格闘ゲームに限らず勝負事には“駆け引き”がつき物であり、『KOF 15』にも重要な駆け引きのポイントがある。今回はこれまでよりも実戦的な内容として、“3すくみ”をキーワードに『KOF 15』の駆け引きについて解説する。

※初心者向け攻略その1：まずは押さえたいポイント
※初心者向け攻略その2：3すくみの駆け引き
※初心者向け攻略その3：ジャンプの使い分け
※初心者向け攻略その4：MAXモードについて
※初心者向け攻略その5:コンボマスターを目指そう
※初心者向け攻略その6:チーム構成＆オーダーを考えてみよう

＜初心者向け＞“打撃”、“投げ”、“ガード”の3すくみは格闘ゲームの基本†

　まず最初は『KOF XV』に限らず、格闘ゲームの基本となる近距離戦の駆け引きについて紹介する。

ここでは“打撃”、“ガード”、“投げ”の3つの行動が駆け引きのパーツとなっており、

・“打撃”は“投げ”に対して有効
・“ガード”は“打撃”に対して有効
・“投げ”はガードに対して有効

と“ジャンケン”のような“3すくみ”になっている。この3すくみを覚えることで、相手に対してより効果的な攻めを展開できるようになるはず。

打撃(通常技)†

　打撃は相手にダメージを与える基本的な行動で、対戦の駆け引きでは通常技が使われることが多い。通常技にはいろいろな種類があるが、地上にいる相手には“しゃがみ強キック”などの“下段攻撃”がおすすめだ。

攻める際はまずダッシュやジャンプから打撃を当てにいくのが良いだろう。最初のうちは難しく考えず、自分の好きな通常技で“相手に触れる”ことを目標にすればOK。

ガード†

　上で説明した“打撃”に対して有効な対抗手段が“ガード”である。ガードをすれば通常技に対しては一切のダメージを受けないため、シンプルながら強力な対策となる。

　ガードは“立ち”と“しゃがみ”の2種類あり、地上の攻撃には基本的に“しゃがみガード”を使っていこう。ガード時はヒット時よりやや距離が離れるほか、つぎの行動への動き出しを早くできるため、守り一辺倒にならないようにこちらも打撃で切り返したり、緊急回避で距離を取って仕切り直しを狙いたい。

相手がしゃがんで様子を見ていたら、ガードを固めている兆候。そんなときは、打撃のフリをして近づいて通常投げを決めにいこう。

投げを狙う相手は打撃で迎撃†

　通常投げはお手軽で強力な攻撃手段だが、唯一の弱点は「相手に密着しないと使えない」というところ。そのためもし相手が投げを狙っているなと読んだら、「相手を追い払う打撃」で迎撃しよう。

このように格闘ゲームでは、

・攻めの打撃で仕掛ける。
・打撃を読んで、ガードをしてから逆に攻めを仕掛ける。
・ガードを読んで投げを使う。
・相手が投げに来るところを打撃で追い返す。

というような攻防の駆け引きが頻繁に行われており、お互いに相手の思考を探りながら試合を進めていくのが醍醐味の一つだ。

ガードで様子見に対して

相手が投げようと近づいてきたら

早めの打撃で追い返そう。

＜中級者向け＞“ジャンプ攻撃”、“ジャンプ防止”、“足払い”が『KOF』シリーズ特有の“立ち回りの3すくみ”だ。†

　基本の3すくみを覚えた次は、『KOF XV』ならではの3すくみについてご紹介しよう。ここでキーワードとなるのは、“ジャンプ攻撃（差し込み）”、“ジャンプ防止（置き）”、“足払い（差し返し）”だ。

ジャンプ攻撃(差し込み)†

　ジャンプ攻撃は攻めの選択肢で、ヒットすればそのままコンボにつなげられるため、最もリターンの高い行動である。『KOF XV』には数種類のジャンプがあるが、ここではスピードと飛距離のバランスに優れた“中ジャンプ”がおすすめ。なおかつヒットした際にコンボにつなぎやすいように“強攻撃”を使うのが向いているだろう。

　このジャンプ攻撃は足払いのような“打点が低い技”に対して有効なのはもちろん、もし相手が何もできずにガードをした場合に、そのまま“近距離戦の3すくみ”に移れるのが強みでもある。

　相手が上級者でもない限り、迎撃された際のリスクは大きくないので、始めのうちはジャンプ攻撃を中心に攻めを組み立てるのがおすすめだ。


■ポイント
・コンボにつなげられるのでリターンがもっとも高い
・ガードされても攻めを継続できる
・低姿勢の足払いなどに勝てる
・置き技を食らいやすい
・鬼焼き系の対空技に無防備

攻めのジャンプ攻撃としてはテリーの場合は“中ジャンプ強キック”が適している。しゃがんでいる相手にも当てやすいような、下方向に向いている技を選ぶのがいいだろう。

もしガードをされていたらスムーズに次の3すくみへ移るのが理想的。しかし慣れないうちは判断が難しいので、最初は「ジャンプ強キック～近距離強パンチ」まで決め打ちしてしまい、「ヒットしていたら“バーンナックル”」、「ガードされていたら“パワーウェイブ”」というように最後の必殺技の使い分けができれば十分だ。

ジャンプ防止(置き)†

　相手のジャンプ攻撃に対しての対抗手段が“ジャンプ防止”であり、これは言わば“受け”の選択肢である。「相手のジャンプ攻撃を読んで先に地上技を“置いておく”」ことで、相手のジャンプ攻撃が届く前に迎撃するのである。

　ジャンプ防止技自体はいろいろな種類があるが、まず最初に使いやすいのが、

・リーチが長い
・打点が高い

　というふたつの条件を満たした通常技である。キャラクターにもよるが“遠距離強パンチ”や“遠距離強キック”が適していることが多い。

　ジャンプ防止に成功すれば相手にダメージを与えられるほか、相手の空中やられに対してこちらは地上にいる分、早く動き出せるのもメリットのひとつ。今度は、こちらからジャンプ攻撃を仕掛けたりと、攻守を切り返すきっかけになる行動だ。

■ポイント
・ジャンプ攻撃を迎撃できる
・攻守を切り返せる
・タイミングが合わないと多少の隙ができる
・リターンは低い

テリーの場合は遠距離強パンチの打点が高く、攻撃の発生時間も早めのためジャンプ防止に向いている。相手のジャンプを見てからだと間に合わないことも多いため、「ジャンプ攻撃かも」といった読みを前提に技を振ろう。

足払い(差し返し)†

　“受け”の選択肢であるジャンプ防止に有効な手段が“足払い(差し返し)”である。これは「相手のジャンプ防止の空振りに足払いを“差す”」というもので、“攻め”や“受け”に対して、“後の先”といった選択肢である。

　足払いというのは“しゃがみ強キック”のことで、多くのキャラクターの“しゃがみ強キック”はやや姿勢が低いことから、打点の高いジャンプ防止技に対して打ち勝ちやすいので使われることが多い。もちろん足払い以外でも、

・姿勢や打点が低め
・リーチが長い
・ジャンプ防止技の空振りに攻撃が間に合うくらいに攻撃の発生が早い

という条件を満たしていれば有効な選択肢になり得るだろう。


■ポイント
・置き技にリターンを取れる
・ジャンプに負けるのでリスクが大きい

リョウがジャンプ防止で遠距離強パンチを振ったところに、テリーがしゃがみ強キックで差し返しをしたところ。差し返しはタイミングが重要なため、難易度はやや高め、まずは「相手がジャンプ防止をしてくるかも」といったタイミングを先読みして振ってみることから始めよう。

3すくみの駆け引きは画面を介したコミュニケーション。思考の読み合いで格闘ゲームならではの醍醐味を味わおう。†

　本記事は対人戦におけるノウハウのため、ストーリーモードなどのひとり用コンテンツでは練習しづらい部分ではあるが、習得できれば『KOF XV』がより楽しめるポイントである。

　格闘ゲームを始めてしばらくのうちは、自分のキャラクターを動かすのもおぼつかないため、なかなか相手プレイヤーのことまで思考を及ぼすのは難しいかもしれない。しかし、操作に慣れて余裕ができた際には、ぜひ本記事を参考に対人戦での“駆け引き”にチャレンジしてほしい。

　もし相手がこのノウハウを知らなければ、それは相手との“実力差”となり対戦で勝ちやすくなるだろう。また相手も駆け引きに応じてくるようになれば、その駆け引きは“画面を介した相手プレイヤーとの会話”とも呼べるようになるのである。

　そのコミュニケーションは“コンボの習得”や“対人戦の勝利”といったもの以上に楽しさを実感できるものであり、より『KOF XV』に没頭できるきっかけにもなるはずだ。