Faker=ハルキスト説が浮上。『LoL』最強プレイヤーは尊さの塊だった

公開日時:2018-02-20 12:00:00

01_IMGP1588

Faker Senpaiの写真をたくさん撮りました。

 
 『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)界に“Faker”という偉人がいる。

 韓国のSKT T1というチームに所属する選手で、若い(検索したら21歳だった)にも関わらず3度の世界一を経験。伝説は現在進行形である。

 そのFakerが2018年2月13日に初来日。ファン向け配信番組に出演するという。トッププロ・Fakerはどういう人物なのか。番組の模様を見学させてもらった。
 

02_TN4_1987

 
 とくに印象に残ったのはこの3点。

・Faker=ハルキスト説が浮上。
・ストイックなイメージのある超人も、僕らと同じだった。
・なるほど、これが尊いという感情か。
 

★★★Faker Senpaiには“雰囲気”があった★★★

 
 僕は狂おしいほどのFakerファンというわけではない。もちろん世界中から注目されるトッププレイヤーだという知識はあるし、Faker Senpaiという愛称があることくらいは知っている。

 そこで、『LoL』好きライターのバーボン津川くんにすごさを聞いてみた。

ユースケ「スポーツで言うとイチローって感じ?」
バーボン「野球はあまり知らないんですけど、ちょっと違う気がします。ロナウドとかメッシとかですかね」
ユースケ「あれ、サッカー好きだっけ?」
バーボン「いや、よくわかんないです」

 何なんだ。とにかく「ひと言では表現できないほどすごい」という彼の興奮は伝わってきた。そんなFaker Senpaiが来るのだから、日本流で出迎えたい。
 

03_TN4_1963

おもてなしの心を形にした。

 
 応援うちわを作った。スポーツ観戦好きとしては応援バナーもいいかと思ったが、日本独自の文化である応援うちわを選択。

 Faker Senpaiの写真をイラスト風に加工し、その横に韓国語で「尊敬」と入れた。僕はゲームがうまくないので、うまい人はそれだけですごいと思う。相手の母国語でメッセージを入れるのは一種のホスピタリティーである。

 闘会議2018の興奮も冷めやらぬ2月12日に“ジャニーズ うちわ”で画像検索して参考にした。これを努力と言う。
 

04_TN4_1914

現場にお邪魔したライター・堤教授(左)、僕(中)、ライター・バーボン津川(右)。Fakerファンのライターふたりは開始前からわそわしていた。

 
 番組は、ファンの疑問に答える質問コーナー、格闘ゲーマー・梅原大吾さんとの対談、ファンアート紹介、視聴者とのゲームプレイの4段構成。

 内容についてはライター・堤教授の記事を読んでもらうとして、僕はFaker Senpaiの印象を少しだけ書く。あと、いい写真が撮れたので載せる。

※関連記事
『LoL』のトッププロが初来日! “SKT T1 Faker 来日スペシャル!”潜入リポート
 

05_TN4_1980

 
 彼には“雰囲気”があった。立ち居振る舞いが落ち着いていて、考えたうえで発言し、ユーモアもある。

 「ああ、プロだなあ」。そう感じた。僕はメーカーさんの計らいでオリンピック出場経験のある水泳選手やプロ野球選手を取材したことがある。そのときと似た空気があったのだ。

 一般人がプロに抱くイメージってあるだろう。“そうあってほしい姿”と言い換えてもいい。ストイックで、清廉で、堂々としている。Faker=トッププロという前知識があるので多少のバイアスはかかっていると思うが、彼は僕の目にたしかにそう映った。
 

06_TN4_1947

すべてのプロアスリートが聖人君子なわけじゃないだろうが、少なくとも僕はまじめな選手を応援したくなる。

 
 聴く人によっては、発言がそつのない優等生コメントとも受け取れたと思う。それだけ自分が多くの人に見られている意識があるのだろう。無責任なことは言えない。実際、「模範にならなければ」的な発言もあった。

 それでも言うべきことはきちんと言う。わからないことや不得意なことを聞かれたら、いったん考えたうえで返す。要は対応がまじめなのだ。その場しのぎの適当なコメントがない。

 本人の資質なのか、それともチームや韓国eスポーツ業界の人材教育が秀逸なのか。どちらにせよ、こういう人柄に惹かれるファンも多いのだろうなと思う。
 

07_TN4_2030

楽しそうだな、おれ。

 
 ときどき超然とした答えが返ってきて、それもまたおもしろかった。

Q.どうすれば勝てるようになりますか?
→がんばればいいんです(笑)。僕から言えることは、よく食べてよく寝る、ということです。

Q.ダイヤモンド5で停滞しているのですが、どのようにそのランク帯を切り抜けましたか?
→僕はダイヤモンドで停滞したことがないのでわからないんですね(笑)。

 ダイヤモンドとはプレイヤーの実力ランクのこと。そうとう上位なのだが、Faker Senpaiはするするっと最高ランクに上がったとのこと。

 これが嫌味に聞こえないってすごいことである。きっと僕は彼には雲の上の人であってほしいのだ。「やっぱりすごいなー」と思いたいのだ。
 

08_TN4_1967

 
 Faker Senpaiがプレイヤーとして頭6億個ぶんくらい抜けているのは誰もが知っている。ライター・堤教授が聞きたがったのは、Faker Senpaiの“ふつうの部分”だった。

Q.ゲーム以外で抱えている悩みはありますか?
→最近はよく眠れないのが悩みです。

Q.余暇はどのように過ごされていますか?
→本を読むことが多いです。東野圭吾さんですとか、村上春樹さんですとか。

 これを聞いた堤教授は「ふつうですね」と笑顔だった。ストイックで超人的なイメージのあるFaker Senpaiにも僕らと同じ部分があって、少しホッとする。すごい人だからこその親近感である。

 日本人作家の名前を挙げたのはリップサービスかもしれない。だが、僕ら日本人はそれがうれしい。世界で戦うアスリートはこういうのがうまい印象がある。

 なお、楽しく読めたのは東野圭吾作品、感銘を受けたのは村上春樹『ノルウェイの森』だそうだ。ここにきてFaker Senpaiがハルキスト(村上春樹ファン)の可能性が浮上してきた。『ノルウェイの森』がゲーマーに爆売れしてしまうぞ。
 

09_IMGP1350

ゲストの梅原大吾氏との対談ではお互いのルーツも語られた。興味深い。

10_TN4_2133

ファンアートコンテストの入賞者を決める際、何度も確認して吟味していた。まじめ。

11_IMGP1369

そして、ちょいちょい微笑む。感じのいい若者である。

 
 責任の重さを自覚する好青年然としたFaker Senpaiは、視聴者との対戦企画に備えてPC席に移動。一瞬、スッと集中した顔を見せ、それがまた魅力的だった。

 Faker SenpaiはMCの問いかけに答えながらプレイするので、なかなか集中できない様子。それでもさすがの腕前を魅せ、ときおり見せる笑顔には年相応の愛嬌があった。Faker Senpaiが楽しそうだと、何だか僕もうれしい。

 この気持ち、もしかしたら“尊い”というやつではなかろうか。“好き”では片付けられないほどすばらしいコンテンツに出会ったおたく(おもに女子)が、はらはらと涙しながら崩れ落ちるときの感情だ。

 気づけば250枚近く同じような構図で写真を撮っていた。
 

12_TN4_2176

いいカメラ目線。

13_TN4_2188

真剣であることが横顔でもわかる。

14_IMGP1589

こういう構図の写真がひたすら続く。

15_IMGP1478
16_IMGP1548
17_IMGP1554
18_IMGP1593
19_IMGP1476

ゲームと向き合ったときの真剣な目つきがいい。

20_IMGP1634

ときどき見せる笑顔がかわいい。女子はたまらんであろう。

22

写真のフォルダはFaker Senpaiだらけ。

★★★Fakerは全体的に徳が高い★★★

 
 Faker Senpaiは特別なことをしていないはずなのに、妙に引き込まれてしまった。世界中のファンから愛されている理由がわかった気がする。全体的に徳が高いのだ。彼を見ていると心のマニ車がぐるぐる回り出す。

 ただゲームがうまいだけではプロゲーマーは務まらない。ファンが応援したくなるだけの人間的な魅力や品性も大切なのである。

 これからプロを目指そうという若者たちは、ちょうどいいリップサービスを勉強したほうがいい。僕はFaker Senpaiが村上春樹作品を読んでいると聞いて興奮したし、一気に好きになった。僕自身はまったくハルキストではないのだけれど。
 

23_TN4_2306

周囲の人から「せっかくだからユースケさんもサインもらったら?」と勧められた。僕はもうFakerファンだ。

この記事の関連URL

この記事の個別URL

ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

『PCオンラインゲームのブログ まいにちがβテスト』ブログ