E53M1: 『Hell Let Loose』命は安いが今日も今日とて匍匐前進。第2次世界大戦テーマの50対50の大規模戦FPS

今回はWW2ネタFPSを紹介。

公開日時:2019-07-09 08:47:00

 ドモー、そろそろPCの新調をしたいなと考えているんだけど金かかるので躊躇しているBRZRKです。つか、グラボ高すぎ。

 さて、第二次世界大戦を題材にしたゲームは古くから多く存在し、ストラテジーゲームから多人数参加可能オンラインゲームまで、数多くの作品がリリースされてきた(ボードゲームになると数が多くて追いきれないので割愛)。

 筆者もこれまで多くの第二次世界大戦を題材にしたゲームを遊んできたのだけど、中でも超リアル思考でユニークだったのが、日本ではまったく馴染みのない『World War II Online』(以下、WWIIOL)。

 このWWIIOLは第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を連合国と枢軸国の2手に分かれて戦うMMOFPSで、マップサイズは現実世界における実寸の2分の1のサイズとなっている。

※古いエンジンのままなので見た目は少々アレだけど、開発側は試験的にUnrealEngine4の導入も試してるらしいのでそのうち見栄えがよくなるかも……。

 プレイヤーは単に戦場に放り出されるのではなく、それぞれの陣営でコミュニティを形成してプレイするようになっていて、作戦本部から作戦指示を下す命令系統まで整備されている。

 つまり大規模作戦ともなれば、本部のプレイヤーたちから「デュッセルドルフを攻撃するので日本人旅団は近隣の町へ陽動として攻め込んでほしい」といった指示が飛んでくる、本格的なゲームなのだ。前線の街へと補給するために40分かけて戦車を後方の街から運んできたのに、たまたま通りかかった敵爆撃機(Blen)に戦車の車列が殲滅されて不貞寝したのはいい思い出ですわ。

 ちなみに勝敗の決着は前線が連合か枢軸どちらかに押し込まれすぎると運営がリセットし、1シーズン終了という感じだったかな? 膠着すると月単位で戦線が膠着することもあるんだけど、早いときは2週間足らずでシーズンが終了してしまうことも。

 なおアクション製は皆無で、どちらかというとシミュレーターに近い。演出というのもほぼないので、マイケル・ベイ的なドッカンバッカンした雰囲気もなく、死ぬときは人知れず死んでる、命が軽いゲームでしたわ。

 でもそんな中で、3~4km先を爆走するイギリスのVickers Mk VI戦車を山の上から8.8cm Flak高射砲でブチ抜いたときと、ドイツ軍によるイギリス本土上陸作戦を成功させたときは滅茶苦茶テンションがあがったなぁ。

100人で戦う大規模戦FPS『HELL LET LOOSE

 さて、導入部がやたら長くなってしまったのでサクッと本題へと入ろう。今回取り扱うのは現在Steamで早期アクセスが行われている『Hell Let Loose』(公式サイトSteam)だ。もちろん本作もまた、第2次世界大戦をテーマにしたFPSである。

 どういったゲームかというと、史実や衛星画像を基に作り上げられたマップを舞台に、枢軸国側と連合国側に分かれて50対50の合計100人で戦うマルチプレイ専用タイトルとなっている。

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 プレイヤーは歩兵部隊、戦車隊、偵察部隊、指揮官といった部隊にロール(役職)ごとに配属され、少しずつ敵の拠点を攻め落としながら敵を排除するのが目的だ。

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 このゲームで特徴とも言えるのが、プレイヤーのロールを軸にした分隊で戦っていくシステムだ。戦闘に参加する場合、プレイヤーは必ず上に名を挙げたような分隊に参加しなければならず、いわゆるローンウルフ(一匹狼戦術)は不可能となっている。

 これはチームとしての行動を強く意識させるための制限となっており、正直シャイな日本人にとっては凄くハードルが高い。でも、同じ分隊のプレイヤーと行動していると、言葉はなくともお互いを支え合えたり、不思議な連帯感が生まれてくることもある。

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 ただ、このゲームは命が非常に安く、敵の銃撃により被弾すると高確率で即死してしまう。なので、映画でよく見る「振り向いたら隣りに居た相棒が死んでいた」というのが誇張なしに頻発するし、「ここは前線よりも後方だから……」と安心していたら、迫撃砲による攻撃で眼の前の10人くらいがミンチになるなんてこともザラ。いやー、恐ろしい!

 迫撃砲と言えば、筆者は前線で匍匐前進していた際、味方が一瞬立ち上がったせいで部隊の居場所が敵にバレ、迫撃砲をひたすら撃ち込まれて泣きそうになったりもした。仲間が次々減っていくし、グレネードまで投げ込まれてくるわで文字通り生き地獄。ゲームで良かったわ……。

 そうそう、ゲームの設定で味方の識別可能な距離(要は範囲内だと味方プレイヤーの上に名前とかがでるやつ)を調整できるんだけど、これは設定可能な最大値にしておいたほうがいいだろう。

 というのも、初期設定だと数十メートル先までしか認識できないため、遠くで動いているのが敵なのか味方なのか判断がつかず、とりあえず撃ってみたら味方を射殺なんてことがしばしば起こる。

 誤射は参加プレイヤーによっては凄く文句を言われることもあるので、本作を遊ぶ人はとりあえずこの設定はいじると吉。まぁ、雰囲気を重視したいのであれば、あえてマーカーを出さないのもアリっちゃアリだけどね。

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 分隊や部隊での行動を強く意識しないと遊べないために最初のハードルが日本人にとっては非常に高く、かつ“すぐ死ぬゲー”なので、昨今のなかなか死なないFPSなどに慣れているとギャップに悩まされるかもしれない。

 でも、ハードコアな第二次世界大戦ゲームを遊びたいと思っている人なら恐らくハマれるのではないだろうか。

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海外ドラマの『バンド・オブ・ブラザーズ』などが好きな人は一度触ってみてはどうだろう?

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著者近況:PC版の『Halo: The Master Chief Collection』楽しみだけど、Steamだと日本語サポートなしなのがチョイと怪しい……。

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BRZRK
週刊ファミ通やファミ通Xboxに“スオミ松崎”名義で執筆していたFPS歴15年のフリーライター。現在は他媒体でも使用しているBRZRK(バーサーク)名義に変更し、執筆活動のほかにゲーム大会の実況・解説やインターネット番組に出演したりしなかったり。まぁ、そんな感じでイロイロやってます!

BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)