E94M1: 一撃当たれば勝負アリ! 大味だがネタ対戦ゲーとしてはアリなサイバーチャンバラ格ゲー『Die by the Blade』

剣が当たれば一刀両断な格ゲー『Die by the Blade』を紹介。
文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2024-05-24 07:00:00

 ドモー。『Diablo 4』の新シーズンが結構楽しめているBRZRKです。もっと3みたいに火力がぶっ壊れたゲームになってもええんやで?

 今回紹介するのは、1対1の剣戟対戦ゲーム『Die by the Blade』(PC版が日本語対応で配信中。家庭用ゲーム機版は10月予定)。どんな感じなのかというと、『ブシドーブレード』と『フォーオナー』とファミコンの『六三四の剣』を混ぜ合わせたような感じで、ワンミスが一撃死を誘発するスリリングな対戦ゲームといったところだ。

 キャラクターの見た目などは、サイバーパンクな未来で人種問わずに帯刀しているという謎な世界観といった感じ。ちなみに筆者が気に入っているのは茶色い肌の"トニー和尚"。この手の映画に出てきそうな風貌でカッコいいというか、うん、この近未来のナンチャッテジャパンテイストは最高にクールじゃないか。

Die by the Blade

◯実際遊んでみたらどうなん?

攻撃編初級: とにかく当てれば勝ち!

 本作は基本的に2本先取で行われる。どちらかの攻撃が当たりさえすれば即死で、そのラウンドは勝負あり。腕にヒットすれば腕を切り落とし、足に当たれば足を切り落とし……頭部なら首が……と、盛大にあれこれがすっ飛ぶ。

 基本の攻撃には縦斬りと横斬りがあり、それぞれ上段、中段、下段の3つのスタンス(構え)から放てる。なんか『六三四の剣』を思い出すんだよねこのシステム。

 スタンスの切り替えはアナログスティックの入力によって行うことが可能なのだが、このとき画面のキャラクター上にどのスタンスに移行したのかわかるようなUIが表示される。これにより、自分だけでなく相手が今どういったスタンスなのかを把握可能だ。ここ、『フォーオナー』っぽいんだよね。

Die by the Blade

 ちなみに全く同じタイミングで攻撃が当たるとドローとなり、どちらにもポイントがつかないことも。まぁこれは凄く珍しい展開なんだけどね。有効打さえ入れば相手を倒せるこの感じ、すげぇブシドーブレードっぽさがある。

 なお剣を振ってると画面上部に表示されるスタミナゲージがゴリゴリと減る。このゲージがゼロになっても剣を振ることは可能だが、剣速が落ちて見切られやすくなってしまう。なのでスタミナの管理には気をつけないと、見切られて逆襲なんてことも。

防御編初級: 防げ、崩せ、騙せ、かわせ!

 ではどうやって相手の攻撃を防ぐかというと、相手が攻撃を出したときに相手のスタンスと同方向にこちらもアナログスティックを入力しているとこちらの武器を当ててガードできる。

 さらに受け流しボタンと組み合わせることで相手の斬撃を崩すことも可能だが、こちらは受付時間が限られている上にUIの色が変化するのでバレやすいデメリットがある。「ここぞ」というタイミングで使うのが良いのかな?

Die by the Blade

 そして脇差しや薙刀など、プレイヤーが使用する武器によって攻撃時の速度やリーチは大きく変わる。最初はそれぞれの間合いに慣れるまで苦労するかもしれないが、目が慣れたら「相手の攻撃をギリギリ受けない距離で攻撃を引き出させてカウンター」という戦いがメインになるだろう。

 そこでオススメしておきたいのが攻撃のキャンセルだ。斬撃を出したあとに受け流しボタンを押すとモーションを途中でキャンセルすることができ、フェイントとして利用することが可能だ。こちらはあまりリスクはないのだが、相手がこちらの動きに慣れてきたタイミングでの変化球として利用すると効果的。ていうか俺がやられまくった。

Die by the Blade

 一応、相手との軸をずらす避けや大きく距離を取る転がりといった動作もある。ただ、避けについては縦斬りだろうと横切りだろうと多少ホーミングするので、数フレームしか猶予がないドンピシャのタイミングで行わなければ成功しない。なので、本作では基本的にガードと受け流しで敵の攻撃を凌ぐというのが正しい戦い方なのだろう。

(編注: 転がりアクションについては開発が調整中の模様)

Die by the Blade

上級編: スタミナに気を配りつつ、連撃を狙え!

 上記のような攻守の基本を踏まえた上で、実戦での攻撃の要となるのが上でも軽くれた連続技だ。こちらはコントローラーのアナログスティック2本と攻撃ボタンの組み合わせによる連続入力を成功させると、流れるような連撃を繰り出せる。

 パッと見で対応しにくい技が間に組み込まれていることもあるため、攻防の中で相手が様子見などで固まったタイミングに合わせて出すことで慌てた相手の苦し紛れの反撃を出掛かりで潰したり、一気に間合いを詰めたりといった活用ができるだろう。まぁ初撃を捌かれたら元も子もないのだが、そのへんは読み合いってことで。

Die by the Blade

 筆者個人としては野太刀どうしの戦いが楽しい。というのも、野太刀は動きが他の武器と比べて遅めになってしまうが、その分読み合いが濃厚とも言える。わざと上段に構えて一撃で仕留められる間合いに入るか入らないかの際での隙を伺ったり、斬撃にフェイントを入れるか入れないか、捌き動作を誘発させるための動きを入れる……など、素早くない武器だからこその読み合いが性に合っているため、フレンドと対戦していたときは野太刀での戦いばかりに興じていた次第だ。

Die by the Blade

◯ストーリーモードなしで対プレイヤー/CPUの対戦がメイン

 本作は所謂ストーリーモードは搭載されておらず、おおまかにオンライン・オフラインのCPU戦を含む対戦、チュートリアル、トレーニングモードを遊ぶことが可能だ。

 キャラクターはそれぞれ"攻撃速度"、"速度"、"体力"、"精神力"といった性能差が存在する。攻撃時の武器の振り速度や、スタミナの上限が異なったりという差異こそあるが、まぁ一撃で死亡するゲームなのであまり体感することはできないかな? “体力”については双方ともにヒットした場合の勝敗を左右するっぽいんだけど、検証まではしきれていない。

Die by the Blade

 武器については直刀、刀、脇差し、野太刀、薙刀が利用できる。最初は使える武器こそ少ないが、プレイヤーが対戦を1戦やるごとに経験値とゲーム内マネーを獲得していき、レベルが上がると少しずつキャラクターや武器がアンロックされていく。

 試合結果による獲得量の違いなんかもあったりするけど、フレンドとあれこれ試しながら遊んでるだけでもアンロックされていくのでそこは良かった。でもアンロックをアナウンスするような演出が実装されていないので、「気付いたらなんか変なオッサンと武器が増えとる」といった感じだ。もうちょっとこの辺は良い演出が欲しいなぁと。

Die by the Blade

 ちなみに獲得したゲーム内マネーの方は、キャラクターや武器の外見をカスタマイズするのに使う。ただ、そこそこのマネーがかかってしまうので、繰り返し対戦してお金を貯めなければならない。

 チュートリアルとトレーニングモードはそのまんまで、前者は基本的な立ち回りと、各種武器の戦い方を学ぶことが可能だ。

 後者はデクを相手にガードや移動の有無といった挙動の設定をすることで様々なシチュエーションを想定しての練習ができる。またそれだけでなく、トレーニングモードではキャラクターや武器の当たり判定を表示させることもできるので、本格的に本作をやり込みたいという人にはかなり嬉しい作りとなっている。

Die by the Blade

◯一風変わった対戦ゲームをしたいなら楽しめるかも

 なんかサイバーな世界観で剣術家が切り合う不思議な雰囲気の剣戟対戦ゲームといった感じの本作。まぁストーリーモードが搭載されていないのでひたすら対人かCPU戦しかできないという弱点は抱えているものの、対戦自体は普通に楽しめたというのが正直なところだ。

 ただ、やはり大味すぎるのと、武器ごとに異なる連続技を記憶しておかないといけないというのもあり、敷居は少々高い。ただ、最近の対戦ゲームとはちょっと違う、何か“パンチ”が欲しいという人にはちょうど良いタイトルだとおもう。根を詰めて遊ぶのではなく、ちょっとしたタイミングでフレンドと遊んでみる暇つぶしゲーとして最適なのではないだろうか。

---
著者近況: 卵に当たって地獄
編集者近況: 今月は『Animal Well』と『Lorelei and the Laser Eyes』を立て続けにレビューしたのでゴールデンウィークどころではなかった(合間に気分転換でヴァンサバの魂斗羅DLCのレビューしたり『Little Kitty, Big City』のレビューをしていた)

この記事の関連URL

この記事の個別URL

BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)