ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション

“ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション”は、ニコニコ動画で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス3”の参加作品の中から、ゲームフェス運営が選んだゲームを毎週紹介していくコーナー。

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大賞『イライラカメラ』&『アクションモグラ』5冠! “ニコニコ自作ゲームフェス3”受賞作発表 【ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション 最終回】

2014-04-09 17:00:00

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“ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション”最終回は、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス3”の各賞受賞作品をピックアップ。授賞作発表生放送番組の模様と合わせて紹介していくぞ。

●応募総数299作品!クオリティの高い自作ゲームが揃った第3回受賞作を発表

ニコニコ動画にて、ゲームを作る人、二次創作をする人をつなぎ、自作ゲームがもっと多くの人にプレイされるようになるべく開催された、自作ゲームのお祭り“ニコニコ自作ゲームフェス3”。

応募作品から選ばれた優秀作を表彰する“ニコニコ自作ゲームフェス3”の受賞作発表番組が、4月5日、ニコニコ生放送にて行われた。

今回、応募された自作ゲームはなんと299作品。ここから賞金30万円がもらえる“大賞”や、ゲームメーカーによるリリースが約束された“最優秀 Cygames賞”といった協賛賞が、厳正な審査の元決定された。

みごと“ニコニコ自作ゲームフェス3”で大賞を受賞したのは、スマートフォンのカメラを使ってスリル満点の迷路脱出ゲームを楽しめる『イライラカメラ』!

【イライラカメラ】 カメラを使うイライラ棒っぽいゲームを作ってみた

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▲子どもの頃、授業中ノートに迷路を落書きしたことがある人も多いはず。そんな迷路が脱出ゲームに変身!

▲受賞作発表後に行われたゲーム実況コーナーで、『イライラカメラ』を実際にプレイ。思わぬ難易度に、会場もコメントも大いに盛り上がっていた。

赤い色で描かれた迷路に、スマートフォンのカメラをかざすだけで脱出ゲームをプレイ可能。スマートフォンの画面に自機(丸)が表示されるので、赤いフチにぶつからないように迷路を抜けていこう。

迷路は紙に手書きしてもいいし、パソコン画面に映した画像や動画でもOK。作者のryotaLED氏による迷路動画も用意されているぞ。

●協賛賞では『アクションモグラ』が5冠受賞!

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▲攻めてくる敵は星、攻撃ユニットは宝石がモチーフになった『スターダスト・ディフェンス -Stardust Defense-』。効果音も世界観にマッチし、美しい作品に仕上がった。

▲ハンバーガーを崇めるハン神父が、とんでもないトラブルに巻き込まれるRPG『ハンバーガー大戦争』。バカバカしくおもしろいシナリオは必読だ。

ここからは、各協賛賞の受賞作を紹介していこう。

“IGDA日本賞”にはタワーディフェンスゲームに星座と宝石をちりばめ美しくブラッシュアップした、マサムネ氏の『スターダスト・ディフェンス -Stardust Defense-』、“ねとらぼ賞”にはRPGながら不条理コメディとしてゲラゲラ笑える『ハンバーガー大戦争』(うるふ氏)が選ばれた。

なお、“ゲームマーケット賞”は今回も受賞なしという残念な結果に。同努力賞として『紙とペンとサイコロだけで遊べるゲーム』(いい大人達氏)、同アイデア賞として『告白ゲーム・恋する魔法』(アンディーメンテ)が選出されている。

スターダスト・ディフェンス -Stardust Defense-

【クソゲー】ハンバーガー紹介映像

【ニコニコ自作ゲームフェス3】紙とペンとサイコロだけで遊べるゲーム

【ニコニコ自作ゲームフェス3】告白ゲーム・恋する魔法

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▲『積層グレイブローバー』では、潜るごとに遺跡は姿を変える。スキルを有効活用し、お宝を見つけ出そう。

▲味のあるグラフィックと音楽がたまらない『ザ・DOJO』。ネタゲーかと思いきや、難易度高めな歯ごたえ抜群のアクションゲームなのだ。

“窓の杜賞”はダンジョン探索RPG『積層グレイブローバー』(カナヲ氏)。“墓荒らし”になり、毎回様相が変わる遺跡を探索。お宝を見つけ出し高値で売り飛ばすのが目的だ。選者である株式会社Impress Watch 窓の杜編集長・中村友次郎氏によると、「シナリオ面も非常に凝っていて、ちょっとした仕掛けもされている」そう。

“OPTPiX SpriteStudio賞”の『ザ・DOJO』(ピヨシ氏)は8ビット感あふれる2Dアクションゲーム。ファミコン時代というよりはビデオゲーム黎明期を彷彿とさせるグラフィックと、高いゲーム性がうまく融合している。

“HSPTV!賞”は、効果音アクションが最高に楽しい3Dカーレース『ロック・トゥ・ロック3』(Izumi Creators Meeting)。1ボタンで簡単にドリフトができる、ユーザーに優しい設定が魅力だ。

“コンプティーク賞”は、先週このコーナーで紹介した『Colors/Forest』(Home Security Company)。壮大な時間軸の物語を、たくさんの小さなエピソードで描いた青春SFノベルなのだ。

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▲まさかの1ボタンで、超簡単にドリフトが可能! ドリフトキングもビックリの3Dカーレース『ロック・トゥ・ロック3』。

▲“コンプティーク賞”を受賞した『Colors/Forest』は、少年少女の成長を描いた物語。ユニークなキャラクターや、美しい背景・音楽も見どころだ。

【ニコニコ自作ゲームフェス3】積層グレイブローバー

【ニコニコ自作ゲームフェス3】ザ・DOJO

【ニコニコ自作ゲームフェス3】ロック・トゥ・ロック3

【HSC】Colors/Forest OP【フリーゲーム】

そして、メーカーによるリリースが約束された“最優秀 Cygames賞”を始め、“Multimedia Fusion 2賞”、“Xbox Live インディーズ ゲーム賞 大賞”、“フリーゲーム夢現賞”と5つの賞を受賞したのが『アクションモグラ』(クロボン氏)。

作りこまれた高いレベルのアクションゲームであるだけでなく、主人公であるモグラ・たろうの味のあるキャラクターが絶妙。ニコニコ生放送での配信でも、「イケモグラだなwww」「かっこいい」等、絶賛のコメントが寄せられていたぞ。

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▲ゲーム実況コーナーでプレイされた『アクションモグラ』。そのおもしろさにプレーヤーが夢中になってしまい、予定時間を超えてもプレイを続けていた。

▲モグラの独特な言葉遣いとマッチョな戦いぶりに、生放送の視聴者は大ウケ。「このもぐらかっけええ」など、絶賛のコメントが寄せられた。

【ニコニコ自作ゲームフェス3】アクションモグラ

●浪人生がヒロインのノベルゲームやミミックになれるRPGも受賞!

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▲和歌山大学で活動するゲーム制作団体が作製した『オトノハコニワ』。幻想的な雰囲気の音楽ゲームだ。

▲『とつげき!ダンジョン』は長時間放置すると大量の資源が手に入る。しかしハイスコアを狙うと、途端に放置不可の高難易度やりこみゲームに変化するぞ。

“CRI・ミドルウェア賞”は3D音楽アクションゲーム『オトノハコニワ』(CGP所属チーム「YGP」)。森のような、神殿のようなエリアで点と点をつなぐと、草や花などが創造され音楽を奏でるようになるという、ちょっと不思議な世界観を持っている。

“株式会社セガ R&D1賞”は、この連載第6回で紹介した『とつげき!ダンジョン』(なじこれ氏)。画面が上下に2分割されており、上ではオート戦闘が行われ、プレイヤーは下画面で箱庭型の島の資源開発を行えるというユニークなゲームだ。

“ノベルスフィア賞”は、超水道によるデジタルノベル『佐倉ユウナの上京・完結編』。大学2年生の主人公と、主人公のいる大学に入りたいと上京してきた浪人生ヒロインの、春夏秋冬の物語がついに完結。前作の敢闘賞から、今回はみごとランクアップしての受賞となった。

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▲『佐倉ユウナの上京・完結編』は、青春がテーマの甘酸っぱいノベルゲーム。ゲームフェス3投稿動画が異常に凝っていることでも有名(!?)。

▲すごろく型RPG『すごろくプリンセス!』のマップでは、出たサイコロの目未満でも止まれる。ただし、120日以内にゴールしなければいけないという縛りがあるのだ。

“週刊ファミ通賞”は、すごろく型RPG『すごろくプリンセス!』(ペレス氏)。すごろく状のマップをサイコロを振って進み、お金やカードを入手してボスを倒せ! って、実はボスって普通はヒロインなあの人!?という、ベタなギャグ満載のおもしろゲームなのだ。

我らが“ファミ通.com賞”で選出されたのは、まさかのあのモンスターが主役なRPG『ミミクリーマン』(野良雲一砂氏)。プレイヤーはミミックとなり、自分の中にアイテムを設置。出現した敵が好きなアイテムでなければ寄ってこないので、敵の好みを読みながらさまざまなアイテムを設置していこう。敵が寄って来ればこちらのもの、一撃必殺で倒せばさらにアイテムが入手できるぞ。

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▲わらしべ長者的な物々交換が楽しい『ミミクリーマン』。手に入れたアイテム同士を合成することもできる。最終的には勇者を倒したい!

【ニコニコ自作ゲームフェス3】 オトノハコニワ 【紹介動画】

【ニコニコ自作ゲームフェス3】とつげき!ダンジョン

【ニコニコ自作ゲームフェス3】佐倉ユウナの上京・完結編 はじめに

【ニコニコ自作ゲームフェス3】すごろくプリンセス!【紹介動画】

【ニコニコ自作ゲームフェス3】ミミクリーマン

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▲文字だけのごくごくシンプルなノベルゲーム『INDUSTRIAL REVOLUTION,stand by me』。最後まで読み進むと、絶妙なタイトルに思わず納得なのだ。

▲『エターナルメモリー』はゲームシステムが充実。キャラクターの育成やアイテムコレクションといった要素もあり、長く遊べるRPGだ。

“ふりーむ!賞”は文字だけのシンプルなサウンドノベル『INDUSTRIAL REVOLUTION,stand by me』(ムノニアJ氏)。工場長のおじさんが主人公なのだが、読み始めから予想もつかない方向へ展開し、さらにはもっと予想がつかない方向へ……。イラストや音楽はないのになぜか惹きつけられ、グッと来る魅力を持つ物語だ。ゲームシステムを活用し、文章の“間”を生み出す工夫もナイス。

“ベクター賞”は、本格的にシステムを作りこんだRPG『エターナルメモリー』(ちょこれーと氏)。ギリシャ神話をモチーフに、豊富なスキルや装備を備えたやりこみ型ファンタジーRPGだ。オリジナルのキャラクターが戦闘中もしゃべりまくり、かわいい女の子も登場するぞ。

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▲ゲーム実況コーナーで、ガッチマン氏がプレイした『月光妖怪』。プレイ中にも手描きのイラストが登場し、「かわいい!」と感動していた。

▲ルールが分かりやすく子どもでも遊べる『運べ!荷物!』。距離を稼ごうとすると、もはや荷物が無意味になるゲームルールが笑いを誘うぞ。

“Magino Drive賞”は、ホラーゲームの『月光妖怪』(tachi氏)。ホラーといってもホラーを仕掛ける側になるゲームで、本編は少女編と少年編に分かれている。少女編は訳が分からないうちに終わってしまうが、それで大丈夫。少年編に進み、モリモリと少女を驚かせていこう!

“Unity スタークリエイター賞”は、シュールな笑いがこぼれる2Dアクションゲーム『運べ!荷物!』(_South氏)。トラックと荷車に荷物を満載して出発し、どれだけ遠くまでたどり着けるかを競う。すぐに遊べて何度もトライしたくなる、味のあるグラフィックが特徴だ。

選者であるユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社・大前広樹氏は、「荷物をこぼさないように遊ぶのかと思いきや、『荷物関係ねーじゃん!!』っていうゲーム。これはもう横スクロールを使った漫才ですね!(笑)」とお気に入りの様子だった。

【ニコニコ自作ゲームフェス3参加】"INDUSTRIAL REVOLUTION,stand by me"

【ニコニコ自作ゲームフェス3】エターナルメモリー

【ニコニコ自作ゲームフェス3】 月光妖怪 【逆ホラーゲーム】

【自作ゲーム】運べ!荷物!

●受賞作発表後はゲーム実況! ゲームフェス4もあるらしい?

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▲ゲストとして登場した、ユニティ大前氏(左)と窓の杜中村氏(右)。ゲームが好きすぎてついつい語りすぎる場面もしょっちゅう。

大賞と各協賛賞に加え、惜しくも大賞には至らなかった敢闘賞なども発表された、受賞作発表番組。番組には協賛賞の選者である、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社・大前広樹氏(写真左)、株式会社Impress Watch 窓の杜編集長・中村友次郎氏(写真右)がゲストとして登場していた。

「新しいアイデアのゲームより、既存のアイデアでクオリティを高めた作品が多いように感じた。いい傾向だが、もっとはじけたゲームがあってもいい」と言う大前氏は、受賞作以外にも、囲碁、将棋、チェス、リバーシの4つのボードゲームが合体した『ちぇりしょい』、味方にクリティカルなパスを通すサッカーゲーム『Chance Maker』、ネコを崖から遠くまで飛ばす『がけネコ!』も気になったとのこと。

中村氏は「良い作品が多く受賞作を1本に絞るのが難しかったが、他にもたくさん賞があるので良いゲームが埋もれにくい。安心して選べた」と、ニコニコと語っていた。受賞作以外で印象が強かったのは、“Cygames賞”“Xbox Live インディーズ ゲーム賞 優秀賞”をW受賞した『ベンゼン誘導体コレクション』作者・faulte氏によるパズルゲーム『ハノイの塔(物理)』、現在ブレイク中のVR用ヘッドマウントディスプレイ・OculusRiftにいち早く対応したTPSロボットアクション『OculusSky』、魔法を組み合わせて新しい魔法を作れる魔女っ子横スクロールアクション『まじょりんぱ!』など。他にも気になった作品は、ソフトウェア紹介サイト窓の杜でどんどん記事にしていくとのこと。

その後、受賞作品の魅力を実際に遊んで体験してみようと、「ゲーム実況」コーナーが行われた。

登場したのはニコニコ動画にゲーム実況動画をよく投稿している、タイチョー氏、オッサン氏、マッツァン氏の「いい大人達」メンバー3人と、茸(たけ)氏、ガッチマン氏。ニコニコ生放送で視聴者のコメントとかけあいながら、楽しそうに自作ゲームをプレイしていた。

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▲『ザ・DOJO』をプレイする、「いい大人達」
のタイチョー氏(左)、オッサン氏(中央)、マッツァン氏(右)。15匹のイカ星人を倒すステージで苦戦していたぞ。

▲“敢闘賞”受賞の『スーパーピチピチガール ヒコ美』を、かわいい女のコが出てくると期待してプレイした茸氏(左)とガッチマン氏(右)。ヒコ美の正体を見て、爆笑が止まらなくなっていた。

“ニコニコ自作ゲームフェス3”で受賞した作品の中から数作品が選出され、4月26・27日に千葉県の幕張メッセで開催される“ニコニコ超会議3”でもプレイ可能! すべて無料のゲームなので自宅でもプレイできるが、超会議の会場で友達とわいわいプレイするのも楽しいぞ。

なお、時期は未定だが、“ニコニコ自作ゲームフェス4”も開催予定とのことだ。

ニコニコ自作ゲームフェス3とは

“ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。3回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス3”は、2013年12月13日(金)から2014年3月2日(日)の間で作品募集を行ない、4月5日に受賞者が発表された。受賞作は4月26・27日に“ニコニコ超会議”の会場にて展示を行う予定だ。

“ニコニコ自作ゲームフェス”の詳細はこちらでチェック!

ライター:市川美穂