▲撮影現場に遊びに来た。

　ある日、ガンホーさんからお呼びがかかった。PC用MMORPG『ラグナロクオンライン』（以下、RO）の企画で、乾曜子さんの写真を撮るのだという。

　そのときのメールを要約すると「撮影やるんで見に来ませんか」。「暇だったら飲みに行かない？」くらいのテンションである。

　よくわからないけど見学に行くことにした。撮影現場にはお菓子が置いてあるだろうから、それ食べて帰ろう。

▲来ました。

★★★乾曜子さんのプロ意識★★★†

　僕とガンホーさんの関係は“ビジネスパートナー同士”だ。お堅い関係だけど、たまに友だちみたいな連絡が入る。

　果たしてこれは取材なのか。記事にするべきか担当さんに聞くと「どっちでもいいです」という回答。「今後、何かのネタになるかもしれませんし」とも言っていた。きみたちは何のために僕を呼んだのだ。

▲妙に気だるい写真が撮れた。

　メーカーとしては新情報があるときにメディアに取材をお願いするのが一般的だ。今回みたいなケースは少ない。

　こういうときに気軽に声をかけてもらえるのはうれしい。ほいほい行くようにしている。たまに「少しバタバタしてるんですよねー」と悩むふりもするが、ほぼ嘘だ。男と女の駆け引きみたいなものである。

▲ワンダラーのセカンドコスチュームのコスプレ衣装は今回が初出し。

　上の写真でイラストを持っているのは『RO』運営チームの中村さん。何度か記事に書いているが、彼はPCゲーム雑誌・ログイン編集部出身で、僕の元同僚だ。ふだんから敬語をほとんど使わない。だから僕に声をかけやすいのだろう。

　さらに、今回に関しては被写体の乾曜子さんとも付き合いが長い。僕にとって彼女ほど気を遣わなくていい女性タレントはそういない。

　僕も、ガンホーさんも、乾曜子さんも、それぞれに気を遣わない関係が成り立っている。こんなふわふわした現場は珍しい。

▲乾曜子さんとカメラマンさんは長い付き合いのようで、雑談しながら撮影が進行。現場の雰囲気もよかった。

　3年ほど前に乾曜子さんが『RO』にハマった経緯をまとめた特設サイトが公開されており、今回の撮影はその第2弾用のもの。コスプレ写真やコメント、インタビュー動画などが掲載される。

※これが前回の特設サイト
ラグナロ娘「乾曜子」が年休350日ゲーム生活だった過去について語る

▲前回のバナーを確認しながら、今回のカットを決める。

　乾曜子さんはもともとふつうのコスプレイヤーだ。コスプレがきっかけでタレント活動を開始し、アイドルデビューし、いまの肩書は社長である。“年休350日”と聞くと社会人としてはだいぶ気まずいが、タレントも社長も自営業なのでぎりぎりセーフ。

　撮影中、僕は何をするでもなく隅っこでボーっとしていたのだけど、プロの仕事を見るのはおもしろい。以前、雑誌のグラビア記事を担当していたときも、ずっとカメラマンの職人ぶりを見ていた。

　少しうそをついた。女子もきっちり目に焼き付けた。

▲会社側には「取材に行ってきます」と言ってあるので、いろいろな写真を押さえておいたが、取材した気がしない。

　ワンダラー（セカンドコスチューム）の写真撮影がひと段落したら、つぎはインタビューの撮影だ。聞き手は『RO』運営チームの中村さん。元編集者だけあって、さすがに取材慣れしている。

　中村さんは話の要点をまとめるのもうまい。アップデート取材で中村さんの話を聞くたびに、「言いたいことを全部テキストでまとめてくれないだろうか」と思っている。そのまま載せたら楽なのになー。

▲景色がいい窓際に移動。

　質問内容は『RO』への想いが中心。どんな思い出があるとか、どのコスプレ衣装が好きとか。

　中でも仕事への意識の話は興味深かった。乾曜子さんは趣味のコスプレを通してプロ（タレント）になった人なので、ゲームやコスプレが好きなタレントがゲームの仕事をしているのとは事情が異なる。順番が逆なのだ。趣味が先かタレントが先か、みたいな。

▲カメラに気付くと、すかさずピースをしてくる。

　だからこそ、プロ意識とアマチュア的な考えのバランスがいいのだと思う。プロに徹している自分を、素人だった頃の視点でチェックしていると言うか。これができる人って意外と少ないのではないか。

　これから就職を控えている若者や、何かのプロを目指している人は見たほうがいい。けっこう勉強になるぞ。

▲インタビューの収録を見守るポ三郎（『RO』公式Twitter担当）。

▲乾さんはこのアークビショップ衣装がいちばん気に入ってるらしい。

▲スリット入りのスカートをふぁさーっとさせるのは人力で。

▲いまかいまかと出番を待つポリンたち。

▲出番がきた。

　撮影中、乾さんはしきりに「もっと肌を見せたほうがいいですか？」などと気にしていた。プロ！ そんな気遣いをもって撮影された写真は下記の特設サイトでご覧ください。

ラグナロ娘「乾曜子（よきゅーん）」が“なりたい自分”になるための大切なことについて語る

　なお、現場ではカントリーマァムをたくさん食べました。

▲せっかくなので記念写真を撮ってもらった。

▲中村さんとのツーショットも。

▲それを乾さんに撮らせるおれ。

『ラグナロクオンライン』公式サイト