伝いもしている。
・『AVA』の友だちと『ArcheAge』を始めたらはまってしまった。
・移住計画については、どんな人がやるんだろうなーと、最初は傍観者だった。
・奥さんに雑談がてら話したら「行ってきなさい」と言われた。
・最初は冗談だろうと思っていたが、数日後に再度「応募した?」と聞かれた。
・「してないよ」と答えたら「応募しなかったらゲームさせない」と言われた。

 こちらのきっかけは奥さんだった。とはいえ、

もるちゃん「『ArcheAge』は好きだし、ニコ生で情報発信するのは好きなので」

 と、モチベーションは低くないようだった。某男性アイドル集団の場合、お姉ちゃんが勝手に応募したら書類選考を通ってしまい、いきなり「ユー来ちゃいなよ」と電話がかかってきたなんて都市伝説も聞くが、基本的には自分から応募している。もるちゃんの奥さんは鬼嫁ではない。

 “ArcheAge移住計画”の報酬は3ヵ月で100万円。金額だけひとり歩きしてしまいがちだが、この辺についてはふたりとも冷静だった。100万円よりも楽しく『ArcheAge』を遊べる環境のほうが大切。彼らの場合、特別な報酬がなくても、生活費だけ工面してもらえたら応募したんじゃないかと思う。

 合格したら何をやりたいかを聞いたところ、

ぜろくん「PvPの大会を企画・配信したいです」

もるちゃん「みんなで遠征隊(いわゆるギルド)を組んだりして、いっしょに学んでいきたいです」

 と、シンプルな返答。奇抜なネタを考えたとしても、3ヵ月も続けるのはすごく大変だ。途中で失速するのは目に見えている。まったく奇をてらっていないのは好感が持てる。

★どきどきの最終オーディション

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▲オーディション会場に向かうふたりの背中を見送った。

 この後に行われたコニコ生放送でのオーディションで、ぜろくんは惜しくも落選してしまった。そして、もるちゃんは合格。

 じつはこの記事の大半は8月9日(金)の最終オーディション前に書き終わっていたのだが、オーディション前に公開するとフェアじゃないということで、少し後ろにずらして13日頃に公開するつもりだった。すごくかわいくてニコ生でも人気の高い女子がエントリーしていたので、内容はふたりとも落選する前提。

 そしたら、もるちゃんがまさかの合格。慌てて書き直した次第である。ごめんよ、もるちゃん。

 もるちゃんはすごい勢いで配信を行っている。野田プロデューサーや運営スタッフさんがゲスト出演することもある。僕も今度、差し入れを持って遊びに行こうと思う。そして、配信に出してもらおう。

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▲差し入れは何がいいかな。寂しくないようにミラーボールでも設置してあげようかな。

「ArcheAge 移住計画」配信コミュニティ
↑頻繁に配信やってます。

アーキエイジ移住計画のブログ

“ArcheAge移住計画”特設ページ

『ArcheAge』公式サイト

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 ゲームオンさんが運営するオンラインアクション『S4 League』は2013年8月28日(水)にサービスを終了する。『ファミ通コネクト!パーティー』を通して初期から関わってきたので感慨深い。

 2013年8月10日(土)に有志による“JPS4ありがとうoff会”が開催されたので、僕もいちユーザーとして参加してきた。主催者は『S4 League』公式ニコ生のMCを担当していた声優の呉圭崇さん。

 オンラインゲームにはそれなりに長く携わっているけど、ユーザーが好きなゲームにさよならをする瞬間に立ち会うのは初めてだ。

 少ししんみりしてしまったけど、ゲームのサービスが終了してもコミュニティー自体がなくなるわけではない。きっとどこか会えるから、それほど寂しくはない。

 『S4 League』ユーザーのみなさん、また別のゲームで会いましょう。

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▲即席チームを組んで対戦したり、お菓子を食べながら雑談したり。

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▲秋山プロデューサー(中央)も遊びに来ていた。【GM】wasabiさん(左)と主催の呉さん(右)も加えた3人で、ちょっとしたトークコーナーも。

『S4 League』公式サイト

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

『PCオンラインゲームのブログ まいにちがβテスト』ブログ