『ゴーストリコン ワイルドランズ』ガンマニアに聞く、“常軌を逸した”武器のカスタマイズ要素

特設サイトならではの『ゴーストリコン ワイルドランズ』の深掘り記事をお届け。今回は、ガンマニアに武器のカスタマイズ要素を聞いてみました。
文:古屋陽一 撮影:和田貴光

公開日時:2017-04-04 19:00:00

銃の種類とカスタマイズのパーツがとにかくすごい

 「『ゴーストリコン ワイルドランズ』は武器のカスタマイズ要素が楽しい!」という人が、筆者の周囲には多い。実際のところ、武器のカスタマイズ要素の豊富さが大きな魅力である『ゴーストリコン』シリーズにおいても、本作における充実ぶりは際立っている。そもそも、“自分好みにカスタマイズできる”というのは、何によらずゲームの大きな楽しみのひとつではあるわけだが、それが銃器ともなると、なおさらたまらないという人も多いようだ。銃器ということでは、かくいうわたくしも子どものころに44マグナムのモデルガンを買ってもらって(たぶん、『ドーベルマン刑事』の影響)、ニコニコしながら眺めていた記憶がある。筆者にはまるでうかがい知ることができないが、銃器には尽きせぬ魅力があるようだ。

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▲多岐にわたる『ゴーストリコン ワイルドランズ』のカスタマイズ要素。

 そんなことをぼんやりと考えつつ、「銃器に詳しい人に、『ゴーストリコン ワイルドランズ』のカスタマイズ要素の魅力を語ってもらうのはどうだろう?」と思い立ったのが、ソフトが発売されてしばらく経ってから。ゲームのことを違う角度から照らしてみたくなるのが人情というものじゃありませんか。そこで、2、3ツテを頼ってみると、ほどなくして「適任者がいますよ!」との朗報が。そこで、取るものもとりあえず会ってみると、目の前に姿を見せたのは、レオン高田という渋いお方。仲間うちでは冗談交じりに“武器商人”とも呼ばれているというレオン高田さんは、幼少のころからのガンフリークであり、好きが高じていまではサバイバルゲームの主催などもしているという、つまりは重度のガンマニアだ。

 挨拶もそこそこにレオン高田さんは、「『ゴーストリコン ワイルドランズ』って常軌を逸していますよね」とひと言。“常軌を逸している”とは、この場合もちろん褒め言葉なわけだが、熱心なガンマニアにすらこのような表現を使われる『ゴーストリコン ワイルドランズ』っていったい……と思いつつ、『ゴーストリコン ワイルドランズ』のどこが“常軌を逸している”のかを聞いてみたところ、「鉄砲(レオン高田さんはこう表現しているので、以下それに準拠)の種類があきれるほど豊富にあるところですね。とにかく、マニアックな鉄砲がすごく多い。少し笑ってしまったのが、PP19。これはものすごくマニアックなマシンガンで、AKで有名なミハイル・カラシニコフの息子であるビクトル・カラシニコフが開発しているんですよ。これだけのラインアップを見ていると、“これなんかも入っているんだ!”、“へえー、すごいな”という、見る楽しさがありますね。これだけでおかわり三杯はいけます(笑)」とのこと。まさに銃器の図鑑といったところだが、図鑑があるなら集めたくなるのが人情というもので……。レオン高田さんの銃器に関する蘊蓄に耳を傾けながら、『ゴーストリコン ワイルドランズ』をプレイするのは楽しそうではある。

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▲PP19

 さらにレオン高田さんがうなってしまったのがカスタマイズで、「これはねえ、もうクレイジーですよ(笑)」と思わず笑ってしまうほど。たしかに『ゴーストリコン ワイルドランズ』には豊富なアタッチメントが用意されており、スコープやトリガー、マガジン、バレル、マズルなど、全部で100種類以上あるという。筆者が最初にこれを見たとき、「これは自分の手には負えないかも……」と遠い目をしてしまったのは内緒にしておきたいことだが、好きな人にはとにかくたまらないようで、「これはハマりますよ」とレオン高田さん。。レオン高田さんのようなこだわりのある人にとって、『ゴーストリコン ワイルドランズ』のカスタマイズ要素はたまらなく魅力的なようで、「鉄砲をリアルに改造するのと同じ感覚で楽しめる」とレオン高田さん。

 なお、こちらはガンスミスではないが、レオン高田さんが何気に賞賛するのが衣装の多さ。さらには、「実際の兵隊さんたちも、けっこうこういう感じで戦っていたりするんです」とのことで、リアリティー面からも申し分はないようだ。ちなみに、これはちょっとしたマメ情報だが、実際の兵士も髭を生やしている人がけっこう多いのだという。これは輪郭をわからなくするための措置で、戦場で写真を捉えて個人を特定されて、あとで襲われたりする危険を避けるための対策だ。「ああ、俺のキャラクターは髭生やしてないなあ……」とか思ったり。

そもそも、人はなぜ銃器に心惹かれるのであろうか……

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▲レオン高田氏に銃器の魅力をいろいろと聞いてみた。

 さて、以上がガンマニアであるレオン高田さんによる『ゴーストリコン ワイルドランズ』における武器のカスタマイズがいかに“常軌を逸している”かというお話。一方で、これは少し蛇足になるかもしれないけれども、個人的にふと思ったのが、「なぜ、人は多かれ少なかれ銃器が好きなのであろうか?」というもの。レオン高田さんの例はさすがに少し極端だとしても、誰しも多かれ少なかれ銃器に魅せられる傾向があるのは間違いないようだ。筆者自身、冒頭で述べたとおり、子どものころは銃が大好きで、「かっこいいなあ~」と飽かず眺めていたものである。考えてみると、わたくしが年甲斐もなくライダーベルトとかを猛烈に欲しくなってしまうのも、根っこの部分では同じなのかなあ……と推察しつつ、そのへんは今回の記事とは関係ないので、スルーするとして、レオン高田さんの例をモデルケースに、“人はなぜ銃器が好きか?”という点を少し考えてみたい。

 そもそもレオン高田さんが銃を好きになったのは、9~10歳のころとのこと。「いまとなってみるともう思い出せないのですが、何かの映画の影響だったかと思います」という。その後、モデルガンを集めたり、プラモデルを作ったりして、しまいには自分でパーツを作り始めるくらいになり、どんどん銃にハマっていったようだ。レオン高田さんがさらに銃にハマるきっかけを作ったのは、高校時代にヨーロッパに滞在していたことが大きいのかもしれない。彼の地で銃に接する機会があり、銃の扱いに長けていくのと軌を一にする形で、銃のさらなる魅力に目覚めていったようだ。

 では、なぜレオン高田さんは銃に心惹かれたのか? それは“機能美”だと、レオン高田さんは即答する。ひとつの明確な“目的”に向けて、いかにストレートに追求しているか……。言ってみれば、機能美の美学といったところだろうか。美学ということに関していえば、構造の美学も銃の魅力だとレオン高田さんは指摘する。「AというパーツはBとCのパーツにどのような影響を与えて、それによってどのような動きをひき起こすのか……というのを見るのが好きでした」とレオン高田さん。なんとなく解釈すると、“複数のパーツを、ひとつの目的のために追求する構造美と機能美”というのが、銃の魅力なのかと思われる。まあ、そんなことはあまり考えずとも、とにかくかっこいいのが銃なのだろうけれども。ちなみに機能美ということでいうと、“拡張性”も銃の魅力のようで、そんなところは『ゴーストリコン ワイルドランズ』のカスタマイズにマッチしているのかもしれない。

 一方で、レオン高田さんは、10代後半からサバイバルゲームに取り組むようになり、20代のころは全国大会で2位になるほどの実力の持ち主。サバイバルゲームに興味を持つのは、銃器好きの属性ということで言えば素直に納得できるが、レオン高田さんの場合は、もっと明確な理由付けがあって、「銃はソフトウェアなんですけど、ソフトウェアがよくてもハードウェアがすぐれていないと話しにならないので、ハードウェアを磨かないとダメだと思ったんです」というからおもしろい。ハードウェアは人間、つまりこの場合は自分を指すわけだが、銃の魅力をフルに活かすためには、ハードウェア(自分)を磨かないといけないという発想だ。

 己を磨いて機能美を実践するとは、どこまで銃好きの発想なんだろう……という感じだが、レオン高田さんはハードウェアを磨くために、とにかくいろいろな人と戦って、オールマイティーに対応できるように自身を研ぎすませていったという。なんとなくコツを聞いてみると、「自分らしく戦えるポジションを見つけること」とレオン高田さん。たとえば、サッカーにも得意なボジションがあるように、サバイバルゲームにも自分にあったタイプがある。当然相手にも得意な戦いかたがあるわけで、いかに自分が得意なパターンで相手を倒すか……がカギだという。

 さらにレオン高田さんは、「これはスポーツでもそうですが、サバイバルゲームは性格の悪いヤツが勝つんですよ」と言い切る。「人の嫌がることを簡単に思いつくヤツが勝つ」という。たとえば、レオン高田さんは、正面から相対するとリスクが高まるので、絶対に真正面では撃ち合わずに、最低でも45度~90度の角度をつけるのだという。と、ここでふと気づいたのだが、このへんはゲームでも応用可能かもしれない。

 ちなみに、これだけ銃器の機能美が好きならば、率直な疑問として傭兵になるという選択肢もあったような気もするのだが、そんな疑問を率直にぶつけてみると、「実弾を撃つと、そんな気はなくなります」とレオン高田さん。「これ本当に死ぬというのがよくわかるので……」という。あくまでスポーツやレジャーとして楽しむからこそのサバイバルゲームであるというわけで、まあ愚問でした。

 なお、サバイバルゲームは“審判のいないスポーツ”とも言われており、撃たれたかどうかは自己申告。その点はゴルフと共通だが、“人を傷つけてはいけない”という点においてサバイバルゲームは極めて厳格で、何重にも安全性が保たれているようだ。レオン高田さん自身、長いサバイバルゲーム歴の中で、「いままで誤射をしたことは1回もないです」という。

銃器マニアをもうならせるデキ

 と、ここまでレオン高田さんのお話を聞いてきて、ふと気づいたことがある。それは『ゴーストリコン ワイルドランズ』にはレオン高田さんが魅力に感じる要素がてんこ盛りだということ。実際のところ、レオン高田さん自身『ゴーストリコン ワイルドランズ』は取り掛かったばかりらしいが、「おもしろくて、相当やり込むと思いますね。眠れなくなりそうです(笑)」と期待値も高い様子。実際のところ、『ゴーストリコン ワイルドランズ』は、銃器の魅力の本質をしっかりと見据えて、レオン高田さんのような銃器フリークにも楽しんでもらえるようなクオリティーの確保を目標に据えていたはずで、レオン高田さんのうれしそうな顔を見ていると、そのへんの目標はあっさりとクリアーできているということなのだろう。『ゴーストリコン ワイルドランズ』で銃器の魅力にどっぷりと浸ってみてください。

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この記事の個別URL

『ゴーストリコン ワイルドランズ』特設サイト “ボリビアの麻薬カルテル“サンタ・ブランカ”を解体せよ”

『ゴーストリコン ワイルドランズ』公式サイト

●GAME SPEC

タイトル:ゴーストリコン ワイルドランズ
プラットフォーム:プレイステーション4、Xbox One、PC
メーカー:ユービーアイソフト
発売日:2017年3月9日発売
価格:各8400円[税抜](各9072円[税込])
ジャンル:TPS
CERO:18歳以上対象

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