E62M1: 『Hellpoint』スペースSFホラーなダークソウル系アクションRPGが登場。癖の強い部分もあるがやりごたえはアリ!

スペースホラーテーマのダークソウル系アクションRPG『Hellpoint』を紹介。

公開日時:2020-07-29 22:00:00

 ドモー、次世代機の値段と発売日がなかなか発表されないのは、ライバルメーカーどうしがチキンレースやってんのかなと邪推しているBRZRKです。そろそろ世の中は落ち着いて欲しい。

 今回紹介するのは、『ダークソウル』シリーズへの強いリスペクトを感じるSFアクションRPGの『Hellpoint』(PS4/Xbox One/PC、公式サイト)だ。

 本作は、宇宙の彼方に建造されたイリド・ノヴォという巨大な宇宙ステーションが舞台となる。主人公は“スポーン”と呼ばれるクローン技術で作られた人(?)で、もぬけの殻となってしまったイリド・ノヴォで何が起きたかを調査していくことになる。

 ……と、これは事前にプレスリリース等で紹介されている物語の内容なのだが、主人公となるスポーンはほとんど何も知らされていない状況で放り出されるという過酷な状況からスタートする。

死ぬと経験値を落とすおなじみの仕様。死亡すると自分のコピーも登場

 ステーション内には異形と化した人間らしき生物が多数跋扈しており、その99%がプレイヤーを見かけ次第攻撃を仕掛けてくる。最初こそ素手で殴りかかってくるのみだが、探索を進めると巨大な棍棒や銃撃を伴う攻撃を仕掛けスポーンを苦しめる。

 また、こういったエネミーは製作者がイヤラシイ配置をしていることが多く、クリアリングを怠ると側溝から飛び出してきた敵の集団に囲まれて袋叩きの後に死亡なんてことが頻繁に起きてしまう。

 では本作で死亡するとどうなるかというと、ここはダークソウルシリーズと同じく死んだ場所に経験値を置き去りにしてしまう仕様だ。つまり「1度であれば死亡地点に戻って落とした経験値をリカバリーすることも可能だが、回収前に再度死亡すると全ロス」という理解で良い。

 とはいえ、道中は敵の登場パターンが変わることはないので気をつければいいのだが、『Hellpoint』では死亡することで一つ嫌なエッセンスが加わるのだ。それがゴーストと呼ばれる存在で、プレイヤーが死亡した場所の近くに死亡時の装備を身に着けた怨霊が徘徊しているというもの。

 つまり、やっかいな敵が複数居るような場所で死亡してしまうと、手強い相手にプラスして機敏に動き回る己自身とも対峙しなければならないのだ。これが地味にキツく、何度経験値の回収を失敗して涙をのんだことか……。

どう成長させるかのバランス取りが悩みどころ

 経験値についても説明しておくと、経験値はアクシオンと呼ばれ、敵を倒すかマップ上に配置されている塊を回収することで手に入る。このアクシオンを貯め、“割れ目”と呼ばれる休憩地点のような場所で使用するとスポーンをレベルアップさせることが可能だ。

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 レベルアップ毎に伸ばせる能力は、腕力や反射、洞察などの能力を1つずつ伸ばすことができ、成長させることで使用可能な武器が増えたり体力やスタミナの上限値を伸ばすことができる。

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 しかし、近接攻撃のためにステータスを極振りをしているとレールガンなどのロングレンジ武器が使用できず、遠距離攻撃を主体とする敵に苦しめられたりするので、バランスを考えるのが非常に難しい。

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ヒント少な目で隠し通路多めというレビュアー泣かせの仕様も

 さて、こういったゲームで重要になるのがマップの設計によるそれとない誘導だ。プレイヤーに対し製作者側が「次はこっちに進むと進展があるよ」と無意識でも感じ取れる導線の存在が不可欠な存在と言えるだろう。

 しかし、本作は導線の存在が序盤を過ぎるとなくなり、次に行く場所のヒントはあるけど行き方が皆目検討がつかないといった状況になる。そのため、過去に通った場所を再訪し変化がないか、通れるゲートが増えていないかを探すため右往左往しなければならない。中には何もない壁を調べるとゲートを開ける鍵が隠された部屋へと至る入り口もあり、正直「こんなんわかんねーよ!」と思う。

 ただ、これは本作を遊んでいるコミュニティ内での情報の共有や、やりとりが生じることでプレイヤー間を繋げて活路を開かせようという開発者の思想なのではないかと思う。まぁ、それにしてもエグい隠し扉が結構あるんだよね……。

 気になるマルチプレイについてだが、最大2人協力プレイをサポート。ローカルで画面分割で遊べるほか、プレイ毎に表示されるマッチコードを友人に送ったり、助けが必要な所で“手形”を壁に残すことで招待するといった方法が可能だ。ただ、筆者は協力者とマッチングしようとしたところ接続ができなかったため検証することはできていない。製品版ではぜひともプレイしてみたいところだ。

癖の強い部分に慣れればじっくり遊べる良作

 30時間ほどプレイしてみた感想なのだが、戦闘に関しては敵を倒せるようになると自分の上達が感じられてかなり気持ちがいい。特に苦戦し続けていたボスに対して正解となる立ち回りに気付き、倒すことが出来たときの達成感はひとしおだ。

 また、一度訪れた場所でも物語が進展してから再訪すると敵の構成が変わっており、色々な情報をくれるNPCが現れたりといった変化がある。なので、行き詰まったらとにかくウロウロして経験値貯めを兼ねて変化がないかを探しながら行動するといいだろう。

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 そうそう、ゲームの難度は特定のアイテムを消費することで上げたり下げたりすることが可能だ。筆者はキツすぎる場所で上げ下げしていたところ、難度を戻すためのアイテムがなくなってしまいゲーム的には少々簡単な設定になったのだが、それでも依然としてハードコアな難度の中戦っている。

 じっくり30時間以上遊んでいてもクリアまで到達していないが、なんとか自力でクリアまでやり込みたいと思わせる良作だと評価していいだろう。根性あるなら遊んでみることを強くオススメする。

 あ、でも敵の当たり判定にやや難があり、明らかに攻撃が当たるべき時にダメージが入らないとか雑な部分もあるけど、そこはまぁゲームの面白さでカバーってことで。

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著者近況:数日後に胃カメラ飲みます
編集者より: 本作、Switch版も予定されていたんですが、最適化がまだ不完全なためそちらは遅れるそうです

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)