E65M1: 『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

海外スタジオによるホラーゲームシリーズ最新作『Amnesia: Rebirth』を紹介。

公開日時:2020-10-22 20:20:00

 ドモー、季節の変わり目は体調を崩しやすいBRZRKです。というか、気温の寒暖の差が激しくてキツイ。関係ないけどツチノコと喧嘩して負ける夢みましたわ。ギリギリ負けたのがすげぇ悔しい。

 今回紹介するのはスウェーデンのデベロッパーであるFrictional Gamesが発売したばかりの一人称視点ホラーアドベンチャー『Amnesia: Rebirth』(PC/海外PS4、公式サイト)だ。このデベロッパーは処女作『Penumbra: Overture』からホラーアドベンチャーの作品を作り続けていて、本作はその中の『Amnesia』シリーズの3作目となる。

●現在のサバイバルと過去のフラッシュバックが混在する複雑な進行

 では本作について見ていこう。時代設定は1930年代後半、主人公の女性Tasiがアルジェリアからフランスへと帰国するために夫と飛行機に乗っていたところ砂漠へと墜落。

 気を失っていたTasiが目を覚ますと飛行機に同乗していた夫やほかの人の姿はなく、自分だけが取り残された状態に。わずかな痕跡を頼りにほかの人との合流を目指して歩みを進めるが……といった感じの導入となっている。

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV
『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

 ポイントとなるのは、墜落によるショックが原因なのか、主人公の記憶が混濁している節があることだ。というのも、サバイバルのために遺跡のような場所を探索していると、実は単に事故で偶然たどり着いたのではなく過去に来たことがあるらしく、その記憶がフラッシュバックして蘇ってくる事がある。その内容は不思議なものが多いのだが、現在の様子とフラッシュバックでのそれが結構違っているのも気になる所だ。

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV
『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

 それだけではない、謎テクノロジーにより異次元空間へと出入りできるコンパスというか腕時計みたいなデバイスを駆使することで、人類とは異なる文明の世界に訪れることも。若干この辺の部分はプレイしていて唐突感があるものの、まぁそこはプレイしていると少しずつ……ね。

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

●暗闇を恐れつつ、謎のクリーチャーから隠れて進む。探索&謎解き&スニーキングのサバイバル

 というわけで、物語の全体像を理解するためには色々なところを探索し、細かい情報のパズルを組み合わせなければならない。そのためにあっちこっちウロウロしなければならないのだけど、これがちっと大変。

 なぜかと言うと、Tasiは暗闇に対して異常なほどに恐怖を感じる人で、これを回避するには陽の当たる場所に行くか、道中で拾うマッチでロウソクに灯りをつけたりして、明るい場所をつくらなければならない。そうしないとTasiの精神は徐々に汚染されてしまい、ひどい目にあうからだ。

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

 また、謎のクリーチャーが度々Tasiの前に現れ、しつこく追い回してくる。スニーキングすることで多少は気付かれないように立ち回ることができるんだけど、見つかると逃げ切るのは至難の業。戦闘して倒すことはできないので、個人的にこの部分は『Alien: Isolation』のゼノモーフとの追いかけっこに近い印象だなという感じ。まぁ、クリーチャーに捕まっても正直リスクはあんまないので、僕はアグレッシブに行動しまくってますがね!

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

 パズル要素についても見ていこう。よくあるのは、周囲にある壁画や落書きなどからヒントを得て、それをもとに仕掛けを解いていくといったタイプの謎解きだ。これらの難度はわりと簡単で、ヒントを見つけてしまえばサクサクと突破することが可能。まぁ落ち着いて周りをよく見ていれば「あぁ、そういう事か!」と気づきやすい作りにはなっているので、パズルが苦手な人でも大丈夫なはず。

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

 また、“特定のギミックを動かすためのアイテムを集めてこなければならない”といったよくある手法もあるけど、本作は基本的に一本道で限られたエリアごとに進んでいくゲームなので迷子になることなく、比較的容易にアイテムを見つけ出せる。サクサク遊びたいという人には丁度いい感じの塩梅といえるんじゃないかな?

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

●現状では日本語非対応。旧作同様に日本語MOD待ちもアリか?

 そんな感じの本作なんだけど、残念なことに現段階で本作には日本語が実装されていない。なので、マップ上に落ちているメモやノートといったテキストベースの情報を理解するにはそれなりの英語力が必要になってしまう。テキスト量もそこそこあるから英語が苦手な人にはちょっとツライかもなぁと思う。

『Amnesia: Rebirth』闇とクリーチャーを避けつつ探索し、謎を解いていく3DホラーパズルADV

 そうなるとキャラクターに感情移入することも難しくなるわけで、「パズル要素とクリーチャーとの攻防は楽しめるけど内容ワカラン」てことになり、ストーリーも結構深くて面白いからもったないなぁといったとこ。「英語が苦手だけど楽しみたい」という人は公式が実装してくれる可能性に期待するか(※)、有志が非公式パッチを作るのを待つほうがいいだろう。(※編注:PR関係者に確認したところ、本作のSteam等のストアでのソフト紹介は日本語になっているものの、ゲーム本編の日本語対応予定があるわけではないようだ。また過去の経緯からも、同スタジオの作品は基本的にほぼヨーロッパ系言語にしかローカライズされていない)

 逆に多少の英語はOKでホラーアドベンチャーのファンなら、なぜTasiが異常なほどに暗闇を怖がったり、記憶の齟齬が生じているのか、謎の文明などの部分も含めて十二分に楽しめるのではないだろうか。
---
著者近況:おでんのタマゴ食いてぇな

この記事の個別URL

BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)