E60M1: 『ベア・ナックルIV』これはまごうことなきベア・ナックルだ! ベルトスクロールアクションが旧作ファンへのサービスもたっぷりに大復活

セガの往年のベルトスクロールアクションシリーズが海外インディーの手によって蘇る『ベア・ナックルIV』を紹介。

公開日時:2020-04-30 00:00:00

 ドモー、健康に気をつけてくださいとしか言いようがない今日このごろ。みなさん家に引きこもってゲームしましょう。積みゲー消化には丁度いいと思うしね。

 さて今回紹介するのは、セガがメガドライブ時代にリリースして大ヒットしたベルトアクションゲーム『ベア・ナックル』シリーズの最新作『ベア・ナックルIV』(公式サイト)だ。

 本作はフランス系インディーパブリッシャーDotEmuがセガから公式ライセンスを受けて共同開発したタイトルとなっている。セガの開発ではなくインディータイトルということに躊躇する人もいるかもしれないが、前もって言っておこう。本作はまごうことなきベア・ナックルだ!

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新たな脅威・Y姉弟の出現に、あいつらが再び立ち上がる

 メインとなるストーリーモードでは、荒れた街のさまざまなエリアで戦いながら、何やら悪巧みを進めている黒幕であるMr.YとMs.Yの姉弟(過去作でプレイヤーを苦しめてきたMr.Xの双子の子供)へと迫っていく。

 プレイアブルキャラクターにはもちろん、シリーズ皆勤賞のアクセルとブレイズのふたりに加え、チェリー(過去作に出てきたアダムの娘)と両腕に高性能義手を装備したフロイドが参戦。それにしても、ブレイズいいよねぇカッコ可愛い。

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 このモードはステージをクリアさえすれば残機数が回復するので、何度かやられてしまってもステージクリアまで持ち込めれば次のステージは仕切り直すことが可能だ。(※編注:クリアーできなかった場合はそのステージの最初から。スコアペナルティと引き換えに追加ライフなどのアシストを受けてやり直すこともできる)

 ただ、ステージクリア時にクリアータイムなどと同じく残機(+残り体力)に応じてもボーナスが入るので、やっぱり極力死なないように行動した方がいい。

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通算スコアを伸ばして旧作キャラをアンロック!

 「いやハイスコアは別に狙ってないからクリアーできればいいよ」って思う人もいるかもしれないけど、本作でスコアは重要だ。というのも、本作はプレイヤーの通算スコアに応じて、過去作ベア・ナックル1〜3までのキャラクターが当時の見た目のままアンロックされ使用可能になっていくのだ。

 しかもシリーズ違いの同一キャラクターで戦えるため、プレイヤーキャラが全員ブレイズみたいな遊びも可能(※バージョンによって技も違ったりする)。で、全員を出すなら何周もプレイしなければ難しいので、残機数を減らさず効率よくスコアを稼ぐようにプレイするのがベターというわけだ。

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オフライン&オンライン協力プレイで暴れまくれ!

 ちなみに本作はマルチプレイに対応している。筆者はSteam版でプレイしたのだが、オンラインを介してのプレイは2人までで、オフラインプレイは4人まで対応といった具合だ。

 「オンラインで4人対応してねぇの!?」と思う人もいるかもしれないが、そこはPC版の場合、SteamのRemote Play Together機能(※ホスト以外も要購入)や、同じようなことを実現するParsecなどのソフトを使ってバーチャルなオフライン協力プレイ環境を組めば、ネットワークを介しての4人プレイも可能となる。

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 もちろんひとりで遊んでても楽しいのだが、筆者としてはマルチプレイで遊ぶことを強く推奨したい。筆者は3人同時マルチプレイまでしか試せていないが、こういったゲームにおける重要な要素の“ワチャワチャ感”がしっかりと出ているなと感じた。

 特に、敵味方が入り乱れての大乱闘になった状況で“ドレがダレだかワケワカランのにひたすら攻撃していたら、実は味方を殴り続けてた”なんてことは日常茶飯事。一応、味方への攻撃の有効・無効は切り替えられるのだが、お祭り騒ぎをしたければ有効にしておくといいだろう。

 マルチプレイならではの戦術もあって、本作は攻撃している敵が浮いたところに追撃を入れてコンボを続けることが可能なので、味方といい感じに協力すれば敵をお手玉状態にして一方的に攻撃し続けられる。上手くやればステージボスといえども高いダメージを与えられるし、やっぱりこれもボッコボコにしてる爽快感が壮絶に楽しい。

 個人的には体力が減ってる味方の目の前で回復アイテムを取り上げたり、敵にアイテムを投げるように見せかけて仲間に当てたりといったゲスいプレイがオススメだゾ!(※揉めそうになったら対戦モードで決着をつけよう)

旧作BGMでもプレイ可能!

 『ベア・ナックル』シリーズを語るうえで外せないBGMについても触れておきたい。メガドライブでリリースされた過去作は、当時の音源で80年代後半から90年代前半のダンス・ミュージック風の曲を作り上げており、そのスタイリッシュでエグい独特な音像は今でも評価が高い。
(筆者は特に『ベア・ナックルII』のステージ1で使用されていた“Go Straight”という曲がお気に入り)

 それから20年以上が経ってリリースされる本作で、はたしてBGMは最近のダンス・ミュージックを全面に押し出した感じになるのかなと思いきや、音源は変わったものの90年前後のテイストがゴリゴリ。多分当時のHOUSEとか好きでフジテレビのBeat UKとかを見ていた人は喜ぶんじゃないかな。

 ちなみにメインはフランス系のコンポーザーなのだけれども、1作目から楽曲制作に携わっている古代祐三氏は本作でも楽曲提供していて、当時影響を受けた楽曲を聴いたりして作曲したと語っている。(※そのほかゲストコンポーザーには同じく旧作のサウンドを手掛けた川島基宏氏や下村陽子氏、山岸継司氏、藤田晴美氏らが参加している)

 さらに本作には過去作の楽曲も収録されていて、オプションでクラシックBGMを選択することで旧作のBGMでプレイすることもできる。

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サクッと遊べて何度も遊べる快作!

 全ステージ攻略まではだいたい2時間くらいではあるのだが、前述したように過去作のキャラクターのアンロックを進めていこうとすると繰り返し何度もプレイする必要がある。

 リプレイ性が乏しいゲームだとこの手のアンロック作業もダルく感じてしまい「もういいや」とストップしてしまいがちだ。しかし、本作はベルトアクションゲームにとって大事な爽快感を強く感じることができ、遊んでいて少しずつプレイが上達していることが感じられるし、難度調整もドンピシャなので苦にならない。すげぇ楽しいわコレ。

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 外出できないストレスはぜひとも本作で得られる爽快感でふっとばし、オンライン上で友達とワイワイと遊んでほしいと強く思うタイトルだ。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)