E7M2: 2014年にあえて振り返る、初代『Quake』のマルチとMOD

公開日時:2014-02-10 00:00:00

 ドモー、BRZRKです。今回は前回の続きであるQUAKE1のマルチについてチョイと書こうかと。というか、正直思い入れが強すぎるし思い出補正が凄いのでどうしたもんかと悩んでいるのだけど、まぁツラツラと書いてみようと思う。


 QUAKE1のオンライン対戦を一言で言い表すとHARDCOREが最も相応しいと思う。

 その理由のひとつとして上げられるのがゲームスピードだろうか。今現在発売されている大多数のFPSはマルチプラットフォームで作成されている。そのため、ゲームシステム的に“コントローラーで操作した場合でもできるだけストレスを感じず操作できる”ようにゲームスピードは抑えられている。

 別に家庭用ゲーム機のFPSを貶める訳ではないが、昔PCで発売されていたFPSは“マウス+キーボード”という、コントローラーではとうてい不可能な制御を可能とする方式で操作することを前提としており、ハイスピードで行われるゲームでも(慣れは必要だが)遊ぶことができた。

 ちなみに、どれくらい早いかと言うとゲームシステムの違いはあるが『HALO』シリーズや『Call of Duty』シリーズと比較すると、体感で2倍か3倍くらいQUAKE1は早いといった感じだろうか。DOOM2とかだともっと早いかもしれない。参考までにBOTとの撃ち合いを録画したので、実際に見て頂ければと思う。

 見て貰えれば分かると思うけど、QUAKE1の対戦は力強くハンマーで殴りつけたようなマルチプレイになっている。
 マップ上を走り回るキャラクターのモーションも、使用する武器の火力に合わせて数パターン用意されていたり。例えば、ショットガンなんかはあんまりノックバックしないんだけど、ロケットランチャーを撃つときは反動で後方にノックバックする。こういった細かいモーションがゲームとしての迫力を倍増させ、ガツンと強い印象を与えるエッセンスになる。大げさな表現だけど、割とこれって重要なんですわ。

▲これは反動の少ない武器のモーション

▲こっちは反動の大きな武器のモーション

▲斧を振り下ろすモーションは4パターンある


とまぁ、こんなQUAKE1なんですが、実はネットワーク関係が最初は酷い出来だったんですよ。で、解決策としてid softwareはオンラインに最適化したオンライン専用のクライアントであるQuakeWorldをリリースする。
 これにより、最初からあったクライアントはQuakeworldに対してNetQuakeと呼ばれるようになったんだけど、QuakeWorld派とNetQuake派で遊ぶ人が分かれてしまう結果に。このへんはプレイフィールがかなり異なっていたため、合う合わないが出てしまった感じ。

 で、Quakeのオンライン対戦が盛り上がるきっかけの1つと言っても過言ではないのがMODの存在。MODとは、Modificationのことで、ゲーム本来の遊びとは異なる遊び方が可能となる改造プログラムみたいな物。中でも特に衝撃的だったのが『ROCKET ARENA』、『TeamFortress』、『Threewave CTF』、『PainKeep』。

・ROCKET ARENA このMOD専用のマップを使用した1対1で戦うゲーム。フル装備の状態からスタートし、相手を撃破するのが目的。撃破した場合はマップ上に残り次の対戦相手との勝負に望み、撃破された場合は観戦席へとワープさせられ、順番が回ってくるまで待つことになる。このMODを遊んでいたときは、ぶっ続けで7時間とか遊んでたなぁ。

・Threewave CTF 2チームに分かれて旗を取り合うルールのMOD。記憶違いでなければ、FPSでCTF(Capture The Flag)というルールが確立されたのはこのMODが最初。固定可能なフックを使用することで、高所に飛び乗ったりできたため、移動技術が洗練されていった。

■参考動画

・TeamFortress クラス制を初めて導入したCTFで、Valveから出ている『Team Fortress2』の大本を遡ると出てくるのがコレ。クラスごとのユニークな攻撃方法が話題を呼び、またたくまに大人気MODへと成長。今やっても凄く面白い。

■参考動画

・PainKeep 改造武器を大量にぶちこんだメチャクチャなMOD。体力回復可能な豆の缶詰を取ればオナラするわ、獣を捕らえるためのベアトラップを設置したり、周辺の敵味方を問わず吸い込んで圧殺するGravityWellなど、凄いの一言。Quake3版もあったりする。

■参考動画


 実は、今回の記事を執筆するにあたり、昔遊んでいたQUAKE1のMODを記憶の底から掘り出して探してみたのだが、中には現行のOSでは何故か動かないMODが多数あり、さらにMOD自体のページがとっくに消滅し、ファイルをミラーしている人すら皆無で探し出せないMODも多かった。

 そのため、割とメジャーなMODを紹介するに留めたのだが、本当は、生首をボールに見立てたMODの「QUAKE SOCCER」で、キャンペーンモード中に敵として出現するモンスターが審判をやっていて、攻撃を加えると暴れだしてプレイヤーを虐殺するシーンとか、色々な映像を用意したかった……。

 新しいOSにゲーム側が対応してもMODが動かなかったり、MODのプロジェクトのサイトが消滅していたりと、思い出の一端を担った遊びが失われているのを見ると切ないなぁ。
 ちなみにQUAKE1のMODは全盛期と比べれば数は減ったが、今でも新しいMODの制作は続けられており、まだまだQUAKE1は死なずといった一面もある。


 さて当時、もちろんMODを用いないで普通に対戦する人も多く居たんだけど、そういったプレイヤーは徐々に個人戦から1on1やチーム戦に興味を持ち、のちにクラン戦へと発展していく……と、ここからがまた長いので、続きはまた次回ということで。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

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