E84M1: 『Metal: Hellsinger』至高のメタル×Payday2ディレクターによる最高なリズムFPS!! ヘドバンしながら撃ちまくれ

文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2022-09-13 07:39:00

 ドモー。先日『バトルフィールド2042』の大型アップデートが来たので結構な頻度で遊んでるBRZRKです。もっと航空機弱体化しねぇかな。

 今回紹介するのはビートに合わせて射撃するFPSという珍しい手法で制作されたリズムFPS(そのまんま)のタイトル『Metal: Hellsinger』(PS5/XSX|S/PC公式サイト)だ。

 ゲームシステムは90年代前半のFPSみたいな感じでひたすらデーモンが湧いては処理して進んでいくという、ベーシックなアリーナタイプのFPS。なんだけどそこにリズムゲームの要素を投入したことで、“プレイヤーが超気持ち良くなれる”ゲームへと昇華させることに成功。

 しかも開発には『Payday 2』や『バトルフィールド3』『バトルフィールド:バッド・カンパニー2』といった人気タイトルに携わったDavid Goldfarb氏が関わっているため、コアとなるFPSの部分はしっかりとした作りになっている。音ゲーとしてもFPSとしても大事なコアな部分を損なわずにジャストなバランスが取れている点はスゲェわ。

 ストーリー的には、半人半魔の“アンノウン”として地獄の領域で悪魔の軍勢を相手に大立ち回りをし“赤き審判者”を討つべく動く……という感じなんだけど、その過程でちょっとしたボーイミーツガール的な要素もあったりして、実際にEDまで見てもらえればニヤニヤできるはず。

 まぁ正直に言うとストーリーとしてももちろん面白いけど、本作にとってはサイドディッシュなんであんまり気にしなくてもOK。「細けぇことはいいんだよ! リズムに乗って撃ちまくれや!」って感じ。

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■メタルビートに合わせて撃つ! 撃ちまくる!

 システムとしては、照準の脇に表示される線がビートの拍を示していて、それが重なるタイミングで攻撃するのが重要。なんだけど問題は敵が多数出現すること。リズムを取ることを優先すべきか、少し外してもいいから敵を倒すべきかの悩ましい判断をしょっちゅう迫られる。

 まぁ最初は大変だろうけど、慣れればキャラコンでデーモンとの距離を取りつつリズムを感じながら攻撃できるようになるので、プレイして覚えよう。

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 で、本作はアンノウンが訪れる地獄のエリア(ステージ)ごとに固有のBGMが用意されているんだけど、そのBGMはどれもが重厚かつメロディアスでヘヴィメタルな曲作り。気付けば両手でメロイックサインをしたくなるクオリティでマジで気持ちがいい!

 そして流れてくるビートに合わせて武器を射撃していると、少しずつ画面上部に表示される“憤慨”メーターが上昇する。このゲージが溜まっていき、最高となる16倍まで蓄積させるとBGMにボーカルが乗るようになり、さらにプレイヤーのテンションをブチ上げ! しかもどの曲もカッコいいから、気持ちよさが倍々の倍。

 ちなみに弾薬は無限となっていて、BGMで気持ちよくなっているのに弾薬を探してウロウロするなんていうテンションが一気に冷めるようなことはない。これ地味だけど嬉しい配慮だね。(※編注: ただし体力回復には敵にフィニッシャー攻撃を決めたり、バトルエリアの周囲にある緑の結晶を破壊する必要がある)

 ただリロードの時間は地味に長いんだけど、こちらもノーツに合わせてリロードをすれば最速で弾薬の装填ができ、何もしない時間を極力少なくできる仕様になっている。デーモンの攻撃が激しくなるゲーム終盤ほどこの最速リロードが出来るか否かで攻略のしやすさが変わるので、ぜひ指に感覚を叩き込んでマスターしておきたい。

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 さらに攻撃の際、連続でデーモンにヒットさせることで奥義ゲージが蓄積していく。このゲージが満タンになった状態で奥義を発動すると、超強力な攻撃を繰り出すことが可能だ。この奥義で繰り出せる技は武器ごとに異なっているので、どの場面でどの奥義を繰り出すのが効果的なのかを考えつつ使用すると良いだろう。

 さて、リズムゲーム要素と聞くと気になるのが、プレイヤーの環境ごとに異なるディスプレーや音の遅延だ。こちらについてはオプションから遅延調整機能を利用できる。

 なので、どうもノーツと音のタイミングがズレてるなぁと思った人でもある程度対策できるので安心だろう。音にこだわったゲームだけあり、こういったところもカバーされてるのは良いね。

■まーとにかく楽曲が良すぎなのよ

 『Metal: Hellsinger』の注目ポイントとして強く押したいのが超豪華な楽曲の制作陣だ。全部を紹介するのは控えるが、中でも注目がメロディックデスメタルバンドとして超有名なアーチエネミーのアリッサ・ホワイト=グラズが参戦している点。

 2022年8月25日にドイツで開催されたGamescomでは本作のコンサートが行われ、壇上で本作に収録されている「Stygia」を熱唱。ゲームでは序盤のステージで流れる曲なのだが、耳障りが非常に良く印象に滅茶苦茶のこる。

 そしてTRIVIUMからはマシュー・キイチ・ヒーフィーが参加。この方は岩国産まれのミュージシャンなんだけど平安時代の「鬼」である茨木童子を題材にしたプラックメタルプロジェクト「IBARAKI」を打ち出したりしている。

 もうとにかくスゲェ重鎮たちが集まって本作のために楽曲を作っているわけ。で、ステージ中って同じ曲がずっと続くんだけど耳が全然嫌がらないし飽きがこない。正直どういう理屈がよくわらないんだけど繰り返し流れてても気にならないってのはスゲェなぁと思う次第。

 あ、個人的にサージ・タンキアン(システム・オブ・ア・ダウン)の楽曲もお気に入りなんでトレイラー貼っておきますわ。

 参加しているミュージシャンについては下の画像を見てもらうか、公式サイトとかを確認してもらえればと思う。いやー、マジで豪華。

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■“苦悩”を打ち破り、世界一のヘルシンガーを目指せ!

 とまぁそんな感じの本作『Metal: Hellsinger』なわけだけど、メタルとFPSの親和性を久しぶりに叩き込まれたという印象。古き良き時代の伝統的FPSを踏襲しながらもリズムゲームの要素を取り入れ見事に融合させた本作はスゲーおすすめしたいタイトルだ。

 全体を通して遊ぶと3〜4時間ほどでクリアできるボリュームなんだけど、満足度は滅茶苦茶高い。で、各ステージのクリア後も遊べるよう、ステージごとに3つずつ“苦悩”と呼ばれるエクストラステージが用意されている。

 この苦悩は、限定されたエリアでタイム制限があるなか「体力回復禁止でベヒーモスを10体倒せ」とか「武器がランダムに変わる」などの厳しい条件下での戦闘に挑むというもので、各武器や各種アクションをマスターして的確に動いていかないとクリアーが難しい代物。

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 その代わりに見事クリアーすればさまざまな追加効果を得られるPerkをゲットし、メインステージでの(再)プレイに使用できるようになる。ハイスコアを出してオンラインランク上位に行くには自分のプレイスタイルに沿った強Perkのゲットが欠かせないと思うので、ぜひ何度も挑んで欲しい。連続してしくじるとホント苦悩で煮えるけどね。

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 対象プラットフォームはXbox Series X/S、 PlayStation 5、PCとなっているので若干ハードルが高いかもしれない。が、すんげー気持ちよくなれるのでプレイして損はさせないぜ! あ、Xbox Gamepassでも利用できるらしいので加入済みならばマストだよマスト。
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著者近況:アサクリでいっそのこと源平合戦とかどうかな? ありがたや~ってな。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)