E78M1: 『フライングパワーディスク2』高速にディスクを投げ合うスポーツバトル! カルトスポーツゲー28年ぶりの続編がついに発売

ネオジオ向けの異色のスポーツゲーム『フライングパワーディスク』の海外開発による続編がついに発売。
文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2022-01-20 00:00:00

 ドモー。こないだ自分の寝言に対して自分で返答していて、それに驚いて飛び起きたときに腰を痛めたBRZRKです。いやー、気付いた瞬間になんだかわかんねーけどスゲェ焦った。

 今回紹介するのはスポーツアクションゲーム『Windjammers 2 - フライング・パワー・ディスク』(PS4/Xbox/Switch/PC、公式サイト)。1994年にデータイーストがアーケードゲームとして世に出した『フライングパワーディスク』(英題: Windjammers)の続編となる作品だ。
(※編注: ちなみにタイトルロゴでは“フライングパワーディスク2”。Switch版は日本時間1月20日0時配信。それ以外のプラットフォームでは同日午後11時頃を予定で、Game Passにも対応する)

●EVOでトーナメントが行われたこともある『フライングパワーディスク

 『フライングパワーディスク』がどんなゲームだったかというと、ゲームルールは単純。バレーボールのようなコートでフリスビーを投げあい、相手プレイヤーの後方にあるゴールにフリスビーを入れるか、敵に取らせず地面に落とすことができればスコア獲得。で、規定のスコアまで到達すればセット取得といった感じ。

 うーん、大げさに言ってしまえば「フリスビー+バレーボール+ドッジボール+ハンドボール」とでも言えばいいのかな? まぁそんなトコロ。かなり早いテンポで行われるディスクの投擲合戦は当時かなりの話題となり、いまなお愛好家が遊び続けている名作スポーツゲームといったところだ。

●シンプルな操作を的確に使いこなせ

 ゲーム内容は基本的に前作を踏襲しており、今作の操作も、前作のプラットフォームだったネオジオのシステムを踏襲したスティック+4ボタン操作にまとめられている。

 相手が投げたディスクにキャラクターを移動させて接触させれば無事キャッチでき、キャッチ後にレバーを入力しながらボタンを押すとその方向へディスクを投げるといった塩梅。このときエアホッケーのように壁に反射させたり、格闘ゲームのコマンドのように半回転入力をさせてカーブで投げることが可能だ。

 ちなみにキャッチ自体にボタン入力は必要ないのだが、キャッチする直前に対応したボタンを押すと、ディスクを上空にかち上げるトスや、敵陣に落とすドロップショットといったこともできる。

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 さらに操作に慣れてくると、“敵のスローに対してトス上げ後にジャンプして空中からのスローで返す……のを逆に空中でキャッチして投げ返されたり”といった、スピーディーなフライングパワーディスクらしい攻防になってくる。

 まぁ、このあたりになってくると結構難しいのだが、ちゃんとチュートリアルが用意されているので着実に覚えていこう。

 こうして基本操作に慣れてくるとやりがちなのがスライディングの過剰使用だ。勢いよく「ズバッ!」っと滑り込む動きは気持ちがよく、ついついちょっとしたリアクションでも使ってしまいがち。しかし、そこに罠が潜んでいる。

 スライディングを発動するとレバーを入力した方向に一気に移動してしまい、キャラクターが立ち上がって再び移動できるようになるまで若干の硬直時間が生じる。これが絶妙な長さで、少しでも相手のスローイングに対して適してないタイミングや入力方向で発動すると、手が届かず捕球(球ではないが)ミスになって失点なんてことも。

 なので、気持ちいいのはわかるが多様しすぎないように欲望を抑えて操作する必要がある。恐らく脱初心者の壁はココからだろう。

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 そうしてプレイの応酬を続けていくとそれぞれのゲージが溜まっていき、フルチャージ時にボタンの同時押しでゲージを発動して強化版の技を出せるようになる。たとえばディスクのキャッチ前だと少し離れた場所からでも強制的にトス状態にできる“パワートス”になり、キャッチ状態からだと特殊な軌道でディスクが飛ぶパワーディスク攻撃になるといった具合だ。

 なので勝敗の分け目になりそうなシチュエーションでうまく使いたい所なのだが、多少慣れたプレイヤー同士だとゲージの使い所でさらに読みあいが発生するのが面白いところ。相手のパワーディスクをパワートスできっちり返すとか、逆に普通にトスしてからパワーディスクでカウンターするといった選択肢も生まれてくる。

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●ソロでも遊べるが対戦がアツいぜ

 ゲームモードは、ソロで遊ぶアーケードモードとオンライン・オフラインでの対戦モードの2つが搭載されている。

 アーケードモードは、さまざまなコートを転戦しながらチャンピオンを目指すという昔ながらの遊び方が可能だ。まぁもちっとストーリー性があったら嬉しかったな。

 対戦のネットワーク周りはクロスプラットフォームでの対戦が可能で、ネットコードはロールバック方式を採用。なので、相手との通信速度を表すPING(数値が少ないほど快適)が350〜400くらいあってもそこそこ快適に対戦できたりする。まぁたまに描画が変になることはあるけど。

 プレイヤーが使用可能なキャラクターは10人で、いろいろな国から性別を問わず登場。それぞれのプレイヤーは移動速度の早いスピードタイプやディスクを投げる力が強いパワータイプなどの特徴があり、その傾向についてはキャラクターセレクト画面で確認できる。「体のサイズが大きいほどパワー系」、「細いほどスピードタイプ」といった認識で問題ないだろう。

 戦うステージ(コート)は多数あり、サイズやギミックが異なる。そのため、移動速度が遅いキャラクターを使用する場合、広めのステージだとディスクに追いつけないなんてことも。それもひっくるめて戦略として昇華させる感じでプレイするのが吉か。

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 ちなみに、本作で大幅に変化している部分としてはアートスタイルが挙げられるだろう。1作目はネオジオらしい緻密に書かれたドット絵で構成されていたのだが、今作では同じDotEmuが権利を取得して復活作をリリースした『ベアナックル4』と同じく、アニメというかカートゥーンっぽいマットな塗りの2Dスプライトグラフィックへ変化している。

 先に書いたように『フライングパワーディスク』ならではの高速なテンポ感はこのスタイルでもキッチリ表現されているし、そもそもワイド画面をいっぱいに使った設計になっているので、コレはコレでいい感じ。なんだけど、当時のドット絵特有のパキッとした動きが好きな人もいると思うので、ここは好みにもよるかな。

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 実際に遊んでみた感じとしては、かなり楽しいしフレンドとワイワイ遊べるという印象だ。筆者は昔、アーケード版とネオジオ版を地元の友人たちと結構遊んでいたのだけど、当時の記憶がかなり蘇って「あー、またあのメンツで遊びたいな」と若干ノスタルジー。発売されたらみんなを誘ってみようかな。

 シンプルな遊びだけど奥深いゲーム性でとっつきやすいので初心者でも気軽に手を出せるゲームなんじゃなかろうか。あ、個人的にかなり“e-スポーツ”してるタイトルだと思ってますわ。


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著者近況:@Sycomさんで注文したPC(G-Master Hydro Z690/D4)が届いた! ちなみにグラボはGeForce RTX3080、CPUはCore-i9 12900KFに。開封まだだからウズウズしちゃうよ。
編集者近況: ワクチンのブースターを受けたんですが、なかなかヘビーで週末が潰れたザンス

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)