E7M3: 初代『Quake』IRCなんかを使って対戦していた頃の記憶

公開日時:2014-02-12 00:00:00

 ドモー、BRZRKです。前回はQUAKE1のマルチについてMODをメインに扱いながらチョイチョイと書いていきました。そこで、今回はMOD以外の部分がどうだったのかを書いていこうと思うのでひとつヨロシク。ちなみに、これは僕の視点で感じたことを書き連ねる感じなので、実際は違う部分もあるかもしれないけど、まぁそこはご容赦を。


 まず、普通にDeathMatch(以下、DM)を遊ぶには、ネットワークが最適化されたQuakeWorld(以下、QW)よりもNetQuake(以下、NQ)で遊んでいる人が多かったと思う。普通に考えれば、「ネットコードやら色々とオンラインに最適化されたQWを遊ばずに、少々癖のあるNQで遊ぶなんて何考えてるんだ?」と思うだろうけど、その要因として上げられるのが遊べすぎた体験版の存在だろう。

 QUAKE1では、シングル用マップデータのアイテム配置を変更することでマルチプレイマップとして対応させていたのだが、これは体験版でも同じように適用されており、収録されていたエピソード1のマップ(E1M1~E1M8)+STARTの計9つのマップを遊ぶことができた(実際に対戦で遊べたのはE1M1~E1M6+STARTだったかな?)。
 したがって、体験版にしてはかなりボリューミーな内容で遊ぶことが出来てしまったため、製品版を購入せずに体験版だけを遊び続ける人が続出。かくいう僕も最初は体験版だけを遊び倒していたのを覚えている。

 そして面白いのが製品版のユーザーも体験版のサーバーに入ることが出来た点だ。製品版は全エピソードマップ+マルチプレイ用のdmマップ+QuakeWorld(要導入)など至れり尽くせりなクライアントになっているのだが、体験版サーバーで製品版を買わずに遊んでいる人が多く居たため、製品版ユーザーも体験版サーバーに訪れて対戦していた。


ちなみに当時最も衝撃的だったのは、CyberOZと呼ばれる日本国内の体験版サーバーで、ご存知ファミ通のブンブン丸や渋谷洋一氏が暴れており、初めて見かけた時はチビリそうになったのを覚えている。彼らはAP9というクランで活動していたのだが、機会があれば当時のことについてブンブンに色々と聞いてみたいと思う。


 同じサーバーで遊び続けていると徐々に顔見知りというか名前見知りのユーザーが増えてくるのだが、ある日「チーム戦を遊ばないか」と誘われ製品版を購入することになった。早速QWを導入して遊んでみたところ、QWをプレイしている人たちは所謂ガチ勢。毎日決まった時間帯にQWサーバーで遊んでいるとのことで、色々と教えてもらったのを今でも覚えている。

 そんな中でチーム戦を遊んで居ると、クランという物に興味を持ち出す。そこで顔なじみのプレイヤーを誘ってクランを設立し、最初は体験版サーバーで知り合った連中とQWで紅白戦を遊んでいたのだけど、徐々に強さへの欲が出てくる。で、どうしたら他のクランと繋がれるのだろうかと調べてみると面白い動きがあった。

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▲QUAKE CLAN RING

 それがQuake Clan Ring。当時あったウェブリングの一種で、大元のページが消滅しているので、記憶違いの可能性もあるのだが、ハブとなるページにクランのサイトを登録し、画像のようなバナーを表示させる。すると、プレイしたいルールや回線、地域、対応クライアント(QWやNQ)で同じ条件を満たすクランのサイトに飛べるようになる。つまり、地域をASIAにすれば日本にあるQUAKE CLAN RINGに登録されたクランのサイトにも飛ぶことができたのだ。

 そして最初は相手クランの掲示板でやりとりをしていたのだが、やりとりが結構面倒くさいので、IRC(インターネット・リレー・チャット)と呼ばれるチャットソフトを使用。QUAKERの集まるチャンネルに入ったり、他のクランのチャンネルに入ってチャットを通じて交流を深め、情報交換などもした。
 IRCを活用していると、『1on1やろう!』とか『試合しよう!』といった会話を複数人で出来るので、インターネット凄すぎぃ!! とか思いながら会話していたなぁ。


 で、そこで知ったのが、QUAKEの本場であるアメリカには化け物じみた強さのプレイヤーが居て、猛威を振るっているということ。実際、海外ではDOOM2時代から本気でFPSの対戦に明け暮れているプレイヤーが多く、中には少しでも回線状況の良い地域に平気で引っ越しをする猛者たちが居たほどだ。
 さすが本場だなぁと思いつつも、ゲーム大国である日本人とどっちが強いんだろうか? と思っていたところ、元ファミ通のスタッフだったハイローラー元帥こと渋谷洋一氏がアメリカで当時最強のQUAKERだったThresh氏と1on1で勝負し、89対-3で敗北という衝撃のリプレイファイルを拝見することに。
 ちょっとそのリプレイファイルが手元にあったので、動画にしてみた。海外と日本での差を痛感させられたリプレイファイルで、今でも年に一度は見ていたりする。

 で、なんでチャンプと日本人が対戦しているのだろうかと調べた過程で、海外では大きな大会が開かれており、そこでは当時id software社に所属していたジョン・カーマックのフェラーリが賞品として出されたり、大規模なLANパーティーが行われているという、日本からでは想像もつかないような世界になっていることを知り驚愕。いつかは海外のLANパーティーや大会に参戦してみたいなと夢に見ていた(後に叶う)。

 リプレイファイルという存在を知り、そのファイルから得られる情報やテクニックの塊に一喜一憂するようになり、海外で大きな大会が開かれるたびにリプレイを見て研究。自分のクランに取り入れてみる……といった事を1年近くずっとやってたかな。

 またまた話がズレていってしまったけど、なんだかんだで続編であるQUAKE2が発売されるまでずっとQUAKE1を仲間たちと遊んでいた。当時はQUAKE1も下火になっており、顔を突き合わせるQUAKERはいつも同じ。でも、そんな中でも仲良くなるプレイヤーが居たり、敵対クランとのイザコザなんかもあったりと毎日が本当に新鮮だった気がする。

 さて、今回はこんな所だろうか。もっと詳しく書こうとすると大惨事になるので、簡単にチョイチョイと書いてみた感じ。で、QUAKE1はもうお腹いっぱい! って思っているかもしれないけど、あと1回だけお付き合い願おうと思う。とりあえず次回は「QUAKE1の凄かったトコ」を動画付きで紹介して〆ようと思う。


著者近況:スタンドアロン版DayZで外国人を手錠で拘束し、腐った食べ物を食べさせるのがマイブーム。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)