『新生FFXIV』の世界の成り立ち

公開日時:2013-08-27 15:30:00

コネクト!オンをご愛読いただいているみなさん、こんにちは。そうでない方は、はじめまして! ライターのMainaiです。

私は昨年末まで運営されていた『旧FFXIV』バージョン時代を含めて約3年間、本作の記事を担当してきました。『旧FFXIV』の世界設定に興味を持った私は、エオルゼアの歴史や成り立ちを独自に調べ上げ、今回、『新生FFXIV』で展開される世界の構造を解説していきたいと思います。

本作の味わい深いストーリーを100%楽しむためには、設定を一字一句まで覚える必要はもちろんありませんが、世界の成り立ちと敵味方の関係性くらいは覚えておきたいものですね。

惑星ハイデリンのエオルゼア地域が舞台

まずは基本設定から。

いちばん大きなところからお話をすると、本作は惑星ハイデリンという天体が舞台。ハイデリンにある最大の大陸「三大州」は、アルデナード小大陸、イサルバード大陸、オサード小大陸という3つの陸地で構成されており、これらのうち、アルデナード小大陸とその周辺の島々をエオルゼアと呼びます。つまりエオルゼアは、惑星ハイデリンの世界にあるひとつの地域(あるいは文明圏)なのです。

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ハイデリンは生きている

惑星ハイデリンは生き物と同様に、独立した意識を持ちます。その力の源は、「クリスタルの力」。クリスタルとは、エーテルと呼ばれる生命エネルギーが結晶化したものであり、生きとし生けるものは皆、エーテルを身に宿しています。そして生物が死すと、そのエーテルは霧散し、エーテル界へと還元され、やがてまた生まれてくる命の根源として地上へ戻る仕組みとなっています。押さえてほしいポイントは、エーテルは惑星ハイデリンの生命エネルギーそのものでもあること。これが失われると、惑星そのものの寿命が縮みかねないのです。

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▲惑星ハイデリンは、マザークリスタルを通じて自らに迫りつつある危機を人類に伝えようとする。

ガレマール帝国は純然たる侵略者

つぎに、エオルゼアを襲う脅威について解説。サービス開始の時点では、2種類の外敵がクローズアップされています。

ひとつ目の勢力は、ガレマール帝国。これはイサルバード大陸とオサード小大陸を領する帝政国家で、三大州全土の占領を目論む侵略者です。おもな重要人物は、以下のとおり。

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▲ソル・ゾス・ガルヴァス:ガレマール帝国皇帝。祖国を一大強国に押し上げた立役者。現在は病に伏せている。

▲ガイウス・ヴァン・バエサル:帝国軍第XIV軍団のトップ。軍事だけでなく、属州の占領統治にも精通。

▲ネロ・トル・スカエウァ:魔導兵器開発に携わる機工士。ガイウスに引き抜かれ、幕僚長の地位に就いた。

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▲リウィア・サス・ユニウス:武才を認められ、ガイウスの被後見人となった元戦災孤児。第XIV軍団の分権隊長。

▲リットアティン・サス・アルヴィナ:属州出身ながら類い希な用兵術をガイウスに認められ、陣営隊長に就任。

▲ネール・ヴァン・ダーナス:元帝国軍第VII軍団長。ダラガブの地上への落下を試みるも失敗。戦いにより落命。

彼らは、エオルゼアを我が物にしようと企む悪者。シンプルでわかりやすいですね(笑)。ただ、人数が多いので、全員の顔と名前をすぐに一致させるのは難しいはず。なのでここでは、ガイウスに率いられた「帝国軍第XIV軍団」がエオルゼアを侵攻しようとしている……ということだけを覚えておきましょう。

蛮神は惑星ハイデリンの破壊者

エオルゼアを襲うもうひとつの脅威は蛮神。『FF』シリーズでいうところの召喚獣に相当する超常の存在です。彼らは通常、本来であれば地上には存在しないはずなのですが、蛮族の祈りとクリスタルの力により地上界へ召喚され、人類に危害を及ぼします。しかも彼らは、たとえ倒されたとしても、蛮族が再召喚すれば無限に蘇る“不死性”を持つ厄介者。意外な側面としては、ガレマール帝国は蛮神に妨害され続けており、そのためエオルゼアの併呑に手間取っているという現実もあります。

おもな蛮神とそれを崇拝する蛮族は以下のとおりです。

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▲イフリート:焔の神。獰猛で猛々しい神として知られ、その息は燃え盛り、爪は鉄をも溶かす。

▲信奉者のアマルジャ族:草原地帯「パガルザン」で羊やトカゲを追いながら暮らす遊牧民。

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▲ガルーダ:嵐の神。血を好む残忍な性質を持ち、信徒からも「無慈悲な女王」として恐れられる。

▲信奉者のイクサル族:大渓谷「ゼルファトル」を根拠地とする好戦的な山岳民。

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▲タイタン:岩の神。温厚な神だが、戦いとなれば大山の如き巨体を振わせ、「大地の怒り」で地を揺るがす。

▲信奉者のコボルド族:「オ・ゴロモ」山に張り巡らせた坑道を住処とする地底民。

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▲リヴァイアサン:海の神。暗き深海に潜み、全てを呑み込む恐るべき存在。

▲信奉者のサハギン族:「蒼茫洋」に海底都市を築いて暮らす海洋民。

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▲ラムウ:雷の神。理知的な「森の古老」として知られる。厳正なる審判者としての一面も併せ持つ。

▲信奉者のシルフ族:「黒衣森」に棲まう、木の葉をまとった人形のような姿の蛮族。

人類にとっての問題は、蛮神の凶暴性よりも、彼らが地上に滞在するあいだ大量のエーテルを消費し続けることにあります。“不死性”を持つ蛮神が見境なくエーテルを食い荒らし続ければ、惑星ハイデリンの寿命が縮むことにもなりかねません。主義や主張に関わらず、惑星ハイデリンで生きる人類全体が抱える課題としてこの蛮神問題がクローズアップされていることを覚えておいてください。

人類にも信仰の対象となる神がいる

蛮族に蛮神がいるように、エオルゼアで生活する人々にも崇拝すべき神が存在します。それがエオルゼア十二神と呼ばれる神々。都市国家や冒険者の守護神として、ストーリーだけでなくゲームシステムにも関わってきます。

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[商売の神]ナルザル

[審理の神]アーゼマ

[運命の神]ニメーヤ

[知識の神]サリャク

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[時間の神]アルジク

[豊穣の神]ノフィカ

[慈愛の神]メネフィナ

[戦争の神]ハルオーネ

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[放浪の神]オシュオン

[航海の神]リムレーン

[破壊の神]ラールガー

[工芸の神]ビエルゴ

人類が十二神を崇拝するという関係は、蛮族&蛮神のそれとまったく同じです。しかも、これらの神々が地上で力を発揮するときにエーテルを大量消費する点まで類似しています。

ガレマール帝国に対抗する3つの都市国家

都市国家とはエオルゼアの各地域を代表する統治機構の名称で、現実世界でいうところの国家よりも小規模なのが特徴です。その名のとおり、古代ギリシャのポリスをイメージしてもらえれば問題ありません。エオルゼアには、6つの都市国家が存在します。

【リムサ・ロミンサ】 南国の港町を思わせる、風光明媚な地域に居を構える海洋都市国家。
【グリダニア】 聖なる黒衣森(こくえのもり)に抱かれた、荘厳な雰囲気を漂わせる田園都市国家。
【ウルダハ】 荒涼とした乾燥地帯、ザナラーンの大地で商業を発展させてきた交易都市国家。
【イシュガルド】 クルザス地方を領する都市国家。現在は、ドラゴン族との戦いのため冒険者の受け入れを中断。
【アラミゴ】 イサルバード大陸と国境を接する都市国家。ガレマール帝国の占領により、基地化されている。
【シャーレアン】 学術の都。戦乱に備え、住民たちが北洋諸島の本国へと避難し、無人化したらしい。

これらのうち、ガレマール帝国に対抗しうるのは、現状でリムサ・ロミンサ、グリダニア、ウルダハのわずか3都市のみ。彼らは、迫り来る脅威を跳ねのけるために、グランドカンパニーと呼ばれる組織を独自に結成しています。

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黒渦団(リムサ・ロミンサ):メルウィブ・ブルーフィスウィン提督が率いる精鋭部隊。

双蛇党(グリダニア):精霊評議会議長のカヌ・エ・センナを中心とする組織。

不滅隊(ウルダハ):砂蠍衆のひとりであるラウバーン・アルディン局長が首領を務める。

かつて、これらの組織は表向きは共同歩調を取りつつも、内心は反目し合っていました。しかし5年前に起きた第七霊災と呼ばれる事件を契機に、一転して結束を強化。現在では「エオルゼア同盟軍」を締結し、強固な関係を維持しています。

蛮神問題の解決に取り組む結社、暁の血盟

暁の血盟は、おもに蛮神問題の解決を目標とするグループです。グランドカンパニーよりも規模は小さいのですが、古代の知識や預言詩の研究など、実戦よりも情報面において存在感を発揮しています。
本来は賢者ルイゾワ・ルヴェユールがリーダー的存在なのですが、現在は行方不明。いまはミンフィリアという女性が、まとめ役を担っています。主要メンバーは以下の6人です。

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▲ルイゾワ・ルヴェユール:北洋諸島のシャーレアンより来たりし、エレゼン族の賢人。

▲ミンフィリア:新時代の英雄を探すヒューラン族の女性。超常の力にも詳しいようだ。

▲ウリエンジェ・オギュレ:冒険者を導く賢人。第七霊災の到来をいち早く説いていた。

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▲ヤ・シュトラ:高度な魔法を操るうえに古代語や伝承にも精通している、謎めいた女性。

▲イダ:達人の域に到達するほどの格闘術の使い手。パパリモとコンビを組んで活動する。

▲パパリモ:エーテル学に深い知識を有する。かわいい外見に似合わず、毒舌かつ冷笑家。

▲サンクレッド:行く先々で女性に愛の詩を捧げて見せる。目を見張るほどの短剣の使い手。

彼らは惑星ハイデリンに迫る危機を救うべく、冒険者(プレイヤー)のよき協力者となってくれます。

機械技術をエオルゼアにもたらした男、シド

ラストにもうひとつ、エオルゼアの窮地を救うべく結成された組織をご紹介します。おもにガレマール帝国からの亡命者で構成された会社、ガーロンド・アイアンワークスです。リーダーを務めるのが、この男性。『FF』シリーズでおなじみの名を持つ天才技術者です。

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▲シド・ナン・ガーロンド:エオルゼアに亡命してきたガレマール帝国人で、「機工師」の称号を持つ。

彼もまた冒険者の後ろ盾となって、暗闇に覆われた運命を明るい方向へ導いてくれます。

以上が、『新生FFXIV』の根幹を成すおもなグループと、そこに所属する人物(またはモンスター)です。できればそれぞれの繋がりまで把握したいところですが、世界の様子と敵味方の名称だけでも理解できればオーケー。そのうえで、イベントシーンで登場するキャラクターのセリフを一字一句、見逃さずに読んでください。『FF』シリーズならではのストーリーを、心行くまで楽しめるはずですよ。

おまけとして、Mainaiが気になっている組織を紹介します。

古代アラグ帝国:伝説の古代帝国。ダラガブと呼ばれる人工天体を宇宙へ打ち上げられるほど、高度な機械文明を誇っていた。初代皇帝はザンデ。

すでにこの帝国は約5000年前に滅亡しているのですが、ザナラーンにその名を冠する街道がふたつもあるように、現在のエオルゼアにも影響を及ぼしています。また昨年末まで運営されていた『旧FFXIV』においても、物語のカギを握る存在でした。(詳細は【こちら】) そして何よりもザンデといえば、『FFIII』で魔王として君臨したクリスタルタワーの主! 『新生FFXIV』にもクリスタルタワーが存在するので、必ずやこのダンジョンに関連するシナリオにザンデが絡んでくると私は確信しています。


次回からは、第七霊災について解説します!

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