E81M1: 『Trek to Yomi/黄泉への旅路』プレビュー版プレイリポート。モノクロのシネマティックな演出が渋い剣戟アクション!

Devolver Digitalが今春の発売を予定しているアクションゲーム『Trek to Yomi』(黄泉への旅路)のプレビュー版のプレイリポートをお届け。
文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2022-03-19 00:00:00

 ドモー、最近The Prodigyの曲“Invaders Must Die”をヘビロテしているBRZRKです。

 今回紹介するのは、Devolver Digitalが春に発売を予定しているチャンバラアクションゲームの『Trek to Yomi』(PS5/PS4/XSX|S/XB1/PC、公式サイト)。幸いなことにプレビュー版で序盤を遊ばせてもらえたのでその模様をお届け。

Trek to Yomi / 黄泉への旅路

■黒澤映画的なシネマティック演出を重視したモノクロ時代劇アクション

 本作は主人公である侍の大輝(ヒロキ CV.加藤将之)の幼少期からスタートする。ある日、彼が暮らす村は影炎(カゲロウ CV.大塚明夫)率いる賊によって攻め込まれて大きな被害を受けてしまう。

 村を守るために剣術の師匠である三十郎(CV.白熊寛嗣)とともに立ち上がった大輝だったがまだ未熟な彼には荷が重く、かろうじて三十郎が影炎を斬って食い止めたものの、三十郎も無傷では済まず、大輝は師を失ってしまうのであった……と、ここまでがチュートリアルを兼ねたオープニング部分。

Trek to Yomi / 黄泉への旅路

 それから月日が経ち、一端の侍となった大輝と、三十郎の娘である愛子(CV.ブリドカットセーラ恵美)の住む地に再び賊の手が伸びる……といった感じだ。ちなみに海外開発(※)だが日本語フルボイスだ。(※編注: ディレクションはインディーゲーム作家のLeonard Menchiari、メイン開発はリブート版『Shadow Warrior』シリーズのFlying Wild Hog)

Trek to Yomi / 黄泉への旅路

 今回のバージョンではこの賊を退けるも陽動に過ぎなかった事が判明する所で終了するため、なぜ賊がこのタイミングで襲いかかってきたのかを知ることは出来なかった。ただ、トレイラー等を見る限り、影炎は生き延びており再度己の野望のために暴虐の限りを尽くすために現れたといったところだろうか? う〜ん、気になるね。

 このゲームで表現される世界は白黒の時代劇をテーマにした黒澤映画のような雰囲気で、どことなく凄く泥臭いというか砂埃っぽさが感じられる空気感で構成されている。

 プレビュー版を触った感じだと、見せ方はゲームらしさよりもシネマティックな演出寄りに比重を置いている印象。もちろんゲームのプレイフィールを損なわないようなカメラアングルやカメラ割りなど配慮はされているのでそこは安心して欲しい。

Trek to Yomi / 黄泉への旅路

■ゲームシステムは奥行きのある2.5Dサイドスクロールアクション

 システムは2.5Dのサイドスクロールアクション的な構成で、戦闘などは横視点で行われるものの、移動中のパートでは奥に向かうシーンがあったり、プレイヤーの動きに応じて凝ったカメラ演出が自動で入ったりするという感じ。

 たまーに脇道に逸れることで回復やステータス向上効果のあるアイテムが手に入ったりもするので、若干の探索要素もある。思わぬところにアイテムがあったりするのでウロウロしてマップを眺めているだけでも世界観を味わえるのでちょっと楽しい。

Trek to Yomi / 黄泉への旅路
Trek to Yomi / 黄泉への旅路

 ちなみにウロウロしていると、敵の賊が固まって無駄話をしているような場面に出くわすことがある。その頭上には木材が吊り下げられていたりして、別のルートで進むことで縄を切り離して一網打尽にするといったことも可能という寸法だ。多勢に無勢な戦いなので、こういったギミックを駆使して戦うことも攻略のポイントになる。

 では肝心のチャンバラな部分はどうか。こちらは斬撃などのアクションにに応じて気力(スタミナ)が減る今どきのシステムで、プレイヤーはその残量を確認しながら敵を斬り捨てていく感じとなっている。消費した気力は攻撃などを繰り出さなければ回復していくのだが、敵に囲まれた状態だとその猶予すらもらえず斬られまくることも。無駄振りなどは極力控えて立ち回るように心がけることが大事だ。

 道中で大輝が成長していくのに連れて少しずつ繰り出せる技が増えていくため、それをどういうタイミングで活用するかを考えながら戦うような設計になっている。まぁなぜか強敵の手前で覚えるようになってたり、若干ご都合な部分はあったりするけどね。

Trek to Yomi / 黄泉への旅路

■猶予時間が結構長めなパリィを使っていけ!

 で、一番重要なのは敵の攻撃に対してのパリィ(弾き)だろうか。これが上手に決まると敵を少しの間硬直させることができるので、そのスキに覚えたテクを使って反撃するのがゲームに慣れてからの流れ。ちなみにパリィ可能な受付時間は結構長めなので初心者でも困ることはないんじゃないかな?

 そうそう、本作のアクションは文字通り地に足を付けた剣戟となっているためジャンプが存在しない。まぁ冷静に考えて侍がそんな飛んだり跳ねたりしたのかって考えればこうなりますわな。

Trek to Yomi / 黄泉への旅路

■先が気になる内容

 そんな感じの本作なんだけど、個人的に製品版で是非遊んでみたいなと思った。舞台スケールはそこまで大きくないんだけど、その分だけ人との繋がりを最初にプレイヤーに意識させ、そこに訪れる災厄の実感も高まる。それにどうヒロキが立ち向かうのかという王道とも言える勧善懲悪モノとして先が気になるね。
 プレビュー版ではものすごく良いところで切られてしまっているので、これはプレイせねばなぁといった感じだ。
---
著者近況: 花粉が酷い
編集者近況: ウクライナの件で『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発に影響が出てるのはマジでクソ

この記事の個別URL

BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)