esportsディレクターインタビュー アジアでの世界大会開催、プロチームへの資金援助(パイロットプログラム)について聞く【Six Invitational2019】

公開日時:2019-02-20 16:56:00

 2019年2月11日~17日にかけてカナダ・モントリオールで開催された『レインボーシックス シージ』メジャー大会“Six Invitational 2019”。本大会に合わせて、Ubisoft EMEA esportsディレクター Francois-Xavier Deniele氏にインタビューを実施。現在のesports事業について伺った。

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1年間の努力が実り、野良連合やFNATICらが素晴らしい成績を残してくれた

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Ubisoft EMEA esportsディレクター Francois-Xavier Deniele氏(文中はFrancois)

ーーシーズン10ファイナルはアジア圏での開催が決定しましたが、候補地はどこでしょうか?

Francois まず、アジア圏で開催できることを誇りに思っています。2018年のAPACファイナルを東京で開催し、一年後にアジアで世界大会を開催することになりますが、都市は現在検討中で残念がなら候補地は言えません。テリトリーについて話し合いをしているが、その際考慮するのは、esportsの立場からその国の魅力、本作のローカル・コミュニティです。

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ーーでは、米国でSix Major開催が決定しました。EU圏は非常に熱心なファンとコミュニティがいますが、あえて大規模イベントのMajor大会を北米開催にした理由はなんでしょうか?

Francois 昨年、初めてパリでMajor大会(Six Major Paris)を開催しましたが、アメリカに戻りたいと考えていました。プレイヤー、esportsオーガニゼーション、そして『レインボーシックス シージ』にとって重要なテリトリーであるからです。あるテリトリーで開催するということは、その地域のローカル・コミュニティに影響を与える。パリで開催したことで、EU圏においてこのゲームをプレイする機会と大会イベントの参加、大会視聴の機会が一層増えたと思います。

 本作のesportsエコシステムから見ても、アメリカで開催できることはいい判断でしょう。アメリカは成長できる重要な市場であり、このメジャーを開催することで投資もできますよね。ロケーションはまだ発表できないが、色々な都市を候補にいれています。アメリカで大規模大会を6日間開催するというのは、『レインボーシックス シージ』にとってとても大事なことなのです。

 Six Majorは、今回EU圏での開催を視野に入れませんでしたが、5月にはミラノでシーズン9 ファイナルを行うことが決定しました。我々は、本作のesports戦略の基礎として、"オープンテリトリー”という考えかたをしています。メジャー大会は大会日数が長くプロリーグファイナルとは違った経験が出来ますが、プロリーグファイナルも重要なイベントでメジャー大会とは違った経験が積めますよね。ですので、5月にミラノで開催することは、継続的にさまざまな地域で投資していくことが目的なのです。

 またUbisoftはイタリアとスペインの市場拡大のために投資をしてきており、ドイツ、英国、フランス市場といずれは並ぶような強固なものを築き上げたいと思っています。

ーーでは、今回野良連合はシーズン9に続き、メジャー大会でも世界ベスト4入りを果たしました。彼らが活躍したことで、APAC地域からは現在2チームしか世界大会へ出場できませんが、今後はさらに出場枠を増やすといった考えはありますか?

Francois 1年前に日本をAPACに導入したが、日本のesports市場を育てるには時間がかかると認識していました。大会に参加することが重要なので、プロリーグファイナル、メジャーへの出場枠を与えたのです。1年間の努力が実り、野良連合やFNATICらがSix Invitationalで勝ち進み、さらにはプロリーグファイナルで素晴らしい成績を残しました。APACチームは世界にその強さを十分見せられていると思います。

 APACの出場枠については来年も同じ数をいまのところ予定していますが、中国を含めAPAC圏はとても広いので、慎重に検討していきます。


――中国地域は、APACリージョンと分けられるという認識で合っていますか?

Francois 検討中です。中国をAPACリージョンに入れるということは、プレイヤー、チームともに大きくバランスが変わるため、どのように導入するかはよく考えて行いたいです。中国を加えてAPACリージョンのバランスを壊したくないので、別のリージョンにすることは考えています。
 また、中国での『レインボーシックス シージ』の展開では、Tencentとのパートナーを組んでいることも考慮しなくてはいけないです。

――マネタイズについてお聞きします。『League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)』では、プロリーグに出場している選手・チームに対して、運営元であるRiot Gamesが支援金、いわゆる“給料”を支給しています。『レインボーシックス シージ』においても、そういった取り組みをしていく考えはありますか?

Francois パイロット・プログラムを通してすでにチームに還元し、プロフェッショナリズムを援助すべくプレイヤーをサポートしています。来年のプログラムの内容は検討中だが、これまでの功績によりAPACがプログラムの対象になることは確定していることをお伝えしたいです。

 どのチームがギアとユニフォームを得るのかはまだ決まっていませんが、APACチームが枠を獲得することは確かです。今年度はFNATICが獲得しましたが、さらに枠の数が増えることは間違いないです。

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ゲーム内で販売されているFNATICユニフォーム

――では、北米ではいくつかのチームが『レインボーシックス シージ』のesportsシーンを撤退するといった事態が起きましたが、これについてどう観察しているのでしょう。

Francois 確かに、SK Gamingは撤退しMousesports一時撤退後、アメリカからEUリージョンにチームを持つことにしました。我々はチームとコラボレーション、コミュニケーション、サポートにおいて堅固な関係を築く必要があり、一方で本作の成長にどう貢献してくれるかも重要です。

 いま現在、北米のチームが離れていることはついてはあまり苦慮していません。新たに3つのNAチームが活躍しており、ほかオーガニゼーションがこの状況を見て北米リーグに戻ってくる可能性はあると見ています。市場は流動的であり、すべてのリージョンである時点でこのようなことが起きる可能性は十分ありえますからね。

 今後も北米は重要な市場であり、新規あるいは大きなオーガニゼーションが近い将来参入してくるものと期待しています。

▲現在、Rainbow Six esports公式YouTubeでは、Evil Geniuses Canadian、Team Liquid Zig、G2 Esports Penguに焦点を当てた、ドキュメンタリービデオが公開されている。各選手のRainbow Six esportsシーンの歩み、プロとしての苦悩、彼らを取り巻く多くの人々と家族について収録したものだ。

 5名で戦う"チーム”スポーツで選手たちを牽引するリーダーの彼らは、家族やスタッフそしてファンといった多くの人々のサポート受け、同時に大きなプレッシャーを受けている。精神的にも肉体的にも厳しい状況下の中で、常にトップを目指し戦い続ける様から、トップチームの矜持を見た。

(文・取材:編集部 工藤エイム)

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『レインボーシックス シージ』ファミ通.com 特設サイト

タイトル:レインボーシックス シージ
メーカー:ユービーアイソフト
対応機種:プレイステーション4、Xbox One、PC

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