ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション

“ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション”は、ニコニコ動画で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス3”の参加作品の中から、ゲームフェス運営が選んだゲームを毎週紹介していくコーナー。

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襲い来るゾンビ!突然割れるガラス!メニュー表示中も敵が襲ってくるリアルタイム・アクションホラー『灰色の嘘』 【ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション 第12回】

2014-03-19 17:00:00

『灰色の嘘』
【著作権者】すーさん’ず 氏
【対応環境】Windows7で動作確認済み
【ソフト種別】 フリーソフト
【作者のページ】 suusanzu.web.fc2.com/haiiro/

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“ニコニコ自作ゲームフェス3 セレクション”は、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス3”の参加作品の中から、ゲームフェス運営がピックアップしたゲームを毎週紹介していくコーナー。今回は奇妙なシナリオが印象的な謎解きアクションホラー『灰色の嘘』を紹介していくぞ。

●「怖さ」が絶妙で印象に残るリアルタイムアクションホラー

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▲序盤はノベルゲーム風に進行するが、基本的には見下ろし形の2Dアクションゲームのスタイル。敵は気持ちの悪いゾンビで、なかには動きの速いタイプも。

「印象に残るゲーム」。『灰色の嘘』を一言で表すなら、この表現がぴったりくる。

ホラーゲームなのだが、メニュー画面表示中にも敵が襲ってくるリアルタイムアクションを導入し、アクション要素が強め。かといってシナリオが弱いかといえばその逆で、繊細につなぎ合わせたエピソードがものを言うまさかの結末まで骨太に読ませてくれる。「クラゲ金融」や明るくかわいい(ややウザい)女の子といった遊び的な要素も登場し、息抜きもちゃんと用意されている。

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▲とある一室に置かれているテレビ。そこで流れるCMがクラゲ金融のものだ。明るく楽しく借金をオススメしてくる。

▲テレビの隣に置かれた紫の電話が、クラゲ金融直通テレホン。ノー審査で簡単に借金できる。コインさえあればハンドガンを強化したり、回復薬を買ったりと快適にゲームを進められるが……。

そして、このゲームで最も印象的なのは「怖さ」「気持ち悪さ」だろう。お化け屋敷のようにタイミングや雰囲気で驚かせる部分も多いが、その積み重ねが絶妙なのだ。設定やゲームスタートの効果音で使われるゾンビのうなり声がなにより気持ち悪いし、プレイ中に絶妙のタイミングで起こる“現象”にはイラッとまではしないものの、どうにもイヤーな気分が残る。

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▲難易度選択やセーブ画面で流れる効果音、うっかり大音量で聞くとドキッとしてしまう。作者はなぜこの音を選んだのだろう。

より気分がジメッとするのは、“とあるモノ”を踏んだ時。踏みたくて踏んでいるわけではないのに、「ベチャッ!」というリアルな効果音がどうにもイヤーな気持ちになるのだ。

という、ホラーゲームとしても絶妙のバランスを持った、リアルタイムアクションゲームがこの『灰色の嘘』。さっそく、ストーリーやゲームシステムを紹介していこう。

●リアルすぎる体感ゲームを遊んだら変な世界に?

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▲1学期が終わり、明日から夏休みだ!という最高の日。主人公は悪友2人とゲームセンターへ行くことに。

▲やたらとリアルな質感の世界で目覚めた。さっそく建物内を探検してみよう。

主人公はどこにでもいそうな、元気な中学3年生。カズキ、タカヒロといった悪友と一緒に、最新型の体感ゲーム機をプレイしたところから話は始まる。

現実のようにリアルなゲーム世界では、誰とも出会わない。やたらと広い建物をうろうろすると、ところどころに謎が用意されていた。謎を解き開いた扉から先へ進むと、ハンドガンを入手。さらにその先へ進むと、いきなりゾンビが襲いかかってきた!!

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▲建物のあちこちにカギのかかった扉が。その近くには謎が設置されており、みごと解くと扉が開くのだ。

▲進んだ先の部屋では、不思議な幻想が現れることも。特に実害はないようだが、この場所を通ると主人公は夢のような映像を見てしまう。いったいどういう意味があるのだろう。

『灰色の嘘』で導入されているリアルタイムアクションとは、残弾数や体力を確認する画面を開いている間でも敵が移動し、遠慮なく攻撃してくるシステムのこと。入手したハンドガンで攻撃できるが、一度に装填可能なのは6発まで。1発では倒れないので、ゾンビ1体あたり3発以上打ち込む必要がある。このことからも、かなりシビアな残弾管理の必要があると分かるだろう。

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▲スマートフォン入手後、“X”キーでメニューを呼び出しできる。体力は「良好」「危険」「瀕死」と表示が変わり、回復薬で全快可能。ハンドガン内の残弾数や手持ちの弾数もここでチェック。

6発使い切ってしまうと、発射してもカチカチ言うだけで弾が発射されなくなる。ここでメニューを開いてリロードを行う。リロードには数秒かかり、その間は立ち止まったままになる。一度に装填できる6発をうまく使い、安全な場所でこまめにリロードを行うようにしよう。敵は一度倒すと復活することはないので、1体倒すごとに安全な別の部屋に避難する手も使える。

ちなみに、ハンドガンの弾は貫通タイプ。もしゾンビが一直線に並んでいる場合、弾を撃ち込むと弾道上のすべてのゾンビにダメージを与えられる。弾丸は少量ずつしか手に入らないので、有効な弾丸節約術なのだ。

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▲建物内にある自動販売機では、コインを使って買い物ができる。銃弾、回復薬のほか、ハンドガンの強化も可能なのだ。

ゲーム中に入手するコインが貯まれば、建物内にある自動販売機で弾丸を購入できる。ただし、コインは謎解きのヒントをもらったり、ハンドガンの強化に使ったりと、ゲーム内で重要なアイテム。セーブする際にも1枚消費するので、節約して使っていこう。

もしコインが足りない場合には「クラゲ金融」への電話一本で借りられるが、金利が法外という噂なので慎重に判断してほしい。

●実績全クリアで最悪難易度の「あくむ」モードをプレイ可能

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▲「じっせき」はスタート時のメニューから確認できる。プレイ中に実績が解除されると、画面左下に表示されるぞ。

このゲームでは、プレイ中に特定の行動をすることで解除される「じっせき」(実績)が用意されている。エンディング4種類を含む20の実績をすべて獲得すると、ゲーム難易度が「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3つに、「あくむ」が加わる。

難易度「あくむ」では、ゲーム中では10回近くゾンビの攻撃に耐えられる主人公が、なんと1回の攻撃で死んでしまう。腕に覚えがある人は、ぜひ難易度「あくむ」でプレイしてみよう!

ニコニコ自作ゲームフェス3とは

“ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。3回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス3”は、2013年12月13日(金)から2014年3月2日(日)の間で作品募集を行ない、4月上旬に受賞者を発表するぞ。4月26・27日に“ニコニコ超会議”の会場にて展示を行う予定だ。

ライター:市川美穂