2018年5月19〜20日(現地時間)にアメリカ・アトランティックシティで開催されたPC版『レインボーシックス シージ』のプロリーグ‟Rainbow six Pro League Season 7 グローバルファイナル”。シーズン7 グローバルファイナルは、ヨーロッパ、北アメリカ、ラテンアメリカ、APACから勝ち上がった計8チームがアメリカに集い、シーズン7のチャンピオンの座を賭けて戦う世界大会が開催された。シーズン7の賞金総額は約3000万円で、年間を通しての賞金総額は1億5000万円にも及ぶ。
本大会には、APACを勝ち抜いた“野良連合”が参戦。APAC大会で野良連合を下し急成長を見せたFnatic、2月に行われたSixInvitational決勝でぶつかったEvil GeniusesとPenta Sportsによる試合と、見所がとても多い大会だった。また、Year 3シーズン2“Operation Para Bellum”についての全情報がお披露目される、ファンにとって一台イベントでもある。
本稿では、‟Rainbow six Pro League Season 7 グローバルファイナル”優勝を収めたブラジル・プロゲーミングチーム“Team Liquid”、Six invitational 2018王者で
、決勝で負けてしまったものの、Team Liquidを最後まで苦しめる強さを見せつけた“ PENTA Sports”、そしてAPACリージョンから出場しているFnaticのシートインタビューをお届けする。
「ゲーミングハウスに住んでいると、ゲームが空気のような存在になる」Team Liquid ziGインタビュー
ーー優勝おめでとうございます! 決勝戦を振り返ってみて、どうだったでしょうか?
ziG とてもいい試合だった。Pent Sportsとの試合はつねに難しい。彼らはとても素晴らしく、世界一のチームだと思う……今日まではね。これまで練習して来た通り
の自分たちのゲームスタイルで信じてプレイして、それがうまくいった。
ーーTeam Liquidの選手はゲーミングハウスに住んでいて、メンバーとは家族のように接しているそうですが、強さの秘訣はそのような連携力から生まれるのでしょうか?
ziG ブラジルにあるゲーミング・ハウスに住んでいて、ひとつのキーになっていると思う。ゲームが空気のような存在になる。朝食でも昼食の時間もゲームのことを話すのでいろいろ助けになるんだ。
ーー決勝戦では接戦に接戦で優勝を果たしました。苦しい場面も多かったと思いますが、どのように乗り越えたのでしょう。
ziG その通り、苦しい場面があった。最初のマップはとくに大変だったよ。どうしていいかわからないし、PENTA SportsのKantorakettiという非常に攻撃的なプレイスタイルのプレイヤーがいて苦労した。最大限に対処したが負けてしまった。でも「仕方ない、このマップは忘れてつぎで頑張ろう」と思うことにしたんだ。
セカンドマップはとてもうまくプレイできたが、大変なところもあり延長戦になった。それでも勝つことができたので良かったね。僕たちはクレイジーな戦略をいくつも持っていたから、突進してみたりラウンドの間に改善もしていろいろと試したんだ。
This moment will go down in the history of Rainbow Six: Siege! @TeamLiquid #R6PL https://t.co/8zMCozgBGG
— ESL Rainbow Six (@ESLRainbowSix)
2018-05-21 07:38:21
ーーでは、シーズン7を振り返ってみてチーム全体でどのように成長したと思いますか?
ziG 僕たちは大きく成長したと思う。とくに精神的に成長したね。自分たちがスキルを持ったプレイヤーであることはわかっているが、気持ちに押しつぶされてしまうことがある。そこで心理学の専門家に来てもらって何時間も話し、もっとリラックスできるように、より自由に余裕を持ち成長できるように助けてもらったんだ。
ーー心理学の専門家のサポートがあったのですね。では、野良連合の試合を見ていたら感想をお願いします。
ziG 彼らはとてもうまくなったと思う。今回はとてもいいプレイをしていたよ。ほかのチームと同じレベルではないと思っていたが、そう思った自分が正しくないことを証明してくれた。野良連合と同じレベルでプレイしていたが、恐らく神経質になっていたのかもね(笑)。いずれはこのリーグで勝てると思うよ。
ーー最後に、野良連合に何かアドバイスはありますか?
ziG 練習しているときと同じようにプレイすればいい。これはどんなチームにも言える一番のアドバイスだね。そして、これはあくまでもゲームだから、あまり生真面目にならずに楽しくやるということも大事だ。
「Fnaticの名前にふさわしいことを証明したかったが、プレッシャーで頭がいっぱいになった」Fnatic RizRazインタビュー
ーー 日本では、Mind FreakからFnaticになり強くなったと言われていますが、どんな変化があったのでしょうか?
RizRaz 前シーズンから見ると、実際のところ強くなったと思う。これはFnaticのサポートのおかげだ。このイベントの前にブートキャンプに参加したが、このような細かいサポートが功を奏して、チームが成長して強くなったと思う。
ーー残念ながらTeam Liquid戦で負けてしまいましたが、試合の感想を聞かせていただけますか?
RizRaz 全体として自分たちのプレイにとてもがっかりしたよ。多くの人がサポートしてくれて、Team LiquidにはSix Invitationalでは勝てたので、また勝てると思っていた。また勝つことを期待されてそれがプレッシャーになったと思う。とくにFnaticになってAPAC代表としてがんばらなくてはと思った。自分たちはFnaticの名前にふさわしいことを証明したかったんだ。それで自分たちにヒビが入ってしまったと思う。プレッシャーで頭が一杯になったし、オレゴンでは誤射などもあって精神的に追い詰められ負けてしまった。
ーー同じAPAC代表の野良連合の試合は見ましたか?
RizRaz 野良連合はよく見ているよ! Rogueはとても強い北米チームで、正直野良連合はボロ負けるすると思われていたが、信じられないほど素晴らしい戦いを見せた。彼らの戦いぶりには感心したし、APACリージョンの誇りになったと思う。野良連合はとくにWokka、JJ、Merieuxがとてもうまい。この3人はエイミングがよく賢いプレイヤーだと感じている。フランキング、ローミングなど攻撃的なプレイスタイルを採用し、チームとして3人の使いかたが上手だった。
ーーありがとうございます。では最後に、Six Major Pariへの抱負をお願いします。
RizRaz ファンに誇りに思ってもらえるようにしたい。Liquidと再び戦って上位に立ちたい。とにかくトップ4に入れるようにそこまでのステップを踏んで進んでいく。そこまで行けたらもちろん最高位を目指すだけだ。
「相手が誰であろうとタフに戦っていくことは変わりない」PentaSports Fabianインタビュー
ーーEvil Geniusesとは、Six Invitational決勝以来の再戦でした。
Fabian Evil Geniuses戦は全体によかったと思う。SHA77Eが大会には出られなくなってしまったので、圧勝するとは思わなかった。Kantorakettiに急遽メンバー入りしてもらったが、彼とは1週間しか練習できなかったから不安だったんだ。SHA77Eは家族の事情で出られなくなったので、どうしようもなくて代理を入れるしかなかった。家族の事情であれば100%サポートする。それでも、KantorakettiはがんばったしEvil Geniusesに勝てたんだからよかったよ。
ーーSHA77Eは素晴らしいプレイヤーです。彼がいないことはどう乗り越えた?
Fabian いろいろと新しいアプローチを試みたが、SHA77Eに1年かけて教えて来たことを短期間でKantorakettiに教えて、チームに取り込むのは大変だった。でも、最後はいつものようにプレイできるよたからよかった。
ーー野良連合の印象は?
Fabian 練習の合間に少しだけ見たが、とても印象的だった。Rogue戦では最後の最後までどちらが勝つか分からなかったから、健闘したと思う。Rogueは野良連合の実力をしっかり評価していなかったし、Rogueも代理選手が入っていたので、コミュニケーションが取りにくかったのではないだろうか。
ーーEvil Geniusesには勝利しましたが、ほかに警戒しているチームはあるか?
Fabian つねにつぎの対戦相手を警戒している。最終的に勝つためにはすべてのチームに勝たなくてはいけないから、相手が誰であろうとタフに戦っていくことは変わりないさ。
「見込みがゼロでもポジティブな態度を保ち、チーム一丸となって戦うことがとにかく大切」Millenium Livenインタビュー
ーー初戦Faze Clan戦の勝因は?
Liven しっかり準備ができていたことだ。とくに新しいアナリストが入って1日10時間に渡ってほかのチームについて勉強したんだ。それに、今日の対戦相手とはいままでにない相性を感じた。相手に比べて、僕らはスキルプレイヤーがいっしょになって優位に立つ機会をよりうまくとらえたということだと思う。
ーーそれでも、Faze Clanは強いチームです。苦しいシーンもありましたが、どう乗り切りましたか?
Liven 今回のセカンドマップは苦戦したね。チームはお互いを信用している。そしてゲームの行方は最後までわからないので、苦境から戻ってくることも可能だ。今日はそれができたと思う。本当に勝ちたいと思っていたからね。
半年前にgamescomで負けた相手とのこの試合は特別なものだった。苦境から戻れるというメンタリティはいつも持っているが、今日はとくにその局面が強かったと思う。試合は負けるかもしれないと思って臨めば必ず負ける。ゲームで色々なことが起こり負けていても、見込みがゼロでもポジティブな態度を保ち、チーム一丸となって戦うことがとにかく大切だ。一丸となっていれば強いチームとして逆境を切り抜けられるんだ。
ーーそのために特別何かしたことは?
Liven とくに目立った戦略もなかったが、今シーズンは練習をとにかく積んできた。そして最後の2週間かけてすべての戦略をしっかり立てたんだ。これほどしっかり作ったことはないだろう。
ーーAtlantic Cityでの開催についてはどう思いますか?
Liven アメリカで一番いい都市ではないかもしれないが、大きなところでたくさんの人が集まれるので、とてもいいと思う。小さな町の小さなESLスタジオで試合を行なったこともあるが、そういうところでも『レインボーシックス シージ』のファンは駆けつけてくれるからすごいよね。
ーー野良連合の試合を見ていたら、感想をお聞かせください。
Liven Rougueにあれだけ善戦したのは、日本にとってとてもいいことだ。でも、今日の試合については彼らは後悔するところもあると思う。最初に勝つチャンスがあった。練習時間にいっしょにプレイしたが、要注意チームになると確信したよ。このままのチームでしっかり練習してがんばればつぎのイベントで優勝まで行けると思う。