E46M1: 恐怖の全裸おじさんがフレームイン! 銃の代わりにカメラを構える一人称視点ホラー続編『Outlast 2』

公開日時:2018-02-23 17:00:00

 ドモー、最近二郎ではヤサイマシは頼まず、ニンニクカラメのみのおとなしめなトッピングを選んでいるBRZRKです。

 今回取り扱うのは、発売から少し時間が経っているものの、前作より全然面白いなぁと個人的に感じている『Outlast 2』(公式サイト)。

 前作((本連載でも以前紹介している))は山奥にある精神病院で行われている所業を暴くべく主人公が単身潜入するというストーリーで、その後にリリースされたDLCも、件の精神病院に関連した人にスポットライトを当てた内容だった。

 じゃぁ本作はどうかというと、主人公はフリーのカメラマンでレポーターを務める妻とヘリコプターで取材のために飛行中、トラブルに見舞われてしまいゲームらしく墜落してしまう。奇跡的に一命をとりとめた主人公が彷徨いたどり着いた先は、生贄の儀式が平然と行われているようなカルト宗教が統治する寒村だった。そして離れ離れになってしまった妻と合流すべく、そのヤバい村を彷徨うことになる。

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 といった感じに、ゲームとしてはFPS……というよりFirst Person Adventureか? というのも、普通のホラーゲームだったら主人公は銃を持っていたり、即席で武器をこしらえたりするけど、前作同様にプレイヤーは攻撃手段を一切持っていない。

 代わりに、というのも変な話だが、主人公は商売道具のビデオカメラを持っていて、映像を記録するかナイトビジョン(暗視モード)で暗闇を見通すくらいはできる。というかそれぐらいしかできない。まぁ主人公は酷い目に合うんだし、個人的にはせめてそのカメラで殴ったりしろよと思わなくもないんだけどね。

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 本作の大半のパートは、“人民寺院事件”を参考に作り上げられた、世界の終末に備えて怪しげな儀式を執り行うカルト宗教との壮大な鬼ごっこ。その訪れる場所のほとんどが血塗られていて、人間としての倫理が崩壊しきったような場所で、ひたすら探索と逃走を繰り返す。なのでプレイしていると精神的にスゲェ落ち込む。

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 そしてもうひとつ行く場所があって、それは主人公が妻と幼年期を過ごしたカトリック系学校。こちらは何かがトリガーとなって、記憶がフラッシュバックする形でプレイヤーが訪れる世界だ。まぁこちらは追憶というよりも、過去の記憶と悪夢が合わさった地獄といったところだね。

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 なお、探索中は儀式の痕跡や暴虐が行われた痕跡を見かけることがあり、カメラのファインダーを覗いてその場所を映し続けることで、主人公の持つファイルに収められることもある。まぁこれはコレクティブ要素という性質が強く、見逃しても特にストーリーの進行には影響を与えない。時折落ちている情報の書かれたファイルなどと合わせて内容を考察することで、物語のコアな部分への理解度が増すというのはあると思うが……。

 物語の進行自体は比較的単純で、基本的には薄暗いエリアをひたすら前へ前へと進んでいくことになるのだけど、道中はカルト信者が道を阻むかのように配置&徘徊しており、それを物陰に隠れながらバレないように移動していく流れとなっている。途中でエリアボスみたいなものが出現することもあるけど、その場合もやはり交戦せずにバレないようにエリアを突破する感じになる。

 そうそう、ゲーム内の世界に出て来る敵信者の中にはクリーチャーみたいなのも……、というか最早クリーチャーと言って差し支えないことになっちゃっている連中が居たりする。んで、フラッシュバックした過去でも見た目がグロいクリーチャーに出くわすことがあり、とりあえずおっかない敵ばっかりが跋扈しているようなところなんで、面倒事を避けるためにも基本はスニークスニークだ。

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 ちなみに上で触れた“人民寺院”は、カリフォルニア州で立ち上がったカルト宗教だ。やがて米国内での活動が難しくなり、国外へ信者とともに拠点を移動して好き勝手に色々やっていたところ、実態を調査するべく議員団による査察が決定。

 そして訪れたアメリカの下院議員を含めた調査団の多くを射殺し、最終的にはどうにもならないと悟った教祖が信者とともに集団自殺をしたという恐ろしい事件を引き起こした。まぁ詳しいことは適当に検索してもらえれば出てくるけど、なかなかエグいのであまりお勧めはしないよ。

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 そしてフラッシュバックで訪れるパートは、海外で度々ニュースにもなる一部の聖職者が未成年に対して性的暴行を働いた問題が土台になっているんじゃないかな? まぁこちらは凄くセンシティブな話なので、当方は特に何もいうことはない。探せばドキュメンタリー番組があったりするんで、こちらも興味のある人は適当に調べてみたらどうだろうか。

 そんな感じの『Outlast 2』。前作をプレイした人はもちろん、グロテスク耐性があって精神的に苦しむようなホラーゲームを求めている人なら普通に楽しめるのではないだろうか。ちなみに筆者は2周遊んでお腹いっぱい。

 前作とは断片的に繋がっている程度ではあるけど、よくわからないSFな感じに突然なったりしない分、こちらのほうが個人的に楽しかったと言えるかな? なお本作はPC版が日本語入りで配信中。ちなみに海外コンソール版になぜか日本語が入ってたり、また海外ではSwitch版の予定もあるそうなので、自己責任でトライしてみるのもいいかもね。


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著者近況: 冬季五輪はカーリングとホッケーが好きです

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)