『KOF XV』の発売に際して、大阪のSNK本社を訪問したファミ通.com編集部『KOF XV』取材班。数々のインタビュー取材をこなしたあと、広報さんから「じつは、遠路はるばる来ていただいた取材班のみなさんに、ぜひお見せしたい場所があるんです」と不思議めいた言葉とともに、ご案内いただいたのは社内の奥深くにある、とある部屋。そこは『KOF』を始めとしたSNKゲームの過去資料が保管されている“資料部屋”、別名お宝ルーム！

　今回、特別に取材班の豊泉三兄弟（次男）が、保管資料の調査をすることを許された。そこで見つけたものは、SNKの歴史における最重要アイテムの数々だった。膨大な量の資料からその一部をここに大公開！

■SNK本社取材記事
※『KOF』の未来を拓く者たち～『KOF 15』開発者インタビュー～第1回プロデューサー編
※『KOF』の未来を拓く人々～『KOF 15』開発者インタビュー～第2回ゲームプレイ編
※『KOF』の未来を拓く人々～『KOF 15』開発者インタビュー～第3回キャラクターグラフィック編
※『KOF』の未来を拓く人々～『KOF15』開発者インタビュー～第4回ステージグラフィック編
※『KOF』の未来を拓く人々～『KOF15』開発者インタビュー～第5回サウンド編

SNK本社！

本社前にいきなりKOF仕様の自動販売機があってテンション上がりました（笑）。

本社ロビー＆エントランス†

　お宝ルームの調査に入る前に、まずはSNKの本社屋のロビーから。ここは、これまでに発売されたSNKのゲームソフトや、さまざまな会社から発売された新旧ライセンス商品などが展示されている。ここだけでもスゴいものが揃っているのだが……。SNKといえば、もちろんNEOGEO！　書籍からアパレルまでNEOGEO関連アイテムがいろいろある。

名刀・河豚毒
　もっとも目立つ場所に鎮座するのは、『SAMURAI SPIRITS』の覇王丸の愛刀！（もちろんレプリカ）。京都の名門武具店の協力のもと制作された、魂のこもった記念刀なのだ。

小田さんが私物の河豚毒を持ってきてくれて、実際に触らせていただきました。かっけええ。

歴代作ポスター
　いまとなってはかなり貴重なポスターの数々。NEOGEOタイトルはファンにはおなじみのものだが、左上のガンシューティング『ビーストバスターズ セカンドナイトメア』のポスターはかなりレア？

NEOGEOグッズ
　陳列されているのは歴代NEOGEOグッズ。この中に持っているものはありますか？

いざ資料部屋の内部に潜入！†

　歴代グッズを堪能したあとはいよいよ資料部屋へ。ここがいわば“SNKアーカイブス”の本殿。入るときに思わず身震いしてしまう。

NEOGEOタイトルのカートリッジ
　これだけ揃うと圧巻！　社内で必要なことがあったらすぐに使えるようにしているのだろうか？

ポスター保管庫
　ゲームセンターやゲームショップでおなじみのポスターの現物がまとめて保管されているキャビネット。

オフィシャルアート原画
　ポスター、パッケージなどで使用されたオフィシャルアートの原画。世界にふたつとない貴重度MAXの資料だ！　保存状態は非常に良好で、四半世紀を超えても鮮やかな色彩が維持されているのに驚き。なお、こちらの記事では『KOF』の歴代アートを詳細解説とともに紹介している。

※『KOF』珠玉のアートに惚れろ！ 歴代アートギャラリーその1

各タイトルの設定資料
　ロッカーを開けると大量の書類フォルダがギッシリ！　これは当時の開発者によって作られた設定資料が収められている書類フォルダ。ゲームごとに分類、整理されている。以下、おもなタイトルからその内容をチェック！

『KOF ’94』その1 基本となるゲーム画面構成の解説。図はすべて手書きであることに時代を感じる……。

『KOF ’94』その2 気絶しているとき、ある条件で待機中のチームメイトが助けにくる“援護攻撃”の解説。シリーズ初期作にあった仕様だ。

『KOF ’94』その3 ラスボス、ルガール・バーンシュタインの解説ページ。オメガ・ルガールとして『KOF XV』のDLCにも登場する男の歴史はここから始まった。

『KOF ’95』その1 新システム案の一部。実際には採用されなかった、特殊なふっとばし攻撃のアイデアが記載されている。

『KOF ’95』その2 ステージ案。手書きイラストの時点でしっかり雰囲気が出ている。ステージ名は“中東（砂漠の戦場）”とのこと。

『KOF ’95』その3 そして、この作品で初登場の庵。アンチヒーロー性や怪しさ（？）が一発で伝わる資料。

『餓狼伝説』シリーズその1 キャラクターの設定画。リチャード・マイヤとビリー・カーンの絵があるということは、つまり初代『餓狼伝説』のもののようだ。

『餓狼伝説』シリーズその2 （プレイアブルの）ギースの必殺技をコマンドとモーション案を交えて説明。必殺技のアイデアはこのような図で伝えられるのだろう。

『餓狼伝説』シリーズその3 時代は移ってこちらは『餓狼 MotW』の仕様書。このゲーム独自のシステム、ジャストディフェンスの仕組みと特徴を説明する重要なページ。

『餓狼伝説』シリーズその4 同じく『餓狼 MotW』から、ゲーム中のイラスト原画だ。このイラストを見て、勝利後のセリフを思い浮かべる人も多いのでは？

　……と、探れば探るほどファン垂涎の歴史的資料はザクザクと出てくるのだが、今回の調査は残念ながら時間切れ終了！　『KOF』シリーズを始めとしたSNKのゲーム作品の歴史の重みを数々の保存資料から感じることができた。今度は1週間くらい通って調査させていただきたいのですが、広報さん、いかがですか〜!?

おまけ：江坂で『KOF』の聖地巡礼！

　SNKの本社すぐそばの交差点。『KOF』ファンなら、この場所にピンと来た人も多いハズ。『KOF ’98』で登場した江坂ステージのモデルになった場所なのだ！　この風景もある意味、お宝だ。

大阪メトロ・北大阪急行の江坂駅を出てすぐ。「江坂駅前」の交差点。

写真は『KOF ’98』より。25年近く経ってもゲーム風景とあまり変わっていないのがスゴい！