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【ウォッチドッグス】日本語版のシナリオ翻訳監修を担当したクリエイター佐藤大氏に聞く!<後編>
公開日時:2014-06-13 13:00:00
■インタビューはさらに続きます!†
皆さん、こんにちは。週刊ファミ通『ウォッチドッグス』担当のヘイ昇平です。前回から引き続き、『ウォッチドッグス』日本語版のシナリオ翻訳監修を担当した、クリエイターの佐藤大(さとう だい)さんへのインタビューを掲載します。
2012年のE3でサプライズ発表された『ウォッチドッグス』から、ご自身が手掛けた『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズや『東のエデン』などの作品と共鳴し合うものを感じていたという佐藤さん。最初は純粋にファン目線でゲームの情報を追っていたものの、ふとしたきっかけから日本語版の翻訳監修として開発に携わることになったそうです。インタビューの後編では、ソフトの開発作業を終えた佐藤さんが、今度はソフトをPRするためにどんなことをしたのか聞いてみました。初回特典版についてくる超濃密なブックレットの制作秘話や、動画レポーターとしての活動など、ここでしか読めない情報が盛りだくさんですよ!
佐藤 大(さとう だい)
放送構成・作詞の分野でキャリアをスタートし、ゲーム業界、音楽業界での活動を経て、現在はアニメーションの脚本執筆を中心に、さまざまなメディアでの企画、脚本などを手掛けている。脚本代表作は、『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズや『カウボーイビバップ』、『交響詩篇エウレカセブン』など。2014年7月から佐藤氏が脚本参加している『スペース☆ダンディ』シーズン2が放送予定。また、Webラジオblock.fmのトーク番組“don’t_blink”(毎月第二火曜更新)でも、m-floの☆Taku Takahashi氏とともにMCを務めている。
——日本語版『ウォッチドッグス』の翻訳監修の作業が終わり、ソフトの宣伝を担当することになった佐藤さんですが、手始めに何をしたのでしょうか?
佐藤大氏(以下、佐藤) 各メディアで宣伝するのはもちろんですが、まずはそれ自体が引きになるような初回生産分特典を制作することにしました。ユービーアイソフト本社から『ウォッチドッグス』のアートブックを取り寄せて、そこに日本版オリジナルとなる12ページを追加したのが、“Japan Edition”というブックレットです。僕が総編集を担当しています。
——その追加された12ページがすごく濃い内容になっているのだとか。
佐藤 はい。追加ページでは、イラストレーターやミュージシャンなど、いろいろなジャンルで活躍している日本人の方に『ウォッチドッグス』の魅力を紹介してもらいました。僕がSNSなどでつながっている知り合いだったり、ユービーアイソフトさんとつき合いのある方などにお声掛けさせてもらった恰好です。
——それぞれのページの内容を少しだけ教えてもらえませんか?
佐藤 イラストレーターのコザキユースケさんと、マンガ『ULTRAMAN ウルトラマン』を手掛ける清水栄一さんと下口智裕さんのコンビには『ウォッチドッグス』のイラストを描いてもらったのですが、どちらも自由な発想に基づいた内容となってますので、見てからのお楽しみということで(笑)。イラストレーターの寺田克也さんには、絵描きではなくコアなゲーマーの立場から見た『ウォッチドッグス』について語ってもらいました。話が盛り上がりすぎて予定通りの時間で終わらず、延長戦として居酒屋に持ち越すことになりましたが(笑)。
——どのページもかなりフリーダムな内容なのですね(笑)。
佐藤 ええ、でもクオリティーはしっかり保たれているのでご安心ください。あとはm-floの☆Taku Takahashiさんにもお話を聞いています。『ウォッチドッグス』でクルマに乗るとカーステレオで古今東西さまざまな楽曲が流れるのですが、☆Takuさんはその音楽が持つ意味合いについて説明してくれました。また、編集者であり、気鋭の社会評論家でもある速水健朗さんには、シカゴにまつわるインフラ論を解説してもらっています。これまでゲームの世界で電気や水道などのインフラが取り沙汰されることはあまりなかったのですが、『ウォッチドッグス』ではインフラそのものがテーマになっています。そんな興味深いポイントを都市論を絡めて語ってくれました。そして、目玉は何と言っても『攻殻機動隊』シリーズや『東のエデン』の監督である神山健治さんに出演していただいたことでしょうか。僕自身、『ウォッチドッグス』と『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズや『東のエデン』には共鳴し合う何かを感じていたので、ぜひ神山さんの言葉を聞きたかったんです。今回の企画を神山さんに受けてもらえるように、お会いするたびに「スマートフォンで世界を変えるゲームがあることをご存じですか?」とアピールしたりしていました(笑)。
——(笑)。佐藤さんの地道な努力が実を結んで、神山さんのご出演が決まったのですね。
佐藤 おかげさまで、かなり濃い話を聞くことができました。神山さんのお話は、ご自分の作品と『ウォッチドッグス』との共通点に始まり、さらにはエンターテインメント作品にまつわる道徳観にまで発展していきました。非常に興味深い話だったので、ぜひ多くの方に読んでもらいたいです。こうしてブックレットに追加したページはいずれも充実した内容になり、『ウォッチドッグス』の魅力を掘り下げることができたのかな、と思います。
——それは楽しみです。佐藤さんは、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが運営するコミュニティサイト“プレコミュ”の公式ブログでも、『ウォッチドッグス』の動画レポーターとしてご出演されていますね。
佐藤 始めにユービーアイソフトさんが僕を『ウォッチドッグス』のシカゴプレスツアーに招待してくれたのですが、ちょうど同じタイミングでソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアさんからユービーアイソフトさんに対して「プレコミュで『ウォッチドッグス』を取り扱いたい」というオファーがあったようです。「だったら合わせましょう」と話が進み、僕が公式ブログの動画レポーターを担当させてもらうことになったのです。
——不思議な巡り合わせで話がまとまったのですね。実際にシカゴを訪れてみていかがでしたか?
佐藤 僕は事前に『ウォッチドッグス』をプレイしていたので、とても不思議な感覚を味わうことになりました。初めてシカゴを訪れたはずなのに、「この角を曲がるとランドマークが見えるんだぜ」だとか、不思議と頭の中にシカゴのマップが浮かんでくるのです。あと、現地に行ってわかったのが、市内を走る高架鉄道はゲームと違って、ものすごくうるさい(笑)。電車が頭上を通過すると、会話もできないほどで。
——リアルに再現された部分とゲーム的にデフォルメされた部分を肌で感じられたわけですね。
佐藤 『ウォッチドッグス』はシカゴの街が実名でそのまま登場する点がすごいと思います。オープンワールドタイプのゲームは大抵の場合、都市の名称を変えていたりしますよね? ニューヨークっぽいけどちょっと違うとか。このゲームの場合はそうじゃなくて、街並の様子とランドマークをきちんと再現しているんです。そういう楽しみかたは『ウォッチドッグス』ならではかなと。あとは本作のユニークな点と言えば、ゲーム中に登場する壁や建物に描かれているグラフィティなどのストリートアートの作り込みですね。シカゴプレスツアーの後、カナダ・モントリオールにあるユービーアイソフトのモントリオールスタジオを訪れたのですが、街中にアートとしてグラフィティやタギングが描かれているんです。そんな街で暮らしているアートディレクターやグラフィックデザイナーだからこそ、『ウォッチドッグス』のストリートアートも手を抜かずに作り込んでいるんじゃないかな、と感じました。
——佐藤さんは脚本家としてセリフで物語を構築していますが、『ウォッチドッグス』のアートに“物言わぬ物語”に感じるものがあったわけですね。
佐藤 はい。『ウォッチドッグス』はグラフィックだけでなく、ユーザーインターフェースに至るまで気を配っていて、統一感のある世界観に浸ることができます。ユーザーの皆さんには、ちょっと足を止めてそういう細かい部分まで楽しんでもらえるとうれしいですね。
——ところで、海外では『ウォッチドッグス』が先行発売され、1週間で400万本以上のセールスを記録しましたが、このニュースを聞いて佐藤さんはどう思いましたか?
佐藤 素直にうれしいですね! ふだんは海外産ゲームのレビューや売上のニュースを、他人事のような感じで楽しんでいたのですが、『ウォッチドッグス』のときは評価がものすご〜く気になってしまいました(笑)。でも、こうしてたくさんの方に受け入れられたのが、ホントよかったです。『アサシン クリード』シリーズ作品よりも早いペースで売れているんでしたっけ? ……それはスゴイ!
——海外では売れ行き好調とのことで、まずは第一段階クリアーですね。日本市場でも期待しています。
佐藤 そうですね。海外産のゲームファンにはもちろん、TPSやオープンワールド好きな方には満足してもらえるはず。ストーリー的には、SFっぽい部分に構える人もいるかもしれませんが、本作は“5分後の未来”をリアルに描いた作品なので、きっと幅広い層の方が楽しめると思います。洋画や海外ドラマを楽しむような感覚で気軽にゲームをプレイしてみてほしいですね。日本でもヒットすることを祈っています!
——最後に、アニメ脚本家としての立場から、『ウォッチドッグス』のシナリオの楽しみかたを教えてもらえませんか?
佐藤 『ウォッチドッグス』は、シカゴに生きる人々の暮らしの一部を切り取った作品であり、ストーリーですべての答えを描こうとしていません。『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズや『東のエデン』、『交響詩篇エウレカセブン』でもそうでしたが、作中で明確な答えを出さず、観てくれた人の中にそれぞれの答えがある、そんな作品があってもいいと僕は思います。海外のレビューを見ていると、ゲームのストーリーに結論を求めている人はけっこうきびしめの点数をつける傾向があります。そうではなくて、疑問が生じたら自分の中で答えを出して楽しんでほしいですね。『ウォッチドッグス』は海外でも大きな成功を収めたので、“新しい答え”を提示するスピンアウトや続編などが登場する可能性もありそうです。個人的にはそんな作品があれば、また関わることができたらうれしいな、と思いますね。
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