都市国家の成り立ち ~ウルダハ編

公開日時:2013-10-06 17:00:00

 エオルゼアの冒険を満喫している、読者の皆さんこんにちは。コネクト!オン『新生FFXIV』担当ライターのMainaiです。3つの都市国家の現状を紹介する企画も第3回! 今回は、ウルダハについてのお話です。

交易と物流の都市、ウルダハ

 3番目に紹介する都市国家は、砂の都ウルダハ。荒涼としたザナラーン地方を領する交易都市です。キャラクタークリエイション時に剣術士、格闘士、呪術士のいずれかのバトルクラスを選択すると、ここウルダハが冒険の開始地点となります。

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▲黒地に金の天秤をモチーフとするウルダハ国旗。向かって左側に富を表す宝石。右側には力を表す炎があしらわれている。

▲円形の城壁に囲まれており、その内側で人々が暮らす。ドーム型の建物の上層は、貴族や富豪の居住エリアとなっている。

 周辺には多くの鉱山に恵まれ、とくにザナラーン北部はエネルギー源として需要の高い「青燐水」まで採掘できるため、資源がとても豊富。さらにリムサ・ロミンサとグリダニアの中間に位置するという絶好の立地も手伝い、物流の中心地としても発展しています。そうした繁栄の噂を聞きつけ、一攫千金を夢見る人々がこぞってウルダハへ流入。商機をつかむべく、信頼と裏切り・誠実と背徳が日夜くり返されているのです。

 また、ウルダハの目抜き通り“ルビーロード”にある巨大商店街は、買い物客で大賑わい。冒険者を手助けしてくれる各種ギルドも、以下のものが揃っています。

 バトルクラスギルド  剣術士、格闘士、呪術士
 クラフタークラスギルド  彫金師、裁縫師、錬金術師
 ギャザラークラスギルド  採掘師

 初心者の方はこれらの施設を訪問する前に「クイックサンド」内の冒険者ギルドへ直行して、店主のモモディと面会。冒険者の登録を済ませてください。

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▲宿屋「砂時計亭」で、「クイックサンド」と呼ばれるラウンジを切り盛りする女将。ウルダハ社会の世話役として、冒険者の面倒を見ている。

 このように、ウルダハは豊富な資源と活発な交易によって繁栄を謳歌しているようにも思えますが、現在、難民の流入という大きな問題を抱えています。5年前の第七霊災で故郷が壊滅した人々や、ガレマール帝国に占領された都市国家アラミゴから逃げてきた亡命者が、大量に入り込んでいるのです。このため、都市内の治安は急速に悪化。一角には貧民街も形成されるなど、不穏な空気が漂ってきています。

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▲ウルダハ:ザル回廊のパールレーンは、貧民たちの巣窟。仕事を求める者、投げ銭を乞う者、カモを狙う者で埋め尽くされており、まさにスラムと化している。

ゾンビー化した敵国民を掃討し周辺地域を統一

 少し話が脇道にそれますが、予備知識としてウルダハの歴史の1ページをご紹介したいと思います。いまからはるか昔……ザナラーンの地には、ウルダハのほかにシラディハという都市国家が存在しました。両者は戦争をくり返していたのですが、どちらも乾燥したザナラーン砂漠の中にあるため、厳しい自然環境にさらされ続けてきたのです。これを克服するべく、シラディハは治水事業に着手。見事、領内に大規模な水源地を発見したのです。
対する当時のウルダハは、これを奪取しようと軍勢を率いて攻め込みました。戦いは長期戦の様相を呈し、両軍ともに我慢比べの状況が続きます。しかし、ほどなくシラディハの財政が極度に悪化。戦況はウルダハに傾くかと思われました。
 ここでシラディハが取った作戦は、“自国の兵士をゾンビーに変える”という信じ難いものでした。禁じ手とも言える手段で劣勢を一挙に挽回しようとしたのですが、これが裏目に。シラディハはゾンビーの制御に失敗し、都市民の大半が生ける屍と化してしまったのです。
絶好のチャンスを得たウルダハは、この戦いを“ゾンビーをザル神のもとに帰す聖戦”と位置づけ、彼らを討伐。シラディハを亡国の谷底へと追い落とし、周辺領域の統一に成功したのです。かつてウルダハと覇を競った都市国家の名残りは、中央ザナラーンのシラディハ遺跡で見ることができます。

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▲シラディハの建造物の名残りと思われるがれきが打ち捨てられている。目の前を流れる小川(スートクリーク)は、かつての治水事業で発見された水源の名残りだろうか。

ララフェル族の女王を戴く君主制国家

 話を現代に戻します。ウルダハがほかの2都市と異なる点は、女王を頂点とする君主制が採用されていること。ウル朝ウルダハの第17代国王ナナモ・ウル・ナモを頂点に、国がまとめられているのです。ポイントは、グランドカンパニー「不滅隊」の首領ラウバーン・アルディンは、女王の部下という点。リムサ・ロミンサのメルウィブやグリダニアのカヌ・エは国家元首もしくはそれに準ずる存在ですが、ラウバーンだけは君主の代理人に過ぎないのです。

 では、なぜラウバーンがメルウィブたちと対等の立場で話ができるのでしょうか。それはウルダハの女王は都市国家の象徴ともいえる存在で、政治の実権は「砂蠍衆(さかつしゅう)」と呼ばれる6人の顔役が掌握しているから。ラウバーンは「砂蠍衆」のひとりであるため、国の代表として他国の代表と平等な関係が築けているのです。

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▲ラウバーンはアラミゴ出身でありながら「砂蠍衆」のメンバーにまで登りつめた男。ナナモ女王は彼の肩に乗るほど深く信頼している。

 国の政治を担う立場とはいえ、「砂蠍衆」においてラウバーンは孤立無援に等しい状態。じつはウルダハ王家を推し頂く「王党派」に属するメンバーは彼ひとりのみで、ほかの大部分は商人による自治を望む「共和派」なのです。なのになぜ、圧倒的少数派のラウバーンは強い発言権を維持できているのでしょうか。その答えはMainaiの予測になりますが、おそらく彼が5年前に「不滅隊」結成を実現し、その後の「カルテノーの戦い」で(表面上だけでも)ガレマール帝国軍第VII軍団を退けた実績を持つからだと思います。少なくとも、「共和派」の大多数はラウバーンの活躍を快く思っていないはず。どんな形であれ、彼が失態を犯すことを心待ちにしていることでしょう……。

 つぎに、「不滅隊」以外のウルダハの軍事組織について。領内の治安維持を担当している集団は以下の3つです。

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▲銀冑団。政庁層を警備している兵士がこの銀冑団。ウルダハ王家を守護する近衛兵団で、ナナモ女王に忠誠を誓い、その剣となり盾となることを責務とする。

▲鉄灯団。ザナラーン地方の鉱山を多く所有するアマジナ鉱山社の自警組織。鉱石の集積地であるブラックブラッシュ停留所を中心に活動中。

▲銅刃団。商人たちが金を集めて組織した自警団。ウルダハ:ナル/ザル回廊やホライズンなど各地で犯罪者を取り締まっている。

 組織ごとに装備品が統一されているので、装束を見れば所属がすぐにわかるはず。基本的に彼らは独立した組織ですが、銀冑団だけは王家の近衛であり、国費で維持された正規軍とも言える存在です。

 一方で、軍事力ではなく商業力でエオルゼア中に名を轟かせている「東アルデナード商会」というグループも存在します。

 東アルデナード商会  貴金属の専門店エシュテムや、エオルゼアのファッション界をリードするサンシルクを傘下に収める企業連合体。「砂蠍衆」のメンバー、ロロリトが会長を務める。

 ロロリトは、ウルダハの大富豪にしてやり手の商人。彼が持つ「百億ギルの男」の異名は、エオルゼア全土に轟くほどです。そして何より、ロロリトは「砂蠍衆」の「共和派」と目される人物。今後の動向が注目されます。ウルダハ近辺ではこの商会の名前が頻繁に登場するので、ぜひ覚えておいてくださいね。

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▲ベスパーベイの真ん中にたたずむ大きな石像は、誰あろう、ロロリトその人。

狡猾なアマルジャ族が都市民の脅威

 リムサ・ロミンサやグリダニアと同じく、ウルダハも蛮族の脅威にさらされています。相手は、草原地帯「パガルザン」で羊やトカゲを追いながら暮らすアマルジャ族。彼らにとってザナラーン地方は“聖なる炎で焼き清められた土地”とされ、聖地奪還のため過去に幾たびもウルダハと戦ってきました。しかもほかの蛮族に先駆けて、アマルジャ族はみずからが崇拝する蛮神イフリートをいち早く召喚。燃え盛る火焔に身を包むイフリートは、第七霊災が起きる以前から都市民を震え上がらせ続けています。また最近は、ウルダハの兵士を買収して自軍の戦いを有利に運ぼうとするなど、狡猾な作戦も用いるようになってきています。

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▲アマルジャ族は、強靭な肉体だけでなく、敵対する相手を出し抜く頭脳まで持ち合わせているようだ。

 そして忘れてはならないのが、ガレマール帝国の存在。彼らは北ザナラーンに軍事拠点(カストルム・メリディアヌム)を建設し、この地に眠る青燐水を採掘。ウルダハの貴重な天然資源を強奪しているのです。詳しくは今後掲載予定の記事でじっくり解説しますが、青燐水は、ガレマール帝国の魔導兵器のエネルギー源となる重要な戦略物資。魔導アーマーをはじめとする彼らの兵器は、青燐水の燃焼によって駆動しているのです。

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▲北ザナラーンのラウバーン緩衝地近辺では、帝国軍と「不滅隊」のあいだでエネルギー源を巡るにらみ合いが続いている。

世界設定を理解すれば物語がより深く楽しめる

 都市国家解説は以上になります。ここまで読んでくださった方はすでにお気づきかと思いますが、今回の記事の情報源は、おもにゲーム中のNPCから話を聞いて得たもの。これは『新生FFXIV』のすごいところでもあるのですが、彼らから集めた情報をパズルのように組み上げていくことで、都市国家の成り立ちだけでなく、そこで暮らす民衆がエオルゼアでどんな役割を担っているのかまでわかるように作られています。

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▲NPCからの情報収集が設定を理解する第一歩。彼らのセリフひとつひとつが、世界の成り立ちを読み解くパズルのピースになっているのです。

 世界設定を深く理解するほどストーリーがより楽しめるのは、『FF』シリーズならではの魅力ですよね。それを満喫するためにも、クエストの有無に関わらずNPCと積極的に対話。人々がどのような思いで霊災後の厳しい日々を過ごしているのかを感じ取ってみてください。

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