2023年3月31日〜4月2日にかけて、東京ビッグサイトにて国内最大規模の格闘ゲーム大会“EVO Japan 2023”が、2020年以来3年振りに開催される。本特設サイトでは、EVO Japan 2023のSNK特集として『KOF XV』の最新情報やSNK公式トーナメントで行われるSNKタイトルの情報をお伝えしていく。

　第1弾となる本記事では、“いまこそ『KOF XV』をプレイするべき3つの理由”と題して、EVO Japan 2023メイントーナメントタイトルの『KOF XV』をテーマに、現行の“シーズン2”になってからの変更点や、バトルバランス調整後のおすすめキャラクターについて紹介する。

　過去作をプレイしつつもまだ『KOF XV』をプレイしていなかったり、一度離れてしまったけど復帰を検討しているプレイヤーにとっておすすめな内容となっているので、ぜひ目を通してほしい。


※EVO Japan 2023にSNKブースが出展！ 『KOF ’98 UM FE』、『サムスピ』、『餓狼MotW』、『ガロスぺ』大会や来場者イベントも！

真吾トレーラー動画

真吾性能紹介

調整内容紹介トレーラー

2023年1月17日に行われた“パッチVer.1.62”へのアップデートを皮切りにシーズン2が始まった。このアップデートでは、『KOF '97』で初登場した矢吹真吾の追加と、全キャラクターの性能に変更が入るバトルバランス調整が行われた。

理由その1：K´や草薙京、八神庵などの歴代人気キャラクターが強い！†

　筆者としては1月のバトルバランス調整の結果として、草薙京や八神庵、K´など、主人公格のキャラクターが活躍しやすくなった印象を受けている。

　たとえば、『KOF '99』から『KOF 2001』までの主人公であるK´は特殊技“ワンインチ”の発生が早くなったことで、弱攻撃からつながるように変更。加えて、HP版“アイントリガー”もヒット時ののけぞり距離が短くなり、派生技の“セカンドシェル”につながりやすくなるなど、コンボ面を中心としてさまざまな強化が施されている。

　また『龍虎の拳』の主人公であるリョウも攻守において強化。リョウの特色である“上段受け”、“下段受け”は当身判定が拡大して相手の攻撃を受け流しやすくなった。また、“暫烈拳”はコンボ補正値が緩和されており、暫烈拳からスーパーキャンセルで“龍虎乱舞”などにつないだ際のコンボダメージが向上。これによって一発逆転がしやすくなり、以前よりも中堅や大将で活躍しやすい性能となっている。

　当然主人公格以外のキャラクターでも目を見張る変更を受けたキャラクターは数多くおり、大会やトップクラスのシーンではハイデルンやルオン、ユリを見かけることが増えた印象だ。

K´は“アイントリガー”を主体に、ややディフェンシブな戦いかたが得意なキャラクター。シーズン2ではコンボダメージや攻めの継続能力が上がっているため、ハイスタンダードな性能となった。

リョウはパワーゲージを使わないと飛び道具はないが、扱いやすい必殺技や通常技を駆使して攻守バランスよく戦える。痒いところに手が届く調整が入ったことで、初心者やシーズン2からの“出戻り組”におすすめのキャラクターだ。

Player1側が筆者のシーズン2のメインチーム構成。主人公を順番に並べたような形だが、現在の環境では十分に戦っていける構成だ。

ルオンは通常技と必殺技にそれぞれ強化が施された。守りはやや苦手だが、それを上回る立ち回りと攻めの性能となっている。

ユリはもともと爆発力の高さが魅力。シーズン2ではダッシュが早くなったほか、通常技のキャンセル可能時間が伸びるなど、細かいところに数多くの強化調整が入り扱いやすくなった。今回の調整でとくに伸びしろが大きいキャラクターと言えるだろう。

理由その2：『KOF』シリーズ史上最高のバトルバランス！†

　『KOF XV』シーズン2は、歴史ある『KOF』作品の中でも最高レベルにバランスの取れたバージョンと言っても過言ではない。理由1で挙げたように、シーズン2では主人公系キャラクターが大幅に強化されて見栄えがよくなったことに加え、そのほかのキャラクターの底上げ、そして、前バージョンで猛威を振るっていたクローネンらの調整が行われたのだ。

　以前のクローネンは“ヒートシールド”による防御性能と、そこからパワーゲージを駆使した高ダメージコンボがウリで、前バージョンでは大将として起用されることが多かった。シーズン2ではそのふたつの技自体は弱体化されてしまったものの、遠距離LKが特殊技でキャンセル可能になったほか、EX版“ブレイズ・スロアー”はコンボ補正値が小さくなるなど、強化調整も入っている。

　これらの変更を総合してみると、大将向きではなくなったものの、先鋒や中堅ではまだまだ活躍できる性能。いままでメインチームに起用していたプレイヤーが、シーズン2になったことでチームメンバーをそっくりと入れ替えるのではなく、これまでに培ってきた“練度”を活かすことができる選択肢があるのはおもしろい調整と言えるだろう。

クローネンは、遠距離LK⇒エマージェンシースライド⇒EX版“ブレイズスロアー”といった新しいコンボが可能に。瞬間的な爆発力は抑えられたものの、立ち回りでのダメージレースを有利に運べる調整になっている。

　このように、強化されたキャラクターが多数いる中で、いままで筆頭として活躍していたキャラクターもまだ戦い抜ける性能に留まっている環境というのは、筆者の格闘ゲーム経験上でもあまり見られない。

　とくに『KOF』シリーズはキャラクター数が多く、どのキャラクターも活躍できるバランスに調整をするのが難しい中で、このシーズン2のバトルバランスというのは類稀なるものである。

　新規プレイヤーが見た目やモーションで選ぶのもよし、復帰勢が過去作で使っていたキャラクターを選ぶもよし、どんなプレイヤーでもバトルを楽しみやすいいまの環境は、今後もう一度来るかどうかわからないという点で、おすすめのタイミングと言えるだろう。

理由その3：続々と新要素が追加されるロードマップがアツい！ †

　最後のおすすめ理由は“今後の追加コンテンツへの期待”だ。矢吹真吾のトレーラーで発表されているシーズン2のロードマップでは、キム・カッファン、シルヴィ・ポーラ・ポーラ、ナジュドと過去作で登場した3キャラクターの参戦が発表されている。

↑真吾のつぎは、歴代『KOF』シリーズの人気キャラクターキム・カッファンが満を持して登場。その後は『KOF XIV』で初登場となったシルヴィとナジュドが追加予定。進化したグラフィックやモーションに期待が高まる。

　2023年には別々のプラットフォーム間でネット対戦が可能になる“クロスプラットフォーム”が実装予定。これによって、いままで別々に研鑽を積んでいたプレイヤーたちが一堂に会するのはおもしろい展開が期待できる。

　また、これから始めるプレイヤーにとっても、分かれていたプレイヤーコミュニティーがひとつになることで、自分と同じレベルのプレイヤーと出会う可能性も上がるというのはうれしいところだろう。

　クロスプラットフォームの実装は、バトルバランスやキャラクター追加といったゲーム内のコンテンツとは別として、これからの『KOF XV』でもっともワクワクできるポイントだ。

　加えて、“EVO Japan 2023”では最終日の4月2日にキム・カッファンをプレイ可能な先行試遊コーナーを設置予定。今回は歴代シリーズすべてに出場していた人気キャラクターのキムということで、他タイトルを観戦予定の人も、過去の『KOF』シリーズでプレイした人は興味が湧くのではないだろうか。なお最終日は、観戦チケットが必要となるので、EVO Japan 2023サイトをチェックしておこう。

　いまのうちにメインキャラクターを2キャラ分決めておいて、最後の枠を新しくチューンアップされたキムのために用意しておくというのも、今後の楽しみが広がっていいのではないだろうか。

新しくチューンアップされたその性能を“EVO Japan 2023”でひと足早く体験しよう。