E1M2 ニンジャナンデ!? 味わい深き『Shadow Warrior』のニンジャ世界(後編)

公開日時:2013-05-02 00:00:00

 ドモー、BRZRKです。本文に入る前に「なんで“1回目”じゃなくてE1M1なの?」と問われたのでここで返答。これは、僕がFPSというジャンルに深く関わるキッカケになったid Softwareの『QUAKE』というタイトルが由来。『QUAKE』では4つのエピソードが用意されており、各エピソード内にはいくつかのマップが存在する。例えば、エピソード1の2つ目のマップなら、E1M2といった感じ。
 なので、今回は前回から続いているエピソード1の2回目ということでE1M2として表している。まぁ、スーパーマリオブラザーズでいう1-1とか1-2みたいなもんだと思ってもらえればいいかな? タイトルが変わればE2M1みたいにエピソードナンバーが増えていく予定。

 さてさて、前回からブッパ気味に『ShadowWarrior』(以下、SW)を紹介したわけなんですが、今回も割とブッ飛ばし気味にSWを色々と紹介していこうかと思う。

 一般的なゲームでは、敵はゲームの進行度に比例して強くなる。これは、プレイヤーの成長に応じてゲームの難度を変化させることで手応えを持たせるのが狙いだと思う。
 ただ、昔のゲームは容量問題が大きな課題となっていたので、「基本的な見た目は同じだけど、色違いごとに武装の性能が変わる」といった手法を多用していた。これは日本だけでなく、世界的に使われた手法だ。ドラクエで言うスライムの色違いでスライムベスが登場するのが良い例なのかな?

 SWに登場する雑魚キャラにも同様な手法で色違いのキャラクターは取り入れられているのだけど、面白いことにゲームの進行度に比例しているとは言い難い。色違いのモブキャラにはロケットランチャーを狭い道かつ至近距離でぶっ放すタイプの奴が居て、ゲーム序盤から苦汁をなめることになる難度……というか、言い方を悪くすれば“昔の洋ゲーならではの難度”といった感じだろうか。

 ほかにも、爆弾を抱えて接近してくる敵が登場するのだけど、昨今のゲームなら導火線に火を付けて「シュゥゥゥーッ」ってな感じの音を発生させたり、明らかに爆発するだろ! って感じの赤いドラム缶を持ち上げているといった、見た瞬間に危険度が理解できる仕掛けが施されてる。
 でも、SWの場合はアジロ傘をかぶった緑色の肌をしたよ奴が木箱を抱えて突っ込んでくるだけ。で、「何だコイツ!」とか思って放置していると、接近と同時に自爆。撃ち倒しても爆発。で、よーく注意して木箱を見ると、うっすらと赤文字でTNTって書いてある。
 でも、この時代のゲームはテクスチャーがメチャクチャ粗くて全然まともに読めないんだよね。でまぁ、読めた! とか思った瞬間には大爆発して大惨事。どんな野郎なのかというと、動画を用意したんで、その目で確認してみて。

 とまぁ、こんな感じで強敵を排除しながら進んでいくと眼前にボスが出現する感じ。ボスのデザインなんだけど、これもかなりぶっ飛んでいるというか、力士がボスだったりする。相撲取りね。もうなんつーかコレもまた酷いボスなんで実際に無敵状態で録画してきたので実物を見て欲しい。

 四股を踏むことで繰り出す大震動攻撃。猫騙しで飛び出す爆発性頭蓋骨。ケツを向けての大放屁爆炎(しかも毒ガス噴霧)といった、本職の力士が見たら開発者を「可愛がり」たくなるような演出の数々。
 撃破後は大放屁(音が生々しい)をかましたあげく、ロー・ワンが「ロー・ワンはお腹が空いている!」と言い出し目玉を食され、「ヒヒヒヒヒ! 鶏肉のような味だ!」と言われる酷さ。もう、なんか書いている僕が色々スミマセンと謝罪したくなる。でも、BGMがカッコイイので許してください。

 ゲームとしては良くも悪くも3D Realmsの持つ遺伝子(下品だったり馬鹿なコメディの意)が備わっているSWだけど、マップの完成度は非常に高いと思う。当時はメモリ制限が非常に厳しい中で、どれだけプレイヤーを遊ばせるかというのが問われた時代。
 その厳しい環境下で作られたマップは、大した物サイズではないのだけど、長時間遊ばせるため、“プレイヤーにマップを探索をさせる”ための趣向を凝らしている。まぁ、アッチに行ったりこっちに行ったりしながら鍵やカードキーを探しつつ、少しずつ行ける範囲が広がるタイプとでも言えばいいだろうか。

 また、この時代のゲームはマップ内に多数配置されているシークレット(武器やアイテムが隠された小部屋)があったり、イースターエッグ(開発者が遊びで入れた隠し要素)が散りばめられている。当時のゲーマーは、こういった要素を探し出すため、普通にプレイすれば10分程度でクリアできるマップを、30分以上かけて丹念に探索するやり込み勢が多かった。

 せっかくなので、今回はその一部を動画付きで紹介していこうかなと思う。動画によっては恥ずかしい思いをする可能性があるので、イヤホンかヘッドホンで観覧してほしい。また、ちょっと下品なネタもあるので、食事中に見ないようにしよう。食欲がゼロになるからね。

(下品注意!)

ハイッ! のっけからトイレットな感じで下品極まりない。音も酷いというか気分が悪くなるレベル。で、便器の中からはナイトビジョンゴーグルが手に入り、後生大事に持って移動することになります。キタネー。

水浴びをするアニメ調のお姉さん。話しかけると問答無用で攻撃されます。倒しても良いことがない。

最近リバイバルしたトゥー○レイダーのララさん。

月に代わって、お仕置きよ! 小さなウサギを放り出しているあたり、製作者はネタの挟み込みが上手い。

前回の記事で、亀忍者のほうが説得力があると書いたけど、カワバンガでは力及ばずな結果に。

 とまぁこんな感じですが、今回もおもしろ看板を少々紹介しようと思う。まぁ、相変わらずな感じなのですが。

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▲夜のお風呂屋さんでしょうか。

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▲市場というか魔界に売店があれば、こんなんだろう。

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▲売り場の本棚が燃えてるし、壁に血しぶき。そして売り物は肌色成分が多めかアニメ系。

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▲果物、白菜、ポテトの売り場。どちらかというと、魔法使いの婆さんが何かを煮込んだあとのような見た目。

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▲空港マップの看板。意味不明な文字とともに「ニンニン航空」。

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▲「こちらで搭乗手続きをお願い致します」といった感じ。

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▲SWの世界だと、東西線は飛行機を使っている模様。

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▲サービス=お役 というのもどうなんだろう。

 さて、最後にPC版のSWは、現在ソースコードが公開されている。そのおかげで、今もなおSWのコミュニティがゲームを最適化するため、日夜活動をおこなっている。その一つの成果とも言えるのが3D化だろう。擬似3Dで制作されたPC版と比較すると圧倒的な差に驚くはずだ。まだプロジェクトは完了していないものの、Work in Progressの物がリリースされているので、録画してきた。ハイレゾリューションで書かれたテクスチャーや、一部の敵キャラクターがスプライト表示ではなく、3D化されている点や、アニメのポスターなどに注意しながら見てもらえれば幸いだ。(編注:ProAsm SWPを参照のこと。前回紹介したGOG.com版で動作する。もし動かなくっても泣かないのがニンジャへの第一歩だ)

















あ、次回は何をやろうか色々迷ったんだけど、コレにしちゃおうかな?

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)