E56M1: 『CoD モダン・ウォーフェア』最大64人戦になった大規模対戦モード“グラウンドウォー”のススメ

公開日時:2019-11-21 12:30:00

 アクティビジョンのFPS『コール オブ デューティ』シリーズ(公式サイト)といえば、濃厚な物語を楽しめるキャンペーンモードだけでなく、オンラインを介してのマルチプレイも大きな魅力だ。

 最新作『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』では、新たに2対2のモード“Gunfight”が追加されていたり、シングル・マルチともにシリーズ作品から大きなテコ入れを図られている。そのため過去作と比べて賛否がガッツリ分かれる部分もあったりするが、筆者は普通に楽しく遊ばせて頂いている。

 本作のマルチプレイ対戦では過去作で人気を博したモードをいくつか引き継ぎつつ、さらなる改良が加えられている。モードごとの対戦人数などについても活発に議論されている中、筆者個人として気に入っているのが新しくなった“GROUND WAR”モードだ。

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 “GROUND WAR”は、過去作でのマルチプレイが5対5か6対6程度の小規模な部隊でのルールを中心とする中で、参加人数を18人にまで増やしたハチャメチャな対戦が遊べるものとして存在してきた。

 ただこの旧GROUND WARは、マルチ用マップに多人数を押し込んだだけという感じで、必然的に人数に対してマップが狭くなるため、“敵味方問わず投擲され続けるグレネードにアワアワしつつ、運が悪ければ何も出来ずグレネードに倒され続ける”といった、戦略もクソもないお祭り状態のシロモノ。

 同じ場所からグレネードランチャーを撃ち続ける敵にイライラしつつも、逆にやり返して同じ手で敵を倒せばゲラゲラ笑えるという少々ゲスなプレイも楽しめたが、まぁ正直アレだったことは否めない。

 そんなわけでオマケルール的な扱いだったGROUND WARなのだが、本作では大きく進化を遂げて再登場を果たし、そのオマケ的ポジションを脱却することとなった。なので過去作で苦い思いをした人ならなおさら遊んでいただき、その進化具合を体験してほしいと思う。

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最大64人で目まぐるしく展開される大規模戦

 この新GROUND WARの基本的なルールを説明すると、“ドミネーション”ルールの規模を拡大したものというのが近い。

 参加者は2つのチームに分かれ、マップ上にある複数のターゲットエリアを巡って争い、それらを可能な限り多く長く制圧することが勝利するためのポイントとなる。だがターゲットエリアは複数あるため、手薄なところから奪われたり取り返したりと常に流動的に状況が変化していく。

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 過去作から特に進化したのが、このルールの特徴である参加人数だ。これまでは最大18人しか同時にプレイできなかったが、本作では合計64人と倍以上のプレイヤーとプレイすることが可能に。

 この恩恵は非常に大きく、これまでのGROUND WARはあくまでもワチャワチャとした小競り合いという印象だったのに対し、文字通り大規模戦闘といった印象をプレイヤーに与えてくれる。

 というのも、64人ものプレイヤーを収容するためにマップもチームデスマッチなどで使用されるものより大きなサイズのものが採用されていて、装甲車やバギー、ヘリコプターといった乗り物を利用することも可能となっている。まぁ露骨に“あちら”のゲーム(後述)を意識した作りとなっているのはご愛嬌。

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 実際にプレイしてみると、全員が前線へと移動していくゲームの最初こそ静かなものの、ひとたび戦闘が始まれば勝敗が決まるまでノンストップで銃声が鳴り止まない激戦が展開される。

 前線付近では特に戦闘が激しく起こり、壁一枚を挟んでの激しい攻防が繰り広げられ、その裏取りをしようと建物を回り込もうとすれば敵のスナイパーによる狙撃に晒されるといった感じ。多人数ゆえに何が起こるかわからない緊張感はヤミツキになりそうだ。

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 また、拠点を確保するために前線ばかりに注目していると自軍のスタート位置に近い拠点が敵に制圧され、そこを足がかりに挟撃を仕掛けられたりもする。

 ただ、何かの歯車が噛み合い32人の味方どうしで謎に連携が発生することもあり、そういった流れで敵の侵攻を食い止め勝利できることも少なくない。さらに大きく相手とスコアを離して勝てでもしたら、気持ちよさはひとしおだ。

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 本ルールは気軽に遊べるのも魅力のひとつだろう。というのも、“チームデスマッチ”や“サーチアンドデストロイ”といった通常の少なめの人数で遊ぶルールは、ひとりに対してかかる責任は割と重くなってくる。気にならない人がほとんどだと思うが、中にはそういった部分を気にしてプレイから離れてしまう人も少なくない。

 しかしGROUND WARに関して言えば先に書いたように64人制。1チーム32人と数が非常に多いため、個人にかかる責任は段違いで軽い。その分を気負わずに遊べるのは良いポイントだ。

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武器のレベル上げに使うのもアリ

 筆者は特に武器レベルを上げるときにGROUND WARを重宝している。というのも、通常のチームデスマッチはそれはそれで良いのだが、例えばヘッドクォーターズのようにリスポーンに制限が生じるモードで遊ぶ場合はその分“回転率”が悪くなり武器の成長に影響を及ぼすことがある。

 しかしGROUND WARであればその心配はないし、前線に味方が居ればすぐに戦闘エリアへ突入も可能だ。まぁ、効率については状況にもよるためなんとも言えないが、少なくとも少人数のマッチで武器を育てるよりも気楽に行けるのではないだろうか。

 あとマルチプレイし始めの人の場合、武器格差を感じてツライと思ったら、GROUND WARで武器を育ててからチームデスマッチなどに臨むというのもアリだろう。

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CoDの中のBF的モード

 このGROUND WARを扱ううえで避けて通れない話題にも少し触れておこうと思う。それは大規模戦闘の対戦が特徴の『バトルフィールド』シリーズだ。

 ぶっちゃけて言ってしまえば、本作のGROUND WARは『バトルフィールド』から非常に強くインスパイアされたモードとなっている。ゲームルールも『バトルフィールド』シリーズにおける“コンクエスト”と同じで、乗り物が多数用意されていたりと、近似している部分が多い。

 まぁ両者は定期的に開発者(主にバトルフィールド側が)が相手を意識した発言で火花を散らせている間柄ではあるものの、互いの存在を認めているからこそのことだとは思う。『バトルフィールド』側だって『コール オブ デューティ』シリーズの得意とする近接戦にインスパイアされた少人数モードを取り入れた過去もあるしね。

 最近で言えばバトロワ系ゲームなど、インスパイアしたりされたりといった流れから珠玉の名作や新しい派生が生まれることもある。最終的に「コレだ!」というレベルまで昇華してくれれば遊んでいるユーザーとしては嬉しいね。

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 というわけで、「コールオブデューティ好きだけど、もっと戦争らしい戦いがしたい!」という人はこちらで遊んでみると良いだろう。

 なお、以前から開発チームはGROUND WARは最終的に50対50を目指したいと発言しているので、現状の64人よりもさらに激しいバトルが繰り広げられる可能性がある。実現するかどうかは不明ではあるが、そんな可能性も期待しつつ、筆者はこの先もGROUND WARを遊んでいきたいと思う。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)