E16M2: Stroggの人類再処理工場へようこそ。『Quake II』におけるキャンペーン構造の進化(後編)

公開日時:2014-06-30 00:00:00

 ドモー、梅雨のせいでジメジメしてストレスフルなBRZRKです。今回は前回に引き続き『QUAKE2』のシングルプレイヤーモードについて書いていこうと思う。と言っても、見どころポイントの紹介といった感じだけどね。


 『QUAKE2』に登場する敵キャラクターであるStroggは、前回も書いたけれど「生物と機械のハイブリッドエイリアン」だ。なのでその見た目は、一見人間風なヤツから完全に機械というか兵器化された物までバリエーションが豊か。その数は20種類以上と、『QUKE1』より若干増えている。

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 写真で紹介した以外にも飛行型や戦車型など様々なStroggが登場。後ほど動画で紹介しようと思うので、そちらを参照あれ。


 さて、シングルプレイヤーのマップ構成については、『DOOM』や『QUAKE1』のように順繰りで進めていくシステムを撤廃。順次与えられる司令部からの指示を達成するため、マップを行き来することもある。

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 画像を参考に説明すると、『QUAKE1』は往年のFPSのシステムとでも言えばいいだろうか、順番にA→B→Cとマップを進めるだけ。これに対し『QUAKE2』では、マップAからマップDに行くための必須アイテムをマップBとCで集め、揃ったらマップAの扉を開けてマップDへ……といった感じとなっている。
 これは推測だけど、恐らく大きな戦場感を出そうと工夫した結果、1つの目的を達成させるために複数のマップを跨ぐ手法を取り入れたのだと思う。この手法は割と的を射ていて、『QUAKE1』よりも1つのミッションのやりごたえが格段に増したと言って良いだろう。ただ、これに頼りすぎると『POSTAL2』のように、「マップロード完了後、目の前の曲がり角を曲がると再度ロード」といった地獄のダメゲーになるので、レベルデザイナーの力量とでも言えば良いだろうか、手腕が物凄く問われる手法なのだが、『QUAKE2』はその点は良く出来ており、ストレスを感じさせない程度のロード回数になっている。

 で、目的を達成すると、新たなエリアへと移動するのだけど、そこにはロボットボイスを用いたムービーが挿入される。このボイスがかなりボソボソとしていて聞き取りにくいのだけど、ワイヤーフレームなどで表現されるブリーフィング画面がかっこいいので紹介。

▲音ズレは仕様。そのうち「ALL YOUR BASE ARE BELONG TO US」とか言い出しそう。


■どこに行っても戦場は阿鼻叫喚!! 地獄絵図より凄惨な世界がある

 ゲームを進めていくと、あちらこちらに戦死したと思われる宇宙海兵隊員の亡骸が多数横たわっている。志半ばで力尽きたんだろうなぁなんて思いながら進めていくと、捕虜となった人間が収監されているエリアなんてのも登場する。このエリアにぶち込まれた人間は何故か例外なく精神的に弱り切っている模様で、「make it stop….」「Kill me now…..」と呟く者も居れば、奇妙な笑いを上げているイっちゃった感じの人間も。

 そんな感じで進んでいくと、Stroggがいかにして人間を資源として処理しているのかを垣間見ることができる。『QUAKE2』発売当初はともかく、今となってはショボイグラフィックだけど、なかなかコミカルながらもエグい表現がされている。

 そんなこんなで物語を進めていくと、中ボスクラスの敵が主人公の眼前に立ちはだかる。見た目が戦車のようにゴツイやつも居れば、飛行タイプも出現するなど、見た目はかなり賑やか。なんだけど、結局のところ中ボスもラスボスも、対処法は「被弾しないように移動しながら攻撃を当て続けろ!」という、昔のゲームだからこそ許されるバカ正直な戦いに。「知的な戦いなんてクソ喰らえ!」という、ぶっ放しまくりFPSだからこそ許されるガチンコ感がたまらん。

 運良く(悪く?)敵陣の中に不時着して以来、Big Gunと呼ばれる大砲を破壊したり、ブラックホールジェネレーターを機能停止に追い込むなど、人類のために戦ってきた主人公。残りはラスボスといったところでついに出現するのが、頭にレールガンを備えたヘンテコなボスのMakron。どうにもこうにもショボイ見た目だけど、とりあえずラストバトルの動画を撮影しておいたのでご覧あれ。

▲弱い(確信)

 ボスの撃破後は上の動画みたいに脱出ポッドを利用してエンディングという流れなんだけど、ここでちょっとした行動をすると、id softwareの面々を見ることができるイースターエッグの隠されたエリアへ進入可能になる。こちらもたっぷりと撮影してきたので、ご覧あれ。


 Stroggのリーダーを撃破した主人公。だけど『QUAKE2』はこれだけで終わりを迎えるわけではない。実は『QUAKE2』の主人公Bittermanの他に、ふたりの兵士の視点からの物語がミッションパックの『QUAKE2:Ground Zero』と『QUAKE2:The Reckoning』で語られている。こちらは武器の追加など様々な要素があり、マルチプレイもかなり楽しかったのを覚えている。機会があれば、これらのミッションパックもいずれ。

 そうそう、『QUAKE2』の主人公がStroggのリーダーMakronを撃破した直後、別の戦地へと向かっていた宇宙海兵隊員がStroggと激しい戦闘へと突入するのだが、この兵士が『QUAKE4』の主人公だったりする。その前後関係は、『QUAKE4』の序盤で垣間見ることが可能なので、こちらもそのうち扱おうと思う。

 さて、今回のE16M2はここまで。マルチプレイに関しては少々時間が必要なので、いずれ触れるという方向で調整中。とりあえず、シングルプレイヤーは武器とか色々ショボイ部分もあるけど、今プレイしてみてもサクサクと遊べるので楽しめるね。うん。


著者近況:QUAKECONでDOOMの情報が出るらしいので期待しちゃうなぁ。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)