バンドマンの聖地でFPS大会『クロスファイア』

公開日時:2013-05-09 00:00:00

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▲歌ではなくテクニカルなプレイでオーディエンスをあおる。

 ある日、アラリオさんが運営するFPS『クロスファイア』の大会が渋谷で開かれると知った。

 最初の印象は「ふーん、オンラインゲームのイベントをやる場所にしては珍しいね」くらいだったのだが、会場が渋谷eggmanと聞いたときは「えっ、なんで?」と思った。

 渋谷eggmanと言えば、音楽ファン以外にも広く知られた老舗ライブハウスだ。多くの実力派ミュージシャンを輩出してきており、“バンドマンの聖地”と考える人も少なくない。

 そんなところでどうして銃を撃つのか。本当はギターでもかき鳴らしているんじゃないのか。興奮したお客さんがステージダイブをしたらどう対処するのか。

 楽しそうなので、とりあえず見に行った。取材申請してないけど(※)。

(※イベントの取材をする際は事前に連絡しておくのが一般的。というか、事前アポはビジネスの基本中の基本である。覚えておこう!)

★ヤングの街・渋谷と『クロスファイア

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▲この階段の下で熱いライブ(大会)が行われている。

 渋谷eggmanはビルの地下にある。入口の階段には『クロスファイア』のタペストリーが飾られていた。

 開催されているのは“CrossFire CHAMPIONSHIP 2013 Spring”のオフライン最終決戦。予選を勝ち抜いた4クランが激戦をくり広げる。

 会場内の雰囲気は、一般的なFPS大会の会場とは大きく違った。照明は落とし気味で、2灯のスポットライトが観客席を照らす。本当にライブみたいだ。

 実況席ではStanSmithさん(実況)とsamumaniさん(解説)が試合を盛り上げる。StanSmithさんが「今日は集まってくれてありがとう! それでは聴いてくれ。『クロスファイア』」みたいに曲紹介をしてくれたらいいなと期待したのだが、さすがにそれはなかった。

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▲実況と解説がすごくわかりやすかった。さすがだ。

 ステージ上にはプレイヤー席が設けられ、10台のPCが並んでいた。1チームは5人。つまり、5 vs 5の対バンである。ライブの対バンは1組ずつ順番に演奏するが、『クロスファイア』の対バンは当然ながら2組が同時にパフォーマンス(試合)を行う。やっていることは銃の撃ち合いと爆弾の仕掛け合いだ。考えようによっては音楽ライブよりも熱い。

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▲プレイ画面や選手の様子は大型スクリーンに映される。

 客席はステージ下のフロアに設置。観戦者はずらっと並べられたイスに腰を落ち着けて戦いを見守る。客席を見て思ったのだが、高校生くらいの男子が多かった。決勝戦出場者の平均年齢は18歳前後だというし、若者が増えるのはいいことだ。若いうちからこういった社交の場に積極的に参加し、きちんと事前アポが取れる大人になってほしいと切に願う。

★ライブハウスを戦場に選んだ理由

 最近は趣向を凝らしたオフラインイベントが増えている。今回の会場は歓声を上げやすい環境が整っていて楽しかった。日本のプレイヤー(観戦者も含む)は大人しくてあまり大きな声を出さない傾向があるようなので、運営側が盛り上がりやすい状況を作ってくれるのはとてもうれしい。

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▲イマPさんにはファミ通コネパ!にもよく出てもらっている。大物っぽい貫禄が出てしまったが、実際は謙虚な方です。

 後日、運営のイマPさんに渋谷eggmanを選んだ理由を聞いてみた。最大の理由は“中学生がちょっぴり背伸びしちゃったようなカッコよさを体感してもらいたかったから”だそうだ。

 たしかに『クロスファイア』プレイヤーは若い子が多かった。そんな彼らに、“ライブハウスのような普段とは違う空間で非日常を感じてほしい”というのが当初のコンセプトらしい。

 “多くのアーティストと同じようにeggmanという登竜門をくぐり、もっと大きな舞台に羽ばたいてほしい”という願いも込めていたとのこと。じつはイマPさんが昔バンドマンでeggmanから巣立っていった、みたいな話だと感動的なのだが、たぶんそんなことはない。

 優勝したクラン“aertex”は、6月に中国で開催される世界大会“WCG CrossFire Stars”への出場権を獲得した。まさに大きな舞台=世界が彼らを待っている。イマPさんの想いどおりに世界を獲ってしまったら感極まって泣いてしまうかもしれない。

 僕は時間の都合で最後までは観戦できなかったのだけど、さすがにステージダイブをするお客さんはいなかったようです。

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▲伝説のバンドならぬ伝説のクランの誕生に歓喜の声を上げようぜ。

クロスファイア』公式サイトはこちら。

“CrossFire CHAMPIONSHIP 2013 Spring”特設サイトはこちら。

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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