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E16M1: 売れたけど賛否両論! 何かが違った『QUAKE II』(前編)
公開日時:2014-06-27 00:00:00
ドモー、なんか気の利いた書き出しでもないかなと考えてみたものの、何も浮かばない。あ、Steamのサマーセールやってますね! なんか、微妙にハズレな感じがしないでもないけど。
そんな感じで今回取り扱うのはid Softwareの『QUAKE2』。1997年に発売され、Windowsだけに留まらずMACやAMIGAといったコンピュータだけでなくプレイステーションやニンテンドー64といったコンソールにも移植された大ヒット作だ(サターン版は存在しない)。ナンバリングからも『QUAKE』シリーズの2作目ということが容易に想像でき、『QUAKE1』の続編か? なんて思う人もいるかもしれないけど、関連性はゼロで、ストーリーは新規のものとなっている。
この要因のひとつとなっているのは『DOOM』『DOOM2』『QUAKE』の制作時にゲームデザインを担当していたジョン・ロメロ氏がid Softwareを抜けたからだろう。氏がid Software社を抜けた理由についてはE7M1にて軽く触れているので、そちらを参照してもらえればと思う。
id Softwareの古参メンバーではあるが、何かと対立していた目の上のたんこぶ的なジョン・ロメロ氏が抜け、本来自分たちが作り上げたかったSF物に注力すべく新たに開発されたid tech 2エンジンを使い、開発期間が1年と短い時間で制作されたのが本作『QUAKE2』となる。
ちなみに、本作ではミュージシャン・映画監督として有名なロブ・ゾンビ氏(robzombie.com/)がメインテーマを書きおろし、コンポーザーは『マスエフェクト』シリーズや『ボーダーランズ』シリーズでも重厚なサウンドを提供したSONIC MAYHEM(www.sonicmayhem.com/)が担当。重低音が心地いいハードなBGMが公表を博した。
■参考URL https://www.youtube.com/watch?v=XExDt2zbfMk
クッソかっこいい!
んで、肝心の『QUAKE2』の物語はだいたいこんな感じ。
人類が宇宙に進出している時代、突如としてStroggと名乗るエイリアンが太陽系、つまり人類のテリトリーに侵入し、攻撃を開始した。
これを辛くも撃退することに成功した人類は、Stroggがブラックホールジェネレーターと呼ばれる装置で母星のStroggosから超空間ジャンプで移動することと、このエイリアンは肉体と機械のハイブリッドで、サイボーグとしての体を維持するために人類から手足や臓器といった体のパーツを確保するために生け捕りにしていることが判明した。つまり、人類は奴らにとってただの資源でしかない。
技術的に劣る人類は圧倒的な劣勢だったが、高性能な衛星や様々な技術を駆使することでStroggの母星、Stroggosの位置を特定。戦闘能力に秀でた宇宙海兵隊員をStroggosの上空まで運び、ドロップポッドで地上へと投下することになる。
物凄くザックリとしたストーリーは上の通り。実際はこれよりも深い設定が用意されているのだけど、長文なので翻訳はパス。気になるなら海外のQuake専用Wikiaにて確認してちょうだいな。っつーか、本当に『QUAKE1』とは全然違うなぁ。
こんな感じの『QUAKE2』なんだけど、シリーズの正史として扱われていて、『QUAKE1』は完全に無かった扱いになっている。で、後に『QUAKE2』の続編として『QUAKE4』が発売される一方、『QUAKE2』の前日譚と言うべきか、Stroggが初めて地球に侵攻してきた時のエピソードが後に『Enemy Territory: Quake Wars』として発売された。んじゃ『QUAKE3』は? と思うかもしれないが、それも含めて後日改めて書こうと思う。
というかまぁ流れを書くと、『Enemy Territory: Quake Wars』→『QUAKE2』→『QUAKE4』といった感じになる。
■QUAKE4
■Enemy Territory: Quake Warsのトレイラー
さて、それではゲーム内容について触れる前に、実際のゲーム導入部から最初のステージ攻略まで録画しつつ遊んでみたので、とりあえず動画を置いておく。
参考までにPS版と64版の比較動画も見つけたのでドゾ。スペック問題をクリアするため、マップの構造やテクスチャ解像度、オブジェクトのポリゴン数が少ないけど、よく出来ている。
■賛否両論となったゲームデザイン。にも関わらずゲームは売れていく†
ゲーム自体は『QUAKE1』から大きく代わり、B級SF(C級かも)といった感じの世界観へと変貌。『DOOM』や『QUAKE1』で色濃く出ていたジョン・ロメロデザイン特有のオカルト感が消え、SF作品としての純度は増したが、何か微妙に薄い感じになってしまった印象がある。
ゲームシステムに関しては、基本的に『QUAKE1』のスタイルを踏襲しているが、しゃがみ動作の追加や、シングルプレイヤーでマップ間の移動(※)が可能になるなど、新しいid tech 2エンジンを活用したモノへと進化した。
※マップ間の移動はマップAの扉を開くために、マップBを経由してマップCで鍵を取り、マップAに戻るといった感じ。当時のFPSとしては珍しいマップ間の移動要素を取り入れていた。
また、『QUAKE1』の発売当初より市場に出回っているPCのスペックが向上し、HDDやメモリの容量が上がったことも有り、敵キャラクターの種類や数も向上。敵キャラクターの行動パターンも多彩になり、特に死にかけの敵兵士は最後っ屁とばかりに力を振り絞って反撃をしてくる。
前述したが、世界観が『QUAKE1』から大きく変わることもあり、使用可能な武器にも大きく変化が。100パーセント筆者の独断と偏見ではあるが、その一部を紹介しようと思う。
・ブラスターガン
▲水鉄砲かよ! と突っ込みたくなる腑抜けた音のブラスターガン。
・ロケットランチャー
▲ガッカリなロケットランチャー、なんかエフェクトがキノコ雲でショボイ。
・レールガン
▲ワ~カッコイイ~(棒)
まぁ、この他にも色々あるんだけど、なんか全体的に安っぽさが悪く目立ってしまい、『QUAKE1』よりもショボイ印象が否めない。そのせいか、『QUAKE1』のハードコアプレイヤーは『QUAKE2』に馴染めずプレイを辞めてしまう人も少なくなかった。
が、逆に『DOOM2』のオカルト風味の強いSFからゴシック・ホラー寄りな『QUAKE1』の世界に馴染めなかったプレイヤーが、『QUAKE2』の世界観を魅力的に感じ、戻ってくるという現象も発生。なんだかんだで、『QUAKE2』は世界的に大ヒットを記録し、大いに盛り上がる結果に。
今回はとりあえずここまで! 次回、E16M2は『QUAKE2』のキャンペーンについてもうちょっと触れてみようと思う。
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