E43M1: レトロFPSの皮を被った激ムズローグライクFPS『STRAFE』

公開日時:2017-05-12 11:39:00

 ドモー、日々自分が分からなくなっているBRZRKです。今年もE3が楽しみで、Xbox Scorpioがどうなるのかワクワクしているわけですが、そろそろオリジナルXboxも互換対応してくれませんかね? 
 そんなわけで、今回は先日Steamで発売されたばかりのローグライクFPS『STRAFE』(公式サイト)を早速プレイしたボンクラゲーマーのBRZRKと、編集のミル☆吉村がプレイした感想を連ねていこうと思う。


●当時のFPSよりムズい

ミル☆吉村(以下、M) というわけで『STRAFE』なんですけど、プロモーションなんかで強調されてるのは「1996年当時のFPS」。というわけで、要は1996年といったら初代『Quake』をイメージしてるわけですよね。まさに我々ドンピシャ。で、遊んだわけですがまず感想を!

BRZRK(以下、B) 1996年のゲームより超ムズい。

M まさに! あと意外と「1996年当時のFPSを再現する」っていうタイプのゲームではないんですよね、実は。

B 見た目はマジで『QUAKE』のsoftwareレンダリングぽいんだけどね。ゲームの内容自体はすげぇ辛口で、最近人気の死亡=最初からやり直しのローグライクだからね。これマジでキツくてさ、当時のゲームですらクイックセーブとかあったのに『STRAFE』は皆無だからなぁ。

M 『Quake 2』とか最初の頃は怖くて、扉の前でセーブしてましたもん俺。要は見た目はレトロオマージュの部分もあるけど、ゲームシステムは完全に今のインディーのローグライクとか、一撃死リトライ系の作りなんですよね。Devolverのタイトルで行くと前者が『Downwell』とかで、後者が『Titan Souls』。

B 全部で4つのエピソードがあるんだけど、各エピソードに3つのステージが含まれている。で、エピソード自体を完全に攻略しないと先に進めず死ねば頭からという鬼畜具合。これ、面白いけどストレスマックスになる。

M 何がキツイかって、敵が多い。新しい部屋に入ると10体はいて、基本はこっち向かってくるだけのバカAIだけど、そいつらが全員特攻してくるからさばくのが大変。

B あと、ステージクリアしても弾薬が補充されるわけでもない。だから、敵が多いからってバカスカ撃ちまくってると、弾薬がなくなって銃で殴るか素手での戦闘になる。もう、こうなったら敵の数が多いしムーリー。

M 弾はドロップしたり、マップのどこかにある自販機でも買えるんだけど、弾も自販機で使うスクラップもそんなにドロップ率が高いわけじゃないから、「ローグライクの中で先に起こり得る展開を大体把握できる」ぐらいのプレイヤーじゃないと、自分の弾数やシールドが十分なのか読みづらい。

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▲これが自販機。弾とシールドを買える。

B FPSのうまさってより『STRAFE』のうまさが求められる感じだね。そういや出現してくる敵は物音すら立てずに近付いてくるから厳しくない? 気付いたらかこまれてるから地味にダメージが蓄積して……気付いたら死にかけ。

M そう。それと罠系の敵も多い。壁や天井にぶら下がってる犬クリーチャーっぽいのとか、あと酸を吐いてくるアイツ! 珍しく買ったシールドを綺麗に溶かしてくれるし、混戦で体力をジューッと削ってくれる。

B そして回復アイテムなんて滅多にないしツライ。

M 回復アイテムも普通はレベルデザインの一部で、固定マップなら「この辺で回復」って設計ですからね。まぁ時折『ハーフライフ』みたいな回復装置から取れるけどもちろん足りない。

B マップがいくつかのプリセットはあるけどランダム生成だからね。そういう配慮を仕込む余地がないのかな? 『LEFT 4 DEAD』みたいにゴール地点に回復とかあっても良いんじゃないかと思うけど……でも、それやっちゃうと『STRAFE』じゃなくなるか。

M このゲームを「レトロFPSの皮を被った今風のローグライクゲー」として見るとまぁ、苦しんでナンボが意図通りというのはそうなんですよね。

B 割りとマジで開発者が殺しに来たゲームという印象が強いなー。『STRAFE』に慣れる前に心が折れる人のほうが圧倒的に多いと思う。俺は「人類に試練が与えられた」と思って怒りながらプレイしているけど。


●開発チームの意外な出自

M またこれ面白いのが、開発したPixel Titansは、実はもともとCMとかミュージックビデオ業界の人ふたりが意気投合して「俺達のゲーム作ろうぜ!」って作ったスタジオなんですよね。だからバランスをあまり考えずに変な方向に濃いのは納得。

B で、そんな連中が作ったオフィシャルトレイラーがこれね。1996年つーより80年代のチープなSFホラーっぽさが相まって面白グロい。てか、マスクドUHさん(編注:本誌をはじめさまざまな媒体に寄稿する、謎の洋ゲー冒険家)とかが好きそう。

M これ当初「プロモ用の実写ビデオのためにDevolverよく金出したな」って思ったんですけど、開発チームのもともとの本業と考えれば安く作れるのは当たり前なんですよね。それでレトロVHS風の実写ビデオはチュートリアルにも使われている。

B なんか金のかけ方がいい意味でインディー。こういうロックな作り方って素敵だと思うわ。あと、トレイラーよく見てると”BASED ON THE BEST SELLING GAME OF ALL TIME”(史上最も売れたゲームが原作)って書いてあって、嘘八百すぎて笑う。

M 公式サイト(www.strafe1996.com)も90年代仕様の個人サイトみたいな感じだしね。こういうパロディーネタ大好き。つっても90年代の企業サイトはもうちょっと会社っぽかったよ!

B これ、サイトのトップに貼ってあるPSとPC、MACのロゴが全部当時の古いヤツなのがまたウケルね。もう、化石みたいなサイトだわ。トップページの年齢認証でNO押した? かなり面白いページに行かされるよ。

M え、やってみるわ。(数十秒後)うわひでぇ! 『マインクラフト』、EDMアーティストのSkrillex、あとアニメの「アドベンチャー・タイム」、それと『コール オブ デューティ』へのリンクがなぜか猫のアニメーションGIFとともに貼ってある。

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B まぁ18歳以上じゃないオコチャマにオススメ! っていう開発者側の素敵な煽りですわな。「キッズはこれで満足しとけ!」という。

M 『マインクラフト』もCoDもいいゲームですよとフォローしておくとして、Skrillexとか、いかにも中学生がちょっと背伸びして好きになりそうな辺りのチョイスがヤバい。まぁ猫画像で煽るのは完全に今のセンスですけど、我々1996年当時にまさに中高生で背伸びしてオールドスクールFPSやってたわけで、煽りとして無駄に的確。ちなみに今のインターネットのトラッシュ文化のノリだと、いろいろ権利的にヤバい映像とコラージュしまくったビデオも上がってたりする。


●シークレットや流血はオールドスクールFPSマナー

B まぁそんな感じのゲームなんだけど、イースターエッグというかシークレットがいくつかあるのよ。なんか見た?

M そう、そこはオールドスクールFPS的に、シークレットはちゃんと仕込んであるんですよね。でもDevolverの担当広報からヒントは貰ってたんだけど、発見できず。

B あー、動画撮影してあるからこれ見てもらおうかね。

B つーかんじで、“Luftenstein”という『Wolfenstein』(※)オマージュなゲームが1-2に出てくる。ちなみに、遊ぶためにはコインを1-1で拾っておかないと遊べない。(※編注:ここではFPSの元祖のひとつと呼べる『ウルフェンシュタイン3D』を指す)

M あんな死体の山からコインなんか見つけて拾ってられっか!

B (実は1-1の開始直後に手に入るんだけどなぁ……)ちなみにこのLutensteinは、Devolver Digitalが販売している『Luftrausers』っていうシューティングゲームの世界なんだよね。そのゲームのトレイラーも置いとこうか。

M そういえば実写トレイラーも血まみれグログロだったけど、ゲームの方も流血表現には力が入ってて、「キル・ビルかよ」ってぐらいに噴き出まくりですね。

B このゲームやたらと無駄に血しぶきあげるから、ブラッドバス(血風呂)という言葉がぴったりだよねぇ。

M その名も『Blood』ってFPSが昔あったぐらい、オールドスクールFPSに血は大事ですからね。でも実はゲーム的にも意味があって、実は敵がばらまいた酸のあたりで敵を殺して血を撒くと、酸を消せるっぽい。

B ちょい試してくる。(数分後)うおー、マジだ。撒かれた酸を敵の血で上書きできるわ。でも、敵を誘導しないといけなかったりで、攻略には全然役に立たんが!

M 攻略的には、スピードラン動画とか増えてくると基本戦術がもうちょっと見えやすくなるかな。アップデートでマップ固定のスピードラン専用モードとかつくのが予定されてるし。

B あー、スピードランは興味あるなぁ。このゲーム、名前の通りストレーフジャンプ(加速しながら移動するテク)が可能だから、上手い人のプレイを見てみたいわ。

M そしてどこまで本気かわからないけど、VR対応もリストに乗ってるんですよね。でもこのゲームだと……。

B いやいや、ただでさえ血まみれなのに、リアルでゲロまみれになるだろそれ! もういいわ! お開き!! まぁ普通にイライラするけど、パッと遊べるゲームなんでプレイしてみるといいかもね。


著者近況:シュークリーム食べたい
編集者近況: 『LSD』のデザイナーの佐藤理氏がニューアルバムだすし、ジェフ・ミンターは新作ゲームだすし、どうなってんだ2017年。ダメ絶対。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)