『KOF15』公式招待制大会“KOF XV Online Tournament Japan FINAL”優勝者ラギア選手インタビュー

2022年3月に開催されたSNK公式の招待制大会“KOF XV Online Tournament Japan Final”でチャンピオンとなったラギア選手のインタビューをお届けする。

公開日時:2022-04-22 19:15:00

 2022年3月に開催されたSNK公式の招待制大会“KOF XV Online Tournament Japan Final”。同大会は、前週に行われた“KOF XV Online Tournament in Japan”の上位32名が招待されて行われたトーナメントで、賞金総額は50万円。本稿では、プロゲーマーなど多数のトッププレイヤーが参加した激戦を勝ち抜き、見事に優勝したラギア選手のインタビューを掲載する。

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実況解説のメンバー。左から雪之丞氏、市来光弘さん、BON氏。

■大会結果
1位 ラギア(ヴァネッサ、ラルフ、ドロレス)
2位 あきら(ヴァネッサ、ラルフ、テリー)
3位 mok(ククリ、ラルフ、テリー)

※トーナメント表

正直自信はなかった

ラギア選手
三和電子所属のプロゲーマー。
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――今回の大会を優勝してのお気持ちをお聞かせください。

ラギア 大会前はわりと自信がなかったんですよ。招待枠を争った大会では、権利が獲得できるトップ32にギリギリ入っただけですぐ負けちゃっていましたから。それだけじゃなくて、ふだん海外勢と対戦しているんですけど、そこであまり勝てていなかったので『KOF XV』自体に勝てていない印象があり、自信はなかったんです。

――以前、あきら選手らにお話を聞いた際は、みなさん口を揃えて「ラギアが強い」とおっしゃっていたのに、当の本人が自信ないのは意外でした。

ラギア 自分は国内のいろいろな人と対戦しているわけじゃなかったんですよ。あきらさんやM'とはかなり練習するんですけど、そのほかのガチ対戦は海外勢とやることが多くて。やっぱりそこで勝てていないと、勝てるイメージはわかないですよね。そういうこともあったので、逆に大会当日は気楽にやれました。

――あ、気楽にいけたんですね。

ラギア そうですね。まだ自分はそこまで強くないし、今回はきびしいだろうから、とりあえずやれるだけやってみようという感じでした。さすがに公式大会で優勝したので、国内なら結構いけるという自信はつきましたけど。

――今大会を振り返って、前週の大会優勝者あきらさんとのグランドファイナルはいかがでしたか?

ラギア 国内の選手でいちばん対戦していたのが、あきらさんなんですよ。言うなればスパーリングパートナーと決勝で当たったので、それこそ緊張せずにやれました。ふだんいっしょに練習している相手と決勝で戦えたのは、自分たちのやってきたことが間違いなかったと思えた瞬間でもあるので、うれしさがありましたね。とはいえ、勝ちたさもありましたけど(笑)。

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――ラギアさんは大会で緊張するほうですか?

ラギア 大会はやっぱり緊張しますね。とくにこういう大型大会には慣れていませんから。オンライン大会は自分ひとりで部屋にこもっているので、余計に緊張します。試合と試合の合間につぎの対戦相手のことを調べたりするので、試合が終わった瞬間につぎの試合が始まっている感じですから緊張状態が続きます。ですがオフライン大会は、顔見知りの人といっしょに行動したりするので、気がまぎれるんですよね。でも荷物があったり、立ちっぱなしだったりで疲れはしますけど(笑)。

――今後はオフラインの大会も開かれるようになるといいですね。

ラギア オフラインの大会が開催されたらうれしいですけど、もう家にいることのほうが多くなりましたから、いまの自分に遠征できる体力があるのか心配です(笑)。以前は海外に月に2回くらい行ってたときもあるのですが、いま思うと信じられないですね。

――ほかに印象に残った試合はありますか?

ラギア ぽぽさんですかね。前作から始めた方なので、成長過程を知っているんですけど、最後のほうはトップ勢レベル並みに強くなっていました。かなり丁寧系の落ち着いた立ち回りをしていて、自分と同じタイプのプレイヤーだと思っています。そういうこともあって嫌な感じがあったんですよね。


――ぽぽさんの草薙京についてはいかがでしたか?

ラギア まだいろいろなキャラクターと対戦できているわけではないので、草薙京も対戦経験が少ないキャラクターのひとりとして、かなり怖い存在でした。結果だけ見れば2-0ですけど、内心ホッとしました。

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――ラギアさんのチーム構成についてうかがってもよろしいでしょうか? 先鋒ヴァネッサ、中堅ラルフ、大将ドロレスをチョイスした理由を教えていただけますか?

ラギア まずは、いろんなキャラクターを使ってみて強いと感じたキャラを候補に上げて、その中から、落ち着いた立ち回りをする自分のプレイスタイルに合ったキャラを選んでいきました。ヴァネッサはちょっと攻め寄りのキャラクターなんですけど、このゲームは先鋒が強気に動けるので、ヴァネッサはそれがいいんじゃないかなと。ラルフとドロレスは落ち着いた立ち回りができるので自分には合ってると思っています。

――強いキャラクターで固めるとしたら中堅ラルフ、大将テリーがセオリーだと思うんですが、そこをテリーじゃなくてドロレスにした理由はなんでしょう?

ラギア 最初は自分もテリーを使っていたんですけど、ちょっと使いにくいと感じたところがあったんですよ。たとえば、テリーはジャンプ攻撃の発生自体は早いほうじゃないとか、ライジングタックルで対空しないといけないとか。自分は無敵技で対空するより小足(しゃがみ弱K)が強いキャラを選びがちなので。もちろんテリーの小足も強いんですけど、そもそも座高が高かったりするんですよね。その一方、ドロレスの小足は姿勢が低いので、ジャンプ攻撃を避けながら当てやすく、そこから大ダメージを与えられるんです。前作をかなりやっていた自分としては、そういう前作に近い部分で強みを活かせるかなと。もちろん、ドロレスも対空技からテリーに負けないダメージを出せるし、そういうことを試しているうちにドロレスが大将に定着しました。

――小足の使いかたがラギアさんの持ち味?

ラギア 持ち味ですね。『KOF』を本格的にやり込み始めたのが前作からなので、前作で強かった行動をうまく使えてるんじゃないかなと。

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組み合わせに恵まれていた

――ラギアさんが大会で当たりたくなかったプレイヤーはいますか?

ラギア もりもっちさんですね。わけのわからないキャラを使っているというか……。草薙京と比べ物にならないくらい対戦したことのないキャラばかりですから(笑)。アテナは強いと聞いていましたけど、使っている人があまりいないんですよね。クーラはもっといないですし。

――たしかに使っているキャラクターがレアですよね。

ラギア あきらさんがもりもっちさんと練習していたらしいんですけど、使っているキャラクターが自分と近いあきらさんが「もりもっちさんはマジで強い」と言っていたんですよ。あきらさんは対策しながら対戦していてそれなので、対戦機会がなかった自分からしたら恐怖ですよ。だからもりもっちさんがあきらさん側にいてホッとしました。内心超びびっていましたから(笑)。

――組み合わせの運がよかった面もあるんですかね?

ラギア mokさんが使っているククリもあまりやったことがなかったんですけど、それもあきらさんが倒してくれて「ありがとー」って感じでした(笑)。だから組み合わせ的にはかなり運がよかったなと。

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強くなれたのは良質な対戦環境のおかげ

――2週連続で大会がありましたが、合間の1週間で特別意識したことや練習したことはありますか?

ラギア ブルー・マリーにやられたので、その対策を少々。ただ、敗因を考えたのですが、最初の大会は自分のコンディションがよくなかったというのが大きかったので、そうならないようにどうしようかと考えていましたが、最初にも言った通り、海外勢にやられていたので、そのおかげで気楽になれました(笑)。

――コンディションが悪かったというのは?

ラギア 言い訳にしかならないのですが、ロールバックが起きた際に集中力を欠いてしまったんですよ。オンライン大会である以上、どんなに回線がよくても起こりえることなので、そこは割り切るべきだと反省しました。オンラインがあるからこういった大会ができているので、自分がそういったプレイ環境に対応していかないとダメですよね。

――前作にかなり思い入れがあるようですが、ラギアさんの『KOF』歴はどのくらいなんですか?

ラギア 『KOF』自体は子どものころから知っていました。小さいころは中国にいたんですけど、デパートに行くとゲーム筐体が置いてあって、『KOF ’97』や『KOF ’98』が人気で自分も触ったりしていました。

――中国にいらっしゃったんですね。

ラギア そうですね。小学生の高学年くらいには日本に帰ってきていました。『KOF』を本格的に始めたのは、ちょうど東京に出てきたころに発売された『KOF XIV』です。オンライン対戦を結構やるようになって、オフのイベントや大会にも参加するようになったんですが、やっぱり環境が大事ですよね。

――オンラインとオフラインだと、どちらが好きですか?

ラギア どちらも違ったよさがあっていいですね。自分は人見知りなのでオフラインだと知り合いとばかり対戦しがちですが、オンラインだと知らない人だったり、地方、海外の人とも対戦できますし。

――ラギアさんから話しかけるのは苦手かもしれないですけど、話しかけられるのは大丈夫ですか?

ラギア 自分から声をかけるのは得意じゃないんですけど、声をかけられるのは大丈夫です。オフ対戦会などで自分を見かけたら声かけてもらって大丈夫です(笑)。よく知り合いから話しかけづらそうな雰囲気を出していると言われるんですけど、まったくそんなつもりはないので、ぜひ話しかけてほしいですね。

――『KOF XIV』からトップレベルのプレイヤーになったわけですが、成長した要因は何があるんでしょう? 教えてもらったりしたんでしょうか?

ラギア 教えてもらう人はいなかったですね。自分で調べて、対戦して……と。でもやっぱり環境がよかったと思います。M´が対戦に付き合ってくれましたし、オンラインでも強い人とひたすら対戦できましたから。

――オンライン対戦をガッツリやっていたんですね。

ラギア そうですね。『KOF XIV』のオンライン対戦に強い人がいたんですよ。M´と比べても遜色のない人で、その人に毎日ボコボコにされながらやっていました。強すぎる人と対戦すると申し訳なくなるし、強い人は強い人同士でやりたいと思うんですけど、毎日対戦してもらえたのはありがたかったですね。そういう意味でも環境がよかったと思います。

――格闘ゲームの世界大会“EVO”など、大きい大会も控えていますが、そちらはいかがですか?

ラギア じつはラスベガスで開催されるEVOにはまだ出たことがないんです。最初に『KOF XIV』が選ばれたとき、自分はまだ『KOF』を始めていなかったんですよ(笑)。その後もなかなかタイミングが合わなくて機会に恵まれませんでした。だから、状況次第ですが、出られるなら出たいですよね。

――それはタイミングが合うときが来るといいですね。それでは最後に、読者に伝えたいことはありますか?

ラギア 今回公式大会であきらさんを倒して、自分がヒール役を引き継げたことがうれしいですね。あきらさんはただ強いだけでいい人なので救えてよかったです。これからは自分がヒール役に(笑)。

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THE KING OF FIGHTERS XV特設サイト

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タイトル
THE KING OF FIGHTERS XV
メーカー
SNK
ハード
PS5/PS4/Xbox X|S/PC
発売日
2022年2月17日発売予定
価格
各7920円[税込]
ジャンル
対戦格闘
CERO
15歳以上対象
備考
『Deluxe Edition』は各10890円[税込]

© SNK CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

『THE KING OF FIGHTERS XV』公式サイト