檜山修之さん、ゆかなさん、儀武ゆう子さんが熱演! シナリオショーってすごいぞ。『グラナド・エスパダ』

公開日時:2013-07-19 00:00:00

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▲このなかで発表会が行われる。

 記者発表会がすごいことになっている。

 職業柄、新作オンラインゲームや大型アップデートの記者発表会によくお邪魔する。

 最近は発表会の様子が生配信されることも多く、ユーザーを会場に招いて行われる(応募抽選だったり先着順だったり)パターンも増えている気がする。

 大切なお客様を満足させるため、各メーカーはいろいろと趣向を凝らす。結果、企画はどんどんエスカレート。僕もいっしょに楽しませてもらっている。居酒屋で飲んでたら常連さんのおこぼれに預かって裏メニューを出してもらえた! みたいな気分だ。

 先日もふたつのユーザー参加型発表会に行ってきた。ひとつ目のタイトルは、ハンビットユビキタスエンターテインメントさんが運営する『グラナド・エスパダ』。ど肝を抜かれたよ。

★ブリスティア完成記念披露会

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▲司会はコスプレ占い師の渚さんとゲーム実況のガッチマンさん。

 『グラナド・エスパダ』の“ブリスティア完成記念披露会”は、サービス7周年と大型アップデート“ブリスティア”完結を記念して、六本木のニコファーレで開催された。

 今後のアップデート予定や運営方針の発表などの重大発表もあったのだが、いちばん印象に残っているのは“シナリオショー”だ。

 シナリオショーをひと言で言うと、“朗読劇と歌とオーケストラ演奏と映像演出が一体になったもの”。正直なところ、実際に見るまではどんなものかピンと来なかったのだが、始まったらその魅力に引き込まれていった。

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▲この雰囲気。

★音楽・声・映像が織り成すシナリオショー

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▲シリアスあり、コミカルあり。

 何といっても迫力がすごい。控えめな照明。手が届く距離でスタンバイするオーケストラ“gaQdan”さん。ステージ上に静かに登壇する声優の檜山修之さん、ゆかなさん、儀武ゆう子さん。何だか少し緊張してしまい、しばらく呼吸するのを忘れてしまった。

 ゆかなさんの艶のある声から“第一章 新大陸の開拓者”がスタート。プレイヤーたちが“開拓者”と呼ばれる理由や世界観の背景が語られ始めた。

 さすがはプロフェッショナル。声だけで僕らをぐいぐい引き込んでいく。ここはもう六本木じゃない。『グラナド・エスパダ』の世界だ。会場の外の飲み屋の席は、冒険の成果を語り合う開拓者たちで埋まっているに違いない。そこにハイタッチをする陽気なブラザーはいない。

 続いて、映像とともに演奏が始まる。静かに押し寄せる音の波。直接的に脳に飛び込んでくる映像演出。このときの僕は口が開きっぱなしだったと思う。

 周囲を見回すと映像、映像、映像。ニコファーレは前面と左右にコの字型にスクリーンが設置されている。右を見ても左を見ても、目を閉じても瞼の裏には『グラナド・エスパダ』の世界が映る。ただただ、圧倒された。

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▲山中美奈さん(ソプラノ)とレイニーさん(アルト)の歌声も美しい。

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▲檜山さんの絶叫につられて、ずばーっとコメントが流れる。

 シナリオショーは休憩を挟んで2部、3部と続く。

 2部で儀武さん演じる新米開拓者が主要な都市をめぐるという内容。全体的にコミカルで、つねに笑いが絶えなかった。

 ポイントは、


・檜山さんの絶叫と視聴者いじりがすばらしい
・儀武さん、ダリア好きすぎ(理由は自身がゲーム中でもCVを担当しているから)

 あたりだろうか。儀武さんのダリアものまね(本人だけど)、僕は好きですよ。

 2部のラストではゆかなさん演じるガブリエラ姫が登場し、僕の興味はさらに強く引き付けられた。おれ、この娘、すき。

 つい片言になってしまった。それくらいルックスも性格も衣装も魅力的だったのだ。

 聞けば、ガブリエラ姫はユーザーの人気もすごく高いのだけど、仲間にはできないそうだ。いまだに「仲間にしたい」という要望が届くのだとか。失恋みたいなその気持ち、すごくわかる。恋に破れた者同士、ひと晩語り明かしたい気分である。

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▲ガブリエラ姫はツンデレが擬人化したみたいな性格。

 続く第3部は一気にシリアスな展開に。第2部は声優さんたちによる朗読がメインだったが、ここからは歌と音楽、映像演出が徐々に圧力を増していった。頭のなかが研ぎ澄まされていく。

 野望と確執、明かされる真実。ここで内容を書くなんて野暮なことはしない。『グラナド・エスパダ』の世界に没入したい人は、ニコニコ生放送のタイムシフトを見てほしい。密閉型ヘッドフォンで集中して観賞するのがおすすめ。

 シナリオショーは2時間の大ボリューム。正直言って、お金を払ってでも見る価値のある内容だった。それほどのクオリティーなのに、ユーザーを無料で招待し、ニコ生のタイムシフトも2013年8月31日まで視聴できる。

 演出が絶妙だから、てっきりテレビ番組や舞台を作るような制作会社が絡んでいると思っていた。だが、ほとんど運営チームで作ったと聞いて2度びっくり。スクリーンに流す映像も、楽曲も、演奏のタイミングも、運営チームで考えたらしい。すごい。

 興奮しすぎて広告みたいに宣伝してしまった。

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★気になる発表があったライブカンファレンス

 シナリオショーのつぎはカンファレンスの時間。今後のアップデート内容などが発表されたのだけど、そのなかにすごく気になる内容があった。その項目は“運営リニューアル”。ここで運営プロデューサーの中尾圭吾さんが登場。

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▲ユーザーに愛される運営プロデューサー、中尾さん。

 中尾さんの発言をまとめると、

・ユーザーのおかげで運営できているのに、どこか慢心があった。
・そのため作りこみの足りないサービスを提供してしまい、反省している。
・安易に新ワールドをオープンして新規ユーザーを求めることなく、既存のワールドがパンクするまでは新ワールドをオープンしない方針に。

 こんな感じである。

 いちばんびっくりしたのは「これまでは売り上げを優先し過ぎていて、ガチャの頻度が露骨だった」という発言。今後は甘くなっていた課金ポリシーを見直し、ガチャは1ヵ月に1回ほどのペースに固定するという。

 えぇっ! と思った。運営プロデューサーが課金に対しての非を認める発言を、公の場で、しかもユーザーに対してするのは珍しい。少なくとも僕はあまり聞いたことがない。それだけにユーザーに歩み寄ろうという気持ちが伝わってくる。

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▲シナリオ担当の占堂あきらさんもゲストとして登壇。MCのガッチマンさんは控えめに「ご立派ですね・・・」と言っていた。

 ユーザーへの歩み寄りの姿勢は、“2次創作活動の支援強化”という施策にも表れている。

 2ヵ月に1回を目安に、投稿されたイラストとスクリーンショットのなかから最優秀賞を決定。イラスト部門の最優秀賞には10万円、スクリーンショット部門の最優秀賞には3万ハンビットコインが贈られる。“現金10万円”という発表には、さすがに会場がざわついた。

 2次創作は著作権などの関係からもやもやした状態になることが多い。公式で発表の場が設けられ、しかも賞金も出るというのだから、破格の待遇だ。

 また、ユーザーと共同で制作しているボイスドラマを2013年秋にリリース予定という発表にも興味が湧いた。シナリオは現役プレイヤーの占堂あきらさんが執筆し、声優さんや音響スタッフ等の手配は運営チームで行う。

 創作活動に熱心な現役プレイヤーということは、日々いろんなことを考えてプレイしているのだろう。このキャラにはこんなことを話してほしいとか、このキャラは優しいけど意外と積極的とか。ありのままの欲望をぶつけてほしい。

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▲せっかくなのでもう1枚。ガッチマンさんが照れる気持ちもわかる。

★発表会の域を超えていた

 これは発表会じゃない。エンターテイメントショーだ。もしやこれがシルク・ドゥ・ソレイユか。

 企画を考えているうちに「まだ盛り込み足りないんじゃないか?」と不安がこみ上げてきて、最終的に特盛り状態になってしまったのではないか。だとしたら、とても親近感が湧く。僕もそうなりがちだ。

 2次創作みたいなファン活動は僕も支援したい。まずは『グラナド・エスパダ』のコスプレイヤーを探して応援します。ガブリエラ姫がいいです。

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▲休憩中、中尾さんはユーザーにサインを求められていた。

 もうひとつ変わった発表会を見てきたので、近日中にリポートを書く予定です。

グラナド・エスパダ』公式サイトはこちら。

“ブリスティア完成記念披露会”配信ページはこちら。
※タイムシフト再生は2013年8月31日まで。

(C)2003-2013 IMC Games Co.,Ltd./Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

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ファミ通グループでおもにPCのオンラインゲームを担当。企画記事を作るのが好き。
『まいにちがβテスト』は、ミス・ユースケがPCオンラインゲームで遊んだり考えたりしたことをテーマにしたブログです。タイトルには「つねにβテスト時のわくわく感を抱きながらゲームを遊び、実験的な企画もやっていきたい」という意味を込めていると、後付け設定的に考えました。

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