第七霊災とは何だったのか?(3)

 『新生FFXIV』をプレイしていると何度となく現れる、“第七霊災”というキーワード。エオルゼアが新生した後に冒険を始めたプレイヤーには、具体的な経緯がよくわからないことも多い。物語の端々で語られるこの『旧FFXIV』で起きた一大事件のあらましを、3回に分けてあらためて解説する企画の最終回。もちろん当時の歴史を知るプレイヤーも、復習を兼ねてご一読あれ。

公開日時:2014-01-27 15:28:00

 コネクト!オンをご愛読いただいている皆さん、こんにちは。『新生FFXIV』担当ライターのMainaiです。

 第七霊災を解説する企画の最終回は、私ことMainaiが独自に考察を進めていきます。テーマはネールとガイウスの考えかたの違い。ここから、当時のエオルゼアが置かれていた本当の状況に迫ってみたいと思います。

ネールとガイウスの意見の相違

 まずガレマール帝国の視点から見た、エオルゼア侵攻に関する彼らの共通認識を整理してみましょう。

 侵略の対象であるエオルゼアはイサルバード大陸やオサード小大陸とは異なり、蛮族という“障害物”が幅を利かせている。彼らが呼び出す蛮神は強大で、しかも不死性まで持つため、帝国の魔導兵器を用いても戦局の打開が難しい。さらに蛮神は地上界に滞在するあいだ、大量のエーテルを消費し続けている。このままエーテルが減少すると、惑星ハイデリンの寿命をも縮めかねない。そこで月の衛星ダラガブを落とし、深い闇に閉ざされた大穴を地上に開けることで、クリスタルの力を矮小化。蛮神のエネルギー源を断ちつつ惑星ハイデリンの安全も確保したのちに、エオルゼアを手中に収める。

 ……要は、エオルゼアを占領する前の地ならしとして、第七霊災の利用を図ったのです。

 つぎに、ガイウス・ヴァン・バエサルとネール・ヴァン・ダーナスの意見の違いを考えてみましょう。

 ガイウスの目的は、資源豊かなエオルゼア内陸部を、帝国の支配下に置くこと。その最大の障害となっているのが、蛮神を呼ぶ蛮族勢力。これに対し、まだ蛮神を呼んでいないエオルゼアの都市国家を、帝国の属国に組み入れることで戦力を強化し、対抗しようというのがガイウスの戦略となります。

 これに対し、ネール・ヴァン・ダーナスはさらに過激な考えを持っていました。彼の狙いは、ダラガブを地上に落とすことにより、“蛮神を呼ぶ蛮族もろとも、エオルゼアの民すべてを根絶やしにする”というもの。一見すると、なぜエオルゼアの民まで巻き添えにする必要があるのか、意味がよくわかりませんよね。この謎を解くカギは、エオルゼア十二神の存在にあります。つまり、蛮族が蛮神を召喚してエーテルを食い荒らすのと同じように、人類もまた、エオルゼア十二神を召喚する可能性がある……ネールはそう考えたのだろうと推測できます。だからこそ彼は生前、エオルゼアの人々は「穢れている」と断言できたのです。その根拠について、ルイゾワによる「神降ろし」の準備段階でパパリモが語っています。

 「知ってるだろ?「神降ろし」は、大地に通う「クリスタルの力」を大量に消費する」
 「たった数柱の神が降ろされただけでも、大変なことが、たくさん起きたっていうのに……」

第七霊災概要/th7thUE_14

▲エーテルの大量消費によってハイデリンの寿命が縮まったとしても、ダラガブの落下だけは阻止せねばならない。エーテル学の知識を有するパパリモは、人類が置かれた状況の厳しさを当時的確に把握していた。

 このような事態をネールが看過できるはずがありません。賢者ルイゾワのような者がいるからこそ、惑星ハイデリンの存続のために、エオルゼアの人類を絶滅させる必要があったのでしょう。

第七霊災概要/th7thUE_15

▲「クリスタルの力」を消費して呼び出されたエオルゼア十二神の青い光が、バハムートを包み込む。おそらくネールは、このように人類が間接的に惑星のエネルギーを消費することを嫌悪していたのだろう。

 実際に、ネールは生前にこう叫んでいます。

 「かつて六度、天地は腐れはて、再生を遂げた。だがそのたびに「人」という名のけだものが、瞬く間に天地を穢す!」
 「この不浄なる輪廻に、久遠の終止符を打つ!これぞ「彼の御方」のお望みである」

第七霊災概要/th7thUE_16

▲「彼の御方」……すなわちバハムートが、エオルゼアを霊災の連鎖から救うとネールは考えていた。

 人類という穢れた存在を駆逐すれば、「蛮神召喚=神降ろし」による「クリスタルの力」の流出が止められるばかりか、霊災と呼ばれる悪しき輪廻も止められる。そのカギを握るのがバハムートであると、ネールは認識していたのだと思います。

 以上がMainaiの考察になります。あくまでも私個人の予想を含む解釈なので、そのつもりで理解してください(笑)。ですが、神を一掃するのか、あるいはその信仰者までも根絶やしにするのか……というこの問題は、どうやら『新生FFXIV』にも受け継がれているようですよ。

 最後に、2013年の元旦に公開されたこの四行詩を添えて、本解説を終えたいと思います。

月明輝けども 必ずや暁迎えん
然れど 混沌の地に 神乱れ立たん
神狩る白き剣 神征す黒き剣
握るは いずれか 一振りの剣なり

──賢人ルイゾワの遺文集より

(コネオン小隊/Mainai)

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