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第七霊災とは何だったのか?(2)
公開日時:2014-01-05 11:55:00
皆さんこんにちは。コネクト!オンでライターを務めているMainaiです。『新生FFXIV』の記事担当者である私が第七霊災を語る企画の第2回。いよいよ今回は、第七霊災が発生するまでの具体的な流れを解説していきます。
まずは軽く前回のおさらいから。じっくり復習したい方は、前回の記事を参照してください。
ガレマール帝国軍第VII軍団長ネール・ヴァン・ダーナスが、月の衛星ダラガブを地上へ落下させる計画を進めていることが明らかに。これに対抗すべく、エオルゼアの3つの都市国家が連携に向けて動き出す。しかし条約の締結交渉は難航が予想され、帝国打倒に向けてのスタートは必ずしも順調ではなかった。そんななか、モードゥナ地方に帝国が建設した基地「カストルム・ノヴム」で異変が発生。事態を確認すべく、グランドカンパニーの首領たちは当地へ急ぎ兵員を送り込む……。
それでは、続きをご説明していきましょう。
「エオルゼア同盟軍」の成立†
モードゥナでグランドカンパニーの精鋭たちを待ち受けていたのは、帝国軍第XIV軍団長ガイウス・ヴァン・バエサル。彼は間接的ながら、「交信雷波塔」の内部を記した資料(ガレアン文字の製図集)をエオルゼア側にもたらしたのです。なぜ敵国に情報を売るようなことをしたのでしょうか。その意図はガイウスの当時のセリフから読み取れます。
「古代アラグ帝国が、天へ打ち上げし塊は、我らの想定を凌駕した邪悪な「なにか」に変わりはてている……」
「最近のネールの言動に混じる違和感こそ、その証拠よ。そう……ネールは皇帝陛下をも欺いている!」
ガレマール帝国軍の幹部のあいだで不協和音が生じていたのです。さらにガイウスはこうも述べています。
「我らガレマール帝国は、蛮神を駆逐し、エオルゼアを手に入れる。これは揺るがぬ事実だ」
「貴様らに許された選択は、ただひとつ。ダラガブによる虚無か、我ら帝国による支配か……どちらにしろ、エオルゼアは滅びるのだ」
▲ガイウスの狙いは、自らの意に反するネールの粛清。その道具として都市国家の軍事力を利用しようとした。 |
エオルゼアの占領という最終目的は変わらないものの、ネールが秘めている“腹案”がガレマール帝国にまで危害を及ぼす可能性があることをガイウスが示唆しています。
ガイウスからもたらされた資料を、「機工師」のシド・ナン・ガーロンドが解析。その結果、「交信雷波塔」を破壊する方策が明らかに! これが同盟締結交渉を妥結へと導く決定打となりました。妥結は、グリダニアにある不語仙の座卓で開催された防衛条約審議会でのこと。「エオルゼア都市軍事同盟」は、共同で「エオルゼア同盟軍」の設立を宣言したのです。調印者は、メルウィブ・ブルーフィスウィン、カヌ・エ・センナ、ラウバーン・アルディンの3名。いずれも各都市を守るグランドカンパニーの首領たち。同時にこの会議で、同盟軍の最初の攻撃目標が、帝国軍基地のカストルム・ノヴムに設置された「交信雷波塔」と決まりました。
▲不語仙の座卓で、グランドカンパニーの首領たちがともにガレーマール帝国の打倒を誓う。彼らは互いの利害を超えて協力し、エオルゼアを守る決意を固めたのだ。 |
グランドカンパニーの精鋭たちはシドがもたらした情報をもとに、「交信雷波塔」の設置場所へ到達。破壊に無事成功しました。こうしてカストルム・ノヴムの攻防戦は「エオルゼア同盟軍」の勝利に終わったのです。
ネールとダラガブの邂逅†
制御装置の破壊に成功したので、これでダラガブの衝突は避けられる……しかし敗軍の将であるはずのネール・ヴァン・ダーナスから、予期せぬ言葉が発せられました。
「かつて六度、天地は腐れはて、再生を遂げた。だがそのたびに「人」という名のけだものが、瞬く間に天地を穢す!」
「この不浄なる輪廻に、久遠の終止符を打つ!これぞ「彼の御方」のお望みである」
「けだものの唾液にまみれた塔なぞ不要!」
「穢れた地への御来迎……ああ! 我が魂をもって成就させようッ!」
こう告げたあと、ネールはいずこかへ姿を隠します。どうやら、もはや「交信雷波塔」がなくてもダラガブの制御が可能となった模様。しかもダラガブから、炎に包まれたいくつもの岩石が地上へ降り注ぎ始めます。
▲作戦の完遂を確信して、悦に浸るネール。本作のプロデューサー兼ディレクターを務める吉田直樹氏は、このシーンを『FFVII』のダークヒーロー“セフィロス”のオマージュであることを過去のインタビューで明かしている。 |
ほどなく、ネールの居場所が判明します。なんと古代アラグ帝国の遺跡を起動させ、クルザスの上空へと浮上させていたのです。この「浮島」と自分自身を呼び水に、彼はダラガブをエオルゼアへと誘導、落下させようと目論んでいたのです。
「エオルゼア同盟軍」がこの窮地で採り得る作戦はただひとつ。シドの飛空艇「エンタープライズ」に兵員を乗り込ませてクルザス上空へ搬送し、ネール討伐を果たすこと。ただし「エンタープライズ」には、限られた人数しか搭乗できません。そこで選ばれたのが、かつてガルーダを退け、さらにカストルム・ノヴムで「交信雷波塔」を破壊する武勲を挙げた者たち。シドは彼らを乗せ、グリダニア・ランディングからクルザスへ向けて飛び立ちます。
現地に到着した兵員たちに、ネールは語りかけます。
「この世は、愚か者であふれている!」
「愚かなる、ガイウス・ヴァン・バエサル。愚かなる、ガレマール帝国ッ」
「「救済」と称して蛮神を浄化し、「クリスタルの力」なき地を支配し、蛮神どもの残飯をあさって、富を得たとは……」
「なんッと、愚かで滑稽なッ!!」
「我が望みは、一切の浄化そのもの!」
▲みずからが崇拝するダラガブに熱く語りかけるネール。もはや彼の目には、この赤い月しか映らない……。 |
蛮神だけでなく、人類までも浄化することがネールの目的だったのです。その後ネールはダラガブの"神意"との邂逅を果たし、別の意識を持つ存在へと変貌を遂げました。
「我ハ ネール・デウス・ダーナス……」
「スベテノ愚者 スベテノ神 等シク浄化スル……!」
「生 コレヲ禁ズ……」
「死 コレヲ禁ズ……」
▲人格までもダラガブに支配されてしまったようだ。まがまがしいオーラを身にまとい、すべての生き物をこの世から抹殺しようと試みる。 |
ダラガブの破片が激しく降り注ぐなか、ネール・デウス・ダーナスとの激闘が展開。やがてネールは力尽き倒れ、その肉体はエーテルに還元されながらダラガブへと吸い込まれていきました。
ダラガブの崩壊と「神降ろし」の儀式†
悪の根源たるネールがついに息絶えた……! 「エオルゼア同盟軍」の面々は歓喜の渦に包まれました。
ところが、救世詩盟の盟主であるルイゾワ・ルヴェユールは浮かない様子。彼の観測によれば、ネールが死してもなお、ダラガブは落下を続けているらしいのです。
これを防ぐには「神降ろし」……人々の祈りとエーテルを用いて、エオルゼア十二神を地上へ呼び寄せる儀式を行う以外に方法がないとのこと。しかも、帝国軍第VII軍団の将兵たちはネールの存命をいまだ信じて疑わず、クリスタルの力が集う地に集結しつつあります。「エオルゼア同盟軍」は彼らを迎え撃つべく、その場所へ大群を差し向けることになります。
──戦場はモードゥナの南東に位置するカルテノー平原。帝国軍第VII軍団と「エオルゼア同盟軍」が激突をくり返します。多くの兵士の命が失われていくさなか、地表への激突が目前に迫ったダラガブに突如として異変が。天体の外郭が砕け散り、内部からバハムートが出現! ネールの目的は、古代アラグ帝国がダラガブの内部に封印していた、「古代の蛮神」の復活にあったのです。
▲ネールが生前に心酔していたのはダラガブではなく、内部に封じられているバハムートだった。彼はこの蛮神の力と融合して、ネール・デウス・ダーナスに変身していたのだ。 |
バハムートは「メガフレア」の炎で、エオルゼアの地を蹂躙していきます。引き裂かれる大地。焼き払われる聖なる森林。これぞまさに、第七霊災にほかなりません。
事態の深刻さを悟ったルイゾワは、ここで「神降ろし」の儀を挙行。バハムートは、エオルゼア十二神がもたらす青い光で拘束されていきます。しかし寸前のところで再封印に失敗。終局を悟ったルイゾワは時神アルジクの力を用いて、一部の冒険者を「時限の狭間」へと逃します。未来に希望を託すため……冒険者たちを5年後の世界に送り出したのです。そして彼は、白い光に呑み込まれていきました。満面の笑みを残して……。
▲この直後、ルイゾワはおろかバハムートまでもが姿を消す。以降、両者は5年のあいだ誰にも目撃されていない。 |
ここまでが『旧FFXIV』でくり広げられた第七霊災のストーリーです。この第七霊災のクライマックスの模様は、以下の動画でも確認できます。
FINAL FANTASY XIV "時代の終焉"トレーラー
いかがでしたか? 以上を踏まえたうえで、あらためて第七霊災を定義するなら、こんな感じになるでしょうか。
ガレマール帝国第VII軍団長ネール・ヴァン・ダーナスは「メテオ計劃」に着手。彼は当初から、月の衛星ダラガブは古代アラグ帝国が建造した人工天体であることを知っていた。そして、これを用いてエオルゼアを焦土と化そうと画策するなかで「彼の御方」、つまり「古の蛮神バハムート」の意思と接触。第七霊災を引き起こしたのだ。
しかしこの策動は第XIV軍団長のガイウス・ヴァン・バエサルの疑念を招き、「エオルゼア同盟軍」の最精鋭の手によりネールは間接的に粛清される。
……ガイウスは「メテオ計劃」による焦土化を阻止し、あくまでおのれの力で占領、統治するつもりだったのだ。
しかし、ネールの排除には成功したものの、ダラガブの落下は阻止できなかった。一方、ルイゾワたちエオルゼア同盟軍は、「エオルゼア十二神」の神降ろしに、ダラガブ落下阻止の最後の望みをかける。だが、ダラガブはネールの死後も落下を続け、結果的に彼の望みどおり、バハムートはカルテノー平原上空にて復活を遂げてしまう。この危機的な事態に対して賢者ルイゾワは、大量の「クリスタルの力」を消費して、エオルゼア十二神のパワーの一部を地上へ召喚。神々によるバハムートの再封印には失敗するも、シタデル・ホズヤのような都市国家が蒸発に至る事態までは阻止。エオルゼアの完全消滅は、かろうじて避けられた……。
これは、あくまでもMainaiの歴史観なので100%正確というわけではありません。ですが、過去の開発者インタビューに毎回立ち会い、ストーリーの謎を質問し続けてきた私としては、これが限りなく模範解答に近いだろうと勝手に思っています(笑)。固有名詞も満載ですが、これを理解したうえで『新生FFXIV』をプレイすれば、ガレマール帝国を巡る物語を骨の髄まで楽しむことができるはずですよ。
でもひとつ疑問として残るのは、なぜネールはエオルゼアの民を根絶やしにすることに固執したのか。ガイウスが考えたように、蛮族・蛮神とグランドカンパニーの面々さえ排除できれば、周辺地域を無難に統治できるはずです。その謎を解明するヒントは、「クリスタル(エーテル)の力」に隠されていると私は考えます。
次回は、ネール・ヴァン・ダーナスの真の狙いを考察。短めの考察になりますが、ガイウスとネール両名の意見の相違をもとに、蛮族だけでなくエオルゼアの民までもが「穢れている」理由に迫ってみたいと思います。
(コネオン小隊/Mainai)
【コラム】バハムートはもともと金色ではなかった†
下のイラストを見ると、バハムートの体はゴールドに輝いているが、これは本来の色ではない。古代アラグ帝国が用いた拘束具がもともと金色で、それに長年繋がれてきたために色が付着してしまったのだ。プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏は、「バハムートがルイゾワに青色の魔法で封印されかけますよね。あの封印のアラグ技術版で封印されていたのですが、金色の拘束具はその名残り。それを魔法で再度縛る様子を表したのが、今回(時代の終焉トレーラー映像)のシーンということです」と、コネクト!オン2013年1月号のインタビューで述べている。バハムートの色にまつわる経緯も、『新生FFXIV』のストーリーで明らかになるようだ。
▲もしもルイゾワが「神降ろし」を完全に成功させていたら、バハムートの体は現在、青色に染まっているのかもしれない。 |
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