“ニコニコ自作ゲームフェス5 セレクション”は、ニコニコ動画で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス5”の参加作品の中から、ゲームフェス運営が選んだゲームを毎週紹介していくコーナー。
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“ニコニコ自作ゲームフェス5”について
ゲームを作るひと、遊ぶひと、二次創作をするひとをつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指すお祭り企画。
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制作から実況まで、“面白い”ゲームの秘密がいっぱい!「第2回 ニコニコ自作ゲームフェス クリエイターズ勉強会」
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制作から実況まで、“面白い”ゲームの秘密がいっぱい!「第2回 ニコニコ自作ゲームフェス クリエイターズ勉強会」
2015-03-07 18:00:00
2015年3月1日、株式会社ドワンゴのセミナールームにて「第2回 ニコニコ自作ゲームフェス クリエイターズ勉強会」が開催された。自作ゲームクリエイターに向けた勉強会で、高校生から3、40代まで意欲的な参加者たちが集まった。
本勉強会では、特別講師として株式会社スパイク・チュンソフト代表取締役会長の中村光一さんが招かれた。中村さんは、高校生の時に自作ゲーム『ドアドア』をコンテストに応募・受賞し、それがきっかけとなり『ドラゴンクエスト』をはじめとする伝説のゲームを手がけることになったゲームクリエイターだ。また、「自作ゲームを実況し、面白さを探る」ことも本勉強会のテーマ。そこで、ゲーム実況でおなじみのスナザメさん、ぬどんさんにもゲストとして駆けつけて頂いた。勉強会の模様は生放送にて配信も行われた。
第2回 ニコニコ自作ゲームフェス クリエイターズ勉強会
なおオープニングのあとは、「10秒自己紹介」でスタート。“名前、作ってるゲーム、一言コメント”を10秒内で話すというもの。突然の指示に参加者がざわついたことはもちろんだが、堅苦しくなりすぎず、ルールの中で伝えていくのがまさにゲーム的。参加者同士がお互いを把握するだけでなく、生放送で視聴している人も楽しめた。
■中村光一さんによるクリエイター裏話
勉強会本編は、中村光一さんによる講演から始まった。ゲームクリエイターという職業で生きていこうと思ったエピソードや、『ドアドア』『ドラゴンクエスト』の開発時の裏話が披露された。この裏話では『ドラゴンクエストIV』で採用された「戦闘時のAI」についても触れられ、「敵にいちばん効率よくダメージを与える方法から少しだけ引いた」アルゴリズムだ、ということが明かされた。ニコニコ生放送(タイムシフトはこちら)では、「クリフトがザラキを連発する理由を知りたい」というコメントもあったが、このアルゴリズムならば納得、と、会場の笑いを誘った。
▲『ドラゴンクエスト』や『弟切草』、『不思議のダンジョン』といった名作を手がけたことでも知られる。 |
また、ゲーム作りについてアイデアの活かし方、業界に関すること、ストレス解消法までさまざまな質問が飛び出してきた。ちょっと気になる話もあれば、なかなかヘビーな業界話も……。
“ゲームが好き、作ることが好き、という以外にプロの適正は?”、という質問に対しては、「どの業界でもそうですが、チーム制作なので、コミュニケーション力が重要」と回答。チーム全体のモチベーションを上げる方法としては、過去の経験として「パッケージ内にアンケートハガキが封入されていたので、楽しんで遊んでくれた人のコメントを共有する環境を用意した」を挙げていた。
▲トイプードルを飼っている犬派。ストレス解消法は「新しい何かを始めること」で、カメラ撮影などを楽しんでいるとのこと |
“一緒に仕事をしたいと思うクリエイターはどんな人?”という問いには「自分とは違う発想を持っている、アイデアの引き出しがいっぱいある人」と答えていた中村さん。
まとめの質問として登場したのは、“ずばり、ゲームの面白さってなんなんでしょうか!”。「わかったら苦労しないですよ!」と笑いを誘いつつも、「“ドミソ”という和音が気持ちいいことは時代や国が違っても変わらないように、人間の本能に基づいた“面白さ”がゲームにもあると思います。ふだん面白いと思ったものを、なぜ面白いのか、どこが面白いのかということを分析するクセをつけておくと良いと思います」と伝え、自作ゲームクリエイターに一言「新しいアイデアと面白さを期待しています」と締めくくった。
▲メモを取るなど、中村さんの話を真剣に聞く参加者たち |
■「ゲーム実況」文化から、「面白いゲーム」制作へのヒントを見出す!?
続いては、「ゲーム実況をやってみよう」。
まずは自作ゲーム『運べ!荷物!』を参加者がひととおり体験し、感想を書いていく。何が面白いのか、どんな気持ちになったのか。
ゲスト実況主からは、物理演算を使ったゲームである点が挙がった。
「結果までの過程があるので、ヘンなことが起きてもなんだか納得いく」とぬどんさん。ゲームの面白さの本質を視聴者に見せていく実況主ならでは。スナザメさんも、「さっきよりうまくなっているという実感が得られること。実況する立場としては、絶えずリアクションができるのがいい」との感想。
そして、参加者のうち2名が実際に実況の体験へ。ほかの参加者は前のほうに集まり、リアル視聴&コメントをする。そのあと参加者たちは、ゲームを見て何が面白かったかを書き出す。というのも、ゲーム実況に必要なのは作り手の視点での“解説”とはまた別のもの。“ゲームを見る面白さ”について考えていくわけだ。
▲オーバーな動きで進むトラック。その手応えを視聴者にどう伝えるかが、実況者としての腕の見せどころ |
次は、同じゲーム実況動画を3回視聴し比較する。1回目は音・コメント無し、2回目はコメントあり、最後に実況の音声・コメントありで視聴。視聴者との“共感”がゲーム実況を見る面白さのキーワードであることを、わかりやすくしたものだ。そのほか、同じゲームでも実況者の個性によって異なった面白さが生まれる点や、どこを声に出すのか、どうやったら視聴者により伝わるかといった点についても、実況の技術に関わるところとして解説された。
もちろん、前提としては“面白いゲーム”ということが一番。実況主の2人もとにかく「まずはゲームが面白いから、みんなが実況してみようという気になるし、見てもらいたいと思うようになる」と話す。繰り返しプレイする楽しさがあったり、自分もやってみようと思えたり。また、ゲームの進行上のどの部分から見ても“わかりやすい”と思えるゲームが、ゲーム実況としても手応えがあったという。
ゲーム実況に向いたゲームを作れと言うわけではないが、ゲーム実況は、制作したゲームを知ってもらうきっかけともなる。実況主の生の意見を聞くことができ、“見る”ことが楽しまれる部分を意識することも、作り手にとって収穫となったようだ。
■自分のゲームは「伝わる」か?長所を伸ばす10分品評会
いよいよ最後は、「お互いにゲームを見せよう」。
3~6名のチームに分かれ、参加者が持参した自作ゲームを作者以外が10分間プレイする。作者は基本的に「黙って見守る」ことがルール。ところが、「説明したいことがたくさんある」ともらす作者や、内容をつい詳しく話してしまっている作者の姿も……。
「10分は短いでしょうが、多くのお客様は10分プレイしてくれない。10分で伝わらないものは伝わらないと思ったほうがいい」という厳しい言葉に、参加者は身の引き締まる思いだったかもしれない。
▲ニコ生で放送されたもの以外にも、チームごとに様々なゲームが展開 |
次は、プレイした人が3分間で長所をできるだけたくさん書き出す。そしてそのなかから1番か2番に重要だと思う要素について、その長所を伸ばすにはどうしたら良いかをみんなで話し合い、最後に作者がその内容をまとめるという流れ。
▲制作経験もあってか、短時間でもたくさんの長所が書き出される |
▲持参するゲームはパソコンで遊ぶもののほか、アナログゲームを持参する参加者も |
参加者の1人に「自分たちが作ったゲームを実際に遊んでいるところを直接見たことがありますか?」と尋ねると、「実況動画とかは見たことがあるんですが、目の前で遊んでもらうのは初めて。なんだか申し訳なくて仕方ないです」と苦笑。勉強会ならではの貴重な経験になったようだ。
■自作ゲームクリエイターにとっていい刺激の場に
自分たちで作っているだけではなかなかわからない概念的な部分も、決められた手順で体験したり書き出したりすることで理解できた勉強会。堅苦しいものではなく、参加者には女性の姿も多く見られ、和気あいあいとした雰囲気だった。ユニークな自己紹介や互いの意見を交換し合う時間もあって、じょじょに打ち解け、互いに声を掛けたり名刺交換を行う姿があちこちで見られた。「ふだん話せない自作ゲームクリエイターさんと話ができた、お互いのゲームに触れて意見交換ができてよかった」という感想が多数。モチベーションも上がったに違いない。
ニコ生の視聴者も、今回の勉強会で「自分もゲームを作ってみたい」と感じた人は少なくない様子。はたまた作ることは難しくても、ゲーム実況等、何かに挑戦してみたくなったという人もいるかも。
まずは今回の勉強会で使用されたゲームを遊んでみたり、実況動画を見てみるのも良さそうだ。
勉強会は今回が2回目。クリエイターのための真面目な勉強会だが、「ニコニコ自作ゲームフェス」そのものはクリエイターからプレイヤーまで皆をつなぐお祭り(まさしく“フェス”)だ。
現在「ニコニコ自作ゲームフェス5」が開催中なので、作って投稿するだけではなく“面白い”ゲームを発掘してみるなど、このお祭りにぜひ足を運んでみよう。
■ニコニコ自作ゲームフェスとは
ニコニコ自作ゲームフェスは、「ゲームを作るひと」「遊ぶひと」「二次創作をするひと」をつなぎ、個人で作ったゲームがより多くの人にプレイされるようになることを目指すお祭りです。
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