E71M1: 『デッドスペース』“石村”リメイクの噂がある今だからこそ! Game Pass版+Modでホラーゲーム史に残る名作を振り返る

石村オリジナル版、いま遊んでも面白いぜ
文:BRZRK 編集:ミル☆吉村

公開日時:2021-07-19 10:30:00

 ドモー、暑い夏こそホラーゲームをガッツリ遊びたいと思っているBRZRKです。

 ちなみに筆者はコーエーテクモの『零 -ZERO-』シリーズの大ファンで、シリーズは全部プレイ済み。2021年にリマスター版が発売予定の『零 〜濡鴉ノ巫女〜』もまた買うつもりなんだけど、今くらいの時期に出てて欲しかったなぁなんて思ったりも。てか、和テイストのホラーゲームに飢えてるんで、新作も出して欲しい。

●リメイク版の噂が本当かウソかはわからんが、ゲーパスで遊んどけ!

 さて、ホラー繋がりってほどじゃないんだけど、今回取り扱うのは『デッドスペース』だ。この作品は海外で2008年にシリーズの1作目として発売され、すでに10年以上もの月日が経過しているちょいと昔のタイトル。

 なぜ今回紹介するかというと、今週23日早朝に行われるEA Play Liveで本作の新作だかリメイク版だかが発表されるのでは……という噂が海外で囁かれているのがひとつめの理由。

 そしてもうひとつは、現在シリーズ作のPC版がまるごとXbox Game Pass(マイクロソフト)やEA Play(エレクトロニック・アーツ)といった定額サービスの対象ソフトになっていて、この名作をかつてなくプレイしやすい状況になっているということが挙げられる。

 というのも本作、海外では非常に評価が高かったものの、人体破壊描写が激しすぎるせいか当時は日本未発売で、かつてはプレイするためにあの手この手を駆使する必要があったんだよね。

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 それがいまはPC英語版とはいえ正規ルートで入手できて、しかも定額でサクッと遊べる。通称“石村”として名前を聞いたり動画を見て知ってる人は多いと思うけど、せっかくならこの機会に遊んでみようというわけだ。なお、Xbox Game Passの細かい内容については、公式サイトを確認してほしい。

●主人公は修理工。何の因果か奇怪なクリーチャーと戦うことに

 『デッドスペース』の舞台となるのは、遭難信号を発したのちに音信不通となった巨大な宇宙採掘船“USG Ishimura”。エンジニアである主人公アイザック・クラークは、その事故調査と復旧のために送り込まれたメンテナンスクルーの一員だ。アイザックはIshimuraに搭乗していた彼女ニコールの身を案じながら現場に到着するのだが、それが地獄の始まりだった。

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 ゲームとしては、『バイオハザード4』に強く影響を受けた肩越し視点のTPSで、臨場感を引き立てるために不必要な画面表示を極力排除したスタイリッシュな画面構成が特徴の意欲作となっている。

 当時としては圧倒的なゴア表現と、映画『イベント・ホライゾン』や『エイリアン2』の影響を感じさせる洋物スペースパニックホラーな内容が話題を呼び大ヒットしたシリーズ作品となっている。

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 ゲームの進め方はシンプルで、敵のクリーチャーを退けながらエリアごとに用意される目標を達成し、宇宙船の中を移動しながら物語の核心へと突き進んでいくといった感じだ。奥に進めば進むほど厄介な敵が出現するので、難度はやや高いと言えるかもしれない。

 ポイントとなるのは、主人公のアイザックが軍事的な訓練を受けた人間ではなく、あくまで工具を使ったり物を修理するのに長けた、作業用のスーツを着ただけのエンジニアであるということ。

 グロテスクに身体が変形した元人間のクリーチャー“ネクロモーフ”たちとの戦いも、初期装備の“プラズマカッター”をはじめとした工具系の武器で四肢などの弱点を切断していくのがメインという、バイオレンスなスペース肉体労働系のユニークな内容だ。

 現代でいうとこの、工事現場で働く人がツナギを着て、ネイルガンとかプレートコンパクターでクリーチャーと生死を賭けた戦いをしているといった感じかな?

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 武器になる装備の種類も豊富で、プラズマカッター以外にも火炎放射器や丸ノコを射出して斬り飛ばすリッパーなど、7種類ある。持ち運び出来る武器は4つまでだから、汎用性の高い武器を2つ、エリアの敵の傾向に合わせた武器を2つみたいな感じで持つといいんじゃないかな。

 また、道中の要所にはショップや作業台などがあり、拾い集めたクレジット(金)とノードと呼ばれるアイテムを消費することで、新たな武器を手に入れたり、所持している武器の性能を向上させられる。

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●いま遊んでも楽しめる。さすがに見劣りするグラフィックはMODを入れるのも手

 いま実際に遊んでみても演出とか手法が古臭いという印象はなく、楽しめる作品ではある。なにより、人がほとんど生存していない廃墟とかした宇宙船の中を淡々と移動している時の緊張感は結構来るものがある。

 狭くないのに変な圧迫感があるんだよねこれ。でも、それがイイ! 道中は道に迷わないようプレイヤーに進むべきルートを示すナビもあるし、パズルも難しくないのでほとんど迷うことなく遊べるはずだ。

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 ただ、やはりグラフィックに関しては"昨今"のゲームと比べてしまうと荒くやや見劣りする。発売当時こそ最先端ではあったが、テクスチャの解像度やライティングなどはちょっと限界を感じざるを得ない。

 そこで自己責任となるもののオススメしておきたいのが、グラフィック改善MODだ。詳しい導入方法についてはクッソ長くなるので割愛させてもらうが、海外のMOD製作者たちが4K用のテクスチャーパックやライティング改善MODをリリースしており、中にはレイトレーシングに対応したものまで存在する。そしてGame Pass版でもMODを入れて動作可能だ。

 なお大手MOD取り扱いサイトであるNexusmodsでも本作のMODは取り扱われている(Dead Space用MODのページ)。こちらはユーザー登録必須だが、ランチャーから手軽にMODを導入できるというメリットがある。Nexusmodsのランチャーなどの詳しい導入方法についてはググると日本語で解説しているサイトがあるので、探してみて欲しい。

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 それでもいろいろ入れていくとそれなりに手間がかかってしまうので、筆者は今回ひとまず、ReShadeと呼ばれる色調補正ツールと有志が公開しているライティングMODを手動で入れてみた。

 そしていざ起動してみたら……最近のゲームと言われても疑問を持たれないくらいには美麗な描画へと変貌したんじゃないかと思う。まぁ論より証拠ということで、動画を見て欲しい。

 といった感じで、チョイとMODを入れれば昨今のゲームにも引けを取らないグラフィックで遊べる本作(有志による日本語化データもあるが、もちろん自己責任で)。寝苦しく暑い夏の夜に洋物ホラーで涼みつつ、噂されるリブートだか新作を心待ちにしてみてはどうだろうか?
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著者近況:DOOG
編集近況: Steam Deck予約した。あと『デッドスペース』の元スタッフたちが集結してる『The Callisto Protocol』の続報が気になりング。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

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