E87M1: 『Vengeful Guardian:Moonrider』レトロ和ゲー&特撮へのラブレター的アクションゲームがブラジルから見参!

文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2023-01-12 01:00:00

 ドモー。新年明けましておめでとう御座います。今年も多くのゲームと出会えることを期待しつつ、変わらず洋ゲーをモリモリ遊んでいきたいと思うBRZRKです。

 今回紹介するのは魂斗羅ライクなゲームプレイで好評を得た『Blazing Chrome』を世に送り出したブラジリアンインディーJoyMasherの最新作『Vengeful Guardian: Moonrider』(PS5/PS4/Switch/PC、公式サイト)だ。

■人々のために立ち上がった反逆の貴公子・ムーンライダー

 本作の主人公は、革命政府によって作り出された超人兵器ムーンライダー。しかし人々が虐げられている現実を目の当たりにした悲しき超人は、彼を生み出した独裁国家への逆襲を開始する……という16-bit調アクションゲームになっている。

Vengeful Guardian:Moonrider

 ちなみにメイン開発者のダニーロ・ディアス氏はTwitter上にてテレビ版仮面ライダーBLACKからインスピレーションを受けていると公言しており、作品中は随所にその雰囲気が見て取れる。ってか作品名がシャドウムーン+仮面ライダーだしね。

■トライ・アンド・エラーで各地のボスを撃破せよ

 ステージは全部で8つあり、大半の面は自由な順番で攻略できる。各ステージにはそれぞれ強力な中ボスが数体とステージボスが配置されていて、これを撃破すればステージクリアだ。

 レトロ風アクションゲームとして非常にオーソドックスなスタイルだが、それがゆえに最初のうちは難度が少し高め。トライ・アンド・エラーを繰り返して敵のパターンを把握し、効率的な立ち回りを習得してクリアーを目指す往年のスタイルといったところ。

 逆にゲームオーバー後のリトライは“回数無制限”&“中ボスを倒していればそこからスタート”という緩めな設計なので、根気よくプレイすれば道がひらけるだろう。(※編注: 回復アイテムも割と落ちているし、後述の強化モジュールには回復手段を増やすものもある)

Vengeful Guardian:Moonrider

 主人公が取れる基本アクションは、通常の近接攻撃(連続入力で3連斬りに変化)、ボスを倒すと入手できるロックマン的な特殊攻撃(MPを消費)、ジャンプ&壁からの三角飛び、ダッシュといった感じ。

 また、ジャンプ中に任意の方向(下または斜め下)と攻撃ボタンを押すことで飛び蹴りをするライダーキック的な技や、ダッシュ中に攻撃ボタンを押すことで深く斬り込むダッシュスラッシュも重要だ。前者はプラットフォームに飛び移る時に着地位置をコントロールするのにも使えるし、後者はダメージが高いので硬い敵を撃滅するために頻繁に使用することがある。(※編注: 雑魚をさっさと一撃で確実に倒したい時も便利)

Vengeful Guardian:Moonrider
Vengeful Guardian:Moonrider

 いくつかのステージには固有のギミックが設けられていて、バルブを操作して水位のコントロールをして先に進めるようにしたり、一定時間で閉じてしまうゲートを開けてから急いで移動してくぐり抜けるといったちょっとした謎解きや、飛行中の機体を渡っていく空中ステージ、車列の上を戦いながら進んでいく面、愛車で戦闘しながら突っ走るバイク面(詳細は後述)など、プレイヤーを飽きさせない工夫が随所に仕掛けられている。で、このギミックの難度が丁度手頃なので詰まることもない塩梅なのがまたグッド。

Vengeful Guardian:Moonrider
Vengeful Guardian:Moonrider

■各ステージで入手した強化でカスタマイズせよ

 日本語ボイスの決めゼリフつきで主人公を迎撃してくるステージボスはそれぞれ派手に動いてくる専用技を持っているので、うまく見極めて無防備なタイミングに最大反撃を与えていくのが重要。

 こちらも別のボスから入手した特殊技をうまく使えば効果的に大ダメージを与えられるが、使用にはMPを消費するので、あまり連発していると使いたい場面で使えなくなったりなんてこともある。

 そこでオススメしておきたいのがマップの探索だ。実はほとんどのステージにはパワーアップアイテム(モジュール)が隠されており、これを取ると時間とともに魔力を回復したり、二段ジャンプができたりといった攻略にはかかせない補助を得ることができる。

 このパワーアップは2つまで同時に装備できるので、ステージ攻略中にできるだけ見つけておこう。ちなみにステージクリア時に隠されたパワーアップの有無と取得状況が表示されるので、取り損なっていた場合はもう一度ステージ攻略することを強くおすすめする(未取得のモジュールのある場所に近付くとヒントを出してくれるモジュールもある)。

Vengeful Guardian:Moonrider

■サクッと遊べるナイスな2Dアクション

 個人的に面白かったのがバイクステージだ。疑似3Dのスプライト処理で奥スクロールのバイク面が構成されていて、セガの『ハングオン』やタイトーの『ナイトストライカー』といったゲームをふと思い出した。

 「こういったタイプのゲームだと横スクロールでのバイクアクションは有るだろうな」と思っていたのだが、この疑似3Dスタイルでブチ込んでくるあたり、かなりニクイ演出。

Vengeful Guardian:Moonrider

 以上、16-bit調で作られた本作だが、アクションゲームに慣れた人であれば総プレイ時間は2、3時間もあればクリアできるだろう。アーケードライクなテンポ感のあるゲームなので、たとえ実時間は短かったとしても、かなり濃ゆく達成感はしっかりある。

 90年代のアクションゲームが好きだという人だけでなく、ハードコアな2Dアクションゲームを遊びたいという人なら触って損はないだろう。物足りないという人は一撃食らうと死亡する特殊モジュールでタイムアタックに挑むべし。
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著者近況: 正月はATARI LYNXの『Gauntlet』を遊んでた
編集者近況: 久しぶりに日本に帰ったけど、いつでも買い食いしまくれる日本のコンビニまじヤバい

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)