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『KOF XV』クリエイターインタビュー。シリーズの集大成ともいえるクオリティーとボリュームで展開する最新作にかける想いを訊く
公開日時:2021-10-13 12:55:00
2021年9月30日から10月3日までの会期で開催された東京ゲームショウ2021。幕張メッセに用意された会場のSNKブースでは、『KOF XV』が初のプレイアブルが出展され、多くの話題を集めた。さらに同会期中には、『KOF XV』を手掛けるSNK開発チームへインタビューを行うこともできた。
本稿では、このインタビューに登場いただいた、『KOF XV』の開発のキーマンである小田泰之氏(チーフプロデューサー)、おぐらえいすけ氏(クリエイティブディレクター)、空中海人氏(ゲームディレクター)へのインタビューを掲載。
本作はどのようなコンセプトのもと、開発しているのかなど、ここでしか見られない情報が満載のインタビューとなっているので、ファンならずとも必見だ。
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チーフプロデューサー小田泰之氏(写真左)。ゲームディレクター空中(そらなか)海人氏(写真右)。クリエイティブディレクターのおぐらえいすけ氏は、リモートで参加。 |
――『KOFXV』ですが、現在開発はどのくらいの状況なのでしょうか。
小田 本編はほぼできており、現在はオンライン対戦についてメインに開発しているような状況です。
――オンライン対戦については、ロールバック方式を採用するというのもひとつの魅力となっています。
空中 ファンの皆さま、とくに海外のファンの方から、「本作はロールバック方式でオンライン対戦を実装してください」という熱い要望を以前からたくさんいただいておりました。また、現在コロナ禍という状況もあり、大会もオンラインで開催するというのが主流になっております。そうなると、オンライン対戦の環境はこれまで以上に快適にする必要があるので、今回ロールバック方式を採用するに至りました。
――たしかに、現状から考えるに、オンライン環境の充実は欠かせないですよね。続いてですが、本作は、どのようなコンセプトを掲げて開発されたのでしょうか。
空中 やはり『KOF』らしさという部分が損なわれないように、これを重要視して開発をしています。また、本作は前作からストーリー的に続いているので、前作を遊んでくださった方がそのまま本作をプレイしても技術やノウハウを活かせるのも、ひとつの狙いどころというかコンセプトになっています。
――グラフィックも、前作からかなりブラッシュアップされていると感じます。
おぐら まず、光の表現や処理が格段にパワーアップしていますので、陰影であったり表情であったりとかが、前作よりもずっとキレイに表示できていると思います。また、キャラクターのモデルも前作からそのまま流用するのではなく、それぞれ調整を加えています。グラフィックをキレイにするのは処理負荷との戦いになるんですけど、そのへんはバランスをうまく取りつつ、キャラクターの魅力を表現できたかと思います。
――本作はキャラクター登場ムービーが公開されるたびに話題を集めていますが、その反響を見て、どのように考えられていますか?
小田 反響は世界中からいただきますが、前作や『SAMURAI SPIRITS』と比べても、日本国内からの反響が多いなという印象です。あと、南米の国からも反響があったりして、皆さまの期待感みたいなものをひしひしと感じています。
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空中 反響の多さから見ても、オロチチームは復活させて正解だったと思います。本作から『KOF』シリーズに興味を持ってくれたという人も多く、新しい層の人にプレイしていただけそうだと期待しています。
――新しい層からも、と伺いましたが、それはどういった理由に起因すると考えられていますか?
空中 『KOF』の女性向けアプリゲームが配信されていましたが、そこからシリーズに興味を持ってくださる人がけっこういるようなんです。そのほか、マンガなどでもシリーズを展開していますし、ゲーム外から『KOF』を知ったという人も多いんです。
――たくさんの層の人にプレイしていただけるようになると、ゲームとしてもより盛り上がりますし。
空中 そうなってくれるとうれしいですね。
――システム面については、新システム“シャッターストライク”の搭載があるほか、既存システムにも細かく変更点が存在し、前作をベースにとはいえ、かなり刷新された印象があります。そうされたのには、どういった理由があるのでしょうか。
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おぐら 前作からスムーズに移行してほしいという狙いもあるので、基本は前作をベースにしていますが、過去作とまったく同じだと、登場キャラクターを変えたとしても前作と同じような展開になってしまうことが予想されます。ですので、新しいシステムは必要だと考えました。
空中 前作はMAX発動(クイック)が主流になってしまっていたので、シャッターストライクを追加したり、EX必殺技を通常時も使えるようにして、ゲージの使いかたには幅を持たせるようにしています。
――たしかに、本作では、前作と同じ条件でもゲージの使いかたに差が出てきそうですね。ボタン連打でコンボになるラッシュがありますが、これは初心者向けのシステムだと考えていいでしょうか。
空中 同じだけパワーゲージを消費したとしても、ラッシュよりもご自分でコンボを組み立てたほうがダメージは高くなると思います。また、上級者になるとコンボの効率や気持ちよさに重きを置くようになっていくので必要なくなってくると思っています。とはいえ、初心者専用のシステムではないので、たとえばとっさの相手の隙にコンボを叩き込みたいときなどに使っていただければ幸いです。
おぐら 本作も過去作のように特定のメンバーでチームを組むと専用のストーリーが見られたりします。そのためには、あまり使わないキャラクターもチームに入れる必要が出てくると思うので、そういったときにも活用できるのではないでしょうか。
空中 あと、初心者の方にレクチャーするのに、「まずはボタン連打でいいよ」と言えるのは、かなり大きいですね。
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――たしかに、操作の気持ちよさを覚えていただくには、ラッシュが最適ですね。続いては、東京ゲームショウで公開されたイスラについてもお聞かせいただけますでしょうか。
おぐら イスラはシュンエイと同じく、幻影を使って戦うキャラクターになっています。前作での大会のときに、自分と似た能力を持つシュンエイを見つけて、一方的にライバル視をしているという設定です。戦いかたはシュンエイとは全然違うものになっていますので、ぜひプレイしてみてください。
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――操作した感覚だと、通常技がかなり強いと感じました。
空中 トリッキーな部分はありつつも、強パンチであったりふっとばし攻撃であったりが、かなり強いですね。それらの技は開発当初はすごくリーチが短かったのですが、初心者の人でも扱いやすいようにしたいということで、めちゃくちゃリーチを伸ばしたという経緯があります。
おぐら イスラは参戦紹介ムービーへの反響もかなり大きく、うれしく思っています。今後も残りのキャラクターたちのムービーを展開していくので、楽しみにお待ちください。
――公開されていないキャラクターがまだまだいる本作ですが、今後追加されるキャラクターについて、ヒントのようなものをいただけないでしょうか。
小田 具体的にこのキャラクターというふうには言えないのですが、“あと2回は驚いていただける”のではないかと考えています。たぶん(笑)。
――誰が参戦しても喜ばれると思いますが、そのなかでも、あと2回は満を持して意表を突くキャラクターが登場するということですね。
小田 そう思っていただいて構いません。あんまり自分でハードル上げたくないですが。
――ちなみに、前作の“ザ・キング・オブ・ファイターズ”の主催者であるアントノフは本作ではいち選手という扱いですが、本作の大会は誰が主催なのでしょうか。
小田 今回はアントノフとは異なる組織が主催しているという設定です。それはまだ明らかにされていないので、発売をお待ちください。
――余談ですが、アントノフもかなりタフなキャラクターですよね。前作ののちに失脚しましたが、すぐに格闘団体を立ち上げていますし。
小田 僕がいままで見てきた“経営者”という存在のイメージを合体させたようなキャラクターになっています。だから相当タフです(笑)。
――(笑)。最後になりますが、本作のリリースを心待ちにするファンに向けてメッセージをお願いいたします。
空中 前作からシステムを踏襲しつつも、ものすごくパワーアップされています。昔ながらの『KOF』ファンの方も、前作から入られた方も、本作から始めようとしている方も楽しめるような作品になっていると思うので、ぜひプレイしてみてください。
おぐら 過去作で、ストーリー上もう登場させられなくなったキャラクターたちも、前作のストーリー展開によって復活参戦ができるようになりました。ですので、今後もみなさんの要望の高かったキャラクターが参戦することになりますので、お楽しみに。
アピールしたいポイントとして、“DJステーション”を利用すれば、SNKの過去の作品の楽曲を聴いたり、バトルで流したりできるようになります。過去のSNKのゲームをプレイしてくださった人には堪らない要素だと思いますので、そこにも注目していただけるとうれしいです。
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小田 最初“DJステーション”を入れたいと開発チームに言ったら、「えー」って言われたんですよ。
――(笑)。どなたに言われたのでしょうか。
小田 いろいろな人から、いろいろな意味で(笑)。とくにサウンドチームは、自分たちが作った新曲を聴いてもらいたいという想いもあるので、いい要素だと思いつつも、ジレンマはあると思います。
空中 前作では、過去シリーズの大量のイラストをギャラリーに収録して、本作では大量の音楽を収録することになりました。ですので、次作があるならどうしよう……といまから考えているところです。
――最後に小田さんからもメッセージをいただけますでしょうか。
小田 本作は、システムもビジュアルもサウンドも、すべてが前作からパワーアップしています。『KOF』ファンの方はもちろん、ほかの格闘ゲームのファンの方にも遊びやすくできていると思いますので、ぜひ来年のメインの対戦格闘ゲームに選んでいただけるとうれしいです。発売までもう少しだけお待ちいただければと思います。
編集:とよまん(豊泉三兄弟)
ライター:リプ齋トン
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