外国人ゲーム関係者向けのトークセッションをネタなしで乗り切った

公開日時:2015-10-23 18:00:00

 2015年10月21日、“Insert Coin”というイベントにゲストスピーカーとして呼ばれた。

 これは日本で働く外国人ゲーム関係者が集まるイベント/パーティーみたいなもので、『Mighty No.9』の稲船さんが出演したときに取材させてもらったこともある。

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▲会場となった渋谷のおしゃれなカフェで外国人たちに囲まれる。

 セッションのテーマは“東京ゲームショウ2015(以下、TGS2015)の振り返り”。僕のほかにはゲームアナリストのセルカン・トトさんも登壇した。市場分析の専門家だ。冗談みたいな記事を書いてぼんやり過ごしている僕が隣りに座ってもいいのだろうか。

 渋谷、おしゃれ、外国人、ゲームについて真面目なことを話す。アウェイな要素しかないぞ。

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▲イベントのFacebookページにはプロフィール写真としてこれを載せてもらった。

 出演を了承したはいいが、参加者の大半が外国人だから笑いどころが分からない。それに、“ファミ通の編集者”として呼ばれているので中途半端なことは言えない。ファミ通の名に傷がつくと僕の社内評価に影響するからだ。会社員としてそれだけは避けたい。

 導き出した答えは「セルカンさんの回答を聞きながら神妙にうなずく」だ。

 英語だから通訳してもらうまでは内容を把握できないけど、いかにも分かってる感を出した。メーカー名が聞こえたら、そのときは「なるほどね」みたいな顔もする。

 その後、「専門的な分析はセルカンさんに任せるとして、僕は個人的にこう思いました」と、あえてイノセントなことを言っているような雰囲気を出した。

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▲まずは主催者のふたりがスクリーンの前であいさつ。僕は右の『World of Tanks Blitz』アジアプロデューサーのオザン・コチョールさんに誘われて参加。

★★★ちゃんと真面目なことも話しました★★★

 トークのテーマは、

・いちばん印象的だったのは?
・大型の発表はなかったけど、来場者数は歴代2位。なぜだと思う?
・インディーゲームについてどう思う?

 など。

 スクープがなかったとしても、続報や試遊、特典などの配布物を期待する人は多いだろう。ステージイベント目当ての人も増えていると思うし、やりかた次第で人を引き付けることは可能だ。ビッグタイトルがなくても悲観することはないと思う。

 2016年1月に“闘会議”開催を控えている我々にとって、ステージイベントの需要が大きいのは追い風と言える。

「大きな発表なしでこれだけの人を集められたのだから、いい実績になったんじゃないかと思います」

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▲上記の内容みたいなことを話した気がする(記憶が曖昧)。

 TGS2015におけるインディーゲームの立ち位置については、インディーゲーム好きライターの戸塚伎一さんに相談して考えをまとめておいた。

 一昨年、昨年くらいは大企業がインディーゲームの支援を表明したりして、業界全体が上り調子だった。インディーゲームイケイケ時代である。

 今年はその空気に変化が訪れている。インディーゲームによく使われるゲームエンジンのUnityはTGS2015に出展せず、個人がPS Vitaなどにゲームを提供できた“PlayStation Mobile”は2015年9月10日にコンテンツ配信を終了。

 これは転機だ。たぶん僕の偏見だと思うのだけど、大企業の力が入ると丸くなるというか、尖った部分の少ない綺麗なゲームが主流になってしまう気がする。

 無責任に言わせてもらうと、ゲーム作家のみなさんには“売れるゲームより作りたいゲーム”を作ってほしいのだ。「ゲームを作りたい」という衝動と感覚がぐるぐる渦巻く混沌が愛おしい。混沌からスターが生まれる可能性に魅力を感じて支援する人も多いと思う。

 この辺はインディーゲームと同人ゲームのカテゴライズを曖昧にして話した。似た部分もあるし。

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▲セルカン・トトさんを横から撮った。

★★★トークだけで乗り切った★★★

 真面目なことを話すのは苦手なので、イベント出演時にはネタを持ちこむことが多いのだけど、今回はトークだけで乗り切った。

 インディーゲームのくだりではもっと感傷的なことも言った。恥ずかしいので詳細は書かない。

 いまの日本人参加者の割合は約30%。今後は50%以上にしたいらしいので、興味がわいたゲーム関係者は僕に連絡をください。主催者の方を紹介します。通訳してもらえるので英語が分からなくても大丈夫ですよ。

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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