E75M1: 『Halo Infinite』シリーズのコアを活かしつつ、オープンワールドFPSの要素を取り込み大きく進化! キャンペーンモードインプレッション

いよいよ登場するFPS『Halo』シリーズ最新作『Halo Infinite』を紹介。
文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2021-12-06 17:01:00

 ドモー。11月27日にRed Bull 5G 2021でMCをやってきたBRZRKです。やっぱオフラインイベントって最高だなぁとしみじみ感じた次第。このご時世ってこともあってなかなか難しい部分もあったけど、こういう機会が今後も増えると良いなぁなんて。

 今回取り扱うのは筆者が愛してやまないFPS『Halo』シリーズの最新作『Halo Infinite』(Xbox Series X|S/Xbox One/PC、公式サイト)。諸般の事情で発売日が流れに流れてようやく発売にこぎつけたといった感じの本作。果たしてどんな感じに仕上がっているのか見ていきたいと思う。

 物語は『Halo 5: Guardians』の18ヶ月後。敵対勢力のバニッシュト(“追放者”の意味)に敗走したUNSCおよびマスターチーフが再起しようとするところからスタートする。「果たして相棒であったコルタナに何が起きていたのか、バニッシュトを止められるのか? チーフの運命やいかに!?」といった感じだ。まぁぶっちゃけこれより詳細な情報については規制に触れてしまうので実際に自分の目で確かめて欲しいとしか言えないんだけどね。

■オープンワールドFPS的なシステムを採用

 本作はリニアなミッション構造を取り入れたオープンワールドFPSのようなシステムで進行するゲームだ。

 舞台となるゼータヘイロー(でっかい環状惑星)はすでにバニッシュトの制圧下にあり、数多くの前線基地が築かれている。この制圧された前線基地の奪取に成功すると、周辺に避難しているUNSCの部隊や、一帯にいる”ターゲット呼ばれる強敵、マスターチーフのアップグレードに必要な“スパルタンコア”などの詳細な位置情報がマップに表示されるようになる。

 ちなみに、ストーリーの進行に関連した施設は早い段階で位置情報が共有されるので、上記のような拠点を無視してメイン系ミッションの攻略を進めることももちろん可能だ。

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 そしてオープンワールドということなので、攻略方法も比較的自分の好きなように構築することができる。『ランボー』スタイルよろしく突撃一辺倒で暴れてもいいし、遠くから爆発物を運んできて、ひたすら崖上からそれを投げて倒すとか、思い思いのプレイが可能だ。

 ところで、固有の名前付きの強敵であるターゲットを攻略する際も、周辺の地形を考慮しつつ充実した装備で望むといいだろう。名前付きは一兵卒と比べて耐久度が高く、周囲には警護するかのように多数の敵が配置されていて簡単には勝たせてくれないのだ。

 ただ、上手に倒すことが出来れば前線基地で特殊な武器を呼び出せるようになるので積極的に排除しておきたい。

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 制圧した拠点の中には、オープンワールドのゲームではおなじみのファストトラベルが利用可能になったり、ビークルの投入要請を行えたりするものもある。広大な大地を自分の足だけで探索するのもいいけど、時間がかなりかかるのでこうした拠点から乗り物を活用して出撃するのもいいだろう。

  『ファークライ』シリーズのように一度エリアを制圧すると敵が出現しなくなるというわけではないっぽいのだが、それでも「取られたら取り返す!」と強い意志で奪還していくという楽しさはある。恐らく実績の解除とかもありそうだし(※)、やっといて損はないかと。(※編注: レビュー版は実績が無効化されていた)

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■グラップルショット強化で戦場を縦横無尽に駆け抜けろ

 先に触れた“スパルタンコア”は、マップ上の各所にある、マスターチーフをアップグレードするためのアイテムだ。これを集めるとマスターチーフのアーマーをはじめとする装備類を強化することができる。探すのは少々手間ではあるのだが、前線基地を確保できれば一帯のスパルタンコアもマップに表示されるようになるのでこちらもガンガン揃えていきたい。

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 そして、本作の立ち回り上で重要な装備の“グラップルショット”も、スパルタンコアによる強化が可能だ。

 このグラップルショットはオブジェクトに放つとそちらに引き寄せられるのだが、体の向きをうまく調整するとスイングしてより遠くへ移動可能になる。

 グラップルショットの強化では、たとえば再度グラップルショットが使用可能になるまでのクールタイムを短縮することが可能になる。つまり、グラップルショットを立て続けに使用した高速移動や、切り立った斜面をゴリゴリ登っていくということもできるようになるのだ。

 オープンワールドのゲームで行きたいところに手軽に行けないのはかなりストレスだったが、本作はそんなストレスとは無縁と言っていいだろう。ってか、気持ち良い移動ができるので嬉しいぜ。

 ちなみにこのグラップルショットは遠くのアイテムを引き寄せたり、敵に撃ち込むことで敵を少し拘束するといった効果もある。本作はこのグラップルショットを戦闘に織り込むことが攻略の要にもなっているので、ガンガン活用すべき。

■FPSとしての射撃感やHaloシリーズとしての仕上がりもいい感じ

 さてここからは、筆者が実際に遊んでみて、FPSとして根本的な部分やゲーム難度、そして『Halo』シリーズとしての仕上がりなどについてどう感じたかを書いていこうと思う。

 まず、FPSやTPSにおける銃撃戦の重要なファクターである"射撃感"、つまり「銃を撃っていて気持ちがいいか?」について。

 これは過去のシリーズ作品の中で一番気持ちがいいと思う。射撃のボタンを押してから実際に弾丸が発射されるタイミング、発砲音、アニメーションなどが上手に噛み合ったことにより気持ちよさに繋がったのではないだろうか?

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 ゲーム難度は過去作と比較すると結構上がったように思える。なぜそう感じたのかというと、これまでの作品は比較的建物の中での戦闘や障害物が多少配置されたフィールドでの戦闘がほとんどだったが、今作は遮蔽物があまりない場所での戦闘が多いため身を守りにくく、特に今までと同じような突っ込み方をするとダメージを喰らいやすい。

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 拠点に配置されている敵の数も割と多めで、身を守りにくい戦いを強いられるので簡単に倒されてしまう。かくいう筆者も過去作のノリでやっていたら結構頻繁に倒されてしまった。まぁ、その分だけ上手に敵を蹴散らせられれば気持ちいいわけだが。 

 この難度設定については恐らく後々のアップデートで実装予定のオンライン協力プレイで丁度いい塩梅になる感じなのだろう。

 「本作を『HALO』として見るとどうなのか?」という点については、特に違和感を感じることなくプレイすることができた。

 確かに細かいメカニクスが変わっていたり、オープンワールドな感じで過去作と毛色が変わっている部分は多い。しかし、重要なマスターチーフとコルタナの物語を紡ぐという点は変わっておらず『HALO』が持つコアな部分はしっかりとしている。

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 個人的に本作で嬉しかったのは、敵対勢力のバニッシュトに属するブルート(ゴリラみたいな敵)が過去作と比べて倒しやすくなった点だろうか。

 『Halo 2』と『Halo 3』のブルートは妙に硬くて倒すのに時間がかかり、割とストレスに感じることが多かった。で、以降のナンバリングタイトルではブルートが出現しない代わりにプロメシアンと呼ばれる硬いしちょこまかと移動する面倒な敵が登場。ぶっちゃけ凄まじいストレスでダルさの極みといった印象しかなかった。

 だが、本作は比較的短時間で排除することが可能なので、そういったストレスは特に感じずプレイできている。こういったゲームでプレイヤーの爽快感に繋がるTTK(編注:Time To Kill=接敵から倒すまでの時間)が意識された作りになったのではないだろうか。

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 というわけで、『HALO』シリーズのファンとして本作のキャンペーンモードは十分楽しめている。ただ、惜しむらくはさっきも書いたけど発売時に協力プレイが搭載されていないという点だろうか。

 やっぱりフレンドとワイワイしゃべりながらストーリーを攻略していくという楽しみ方ができないのは残念で、早期の実装を強く求めたい。これまでの1本道な作りとは異なりオープンワールドな本作にドンピシャでハマると思うし、ソロとは違うノリで遊べるのが好きなんだよね。あ、あとソロでは難しい最高難度での攻略を仲間と成し遂げたときの達成感とかも味わいたいしね。

 紆余曲折はあったものの、かなり出来が良いと思える本作を是非遊んでみてはどうだろうか?
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著者近況:新しいPCが欲しい。欲しい!

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)