E26M1: カラテこそ地上最強! 梶原一騎イズムにあふれた洋空手ゲー最前線『空手マスター2』

公開日時:2015-03-25 00:00:00

 ドモー、BRZRKです。『EVOLVE』や『バトルフィールド ハードライン』といったタイトルがリリースされ、日々眠い目をこすりながら遊んでいるわけだけど、タイトルのリリース時期が近いのは勘弁してほしいと思うのが正直な感想。身体が足りないよ!

 今回取り扱うタイトルは超硬派な格闘ゲーム『空手マスタ2』(※編注:多分正式には『空手マスター2 Knock Down Blow』だけど一部ロゴで“ー”が消失。あとE25が諸事情により飛びまして、今回がE26/通算第39回です)。CRIAN SOFTというデベロッパーがSTEAMでリリースしているシングルプレイ専用のタイトルなんだけど、昨今ではなかなかお目にかかれないガチガチな空手ゲーだ。


 東洋の武術を扱ったタイトルは昔から多数存在する。日本産で言えば最初の格闘ゲームとも呼ばれている『空手道』(1984/テクノスジャパン)や『イー・アル・カンフー』(1985/コナミ)などなどが知られている。だが、海外産ともなれば、コアゲーマーが知る程度で、知名度もあまり高くない。最も知られているタイトルは恐らく『KARATEKA』だろう。お辞儀すれば敵もお辞儀をしかえしたり、開幕早々に断崖絶壁に落下死できるあのタイトルだ。

 そのほかのタイトルでは、『BUDOKAN THE MARTIAL SPIRIT』(下記参照)や『International Karate』(Internet Archive参照)といった硬派というか東洋の神秘ゲーもあれば、『ビキニカラテ』(公式サイト)のような色々大変なタイトルも。

 とまぁ、前置きが長くなったので本題に。『空手マスタ2』はリアルな空手ゲーを目指したタイトルなんだけど、ストーリーがかなり意味不明で面白い。下に動画を張るけど、要約するとこんな感じ。

「当時、俺は港でフォークリフトの運転手をしていた。俺はKateと付き合っていた。その日ちょっとした喧嘩をしてしまったんだ。ちょうどその時、ファイトを始めようと思った。」

 という、なんつーかガールフレンドと揉めたフラストレーションが格闘技を始めるキッカケという、なんとも妙な気分になってしまうストーリー。とりあえず、動画見て貰えれば意味不明なのが分かってもらえるはずだ。

 で、いきなり空手家として強くなるための鍛錬を開始して、最初は瓦の試し割りとかするんだけど、このとき行動可能な回数制限が存在する。で、大会とか出たりしていると鍛錬できる回数が増えるはずなのだが、現状は進行不能なバグが高確率で発生するため、2回ほど鍛錬をするとトレーニングがほぼ不可能になる。だけど、滝行などの精神を鍛える『気』だけは鍛錬可能。心だけは強くなれる謎仕様。(※編注:編集の環境では大会優勝でトレーニングポイントが溜まるのを確認しているのですが、そういうわけなのでパッチで安定するまで待つか、自己責任でご利用下さい)

 そんなこんなで早々にやることがなくなるので、あとは港で『シェンムー』の如くフォークリフトで資金を貯めるか、小規模な大会に出るしかやることがない。

 とまぁ、筆者の環境で現状できるのはこの程度。肝心のバグの件についてはSteamの購入者が文句を言いまくっているので、早々に対応してくれるはず。というか、じゃないと厳しいので対応してくれ。
 それを抜きにして、格闘ゲームとして見るとどうかというと、これは割とデキがいいと言っていいかな。これでバグが存在せず、マルチプレイにも対応していたら、洋空手ゲー界の傑作と言われてもおかしくないんじゃないかなと個人的に思う。
 というわけで、金額的に1000円と低価格で(格闘部分の設計自体は)割としっかりとした作りの空手ゲー。今後のアップデートに期待したいところだ。


著者近況:『武力 BURIKI ONE』で遊びたくなるよこれ

この記事の個別URL

BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)