パッチ2.1は、合計300時間以上は遊べる大ボリューム! 吉田直樹氏インタビュー 【ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア】

 ローンチ後初となる大型アップデート“A REALM AWOKEN 覚醒せし者たち FFXIV PATCH2.1”の公開を12月17日に控え、『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、『新生FFXIV』)のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏を取材。ロングインタビューに応じていただいた。新インスタンスダンジョンの解説やジョブ調整の詳細、さらには将来へ向けての展望など、プレイヤーが関心を寄せている多くの事柄について語ってくれたのだ。
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▲プロデューサー兼ディレクターの吉田氏は、これまでのインタビューで発言してきた計画をほぼすべて実現させてきている。有言実行の人だ。

●密度の濃かった第10回プロデューサーレターLIVE

──先日放送された、第10回プロデューサーレターLIVEは、2時間ながら中身の濃い内容でした。
吉田直樹氏(以下、吉田) ちょっと休憩を取るのが早すぎましたね。僕の中では長時間が経過したつもりだったのですが、“あれ、まだ2時間しか経っていないよ”といった感じで。先を急ぐことを意識しすぎました……(笑)。
──2時間の放送は、ちょうどいい長さにも思えます。
吉田 いままで放送時間が長かったのは、中身の濃さだけでなく、トラブルが原因でしたからね(苦笑)。
──とはいえ、たった120分であれほど大量の情報が公開されたことは正直驚きです。
吉田 そちらも、いままで放送をダラダラ行っていた証拠なのかもしれませんね……。話題が脱線しすぎですよね(笑)。
──そこが楽しいと感じる人も多いはずです(笑)。
吉田 放送内容に関しても、改善点は多いです。たとえば、“放送の冒頭でわれわれのいまの問題点をひたすら列挙しても、視聴者の皆さんは楽しめないのでは”とコミュニティチームのスタッフと話をしています。フォーラムでホットな話題であっても、『新生FFXIV』のプレイヤー全員がその情報を欲しているわけではない……何よりもまず「LIVEを楽しんでもらう」という部分をもう一度考えてみようと話しているところです。


●パッチ2.1でエオルゼアは“新生”から“覚醒”へと進化する

──パッチ2.1のタイトル“A REALM AWOKEN 覚醒せし者たち”に込められた思いは?
吉田 今回、ゲームが“新生”から“覚醒”の段階へと移行します。このパッチ2.1のテーマをそのままタイトルにしました。内に秘めていたパワーがついに表出する……この部分をアピールできればと思っています。物語に関しては、新規クエストで語られるメインストーリーの多くが“覚醒”がキーワードになっています。メインだけでなく、サブにも、蛮族にもシナリオを用意しており、それらを通じて新たな激動を迎えたエオルゼアが体験できる作りになっています。ぜひご期待ください。


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▲A REALM AWOKEN 覚醒せし者たちのタイトルロゴ。恐ろしげなイメージの中に、ひと昔前の海外ロックバンドの雰囲気をどことなく漂わせる。

──新キャラクターが登場したりもする?
吉田 はい。新キャラクターはもちろん、懐かしい人の再登場もあります。また、敵キャラクターが新たな“覚醒”を迎えたりもします。
──シナリオの大量追加は、今後も継続していく?
吉田 パッチ2.2でも、パッチ2.1の1.5倍くらいのストーリーが盛り込まれる予定です。キャラクターについても同様で、パッチごとにストーリーが進行するので新顔も登場します。
──パッチのタイトルは、スムーズに決定したのですか?
吉田 「そろそろ決めよう!」と思ったら、意外なほどすんなりと決まりました。英語版の翻訳を担当しているマイケル(マイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏)にキーワードを伝えて“しっくりきそうな単語を”と依頼したところ、“AWAKE(目覚める)”という単語が挙がってきました。最初のパッチなので、ゲームタイトルに用いられている“REALM”を加えることを当初から決めていたので、これを踏まえたうえで再度アイデアを練り込んだのです。
──その結果、タイトルがこのように決まったと。
吉田 はい。「REALM」を組み込んだ場合は? と聞いたら“A REALM AWOKEN”という表題を提案されて、これでいこうと。その後、タイトルの日本語表記を考えることになり、世界設定を担当している織田(織田万里氏)と相談。その結果、あらゆるものが目覚めていくので、覚醒せし者“たち”と複数形にすることが決まりました。
──その後、ロゴのデザインに着手したのですね。
吉田 皆川(皆川裕史氏)に大急ぎで依頼しました(笑)。時間がなくて申し訳なかったです(笑)。
──(笑)。タイトルロゴを踏襲したデザインではありますが、書体や背景の色が大きく異なります。
吉田 書体については、パッチごとに毎回変えていきます。今回はいったん落ち着いたエオルゼアに、不穏な空気が漂い始めること、そして極蛮神バトルがあまりにも強烈なので、それを連想させるようなドロッとしたものを選びました。また、あえて『FF』シリーズらしくない雰囲気になるようにとも指示しました。理由は、タイトルロゴと並んで配置したときに、それを見た人が一瞬で違いを判別できるようにするためです。
──どことなく懐かしさを感じさせるデザインです。
吉田 1980年代後半から1990年代くらいの海外ロックバンドのロゴみたいな感じにして、とお願いしました。あえて古臭さを狙っています(笑)。
──ロックバンド風のデザインを選んだ意図は?
吉田 僕が単純におじさんになったのと、「最近は逆に見なくなってきたなー」と思ったことからですね。Webバナーになっても、ほかのタイトルと違う雰囲気が出せそうで。


●MMOの発展に欠かせない“3つの軸”がすべて出揃う

──パッチ2.1は『新生FFXIV』におけるアップデートの試金石になると思われます。今後の更新も、これくらいの規模で実施されていくのでしょうか?
吉田 コンテンツの量としては、おおむねこれが基礎になると考えていただいて大丈夫です。パッチ2.1がほかのパッチと異なる点は、ハウジングとウルヴズジェイル(PvPコンテンツ)という2本の巨大な軸が公開されることです。これらはまさに“新機軸”なので、このような軸が毎回実装されることは、さすがにないかなと思います。
──来年以降は、ハウジングとPvPを発展させていく方向へと進んでいくのですか?
吉田 僕はMMOというジャンルのゲームを運営するうえで、重視すべき3つの軸が存在すると考えています。ひとつ目は、モンスターと戦うPvE(プレイヤー対エネミー)。もうひとつが、冒険者どうしで争うPvP(プレイヤー対プレイヤー)。そして3つ目が、ゲームの世界でプレイヤーが生活するうえでの暮らしの要素です。これらが軸として確立されているゲームほど、成功の確率が高くなると思っています。
──パッチ2.1で、すべての軸が出揃うわけですね。
吉田 はい。それがほかのパッチと大きく異なる部分です。今後はその3つの軸の上にそれぞれ新要素が追加されていくことになります。モンスターとの戦いには、ストーリーとボスバトル、ダンジョンなどが。PvPには新たな報酬や新しい戦場、追加アクションなどが。ハウジングには畑やチョコボ飼育などが。こうした発展がそれぞれにあります。
──ストーリーも軸になりそうですね。
吉田 『新生FFXIV』は『FF』シリーズに連なるMMORPGでもあるので、ストーリーの部分が4つ目の軸になるのはもちろんです。シナリオもパッチごとにアップデートが重ねられ、つねに未来に向かって物語は進みます。
──本作は4つの軸で成り立っていくわけですね。
吉田 はい。最初にお話した3つの軸が調っているMMORPGが、現実的に生き残れているタイトルとなっています。それに加え、ストーリーという軸を入れて、勝負を続けていきたいと思っています。
──人気作必須の条件がパッチ2.1で達成されるということでしょうか。
吉田 はい。『新生FFXIV』の将来にとって、これはすごく大きいことだと思います。MMOとして生き残るためのラインに到達するわけです。
──『新生FFXIV』のパッチにおいて、これら4本の軸にどのような肉付けが行われていくのでしょう?
吉田 もう少し詳細にお話をすると、PvEに関しては、パッチごとにダンジョンが3つずつ公開されていく予定です。加えて、新しい蛮神バトルも必ず入ります。ご存知の方も多いと思いますが、パッチ2.1で登場する善王モグル・モグXII世は『旧FFXIV』にも存在したので、新要素という意味では少し特殊になりますが。そのつぎのパッチ2.2では、リヴァイアサンとのバトルがきちんとメインストーリーとして公開されます。
──ひとつの蛮神バトルごとに、難度の異なる複数のバージョンが用意される予定でしたよね。
吉田 今後、真蛮神と極蛮神の両バトルは、必ず同時にリリースされます。たとえばパッチ2.2であれば、真リヴァイアサン討滅戦と極リヴァイアサン討滅戦が同時に楽しめるようになるという感じです。とはいえ、“極”善王モグル・モグXII世討滅戦はパッチ2.2になりますので、パッチ2.2では合計3つが同時公開されることになります。


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▲今後は、自分の腕前や報酬の種類に応じて、チャレンジする蛮神バトルの難度が2~3パターンから選べるようになる。

──蛮神バトル以外の新PvEコンテンツについては?
吉田 エンドコンテンツである大迷宮バハムートとクリスタルタワーのどちらか片方が、パッチごとに必ずアップデートされます。ここまでがパッチ共通のPvEコンテンツの更新パターンです。ちなみに蛮族デイリークエストについても、しばらくのあいだはパッチが公開されるたびに増えていきます。トレジャーハントなどの小型のコンテンツは、アイデアが出たらできるだけシンプルなコンテンツにして、サクッと実装していこうと思っています。
──蛮族デイリークエストは、既存の蛮族のシナリオに紐付けられた依頼が、パッチごとに追加されると以前発表されました。エオルゼアのすべての蛮族の物語が発表された後は、どうなるのですか?
吉田 パッチ2.2の時点で、ほとんどの蛮族にまつわるシナリオが出揃う予定です。その後は、それらの蛮族に関連するエピソードの追加がメインになります。もちろん、新しい蛮族がお目見えしたときには、対応する新規の蛮族デイリークエストが追加されます。


●PvPは功績を立てることで“ランク”が上昇

──ゲームのふたつ目の軸となるPvPコンテンツ“ウルヴズジェイル”については?
吉田 パッチ2.1では、PvPランク(PvPの腕前を示す数値)30まで上昇可能です。プレイ時間と勝率で、ランク30までどれくらいかかるかを計算して報酬を作っています。それ以降の要素に関しては、状況を見て公開時期を判断します。
──どのようなタイミングで拡張されるのでしょう?
吉田 複数の勢力が入り乱れて戦う“フロントライン”が導入される時点で、PvPランク31以上の報酬を同時開放するべきか、あるいはPvPランク50までの要素が遊べるようになった時点でフロントラインを公開するかなど、プレイヤーの皆さんのプレイ人口や平均ランクをもとに検討したうえで決めます。PvPの報酬やアクションも必要に応じてパッチのたびに検討していきます。


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▲低地ラノシアのモラビー造船廠から船に乗れば、ウルヴズジェイルに到着できる。

──パッチ2.1の時点では、PvPのカテゴリやプレイの形式はどのようになっているのでしょうか。
吉田 レベル30、レベル40、レベル50のランダムマッチングが楽しめます。さらに、レベル50の冒険者の固定パーティメンバーによる対戦も可能です。
──これらはすべてライトパーティですか?
吉田 そうですね。フルパーティによるPvPの追加は現時点でも公開可能なのですが、バランスの軸をまず4vs4に置きたいということと、PvEコンテンツもかなり入るので、多方向にプレイヤーの皆さんが散りすぎてマッチングしづらくなることを懸念して、こちらも状況を見極めつつ時期を判断したいと考えています。
──PvPコンテンツの将来的な構想は?
吉田 そうですねえ……。たとえばエリア内に置かれたフラグ(旗)を奪取すれば勝利するなどの新ルールの追加もありでは? という声も開発にはあります。これはウルヴズジェイルそのものを発展させるのか、フロントラインに集約させるのか、その方向性によって決まります。


●ハウジングのボリュームは、追加ディスク級!

──3つ目の柱となるハウジングについては?
吉田 家具などのオブジェクトがパッチのたびに追加されるのは確定事項。畑でギサールの野菜を育てたり、チョコボ厩舎でチョコボが育成可能になったり……といった新しい遊びの追加は、ハウジングに関するアップデートの1項目として今後予定されています。これらの要素についても、パッチごとに最低でもひとつは追加、または発展させていこうと話をしています。


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▲家は、各都市国家に設置される予定のインスタンスエリア内に建てられる。

──ハウジングは、パッチ2.1実装分だけでもすでに相当な規模感ですよね。
吉田 ハウジングには、準備期間も含めれば1年以上を要しています。企画に費やした時間がかなり長かったです。担当者は「実装は一気に、まずは仕様をできるだけ細かく、たくさん先に用意する」という仕事を、本当に丁寧にやってくれました。家の内部のコーディング(プログラム作業)だけでいえば約半年~9ヵ月くらいです。ですが当初から企画をしっかりと詰めていたので、開発速度そのものは早く、エクスパンション(追加ディスク)の中心要素として売り出しても遜色ないほどの規模に仕上がっています。


●パッチノートはアップデート実施の数日前に公開

──パッチの詳細がわかるパッチノートの公開時期は?
吉田 『旧FFXIV』時代と同じく、パッチノートは実施日の数日前に公開する予定です。アップデートが目前に迫ってきたら、パッチノートの中身で盛り上がっていただければと。現時点でジョブ調整の表と追加レシピ/アイテム一覧がない状態で、すでに35000文字を超えているそうです(笑)。
──パッチノートが新たな議論を呼びそうですね。
吉田 実際に試す前の段階なのでそうなるかもしれません。のちに全貌を把握できた時点で、“いいパッチだったね”と言ってもらえればいいのかなと。
──コンテンツごとにライトパーティとフルパーティに分けられますが、そもそも線引きの条件は?
吉田 アライアンスで挑むクリスタルタワーは別として、8人という単位がエンドコンテンツにおける基本攻略人数と定めています。たとえば、アラガントームストーンを稼ぐためのコンテンツはライトパーティでいいけれど、強いボスと戦うときの最小単位は8人でなければならない、という感じです。
──そう決めた理由はどこにあるのでしょうか。
吉田 パーティにすべてのロールを、最低でもふたりずつ入れたいからです。最近のMMOでは4~6人程度が多いですが、前述の理由から設計段階で8人という数字にこだわりました。現状ではタンクとヒーラーがふたりずつでDPSが4人ですよね。もしここにハイブリッド(複数のロールの役割を兼ねる)というロールが新たに追加されたとしたら、それぞれのロールからふたりずつ集まって、合計8人になります。
──そのベースにある思想とはどのようなもの?
吉田 根底にあるのは、集まった8人は全員違うジョブでありたいという思いです。各職業が揃ったうえで、8人がそれぞれの役割を果たすことでクリアが可能となるように、というのがコンテンツの基礎方針です。
──パズルのピースともいうべきジョブが正しく結合することで、初めてクリアできるイメージでしょうか?
吉田 立体的なブロックに近いですね。コンテンツに存在する8ヵ所の穴に、これら8個のブロックを正しくセットできた時点で、最低限の戦いが展開できる条件を満たしたことになるように設計しています。偏ったジョブ構成で挑むことは、それぞれのコミュニティの自由ですので、もちろん否定はしませんが、僕たちがバランスを取るときは“偏った編成じゃないとクリアできないものを作らない”ということを意識しています。


●下方修正より、できる限りの上方修正を

──ジョブの話を続けますが、フォーラムや第10回プロデューサーレターLIVEで、ジョブの変更点について事前に言及されていましたね。開発の考えていた状況と相違が起きてしまっていたということでしょうか。
吉田 たとえば大迷宮バハムート:邂逅編では、ナイトと戦士の役割を、先ほどのたとえで言うなら、別々のブロック、もしくは同等のブロックとして用意していました。メインタンクとサブタンクの役割を固定するのではなく、状況に応じてメインとサブをスイッチしてください……という設計も用意していました。しかし、スイッチの必要なくナイト単独でそれらを突破できてしまった。結果的にコンテンツ側のブロックをはめる穴の形がイビツで、ナイトにはこのブロックが“より簡単に”埋められ、戦士にはそれができなくなっていました。プレイヤーの皆さんは、当然ながら“より簡単に、楽にクリアできる方法”をベース攻略とします。その結果、“ナイトふたりでブロックの穴を埋める”という攻略法が一般的になりました。この“用意したブロックの穴の形を間違えてしまった”のが、われわれの最大のミスでした。
──具体的には、ナイトのどのあたりが原因でしょう?
吉田 ポイントで使えるインビンシブルとの組み合わせが強すぎたのだと思っています。


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▲プレイヤーの深い探究心が、インビンシブルのわずか10秒の効果時間をより重みのあるものにしたといえる。

──つまり、ナイトにしかはめられないブロックの穴ができあがってしまっていたわけですね。
吉田 しかも、ナイトをふたりという構成にすることで、さらに攻略に余裕ができてしまいました。
──そこが開発チームの想定外だったと。
吉田 はい。ですが、これはあくまでも開発チームの理想。先ほども言いましたが、プレイヤーの皆さんとしては、当然ながら少しでも成功率の高い戦法を採用するわけです。その結果、戦士を愛する方々にご迷惑をおかけすることになってしまいました。本当に申し訳なく思っています。
──ヒーラー側から見れば、HPがごっそり減るぶん、ナイトよりも戦士のほうが危うい印象になる、というのも拍車をかけたかもしれないですね。
吉田 戦士のHPは、ゴリゴリ減るけどドカンと回復しますよね。しかし、HPをリカバーするタイミングは、戦士自身はわかっていてもヒーラー側はなかなか判断しにくい……。その結果、戦士とヒーラーの呼吸が合わずに、戦線の崩壊を招いてしまうことも多かったのです。このネガティブな印象と、大迷宮バハムート:邂逅編における“ナイト一択”が合わさり、現在の状況になったのだと考えています。


●ホルムギャングは1回限定の緊急回避技に生まれ変わる

──戦士の持つブロックの価値が相対的に低下したことで、ボタンの掛け違えも発生したのでしょうか?
吉田 大迷宮バハムート:邂逅編の攻略が容易になり、その結果ナイトがさらに重宝がられる事態を生みました。じつは、われわれが想定していた難度は現実よりもっと上でした。しかし、われわれが意固地になって、コンテンツ側を修正してこれを本来の姿に戻そうとすると、皆さんには難度の大幅アップに感じられますし、何よりも“先行者有利”になってしまいます。これを避けるべく、「特徴は残しつつ、ナイトと同様の立ち回りを戦士でも可能に」というのが調整の合言葉でした。
──その象徴がホルムギャングの調整なのですか。
吉田 ホルムギャングは調整のひとつに過ぎません。ホルムギャングは効果中に限り、HPが1より減ることはありません。極限の場面でホルムギャングを発動。何とか踏み止まった直後にHPが回復できれば、そのまま戦闘を継続できる……という流れです。


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▲足止め技だった戦士のホルムギャングは、パッチ2.1で大きな変貌を遂げることに。

──根性スキルというイメージですか?
吉田 そのとおりです。効果時間が短いので、たとえば真タイタン討滅戦の場合では、連続的にダメージを受ける激震よりも、単発技で威力の高いマウンテンバスターで発動したほうが効果的……といった感じです。使いどころを考えていただければと。根本部分にある、戦士のテクニカル性という魅力は基本的に変えていません。
──ナイトと戦士の色分けはどのような感じに?
吉田 ナイトは常時平均的に堅固という味付けです。一方で戦士は、守勢や攻勢などの局面に応じてアクションを使い分けながら戦線を維持。緊急時の回避技として、奥の手のホルムギャングを準備するといったイメージです。ラースに関しては、攻防と回復が一体化しすぎて複雑化していたので、この問題の解決策となる調整を加えています。


●そのほかのクラス/ジョブの変更点について

──吟遊詩人は、いかがでしょう?
吉田 吟遊詩人の役割をひとつ減らすというアナウンスを事前に行ったのも、先ほどのブロックの理屈で説明可能です。吟遊詩人に多くのブロックを持たせすぎてしまったので、本当に申し訳ありませんがそれらのうちひとつを、パッチ2.1でほかのジョブに移させてもらいます。
──ブロックの形状が変わるだけで弱体ではない?
吉田 持っているブロックの数が-1されるだけです。あとのダメージ量は、アディショナルアクションの範囲内で調整予定です。
──では黒魔道士についてはどうでしょうか。
吉田 黒魔道士は、詠唱速度に関するバグがあることもあり、ほかのジョブに比べて強く見えてしまっています。この修正に加え、パッチ2.1で、ほかのDPSも黒魔道士と同等の火力が出せるようにしてあります。
──ひとつのジョブを弱くするのではなく、それ以外のジョブをすべて強くするという方針なのですね。
吉田 もし黒魔道士本体の性能を下げてしまったら、今後そうしたマイナス修正が頻繁に行われるという意思表示になってしまいますので。
──そのほかの職種にも調整がなされているのでしょうか?
吉田 多くのジョブとクラスで、プレイヤーがふつうにアクションを使ったときに「もう少しこうなってくれたらな」という部分にはできるだけ調整を加えています。この方針に従い、たとえば召喚士はベインの判定範囲が拡大されています。詳細をプロデューサーレターLIVEで発表してもいいのですが、それがもとでさらなる議論を呼んでしまうことも起こり得るので……。
──もはや、パッチノートを読み上げるしかなくなりますね(笑)。
吉田 戦士があまりにも申し訳ない状況だったので、この部分については特別に調整内容を事前発表しました。今後このようなことは基本的に行いませんが、今後も調整の方針だけは前もってお伝えしていこうと思います。


●クリスタルタワーの平均アイテムレベル制限は50

──クリスタルタワーの入場条件は?
吉田 メインクエストをクリアしていて、なおかつレベル50の冒険者であれば、ほかのコンテンツの進捗に関係なくクリスタルタワーに入れます。ただし、前提となる“クリスタルタワーシナリオ”を進めていることと、システム側からアイテムレベルチェックが事前に入るので、これをパスしていただく必要があります。
──アイテムレベルチェックは、いつ、どう行われるのでしょう?
吉田 ユーザーインターフェースに“あなたのアイテムレベルの平均はこれです”といった表示が新たに追加されるので、これをもとにチェックが行われます。タイミングは、クリスタルタワーにコンテンツファインダーで参加申請を行うとき。アイテムレベルの平均値に関するチェックが行われ、この数値が50に到達していないと、“アイテムレベルが足りません”というエラーメッセージが出る仕組みになっています。


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▲モードゥナ北東部にある、クリスタルタワーの入り口と目される場所。この扉に触れると、平均アイテムレベルチェックが開始されるのかもしれない。

──クリスタルタワーを攻略することで、古代アラグ帝国の秘密が解き明かされる?
吉田 専用のストーリーが用意されています。聖コイナク財団が実施している調査に関連して、シナリオが幕を開けます。シドが関係してくるので、ぜひご期待ください。僕としては、メインクエストをクリアしたのち、どのような経緯でクリスタルタワーを目指すことになるのか……という部分にご注目いただきたいです。ちなみにクリスタルタワーの周辺はパッチ2.1以前の段階から、キャラクターなど、当地への潜入を見越した配置になっています。


●古代の民の迷宮では4体のボスと遭遇する

──クリスタルタワーで手に入る報酬品の数やその種類について、詳しく教えてください。
吉田 今回公開される(クリスタルタワーの前段階のダンジョンである)古代の民の迷宮には、ボスモンスターが合計で4体出現します。彼らを倒すたびに必ず宝箱が出現し、そこから専用のアイテムが取り出せます。宝箱はパーティごとに出る形になっており、アライアンス全体で見ると、すべて倒せば1回の攻略で合計12個のアイテムが獲得できる仕組みです。そのおもな中身は、8ジョブぶんの防具になります。これらが続々とドロップするので、欲しいものを引き当てるだけでも大変かもしれません(笑)。
──12人にアイテムが行き渡る可能性があるわけですか。50%の確率は決して悪くありませんね。その分配に関わるシステムが、ルート権なんですね。
吉田 たとえば8人パーティでボスを倒して、アイテムがひとつ出たとします。全員でNEED、GREED、PASSを行うのはいままでと同じです。通常と異なるのは、選択したコマンドに関わらず、ドロップ品を手に入れた冒険者は、それ以降NEEDとGREEDが選べないようになること。この状態は特定時間にクリアされます。確実にアイテムが取れるのは1週間に1回までですが、潜入したければ何度でも挑戦できることになります。
──本当に欲しい品物以外はPASSしたほうが賢明?
吉田 はい。NEEDやGREEDをしたときに、希望の品物が手に入らなかった場合、ルート権は消滅しないので、本当に欲しい物には、どしどしNEEDしてください。
──大迷宮バハムート:邂逅編とは異なり、欲しい装備が獲得できるまで何度でも挑めるのは魅力です。
吉田 そこが大きな違いですね。意中のアイテムの取得を目指してくり返し挑戦できる代わりに、それが手に入ったら残り期間はほかのコンテンツへ行くもよし、お手伝いでクリスタルタワーに通うもよし、という流れです。
──クリスタルタワーに潜むモンスターの特徴は?
吉田 一定間隔でモンスターの集団が配置されています。これを24人で全滅させつつ、先へ進んでいく作りです。いくつかの集団を撃破すればボスと遭遇。その後、またいくつかの集団と交戦したのちに再度ボスと戦う……このくり返しが基本になります。その合間にギミックをすべて開放していきます。
──モンスター集団の強さは?
吉田 ひとつの集団を全滅させるには、3つのパーティがキッチリそれぞれのパーティのHPを管理できたうえで、24人で一定以上のダメージを出すことが必要になります。


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──クリスタルタワーは、お手伝いは可能ですよね。
吉田 はい。ちなみにウィークリーの仕組みは、極蛮神バトルにも取り入れられています。このコンテンツは蛮神3体がセットでひとつのクエストになっています。これをクリアできるのが1週間に1回。
──その報酬がアイテムレベル90の武器ですよね?
吉田 そうなります。1週間に1回、極蛮神を3体倒すと、好きな武器が必ずもらえるとご理解ください。ひとつひとつの制限だけを取り上げると“制限だらけ”に見えてしまうのですが、大迷宮バハムート:邂逅編、極蛮神バトル、クリスタルタワー、蛮族デイリークエスト、アラガントームストーン:神話。ざっと挙げただけでも、これだけのものが1週間のサイクルで挑めるので、ローテーションが立てやすくなるはずです。これでウルヴズジェイルに通う方はその時間が、ハウジングに関わる方はその時間が、それぞれ日々のプレイ時間に加わります。
──週の初めに大迷宮バハムート:邂逅編と極蛮神バトルをクリアした後、意中の品物が手に入るまでクリスタルタワーにくり返し挑戦。それが叶ったら、カウンターがリセットされるまでひたすらアラガントームストーン:神話と哲学集めに専念する……といったパターンが予想されます。
吉田 かなり厳しいスケジュールですが、効率的ならもう少しやりようがあります(笑)。極まった遊びかたをされる方はコンテンツルーレットを毎日1回はやるのかなと。一見すると制限ばかり増えていくようにも思えますが、全体を考えると、このシステムによって、集中プレイしすぎて飽きる、ということなく各コンテンツに効率よく挑めるようにしたつもりです。
──吉田さんとしては、どのようにこれらのコンテンツ群をプレイしてほしいとお考えですか?
吉田 プレイスタイルは皆さんの自由なので、「どうプレイして欲しいか」はあまり決めつけてはいないです。もし、吉田がプレイする場合、そうですねえ……。まず後で大変にならないよう、コンテンツルーレットは1日1回プレイかなあ。また、蛮族デイリーも2蛮族ぶんを3クエストずつくらいはやりたいですね。週のうち2日くらいダンジョンをさぼっても、これでおおむねいい感じにアラガントームストーンは貯まるので、ほかのコンテンツに時間を割きます。たとえば、今週は極蛮神バトルの攻略に注力し、行ける機会があればクリスタルタワーへ。その翌週はクラフターを育てつつ、先週挑戦できなかった大迷宮バハムート:邂逅編に参加する。週末はフリーカンパニーのみんなとグレードの高いトレジャーハントツアーへ。時間が空いたときはウルヴズジェイルへ。「極蛮神はまた来週でいいや」と思ったらウルヴズジェイルで負けて、悔しくなって翌週は延々とウルヴズジェイルに通っていた……といった感じでしょうか(笑)。プレイヤーの皆さんは、多くのコンテンツのなかから、好みのものを選んで遊んでいただければと。


●アライアンスウィジェットで仲間をターゲットできる

──アライアンスを組んだときに画面の上部に現れる専用のウィジェットについて教えてください。
吉田 アライアンスウィジェットは、自分が所属していないパーティのジョブアイコンとHPが表示されます。プロデューサーレターLIVEでは、本来24人いなければならないところを強引に3人で突入しているので、あのようなスカスカの表示になってしまいました。


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▲第10回プロデューサーレターLIVEからの画像。画面最上段中央の長方形の表示が、アライアンスウィジェットだ。

──TPなどは表示されないのでしょうか?
吉田 TPやMPを確認したい方もいると思いますが、コンテンツ自体が、ほかのパーティのHPだけをチェックしていれば進行できる作りになっているので問題ありません。大忙しになるので、それらを表示したとしても、詳細まで確認する余裕がないと思います(笑)。
──HPとジョブから判断できることといえば……?
吉田 隣のパーティが全滅しそう……など、あくまでも大きな状況です。ちなみにアライアンスウィジェット内のそれぞれのプレイヤーを選択すれば、その対象がターゲットできるので、ヒーラーを派遣して戦闘不能になった冒険者を復帰させるといったことも可能です。
──アライアンスであっても、8人でひとつのパーティという概念そのものは変わらないわけですね。
吉田 1体でも多くのモンスターを倒せば、そのぶんほかのパーティが楽になっていきます。なので、まずは自分のパーティのなかで、与えられた役割をキッチリ果たすことに注力していただければと。


●アラガントームストーンは“コツコツ”のためのもの

──アラガントームストーン:哲学/神話について、現状の認識と今後の対策をお聞かせください。
吉田 アラガントームストーン:哲学/神話は、パッチ2.1以前は入手方法が縦方向にしかなかったのが問題だと考えています。ダンジョンで手に入る装備を集めたら、それを使ってさらに上位のコンテンツに挑んでほしいという考えかたがまずは基本です。ただ、上位のコンテンツが難しくてクリアできない方は、アラガントームストーン:神話/哲学を“コツコツ、時間をかけて”集めていただき、高性能な装備を手に入れて上位コンテンツに挑戦するという、2方向の進みかたがあることになります。
──なるほど。ストーンはコツコツとプレイするためのアイテムなんですね。
吉田 コンテンツドロップで突っ走るトップ層と、まったりゆっくり追いつくカジュアル層。本来は極端に差がつくこの二派ですが、かかる時間は違えど装備を調えて、いずれすべてのコンテンツをプレイできる、というためのアイテムです。ところが、現状はその「突っ走る派」と「まったり派」が、ストーンを入手するために同じコンテンツをプレイすることになっています。ストーンの入手先が少ない、コンテンツが足りない、というのがもっとも問題です。お待たせしてしまいましたが、パッチ2.1の大量のコンテンツで、これも大きく解消できると考えています。


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▲ある意味、ギルよりも貴重な貨幣となっているアラガントームストーン。今後はさまざまな手段で取得できるようになる。

──その対策により、効率を求める人たちと、のんびり遊びたい人たちが目的別に分かれそうです。
吉田 現時点でそれができていないことに、申し訳なさを感じます。効率を求めるなら、新インスタンスダンジョンの“怪鳥巨塔 シリウス大灯台”とふたつのインスタンスダンジョンのハード版を周回。自分のペースでアラガントームストーンを集めたい方は、獲得ペースは落ちますが、コンテンツルーレットを使い、そのほかのインスタンスダンジョンをのんびり攻略したり、トレジャーハントや蛮族デイリークエストもありますよ、というイメージです。
──以前フォーラムで、アラガントームストーン:神話の取得上限を引き上げると発表されましたが、最終的にどの程度まで増額されるのですか?
吉田 1週間当たり450ポイント前後です。最終決定ではありませんが。


●コンテンツルーレットもプレイスタイルに応じて使い分けできる

──効率派とマイペース派を分けるという基本方針は、コンテンツルーレットにも反映されている?
吉田 たとえばコンテンツルーレット:ローレベルで申請できるのは、リットアティン強襲戦までです。そう区切ったのは、リットアティン強襲戦までのコンテンツであれば、多くの方がメインクエストを通じて経験済みなので、腕前に自信がなくても気兼ねなく挑戦できることも一因です。
──報酬が低めなので、効率を求めるプレイヤーとマッチングされる確率も低そうです(笑)。
吉田 『新生FFXIV』をプレイしている方の約半数は、まだ全身ダークライト系の装備にはなっていない。そういう方々は、レベル50に到達した後、各種アラガントームストーンを積極的に集めるよりも、ほかのクラスの育成や、クラフターやギャザラーを交互にプレイされています。コンテンツルーレット:ローレベルに1日1回挑戦すれば、気軽に毎日アラガントームストーン:哲学を200ずつ取得できるようになります。ほかのコンテンツをプレイして少しずつ貯まるストーンも加え、これにより「いつの間にか貯まっていたからダークライト装備を取ろうかな……」という流れを作ります。理想は「気がついたら貯まっていた」です。もちろん効率派の方は、ガシガシとハイレベルを回してください(笑)。
──コンテンツルーレットの1日1回の区切りは、どのタイミングで訪れるのですか?
吉田 日本時間の午前0時です。ウィークリーで区切られているコンテンツについては、すべて火曜日の午前0時が“境目”になっています。
──コンテンツ参加中にその“境目”を迎えた場合、冒険を終えた直後に続けて挑戦できる?
吉田 コンテンツの参加権はクリア後に報酬を獲得した時点で消費されるので、難しいパターンになります。日付が変わる前に、余裕を持って参加権を使い終えていただくのがベストだと思います。
──とはいえ1週1回のコンテンツであれば、あまり焦る必要はないかもしれませんね。
吉田 デイリーはべつに毎日リセットされますし、1週1回の場合も月曜日以外は、それほど焦る必要はないでしょう。
──コンテンツルーレットを終えた後、F.A.T.E.でさらに経験値を稼ぐという流れを想定しているのでしょうか?
吉田 経験値が欲しい場合ですか? 僕としては、ダンジョンに挑戦するのは1日につき1回でいいと思っていますが、ダンジョンの経験値もおいしくなっているので、何を選択されてもいいと思います。経験値はトレジャーハントでも、蛮族デイリークエストでも得られますので。おそらく、のんびりプレイしている方の多くは、コンテンツルーレット:ローレベルを終えた後は、無理にハイレベルには行かないのかなと。


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──そういう方々の多くは、コンテンツルーレット:ハイレベルの参加条件を満たしていても挑まない?
吉田 装備が強くなるまで、つまりアラガントームストーンがある程度貯まるまで、そこに進まないと思うのです。「もっと強くなって、余裕ができてからでいいや」と。焦っていないし、自由にプレイされている。そうした方々のためにも、たくさんの選択肢を作る、トレジャーハントや蛮族デイリークエストを用意する意味合いがあると考えています。目的を達成するために“これだけを遊んで”というのではなく、複数のコンテンツを“つまみ食い”することでもコンプリートできるようにしたいのです。


●のんびり遊びたいプレイヤーに寄り添った設計に

──コンテンツルーレット:ローレベルでは、アラガントームストーン:神話も取得できるのですか?
吉田 1回につき10個の予定です。もし毎日やれば1週間で70個獲得できます。当然ですが、ローレベルだけでアラガントームストーン:神話を集めてほしいわけではないです。のんびり遊んでいる方々は、おそらく“神話装備”や“レリック+1”は“遠い未来のこと”という感覚なのかなと。ですが、アラガントームストーン:神話は持っている個数が目に見えます。「気がついたら微妙に貯まり始めていた。もう少し神話を貯めてみようかな……」。そう思い始める方はすでにダークライト装備をいくつか獲得しているはずなので、これを使って難度が緩和された旅神聖域ワンダラーパレスと古城アムダプールの両ダンジョンでアラガントームストーン:神話を稼ぐ、ということが“選択肢に入る”ようになるかなと。
──コンテンツルーレットのボーナスで、各種アラガントームストーンの取得量が増えたりすることはあるのでしょうか?
吉田 量はつねに固定です。また、攻略中のトラブル発生を防止するために、いわゆる早期クリアボーナスといったシステムも設けていません。パッチによってボーナス量が変わることはあると思います。


●蛮族デイリークエストはレベル50目前の冒険者にも便利

──蛮族デイリークエストは経験値稼ぎに使える?
吉田 ストーンヴィジルをクリアしたあたりから挑めますので、レベル50到達目前の冒険者育成にも利用できます。
──1日1回挑戦できるクエストをすべてプレイすると、レベルがひとつ上がる程度の経験値が得られる?
吉田 1日に受けられるクエスト数も限りがありますので、さすがにそこまで稼げませんが、クエスト形式ですので自分のペースで報酬を得つつ進めることができます。ひとつのものでレベルを上げるのではなく、コンテンツルーレットの経験値がおいしいので、これを1日1回やり、残りはほかのいろいろなもので稼ぐ、というのがいちばん気軽なのかなと思います。
──2クラス目以降は、コンテンツルーレットボーナスとアーマリーボーナスが毎回加算されるため、育成がかなりスムーズになりそうです。
吉田 2クラス目以降は、間違いなくインスタンスダンジョンに参加したほうが効率よく経験値が稼げるはずです。それでも挑戦を躊躇してしまう方は、のんびりF.A.T.E.で育成してもらえればいいと思います。ちなみに今回のパッチ2.1で経験値がもっともオイシくなるのは、ロールボーナスが発生しやすい、現状で人数が不足しているタンクでしょう。


●極蛮神バトルでは高性能なアクセサリも獲得できる

──極蛮神バトルについて教えてください。
吉田 高難度コンテンツです。しっかり攻略方法が確立され、それが広まるまでは、安定してクリアするのは難しいかもしれません。また極蛮神バトルには固有のシナリオも存在するので、そのあたりにもご期待ください。
──制限時間の長さはどれくらいですか?
吉田 真蛮神もそうですが、90分フルは疲れてしまうということもあり、少し短くしようかとギリギリまで検討中です。
──極蛮神バトルで手に入る武器のアイテムレベルは90とのことですが、その強さはどれくらい?
吉田 アイテムレベルでいえば“レリック+1”と同じですが、パラメータが異なります。僕はもともと最強武器は何種類かあっていいと考えているので、防具との組み合わせ、コンテンツに合わせてなど、選択肢のひとつとして考えてもらえればと。
──最強の武器や防具を状況に応じて使い分ける?
吉田 同じアイテムレベルの装備を使うにしても、使い分けはありだと思っているのです。たとえば武器であれば、クリティカル発生率を重視した組み合わせで参加するのか、あるいは意思力に力点を置いたセッティングで挑むのか……といった感じです。
──そう考えると、同じアイテムレベルの武器だから必要ない、というふうにはなりませんよね。
吉田 はい。本当に強くなりたいなら、すべて集めることが近道になると思います。コンテンツの種類や戦法に応じて装備を変えるということも、安定してクリアする、という意味では重要だと考えます。
──第10回プロデュサーレターLIVEで話されていた、“自慢できるもの”の正体とは?
吉田 報酬で得られる武器とは別物で、蛮神が一定確率でドロップするアイテムです。それとは別に、蛮神を倒した段階でアイテムレベルの高いアクセサリなどが入っている宝箱も現れます。


●善王モグル・モグXII世討滅戦はモーグリたちの“会話”に注目

──パッチ2.2で公開予定の、善王モグル・モグXII世討滅戦の“極”バージョンの物語について教えてください。
吉田 今回公開される極蛮神バトルは、ある意味残酷ともいえるシナリオになっていまして、その流れをモーグリたちに持ち込むべきではない、くらいですかね。
──それ以外についてお話いただけることは?
吉田 ひとまずパッチ2.1では善王モグル・モグXII世討滅戦のバトル中にフキダシで表示される会話の内容が、とてもおもしろいので期待していてください(笑)。
──たとえばどのような会話が登場するのですか?
吉田 んー、言ってしまうのがもったいないので、皆さんがお確かめください(笑)。モーグリたちの個性にふさわしいセリフ回しになっています。取り巻きを1体倒すごとに曲のテンポも変化しますし、さまざまなオブジェクトを取り出して攻撃を仕掛けてきたりもします。コミカルな雰囲気の裏に隠された、パニック感のようなものを楽しんでいただければと。タイタン戦のような“一手間違えたときの絶望感”とはまた違う感覚が味わえるはずです。


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──モーグリ戦ですが、難度としてはどのあたりを想定している?
吉田 真ガルーダは倒せたけれど真タイタンが厳しいので、ひとまずこのコンテンツで強力な武器を手に入れてみよう……という位置を考えています。現状では真ガルーダと真タイタン、両者の難度に差がありすぎると認識しており、それを埋める意味合いもあります。
──真タイタン討滅戦の難度に関しては、当初の想定どおりだったのですか?
吉田 真タイタン討滅戦については想定内です。ただし、先ほどもお話しましたが、現状では難度の段差が大きすぎるために、真タイタン討滅戦で急に難しく感じられてしまう部分があります。今後はクリスタルタワーで装備品が手に入ったりするなど選択の幅が広がるので、“いますぐどうしてもタイタンに勝たねばならない”だけではなくなります。


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▲強い武器を手に入れるうえで、真タイタン討滅戦のクリアが今後は必須でなくなる。

●シリウス大灯台は最高難度の4人ダンジョン!

──怪鳥巨塔 シリウス大灯台の難度などについて教えてください。
吉田 パッチ2.1ではシリウス大灯台に加え、カッパーベルとハウケタ屋敷のハード版の、合わせて3つを公開しますが、これらはすべて同じ難度。4人で突入するダンジョンとしてはもっとも高難度に位置します。
──入場のための条件は?
吉田 メインクエストを終えていることが条件になる予定です。


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▲アラガントームストーンを求めて、このダンジョンに潜入する冒険者が続出しそうだ。

●ハウジングに必要なギルの価格は現在も試行錯誤中

──ハウジングで手に入る土地の価格は……?
吉田 まだ決めていません(笑)。今朝(注:取材日は11月25日)、金額的なデータを確認したのですが、いくつか疑問点があったので担当スタッフに差し戻しました。先ほどその回答が戻ってきたのですが、さらに疑問が浮上したので、この後に直接話してきます(笑)。
──現時点でも白紙の状態なのですか?
吉田 いいえ、全ワールド個別の経済状況は膨大なログデータ解析でもう終わっています。土地の大きさに対する価格の割合は、だいたい決めました。後はロジックが間違っていないかを確認して、価格を決めるだけですね。
──Mサイズ、Lサイズの家は、だいたい何人くらいの冒険者が活動できる程度の規模を考えているのでしょう?
吉田 Mサイズで、だいたい10人から15人。Lサイズの場合は、20人以上くらいの規模かなと考えています。
──ハウジングの公開に備えて、一部ではすでにフリーカンパニーの再編が始まっているようです。
吉田 ちょっと早いかもしれませんね(笑)。カウントダウンオークションで土地の価格は下がりますし、長く存在するコンテンツです。気の合う人とコツコツ貯めて買うのが、結局はいちばんの近道なのかなという気もします。


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▲ギルの準備よりも、どの都市国家に家を構えるのかを先に思案したほうがいいのかもしれない。

●アイテムレベルは開発側にも重要なパラメータ

──レベル50を超えるとアイテムレベルが重要になってきますが、アイテムレベルには、どんな役目が設けられているのでしょうか。
吉田 強さの目安です。コンテンツの難度やアイテムの性能などのバランス調整を図るときに、事前に用意した計算式に基づいて上限と下限を設けています。その基準となるのが、アイテムレベルなのです。たとえばパッチ2.1で、いわゆるアラガン武器のアイテムレベルを90から95に引き上げます。ここで性能を調整するときにも、アイテムレベル95の数値の上限が事前に決められているので、それ以上の性能は計算式上、発揮されないようになっています。
──開発スタッフにとっても重要なパラメータとなる?
吉田 内部的にもかなり意味の大きな数値です。一例を挙げれば、クラフターが製作できるアイテムレベル70のいわゆる新式装備。禁断のマテリア装着を利用して、この防具の性能をいくら引き上げたとしても、絶対にアイテムレベル90の数値は超えません。そのような線引きが、内部的に厳密に行われているからです。
──禁断のマテリア装着に関しても、アイテムレベルに基づいて強化の上限が決められている?
吉田 計算式をもとに上限が決定されます。計算を人間が行う場合、ミスをしてしまうことがあります。ですが計算数値が事前に出ているので、計算上のダメージがアイテムレベルを上回るような場合、開発している最中に自動的に検出できます。副次的な恩恵として、事前に数式化することによって、自動的に適切な値に収まるという利点もあります。


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▲禁断のマテリア装着で強化できるパラメータの上限は、アイテムレベルの計算式をもとに決められていたのだ。

──プレイヤーの視点でいえば、アイテムレベルはゲームの進捗を測る物差しのような機能を果たすわけですね。
吉田 冒険者の強さを数値として実感していただくためのものでもありますね。パッチ2.1以降はアイテムレベルの平均値が表示されるようになるので、そうした意味合いはさらに大きくなるはずです。
──そういえば、アラガン武器のアイテムレベルを引き上げることになったそもそもの理由はなんでしょう?
吉田 我々が当初想定していたよりも多くの方がジョブ専用武器のHQ品を取得したためです。大迷宮バハムート:邂逅編で手に入る武器のアイテムレベルも90なので、このハイエンドコンテンツに参加している皆さんのモチベーションが保てなくなるのではないか……と考えたうえでの措置になります。
──現在の冒険者のレベルは50までですが、アイテムレベルの上限はパッチ2.1の時点で95。この数値の差は、今後も残ることになるのですか?
吉田 アイテムレベルは、冒険者のレベル上限が50のあいだにもっと上がります。パッチ2.2で、もう1段階キャップが引き上げられる予定です。
──キャラクターのレベルとアイテムレベルは、完全に別物と考えたほうがいいのでしょうか。
吉田 アイテムレベルは、冒険者のレベルが50に到達して以降、本格的に意味を持ってくるものですよね。なので現状は、アイテムレベルから50を差し引いてもらえば、冒険者自身と比較するときによりわかりやすいものになるのかもしれません。
──そう考えると、アラガン武器のアイテムレベルが95なので、まだ伸びしろがあるわけですね。
吉田 50マイナスして45と考えれば、そうですね。現状のアイテム性能は、まだそれくらいなのです。


●『新生FFXIV』は育成よりもコンテンツが中心のゲーム

──メインクエストで得られる経験値の量は、レベル帯ごとに割合で決められているのでしょうか?
吉田 レベル10まではクエストの報酬だけでレベルが上がるように設計しています。レベル20まではクエストと討伐手帳でほぼオーケー。レベル30まではクエストと討伐手帳で7割。レベル40まではそれで6割。レベル40以降は4~5割です。ただし、この割合にはシナリオでいくダンジョンを含んでいないので、実際はもっと稼げており、レベル40まではかなりサクサク上がります。以降は適正レベルのインスタンスダンジョンに3回ほど挑めば……というイメージだったのですが、レベル40以降が辛かったのは確かで、現時点でプレイヤーの皆さまにはF.A.T.E.が好まれる状況が続いていると考えています。ですが、そこに対してはパッチ2.1で実装される蛮族デイリークエストが候補に加わるようになります。


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▲パッチ2.1以降、インスタンスダンジョンはもっとも有効な経験値稼ぎの手段のひとつになる。

──レベル上げの幅が広がりますね。
吉田 そもそも『新生FFXIV』は冒険者育成が中心のゲームではないので、僕としては、テンポよく好きなクラス/ジョブをレベル50まで育てていただき、各クラス/ジョブのクエストやコンテンツをいろいろな角度から楽しんでほしいという思いがあります。逆にそうしたほうが、MMOとして長持ちするのではないかなとも感じています。


●大人気のリアルイベントはついにワールドツアーにまで発展!

──プロデューサーレターLIVEで発表されたリアルイベントに、タイタンチャレンジを始めとするファン参加型の要素は盛り込まれますか?
吉田 イフリートチャレンジやタイタンチャレンジがとても好評だったので、この形式のリアルイベントをいつでも開催できるように準備を進めています。パッチが公開されるたびに、それをフィーチャーしたリアルイベント専用のコンテンツを、必ずふたつ用意したいと思っています。
──たとえばどのような専用コンテンツですか?
吉田 パッチ2.2前後で実施するリアルイベントでは、真タイタン討滅戦と究極幻想 アルテマウェポン破壊作戦をアレンジしたものを用意して、ご来場いただいたファンの皆さんにそれを体験してもらいます。それ以降は、たとえばですが、パッチ2.3のタイミングで行われる催しは、真リヴァイアサン討滅戦と究極幻想 アルテマウェポン破壊作戦を会場で遊んでいただく……という流れを考えています。
──世界中のどのイベントでも楽しめるものに?
吉田 そうですね。どこでも使えるようにするので、欧米のイベントでもすぐに準備できるはずです。これまではプレイヤーの皆さんだけでパーティを組んで戦いましたが、これからは我々も混ざっていこうかと。ごいっしょさせていただいたときには、ゲームの質問にお答えしますし、記念撮影などもご依頼いただければと。
──スタッフの方々と交流を楽しみしつつ、イベント専用のコンテンツが楽しめるわけですね。
吉田 はい。そうして皆さんと数時間ほど交流した後、そのままプロデューサーレターLIVEを公開生放送、という感じです。放送については、インターネット配信で全世界に生中継します。また可能であれば、会場でグッズを販売したいと考えており、そのための下準備も現在進めているところです。


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▲大勢のプレイヤーで賑わい続けている『新生FFXIV』。これから先も、MMO界をリードする存在になるのは間違いなさそうだ。

──来年1月のイベントで新グッズが販売される?
吉田 何とかなるよう、もがいています(笑)。
──ワールドツアーの欧州開催ぶんは、ドイツ、フランス、イギリスの各国開催なのでしょうか?
吉田 スケジュールがタイトすぎてしまうので、3ヵ国はちょっと難しい感じです。欧州の場合は、どこかひとつの国に絞って開催することになるのではないかと思います。
──プロデューサーレターLIVE in 大阪(仮題)は、ワールドツアーとは別の催しになるのですか?
吉田 はい。こちらはあくまでもプロデューサーレターLIVE出張版になります。200人程度のプレイヤーの方々をご招待して、全国の主要都市を巡る予定です。これとは別にワールドツアーの国内ぶんも開催します。
──それらの催しは短期間で集中的に行われるのですか?
吉田 国内を回るのは1年くらいかけて、2~3ヵ月に1回の割合を想定しています。ワールドツアーは、あまり時間をかけてしまうと、そのぶん開発作業が停滞してしまうので、できるだけ短期間のうちに日・米・欧を一気に開催しようと考えています。


●『新生FFXIV』が国内MMO市場のリミットをブレイクした

──ここまでパッチ2.1の詳細をお尋ねしましたが、まとめとして、間もなくロンチから3ヵ月経過する時点での感想や、成功、失敗した部分についてお聞かせください。
吉田 『旧FFXIV』のローンチ失敗という状況から始まった『FFXIV』ですが、いま、これだけ多くの方にプレイしていただけたのは何よりもうれしく思うポイントです。これは開発だけでなく、運営や宣伝など、あらゆる部門が尽力した結果にほかなりません。国内のMMO人口は多くても30万人といわれていた状況下で、パッケージ版だけでそれを軽く上回る販売数を記録できました。超マイナスの状態から開始したプロジェクトなのに、ここまで結果を残せたという部分は、「ひとまず喜んでいいのかな?」と思います。また『FF』シリーズの最新作として、多くの方に遊んでもらえた点についても、責任者としてホッとしているところです。
──海外のオンラインゲーム関係者からも、いろいろな声が掛かっているのでは?
吉田 日本にこれだけ大きなオンライン市場が存在していたとは気づかなかった、と言われます。それに対して僕は、「必死にがんばったんだから、気軽にそんな言いかたしないで」と返事しています(笑)。


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──では、逆に至らなかった部分については?
吉田 せっかくソフトを購入したのに、ログイン障害でプレイできない状態が続いてしまったことです。いま振り返れば約2~3週間ですが、ファンの皆さんにとってとても貴重な時期や時間をフイにさせてしまったことを反省しています。先日、インターネット通販サイトなどに掲載されている『新生FFXIV』ローンチ当初の評価を久々に見返す機会があったのですが、“電源を入れてスタートボタンを押してもゲームが始まらないゲームです”という投稿を読んで、あらためて申し訳ない気持ちになりました。
──では、ディレクターとしてではなく、純粋にプロデューサーとしてのいまのお気持ちは?
吉田 儲けを度外視して進めてきたプロジェクトではありますが、がんばっていけば採算が取れるメドが立ちそうでよかったなというところです。本当にホッとしています。
──現時点でメドが立っているのでしょうか。
吉田 このまま状況が正しい方向に推移すれば、採算が取れそうだという感触です。スタートダッシュに成功しても、そのペースを維持できたサブスクリプション(定額課金制)型のMMOは皆無なので、このまま日本産のMMORPGとしては、前人未到の領域を目指して突き進んでいきたいと思います。この3年間、僕もチームも人生を懸けて制作に取り組んできました。せっかくここまで来られたので、ほかのタイトルに挑むというよりも、この作品でどこまで行けるのか勝負を掛けてみたい気持ちのほうが強いです。
──海外の会社からの引き合いも多いのですか?
吉田 中国はすでに準備を進めていますが、ほかにもロシア、台湾、韓国など、いろいろな国から引き合いをいただいている状況です。国内や既存のリージョンに留まらず、グローバルな面でもっと挑戦しなければもったいないような気がしています。


●楽しんで作ったものをプレイヤーの皆さんに楽しんでもらうサイクルを目指す

──それでは最後にプレイヤーの皆さんへメッセージを。
吉田 お願いだから吉魔と呼ぶのは……というのは冗談で(笑)。
──吉田さんのコラージュ画像も見ました(笑)。
吉田 (笑)。『新生FFXIV』はまだまだ始まったばかりです。いろいろなお声を頂戴していますが、僕たちが楽しんで作ったものを、プレイヤーの皆さんに楽しんでいただくのが何より大切だと考えています。このサイクルが円滑に進むよう、我々は精一杯努力していきますので、これからも応援をよろしくお願いします。パッチ2.1で世界がガラッと変わります。肩の力を抜いて、まずはゲームそのものを楽しむことから始めていただければと思います。
──年末年始も『新生FFXIV』一色になりそうですね。
吉田 年の瀬に発売される新作ゲームを超えるくらいの分量が、パッチ2.1で公開されます。アップデートされたぶんだけで軽く300~400時間は遊べるはずなので、ぜひ楽しみにお待ちください。
──首を長くして待ちます!

(取材日:2013年11月25日)